三豊市議会公共施設再配置特別委員会の視察研修3件目の報告は、栃木県宇都宮市における研修です。
宇都宮市は東京から北へ100㎞、栃木県の中央に位置している。平成19年に2町と合併し、面積416.85㎢となり、人口においては北関東初の50万都市となった。恵まれた立地と交通条件がそろっているとともに、本年8月には芳賀・宇都宮LRTが開業し、首都圏の北の拠点都市として政治・経済・文化の中心地として、さらなる発展を続けている。
『予定価格をマイナスとする公有財産売り払いについて』に関して、宇都宮市理財部管財課財産グループより説明をいただいた。
本年6月に、予定価格をマイナスとする建物等解体条件付き私有地公売(一般競争入札)を実施した。
【入札の概要】 (1)建物等解体付き一般競争入札:旧河内地域自治センター跡地を、宅地分譲に関する知識、実績等を有している民間事業者に現状有姿のまま売却し、併せて、売却用地内に残置された建築物(建物、地下埋設物等)を解体・撤去していただく (2)土地利用条件:住宅地開発(宅地分譲)を土地利用条件とする (3)予定価格(公表): ●予定価格以上で最高額で入札したものと契約 ●土地売却価格から建物等解体撤去費を差し引いた金額を予定価格とする ●土地の評価額から建物等解体費用を差し引いた金額を予定価格として設定
【売却物件】 2区画計6,314.09㎡の旧河内地域自治センター跡地であり、施設(建物・工作物・埋設物等)が残存されている。延べ床面積3,334㎡(旧河内地域自治センター本館・別館西館、旧河内土地改良区事務所事務所棟・倉庫)
【売却条件】 (1)用途の指定:売却後の物件の用途は「宅地分譲」 (2)本物件の引き渡し:買受人が建築物等の解体及び撤去を行うという条件での売却のため、現状有姿のまま引き渡す 他
【予定価格】 土地価格103,100,000円、建物解体撤去費128,315,000円であるため、予定価格は▲25,215,000円のマイナスである。入札額における最低額及び限度額は、土地価格は表示額を最低額とし、建物解体撤去費用は、表示額を限度額として超えないこと。
【買戻特約】 買戻特約期間は、契約締結日から5年とする。
令和5年6月に4社の応札があり、その結果トヨタウッドユーホームが落札した。 入札金額:95,882,000円 土地売却価格:178,382,000円 建物等解体撤去費用:82,500,000円 (入札金額=土地売却価格-建物等解体撤去費用)
市の試算では22戸程度の分譲数を見込んでいたが、29戸の分譲計画提案であり、プラス入札であっても住宅地開発による分譲事業が可能で、利益が出るとの判断であった。
議会は、『宇都宮市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例』第3条2項:土地について1件5,000㎡以上のもので、かつ、買い入れ又は売払いの予定価格が6,000万円異様である場合 を適用し上程され可決した。
宇都宮市は、LRTを基軸とした公共交通ネットワークの構築によるコンパクトシティとして、全国のモデルとなるまちづくりを進めています。翻って三豊市に目を戻すと、縮小のまちづくりを発展的に展開していかなくてはならない現実があります。公共財産の有効な処分には、まちづくり全体を見渡した分析による縮小と発展の発想による、分析と着手が求められることを感じた研修でした。