建設経済常任委員会視察研修報告・3

三豊市議会建設経済常任委員会視察研修の3か所目は、熊本県菊池市を拠点に、農業の6次産業化で事業展開する、農業生産法人(株)コッコファームです。

(株)コッコファームは、養鶏採卵業界では8万羽という小規模な事業者でありながら、生産・加工・流通・販売の6次産業化で、売上高23億円、従業員160人の地域になくてはならない企業となっています。毎日産れる4t(6万個)の卵を、ほとんど自社の直売所である 【たまご庵】 で販売するという、新しいビジネスモデルを確立しています。

【たまご庵】 は、物産館・レストラン・菓子工房・バナナ館・インキュベーションオフィス・中央ホールなどで構成する地域のコミュニティー複合施設として、菊池市のみならず熊本市や福岡方面から、年間94万人を集客しています。

物産館では、「朝取りたまご」をはじめ一羽丸ごとの「紅(こう)どりの蒸し焼き」や「たまごサンド」「たまご太巻」、さらに、地元とれたての野菜・果物などを販売しています。

レストランと菓子工房では、「親子丼」や「デミソースオムライス」のほか、「卵白シフォンケーキ」「らんらんロール」「たまごシュークリーム」など、自社生産の卵と鶏肉の風味抜群で、リピート客が多く来店しています。

バナナ館では、コッコの鶏のの発行鶏糞を使用したバナナを栽培しており、オーナー制度で幼稚園や団体の皆さんに人気を博しています。

インキュベーションオフィスは、貸しオフィスが12室あり起業家育成支援の環境が整っています。

中央ホールは、地域交流スペースとして趣味や伝統芸能の発表の場として利用されています。

このような多角化を支えるのが農産加工室です。ここでは60歳以上でないと採用しないというルールがあり、人生経験を重ねた人であればこそ発揮できる力を、地域雇用に活かしています。コッコファームの創業者である松岡現会長が掲げたビジョンは、『都市と農村の交流』 『農村の未来』 『地域の未来』 『環境の未来』 の4つのテーマでした。農業生産法人として、地に足をつけた6次産業化によって、一歩一歩築き上げてきた未来がここにありました。

父から受け継いだ採卵だけの赤字の養鶏場を、長男である現会長のリーダーシップのもと、財務の次男、製造の三男の三兄弟が人生をかけ協力して築き上げてきた(株)コッコファームに、事業とは夢と情熱であることを思い知らされました。付加価値を高める農業経営の6次産業化のシーズは、あきらめない人の足元にあるのです。

以上で、3回にわたる建設経済常任委員会視察研修の報告を終わります。

建設経済常任委員会視察研修報告・2

建設経済常任委員会視察研修の2か所目の訪問先は、大分県日田市です。合併以来の案件である水道料金統一を、いかに取り組んだのかの実践例を学ぶことが目的です。

日田市は「天領ひた」 「水郷ひた」と称され、古くから北部九州の政治経済の要衝として栄えた、歴史と伝統のあるまちです。平成17年3月に1市2町3村の市町村合併により、人口70,000人、面積666.19k㎡となっており、現在も変わらず、地域の中核都市となっています。

合併に伴い、上水道1、簡易水道55、給水施設7、飲用井戸11の計74施設を有することとなりました。合併協定では、『水道料金については、上水道は現行どおり、簡易水道、給水施設は合併後5年間(21年度まで)は現行のとおりとする。その後については、財政状況、維持管理状況、住民の負担公平を勘案しつつ、一本化に向けた検討を新市において行う。』となっています。そのため、平成21年4月に大分大学教授を委員長とする10名の委員による「日田市水道事業運営検討委員会」を発足し、計7回の委員会を開催してきました。

検討の主眼は、  ①利用者の公平な負担・・・38(現在は34)の料金体系と、最大4倍ある料金格差の解消  ②適正な料金水準の確保(財政運営の健全化)・・・毎年簡易水道に対して約3億円(うち基準外約1.7億円)を一般会計から繰り入れしていることの改善と、今後の施設更新費用の増大への対応  が、検討され、平成22年2月に検討委員会より答申が出されました。

【答申の概要】

・簡易水道、給水施設、飲用井戸施設の料金は統一する

・料金体系は「用途別」を「口径別」に統一し、基本水量は8㎥に引き下げる

・料金統一に際しては、上水道料金に合わせる

・料金統一実施時期については平成22年4月からの実施は困難だが、周知後においては早期に統一する必要がある

というものでした。

【付帯事項の主な項目】

・温泉旅館等については、料金統一をすると6倍から10倍になるため、現行の「湯屋用」(加水用)料金を適用することが望ましい

・料金負担の激変緩和のための経過措置を講じる必要がある

・方針決定の際には、早期に市民に周知し理解を得られるよう努力する必要がある

以上の答申に対して内部検討を行い、平成24年4月より複数案をもって計32回の市民説明を行いました。その中で出された意見は、「ゆるやかな経過措置の設定」と「温泉旅館等に対する特別用料金の要望」等でした。これらの意見を検討した結果、経過措置は当初案では5年間であったものを、負担が大きいとの要望で  〔激変緩和策として10年間の期間を設け、上限を設定した一定の上昇率(年/0.25ポイント) によって、11年目から統一料金とする〕こととしました。また、料金変化率が3.5倍以上となる市民の対応として、温泉の加水用途に対しては、湯屋用料金を適用するとともに、一般家庭で口径20㎜の場合は13㎜とみなすこととしました。このような緻密な計画によって、料金統一が市民の理解を得られ、平成25年3月議会において賛成多数で可決・成立し、本年10月から施行されることとなっています。

今回の研修で強く感じたことは、日田というまちの安定感と懐の深さです。市の市民に対するやさしさと気配りある施策等に対し、これに応えようとする市民の姿は、このまちの積み重ねてきた歴史と伝統から育まれた、信頼感なのではないかと感じたのでした。

信頼に足る政治。最高の命題です。

建設経済常任委員会視察研修報告・1

三豊市議会建設経済常任委員会は、7月22日(月)~24日(水)の3日間の視察研修を行いました。行先は、九州地方の大分県豊後大野市と同じく日田市、そして熊本県菊池市に所在する(株)コッコファームの3か所です。

最初の訪問先は大分県豊後大野市で、「インキュベーションファーム事業について」の研修を行いました。豊後大野市は、平成17年3月31日に5町2村が合併し、人口39,000人余、面積603.36k㎡、県土の9.5%を占めており、気候に恵まれ農業を基幹産業として発展してきました。耕作面積は6,350haで、県内でも有数の規模となっています。基幹産業である農業は、農業従事者の減少による耕作放棄地の増加と農業生産額の減少で、衰退の一途をたどってきました。

農業就業人口(販売農家)の推移は、平成22年に4,800人余であるに対し、20年後の平成42年には1,800人余と予測され、高齢化も著しく農業の存続が危ぶまれています。このような状況の中、平成22年度に「第2次豊後大野市農業振興計画」を策定し、戦略作物である夏秋(かしゅう)ピーマンを新規就農者の中心品目に定め、若い農業起業者(新規就農者:I.Uターン)をホームページ等で募集するとともに、後継者確保対策として「インキュベーションファーム」事業に取り組んでいます。

【インキュベーションファーム研修の概要】

①研修作物:全国で4位、西日本一の生産を誇る夏秋ピーマン

②短期体験研修:新規就農希望者に対し、必ず1組2名での1週間程度の短期体験研修を実施

③研修生の受け入れ審査:自己資金(生活費300万円)の確保、就農の熱意、労働力(夫婦等)、地域に協調できる人間性、認定就農者の認定の確実性

④募集人員:毎年3組6名(55歳未満)

⑤研修期間(2年間):<1年目>就農実践基礎研修(7.5a/1組)、農業の基礎知識(土壌・防除・農業簿記) <2年目>農業実践研修(模擬経営15a/1組)、就農準備(就農計画・就農用地・住居の確保)

⑥指導体制:直接指導はJAピーマン部会の里親が担当。栽培技術向上や品質確保は部会が指導。農林業振興公社はインキュベーションファームの指定管理者として、研修の振興・栽培管理補助を行う。

【研修生の支援】

①宿泊施設:2LDK 6戸

②青年就農給付金「準備型」:大分県第1号の研修機関認定(1人当たり150万円/年)

③研修費用の融資:2年間(15万円/月)

【就農の支援】 研修期間中に就農に向けた経営・資金計画を策定。住居や就農用農地の確保。

①ミニハウス作業機械の補助等(青年就農給付金「開始型」受給者は除く)

②空き家リフォーム補助等の住宅補助を創設予定

現在、研修期間H24.1~H25.12の1期研修生と、H25.1~H26.12の2期研修生の6組12名が、『豊後大野市新規就農者技術修得研修施設』における「インキュベーションファーム事業」の研修を受けています。

20aで14tの夏秋ピーマンを収穫し、年収400万円を目指して新規就農農家の育成支援を強力に推進し、実績を着実に重ねています。

『ピュアホワイト』をとったド~

猛暑でカラカラの夏をたくましく成長してきたとうもろこし『ピュアホワイト』を、7月19日(金)に本山と桑山の放課後児童クラブの子どもたちと収穫しました。4月25日に種まきしてから86日目のことです。

2,000粒を1か所に3粒づつ600か所余まいた『ピュアホワイト』は、約600本が結実し、この夏休み初めてのイベントとなりました。相変わらずの好天?の下、汗だくになりながらも子どもたちは元気に収穫し、その場で皮をむきとれとれの生をほおばっていました。期待にたがわず、とうもろこしとは思えない甘さとみずみずしさで、歓声が沸きあがっていました。この日の収穫に参加できなかった友だち用と、自分たちのお持ち帰り用も含めて、完熟の400本ほどを袋に詰め込みました。

大成功です。8月10日(土)の【『ピュアホワイト』収穫祭】には、畑をお借りした筒井さんと三野のおじさんにご案内を差し上げ、感謝を込め暑気払いをします。

収穫まじかの『ピュアホワイト』

とうもろこし『ピュアホワイト』は、種まきしてから約80日になります。例年にない少雨と猛暑の日々でしたが、三野のおじさんの献身的なお世話(《トウモロコシ栽培活動》にはビックリ!)で、ついに収穫まじかとなりました。

7月17日(水)の早朝に見た光景は、前回報告した6月24日の2か月(約60日)時点の様子とは、劇的に変化していました。見事に雄穂(雄花)が刈り取られ、『ピュアホワイト』の実は大地の養分を存分に吸収し、まるまると熟していました。

以心伝心でしょうか。三野のおじさんから「そろそろ収穫できる」との電話が入ってきました。NPO法人青空クラブの運営する本山と桑山の放課後児童クラブの子どもたちと、7月19日(金)13:30ごろから、『ピュアホワイト』の収穫をすることとしました。

栽培地の畑を快く貸してくださった筒井さに感謝するとともに、三野のおじさんの栽培に対する目配り気配りに、頭が下がります。子どもたちには、何もせずに作物が成長し収穫できるのではなく、誰かの力添えがあればこその収穫であることを、しっかりと伝えなければならないと思っています。

それが、大人の仕事です。

1318_00011318_0002  1318_0003

会派視察研修報告・3

北海道における、三豊市民クラブ会派視察研修の最後の訪問地は札幌市です。視察の目的は、三豊市の地域内分権推進拠点の「まちづくり推進隊」にもあたる「札幌市まちづくりセンター」の、機構機能と地域自主運営についてです。

札幌市は人口190万人余の政令指定都市です。「まちづくりセンター」の前身である連絡所は、昭和47年の指定都市移行にともない、住民に身近な行政機関が区役所へ集約されることに対する激変緩和の目的で設置され、住民組織の振興、地区の要望等の集約、市政の周知、戸籍や住民票の取次等の業務を行ってきました。その後、人口増にともない、平成10年に現在の87か所(出張所2か所)となっています。平成15年に新市長となり、これまで担ってきた機能をより充実させるとともに、市民自治によるまちづくりを推進するための地域拠点とすべく、平成16年に「まちづくりセンター」へと機能転換及び名所変更を行いました。

「札幌市まちづくりセンター」の機構機能

・運営形態:市の施設

・配置形態:市有施設75か所、民間との合築施設5か所、民間からの借り上げ施設7か所

・職員配置:所長(課長職・区保健福祉部地区福祉活動支援担当課長を兼務、ただし地域自主運営まちづくりセンターについては、区保健福祉課が窓口となる)1名、地区連絡員(非常勤職員)2名程

・配置基準:概ね中学校区に1か所(人口1万人~3万人をカバー)

・期待される役割:①情報、スペースの提供など活動しやすい環境づくり ②町内会を中心とした活動団体のネットワーク化支援 ③新しい担い手の育成、発掘

・具体的取組:㋐まちづくり協議会の設立、運営支援 ㋑地域課題に関する情報収集、提供 ㋒地域における情報交流の促進 ㋓地域住民主体のまちづくり活動の支援 ㋔住民票や印鑑証明、戸籍証明の取次

「まちづくりセンター」は、市民自治によるまちづくりを推進するため地域の拠点となり、これまで地域主体のまちづくり活動の支援に成果を上げてきました。そのような中で、一部の地域から「まちづくりセンターの運営を地域に任せてほしい」という意見が出されるようになりました。これによって、地域のことをもっともよく知る地域の人々に運営を委託する『地域自主運営化』制度が平成20年に開始されることとなりました。

「地域自主運営のまちづくりセンター」について

87か所ある「まちづくりセンター」の内8か所が自主運営されています。委託先となる団体は、地域の団体や個人がそれぞれの独自性を活かしながら、主体となって地域課題を解決していこうと設立された「まちづくり協議会」です。

委託される業務は、『まちづくりセンター業務マニュアル』に基づいて実施されます。 ①地区住民組織との連絡調整業務 ②地区住民福祉活動の支援業務 ③住民組織のネットワーク化を促進する業務 ④市民集会施設建設に係る情報収集・相談及び要望の伝達 ⑤戸籍や住民票などの諸証明の交付に関する案内 ⑥地区要望の把握と報告 ⑦地区のまちづくりに関する施策等の企画及び推進に係る支援と調整 ⑧地域情報の交流促進及び市政情報の提供 ⑨まちづくりセンターの維持管理及び地区会館の運営に関する支援 ⑩その他まちづくりセンターの運営に関する事項 など、現在のまちづくりセンターが市の業務として実施している全てです。

センター職員の雇用は、地域で雇用する人数及び雇用する人を決定し、必ず責任者を配置します。

住民票等の諸証明交付事務は、地域が雇用したセンター職員を市が非常勤職員として任用し、市が月額固定報酬を支給します。

委託料は、人件費相当額の785万円と事務費相当額です。

交付金は、地域課題の解決に向けたまちづくりの方向性をまとめた「地域活動ビジョン」に基づき、交付対象事業が決められます。基本額200万円と世帯当たり25円の加算額でなっており、『地域課題解決活動』を実施していくための財源となります。

 

「札幌市まちづくりセンター」の機構機能と地域自主運営についての研修は、地方自治の本旨である住民自治と団体自治の実践を学ぶ好機となりました。三豊市の進める地域内分権の姿かたちと、「まちづくり推進隊」の運営および進むべき方向の手掛かりとなった研修でした。

以上で、4日間の北海道における、三豊市民クラブ会派研修報告を終わります。

会派視察研修報告・2-②

前回に続いて別海町での視察研修報告をします。

【町立別海病院の現地視察】

既にお伝えしたように、別海町は香川県に匹敵する面積に対し、人口15,000人で人口密度12人の超過疎地域です。このような地域事情の中、町立別海病院は釧路、根室地域の医療圏における一次医療機関として、別海町民の健康と生命を守る役割を果たしています。別海町内には、民間医療機関が一軒もなく、僻地における地域医療を担う自治体病院の原点を見るようです。

戦後まもなくして日本赤十字社が診療所を開設し、後に病院となり、昭和26年地元自治体に移管され、「村立西別病院」となりました。昭和46年の町制施行にともない「町立別海病院」となりました。現在は、25億円を投じて平成24年10月にオープンした新病院を基幹施設として、2つの診療所を持ち、老人保健施設を併設するなど、広大な町内の保健・医療ニーズに対応しています。

町立別海病院の施設概要は、

・診療科目:内科、外科、小児科、産婦人科、耳鼻咽喉科、皮膚科、精神科、診療内科、眼科(休診中)、リハビリテーション科の10科

・病床数:84床(一般83床、未熟児室1床)

・職員住宅:医師住宅、看護師住宅(独身用)完備

・院内保育所:24時間保育(民間委託)

となっています。

全国的に不足が言われている産婦人科医と小児科医は、それぞれ1名態勢ですが死守しています。これを可能にしているのは、産婦人科については母子健康センターと兼務する助産師10名の力によるところが大きく、年間180~250名の出産を手掛けてきました。また、小児科については出張医にお願いし、3か月間診察して1か月休診するという条件で対応しています。

計画的な医師確保施策としては、奨学金制度による修学資金貸付制度を設けており、医学生には20万円/月、看護師には10万円/月、としています。

町立別海病院の現地視察を通して感じることは、町民の健康と生命を守るという町に唯一の医療機関としての誇りと、最後の砦としての自治体病院を、維持運営し続ける行政の覚悟です。それは、基本理念である『地域の病院として 心のこもった医療で、町民の皆様の健康を 支援いたします。』にも表されています。

三豊市の市立病院のあり方として、地元民間医療機関と近隣地域の高度医療機関との関係を考えるのに、示唆となった研修でした。

会派視察研修報告・2-①

会派視察研修の2か所目は、道東地方の野付郡別海町です。別海町は、香川県の島を除く県土と同等の、1320k㎡という広大な面積を有しています。基幹産業は、酪農と漁業です。酪農は12万頭以上の牛が飼育され、人口15000人の10倍の牛がいる町と称されています。また、漁業は野付湾のホッカイシマエビや、近海で捕れる鮭やホタテ、ホッキ等で有名です。ここでは【別海町資源循環センター】と【町立別海病院】の現地視察を行いました。

【別海町資源循環センター】

別海町は、三豊市と同様に農林水産省の『バイオマス産業都市構想』に選定されており、畜産糞尿と漁業残渣をバイオマス資源とするバイオガスプラントを中核とするものです。バイオガスプラントのある資源循環センターは、国の環境・資源循環プロジェクトの試験研究のために建設され、平成23年度に別海町が取得し運営しています。

・メタン発酵槽への投入量:50㎥/日

・メタン発酵方式:中温発酵(約35℃、約30日)

・消化液貯留槽:2,500㎥×3基、1,000㎥×2基

・バイオガス発電機:100kW×1台

・平均バイオガス発生量:1,300㎥/日

・メタン濃度:60%

現在、近隣酪農家10件ほど(約1,000頭)の畜産糞尿や乳業工場の加工残渣を受け入れており、許容いっぱいの運転を行っています。受け入れることのできていない他の酪農家は、牧草地へ畜産糞尿をそのまま散布しており、広大な大地があるとはいえ環境面からも町内全域での取り組みの要望が強く、バイオガス産業都市構想実現に向けての、今後の課題であるとのことです。それぞれの気候・風土・地場産業等に相応しい、それぞれの形があることを再確認することができました。三豊市の進めるトンネルコンポスト方式の進展と合わせ、今後とも別海町のバイオガス方式の展開情報を、追い続けたいと考えています。

議会事務局の登藤(とどう)局長には、前職がバイオマス担当であったこともあり、丁寧な説明をしていただきました。ありがとうございました。

会派視察研修報告・1

連日35℃を超す猛暑日が続いています。10日ほど前の北海道における、三豊市議会会派『三豊市民クラブ』の視察研修が、懐かしくて、恋しくてなりません。まだ7月半ばだというのにたまらない暑さです。6月29日(土)~7月2日(火)の4日間の視察研修報告を、大地を吹き渡る涼やかな空気も一緒にお伝えできればと思っています。視察研修先は、洞爺湖町、別海町、札幌市の3つの自治体です。

6月29日と30日に訪問した洞爺湖町は三豊市の友好都市で、旧財田町時代から数えて38年となり、子どもたちの交流事業のフレンドリーツアーが始まって20周年を迎えます。また、昨年、災害時における相互支援協定を結ぶなど、お互いが市町村合併を経る中においても、より深い関係を築いています。これまでの友好の歴史に加え、これからの新たな交流のためにも、議会同士の親交をさらに深めることも、有事への備えに欠くことができないと考えています。大自然の持つ抗うことのできない力を、常に感じながら生きる洞爺湖町の人々の、自然とのかかわり方や危機管理意識を、私たちは学ばなければならないと思っています。

洞爺湖町は、〔洞爺湖有珠山ジオパーク〕の真ん中にあります。ユネスコが支援する世界ジオパークに、2009年糸魚川ジオパーク、島原半島ジオパークとともに国内で初めて登録されました。洞爺湖や有珠山は、約11万年前の大噴火によって洞爺カルデラが誕生し、その後幾度もの噴火を繰り返してきました。近年では、1944~45年に昭和新山が、1977~78年に有珠新山が誕生するなど、変動し続けてきました。2000年に発生して有珠山ろくの温泉街や国道からの噴火は、先人たちの地道な観測の結果事前非難が成功し、死者0人であったことは、自然災害に備えた危機管理の貴重な記録です。噴火口から1kmも離れておらず、大量の岩石を直撃した「とうやこ幼稚園」の園児が、速やかな避難で全員無事であったことは、学ぶに余りある事実です。これを風化させることのないように、園舎は当時のままに保存されています。

ジオパークの取り組みは、自然災害と隣り合わせの環境を、『大地・火山のもたらした恩恵』ととらえ観光資源として、【変動する大地と共生】をテーマにした地域活性化施策となっています。この推進を担うのは、洞爺湖町や伊達市などでつくる 洞爺湖有珠山ジオパーク推進協議会 です。「大地のパワーと恵みを、体験!発見!」するジオツアーを企画し、温泉はじめ景観・自然、豊富な学びの場として、地域産業の核としています。年間180万人ほどの観光客があり、近年は近隣諸国からの外国人観光客が2割を超えているとのことです。

翌日に参加した 洞爺湖町産業まつり は、洞爺湖の北岸にある財田地区(旧洞爺村)で開催され、地元の農・畜・海産品が豊富に出品され、ひしめくような参加者で大いににぎわっていました。三豊市から直送された財田町の桃も人気で、交流の確かさを実感することができました。

三豊市民クラブ会派として、友好都市である洞爺湖町に、フレンドリーツアー20周年というこの機会に訪問することができ、交流を深めることができたことは大きな意味があったと思います。真屋町長並びに綱島教育長、千葉町議会議長他、町と議会あげてのおもてなしに、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

秋の、三豊市への訪問を心からお待ち申し上げます。

平成24年度 私の政務調査費

平成24年度の政務調査費収支報告書を、25年4月30日付で三豊市議会議長へ提出していました。

三豊市議会の政務調査費は、1か月30,000円で、12か月分の360,000円となっています。平成24年度は、報告書の通り338,008円の支出で、21,992円を返金しました。政務調査費収支報告書の領収証原本は、5年間保存することが規定されています。なお、私の政務調査費の詳細についてご覧になりたい方は、私までお問い合わせください。