平成21年度決算 財政健全化判断比率

「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」(財政健全化法)が平成19年6月に制定され、地方自治体の平成20年度決算から、財政状況を示す4の指標 【①実質赤字比率】 【②連結実質赤字比率】 【③実質公債費比率】 【④将来負担比率】 と公営企業会計の 【資金不足比率】 の公表が義務づけられています。
(2008年09月30日付けのこの場に、詳細説明を書き込んでいます。参考にしてください。)
前回お知らせした、平成21年度決算の収支状況と合わせて、今回は 財政健全化判断比率 から見た三豊市の財政状況をお伝えします。
【①実質赤字比率】
早期健全化基準 12.49% に対し、 「実質赤字なし」 となっています。平成20年度も同様でした。
【②連結実質赤字比率】
早期健全化基準 17.49% に対し、 「実質赤字なし」 となっています。平成20年度も同様でした。
【③実質公債費比率】
早期健全化基準 25.0% に対し、11.1%となっており、平成20年度が12.6%であったことから1.5ポイント改善されていて、一層の健全化状態を保っています。
【④将来負担比率】
早期健全化基準 350.0%に対し、41.9%となっており、平成20年度が54.8%であったことから12.9ポイント改善されていて、より一層の健全化状態を保っています。
最後に、5の特別会計に適用される 【資金不足比率】 は次のようになっています。
公営企業会計の
・水道事業会計
・病院事業会計
公営企業会計非適用の
・集落排水事業特別会計
・浄化槽整備推進事業特別会計
・港湾整備事業特別会計
以上の5会計いずれも 「資金不足なし」 となっています。

平成21年度決算特別委員会

三豊市議会の平成21年度決算審査が、10月25・26・27日と11月8日の4日間の日程で、決算特別委員会で行われています。
一般会計歳入歳出決算認定はじめ、11の特別委員会と2の地方公営企業会計の、14議案について説明と確認が行われています。
すべての会計の収支状況は、次の通りです。
【一般会計】
歳入総額は312憶2390万円余で、歳出総額は298憶1821万円余となっています。
歳入歳出差し引き14憶568万円程となっていますが、実質収支は繰り越し財源5憶5300万円余を差し引き、8憶5260万円余となります。
【地域農産物利用促進センター事業特別会計】
歳入総額及び歳出総額は、ともに4120万円余となっています。
【商品券事業特別会計】
歳入総額2憶216万円余で、歳出総額1憶9602万円余となっており、実質収支613万円余となっていいます。
【国民健康保険事業特別会計】
歳入総額79憶2492万円余で、歳出総額75憶7278万円弱となっており、実質収支3憶5214万円余となっています。
【国民健康保険診療所事業特別会計】
歳入総額1憶7747万円余で、歳出総額1憶6717万円弱となっており、実質収支1031万円弱となっています。
【老人保健事業特別会計】
歳入総額2055万円余で、歳出総額1342万円余となっており、実質収支713万円弱となっています。
【後期高齢者医療事業特別会計】
歳入総額17憶1671万円弱で、歳出総額17憶1450万円弱となっており、実質収支221万円弱となっています。
【介護保険事業特別会計】
歳入総額61憶6266万円弱で、歳出総額59憶469万円弱となっており、実質収支2憶5797万円弱となっています。
【介護サービス事業特別会計】
歳入総額8732万円余で、歳出総額8364万円余となっており、実質収支368万円余となっています。
【集落排水事業特別会計】
歳入総額及び歳出総額は、ともに1憶8204万円弱となっています。
【浄化槽整備推進事業特別会計】
歳入総額及び歳出総額は、ともに2憶1193万円弱となっています。
【港湾整備事業特別会計】
歳入総額3466万円弱で、歳出総額3170万円弱となっており、実質収支296万円余となっています。
一般会計と特別会計の総計は、歳入が479憶8556万円余で、歳出が459憶3733万円余となっています。
歳入歳出差し引き20憶4822万円程となっていますが、実質収支は繰り越し財源5憶5308万円余を差し引き、14憶9514万円弱となります。
【水道事業会計】
総収益18憶7615万円弱で、総費用16憶2178万円弱となっており、純利益2憶5437万円弱となっていなす。
【病院事業会計】
総収益17憶7442万円弱で、総費用16憶6344万円余となっており、純利益3憶6535万円弱となっています。
最終日の11月8日(月)には、3日間の説明に対して質疑・討論がされ、議決の運びとなります。
三豊市民クラブとして、来年度(平成23年度)予算に反映できる質疑・討論を抽出したいと考えています。

『そば』 の花が咲いています

今年の夏の狂ったような暑さから思えば、よその国へ来たのかと錯覚するほどに、めっきり過ごしやすくなってきましたが、秋祭りが終わり11月を目の前にしても、日中はまだまだ汗ばむ日々が続いています。
今年も 「三豊菜の花プロジェクト」 で菜種を蒔こうと、準備に取りかかっています。
昨年に比べると一週間ほど遅い、10月30日と31日に予定しています。
これも、いつまでも暖かい気候が続くことで、私たち人間も少しずつ作業の時期がずれてゆくように感じています。(暑いと、仕事をしたくないと体が言っています)
今年、初めての試みで、6月に菜種を刈り取った跡地の一部(2a程)に、 『そば』 の種を蒔きました。
この地域では 『そば』 の種まきの適期は、8月末~9月上旬ごろだと言われていますが、時期遅れの9月25日に種まきをしたのです。(暑いと、仕事をしたくないと体が言っていました)
場所が交通量の多い交差点近くであることが災いして、通りがかりの地域の皆さんの目に付くのです。
通りがかりの人 「何まっきょうんな?」
私 「『そば』ですわ!」
通りがかりの人 「それやったら、夏まかないかんのとちがうんな?」 「今蒔いて実とれるんな?」
私 「さ~?????」
別の通りがかりの人 「そんなの、できへんで!!」
と、熱烈な励ましの言葉をいただいておりました。
なんと、一週間ほど前から白い花のつぼみが、ちらほらしてきたではありませんか。
栽培の手引きによれば、『そば』 は24~26℃が発芽適温で、開花の期間は次々と咲くために20~30日もかかり、遅くとも初霜がおりるまでに花が満開となるように種まきをしなければならないのだそうです。
狂ったような暑さと、長く暖かい秋のおかげで、通りがかりの地域の皆さんの期待を裏切って、今日などはますます真っ白な花を咲かせています。
農林水産省四国農政局からも、この地域での収穫量の調査目的で、坪狩りの依頼がありました。
来月の11月20日頃に、発育状況を確認の上作業したいとのことです。
『そば』 収穫の後は、近所のお宅から古い石臼をお借りして、そば粉にしようと考えています。
そして、“通りがかりの人” として熱烈な励ましをいただいた地域の皆さんと一緒に、手打ちそばを食べようと、収穫もしていないのに気持ちは年の瀬へと飛んでいます。

そばの花詫間政司のそば畑

  

平成23年度当初予算編成方針

三豊市政策部から、平成23年度の 「三豊市予算編成方針」 が出されました。
「“豊かさ” をみんなで育む 市民力都市・三豊」 を目指して、次年度の予算が組まれようとしています。
重点施策は、『三豊市新総合計画』 の6の基本目標に対応するものの内、第三期実施計画に各部の運営方針で示されたものの実現に向けて予算化することとし、その使用可能予算額については政策部長が通知することとしています。
確認のために、『三豊市新総合計画』 の基本目標を記しておきます。
① 活気にあふれ、産業が飛躍するまちづくり
② 豊かな自然と共生し、環境にやさしいまちづくり
③ 人々が助け合う、安全・安心なまちづくり
④ 人々が支えあい、健康でいきいき暮らせるまちづくり
⑤ 豊かな心を育み、文化を発信するまちづくり
⑥ ともに考え行動する、自らが創るまちづくり
基本方針は、11項目となっています。
1. 平成23年度予算編成は、『三豊市新総合計画』 に沿い、新総合計画第三期実施計画(平成23~平成25年度)に沿う予算編成とする。
2. 予算規模は新総合計画第三期実施計画で示された額を基本数値として、プライマリーバランスの黒字を絶対条件として効果的な予算編成とする。
3. 歳入に見合う持続可能な財政基盤の確立に向け、行財政改革に取り組み、財政体質の健全化に努める。
4. 行政評価を取り入れ、事務事業の見直しを行うこと。
5. 経常経費(議員及び委員会報酬・特別職・一般職給、賃金、負担員、扶助費などは除く)は、平成22年度当初予算一般財源の95%を各部課に配分する。ただし、各部課は自主的に事務の効率化や経費の削減に取り組むこと。また、事務費や庁舎費は、配分にかかわらず徹底削減に努めること。
6. 歳入につい
 ① 予算要求書作成は、過大見積もりを避け積算を正確にし、適正な財源を経常すること。
 ② 市税は、経済情勢を勘案して、確実な見込み額を計上すること。また、税負担の公平のため課税対象もれの無いようにすること。
 ③ 分担金及び負担金は、適正な負担の確保を図る。
 ④ 使用料及び手数料は、経費に見合う額となるよう、値上げを含め料金収入の確保を図る。
 ⑤ 国及び県支出金は、国・県の動向を把握し見積もるとともに、超過負担とならないように注意する。
 ⑥ 財産収入は、財産の現況を把握し、効率的な活用と周到な処分計画を立てること。
 ⑦ 市債は、将来の財政負担を考慮して、事業選択をすること。
7. 歳出について
 ① 予算要求書の作成に当たっては、過大見積もりを避けること。また、必要性、緊急性、効果の薄い計上はしないこと。
 ② 人件費、扶助費、公債費の義務的経費や臨時職員賃金、時間外手当については、現状及び財政改革プランに基づき積算すること。なお、臨時職員の雇用については、人事課及び教育委員会との協議において、予算を計上すること。
 ③ 扶助費、貸付金については、枠配分対象外経費としているが、各部門で事業ごとに積算し計上すること。なお、扶助費のうち市単独事業については、5%削減を目標に事業の内容変更、廃止などの見直しを図ること。
 ④ 投資・政策的経費は、『三豊市新総合計画』 第三期実施計画に計上されている事を絶対条件として、優先順位を明確にすること。
8. 特別会計
経常経費の5%削減に取り組むとともに、適正な受益者負担の確保によって、収支の均衡と運営健全化に取り組むこと。
9. 企業会計
経常経費の5%削減に取り組むとともに、企業性を発揮し、独立採算の確保に努めること。
10.「行財政改革推進プラン」 を確認し、必ず予算編成に反映すること。また、補助金等適正化法22条の運用で、現有施設の有効な利活用について、民間委託や譲渡を含めて積極的に取り組むこと。
11.補正予算は、補助事業及び突発的災害等(市長が認めたもの)とし、その他は、予算の組み替えによる対応とする。
約束に基づいて全ては決定されます。
一つ一つの項目は、当たり前のことを記しているように見えますが、わずか2ページの中にはお金の使い方についての深い深い取り決めが内包されているのです。
予算決定には、私たち議員にも確固たる軸足が求められているのです。 
 

ごみ収集体制見直しの延期

10月8日(金)に開かれた議会閉会中の 「民生常任委員会」 で、次のような提案がされました。
9月15日(水)の三豊市議会9月定例会開会中の、「民生常任委員会」 で報告があった、 “ごみ収集体制が不統一であるため、合併協議会協定事項に添って、来年度(平成23年度)より旧各町を単位として、全市域で民間委託に統一する” 件について、来年度からの実施の方針を、一旦延期したいというものでした。
9月20日(月)のこの場でもお知らせしたように、旧7町の内現状、高瀬町・豊中町・仁尾町の3町は旧町通り直営でごみ収集業務を行っています。
これを他の4町と同様に、その業務を民間に委託し、市内全域のごみ収集体制を統一しようとする報告でした。
しかし、その実施を、ごみ処理施設建設の方向性がほぼ決定されるまで、一旦延期したいということです。
その理由として、
一つは、前の委員会からこの間、バイオマスタウン推進室の設置による担当部課の人員減となったこと。
二つは、ごみ処理施設建設検討の真っ直中にあって、これまで市民の協力で積み上げてきた分別収集作業が変更となることによる、現場の混乱のリスクを少しでも回避したいとのこと。
三つは、一部地域の民間業者間の軋轢がことのほか重大な問題となりうる可能性があるということ。
等によって、検討及び調整には十分な時間が要するとの判断です。
市内全域の制度統一には、今回のごみ収集業務だけではなくあらゆる案件に共通する、地域間と地域内にある問題解決には、理屈では推し量りきれない要因があり、一定の時間が必要であることを感じた一件でした。

「ごみ処理問題調査特別委員会」視察研修・4

「ごみ処理問題調査特別委委員会」視察研修の最終日の3日目は、前日視察した発電所施設である 『石川北部RDFセンター』 の燃料となる、RDF(生ごみを含む可燃ごみの固形燃料)の製造施設 『リサイクルセンター(クリンクルはくい)』 を訪問しました。
この施設は、前回報告した石川県北部の能登地域にある5の事務組合の一つである 『羽咋郡市広域圏事務組合』 が、総事業費60憶41,000千円を投じて建設し、平成15年から稼働運営しています。
二つの設備から構成されています。
1) ごみ燃料化施設(サーマル・リサイクル) RDF製造設備
  ・能力 66t/16時 (33t/16時) *1日当たりRDF重量にして33tの製造能力
  ・可燃ごみ処理量 約14,000t/年
  ・建設費 31憶50,000千円
  ・維持管理委託費 15年間長期契約で91億円 (年間約6億円で、トン当たり30,000円換算)
   *『石川北部リサイクルセンター』 への処理費として、トン当たり13,000円が別途負担
2) ごみ資源化施設(マテリアル・リサイクル) 資源・不燃・粗大ごみ
  ・能力 「不燃・粗大処理ライン」 11t/5時
       「缶類ライン」        2.33t/5時
       「PETボトルライン」     0.63t/5時
       「その他プラライン」     3.42t/5時
       「びん類ライン」        3.62t/5時
       「水銀使用物」        0.14t/5時
   
       合計            21.14t/5時
  ・総処理量 3,800t/年
  ・建設費 18憶40,000千円
  ・維持管理費 トン当たり32,000円
となっています。
羽咋市他2町の広域事業として、人口63,000人の20,000世帯、面積440Km2のごみの燃料化及び資源化の役割を担っています。
三豊市と類似した環境の中で検討され建設されたこの施設を見たことで、我がまちとの比較検討がより具体的に捉えることができます。
また、何よりも、建設費の財源や経営母体をどこに軸足を置くのかは、運営費負担を考えるとき、最重要課題だと確認できました。
今回の 「ごみ処理問題調査特別委員会」視察研修で、強く印象に残った点が二つあります。
一つは、それぞれの地域特性(自然環境・面積・人口世帯など)に相応しい、処理技術と規模や場所の独自の検討が欠かせないと言うことです。
もう一つは、経営が官と民のちがいによって、建設費や維持管理費など、経営全体の収支に驚くほど差が発生するとを目の当たりにできたと言うことです。
これらを参考にして、三豊市に最適なごみ処理施設とは何なのか?
コストを可能な限り削減し、その限られた資金投入が地域経済活性に最大限寄与するとともに、地域のごみに対する処理の仕組みと、意識向上につながる施設とは何か?
を、考えるきっかけとなった有意義な研修でした。
                         

「ごみ処理問題調査特別委員会」視察研修・3

「ごみ処理問題調査特別委員会」視察研修の2日目の報告を、前回に引き続いて行います。
上越市を後にして、一路石川県の能登にある 『石川県RDFセンター』 へ向かいました。
この施設は、 『石川北部アール・ディ・エフ広域処理組合』 が事業主体となっており、石川県の北部地域の人口約30万人、面積2,100Km2余の広域から収集された可燃ごみから製造されるRDFを、燃料とする発電所施設です。
『石川県北部アール・ディ・エフ広域処理組合』 の構成組織は、能登地域の5組合からなっており、それぞれにRDF製造施設を持っています。
・河北郡市広域事務組合 (河北郡市クリーンセンター)
・羽咋郡市広域圏事務組合 (リサイクルセンター)
・七尾鹿島広域圏事務組合 (ななかリサイクルセンター)
・奥能登クリーン組合 (奥能登クリーンセンター)
・輪島市穴水町環境衛生施設組合 (H23年度より搬入予定で建設中)
このようになっています。
生ごみを含む可燃ごみを、体積1/3、重量1/2に減量化して運搬搬入されています。
ここに搬入されたRDFは、焼却能力 160t/日(80t/日×2炉)の流動床式ガス化溶融方式で燃焼され蒸気タービンで電気に変換され、1/3は施設内で使用し、2/3は北陸電力へ売電されています。
組合会計予算概要は、年間予算13億円余りの内、売電収入は1憶80,000千円円ほどで、ほとんどは5組合からの分担金及び負担金11億円でまかなわれています。
RDF専用の焼却炉建設は、石川県の主導で進められ、完成後に広域処理組合に引き渡されました。
石川県のごみ処理計画に基づいて推進された事業とはいえ、建設費75憶60,000千円、運転維持管理補修更新業務委託費は、15年間の長期責任委託契約として81億34,000千円で、年間にして5憶40,000千円以上となっていて、今となっては、過重な財政負担となっており、計画そのものに疑問を感じます。
その地域の自然環境や面積、人口変化などに相応しい処理方法と規模決定には、独自の洞察にも似た見極めが求められると痛感した研修でした。
次回は、3日目に訪問したRDF製造施設の一つである、羽咋郡市広域圏事務組合の設置する 『リサイクルセンター』 の報告をします。

「ごみ処理問題調査特別委員会」視察研修・2

ごみ処理問題調査特別委員会視察研修の2日目は、新潟県上越市の 「上越バイオマス循環事業協同組合」 を訪問して、いくつかある設備の中でも主に 『生ごみバイオガス化処理施設』 について研修をおこないました。
この施設は、上越市からの行政の資金は全く入っておらず、上越マテリアルという民間企業の関連会社として設立されています。
設立のきっかけは、上越市がバイオマスタウンの認定を受けたことで、その補助金制度の適用を民間企業が受ることによって、上越21万市民のごみ処理を担う施設として市有地に建設されました。
経営理念は
  
“地域で発生するバイオマス資源を地域で循環利用します。
また、循環型社会の構築・地域の活性化・地球温暖化の防止に貢献します。”
として、2のバイオマス処理設備と2のバイオマス燃料製造設備の、4のバイオマス資源化設備を管理運営しています。
処理設備として
1) 生ごみ処理の 「バイオガス化設備」 
2) 下水汚泥処理の 「汚泥乾燥設備」
製造設備として
3) 未利用間伐材等処理の 「木質ペレット製造設備」
4) 廃食油処理の 「BDF設備」
からなっています。
それぞれの処理・製造能力は、
1) 生ごみ   :42.2t/日
2) 下水汚泥  :52.1t/日
3) ペレット   :7.5t/日
4) BDF    :115L/日
となっています。
これらの4設備を併せ持った施設は他にない、先進的なバイオマス資源化施設となっています。
また、ごみ処理施設に付き物の臭気対策は、完璧に施されており、特筆できます。
本体建設工事費は約26憶40,000千円で、公共施設であれば4~5倍の工事費が必要とされると思えるほどの施設内容となっていて、実用的であり経済的にも配慮されつくられており、民間の活力を目の当たりにした思いです。
稼働開始からこれまでに設備償却などの負担のために、2期連続の赤字決算となっていますが、 「バイオガス化設備」 においては黒字化の目途をたてています。
現在、上越市から受け入れている家庭生ごみは、トン当たり27,500円で不採算単価ですが、企業努力によって家庭生ごみの収集対象世帯を50,000世帯に伸ばすことによって、現状の事業系生ごみとの比率が5:5であるのを、家庭生ごみを増やし7:5として近い将来採算ベースに乗せるとの計画です。
また、現状メタンガスを燃焼処分していますが、蒸気タービンによる発電設備を建設中で、より効率的な形態を整えつつあります。
「バイオガス設備」 から発生する排水処理の問題や、メタンガスの処理、堆肥の処理など、上越市という地域環境ではさほど問題とはならない部分を、三豊市の風土や地域環境にいかに調和させるのかは、
ごみ処理施設の技術と場所検討についての重大な課題であると、確かな問題認識となった研修でした。

「ごみ処理問題調査特別委員会」視察研修・1

9月4日(月)から6日(水)の3日間、三豊市議会「ごみ処理問題調査特別委員会」の視察研修で、滋賀県、新潟県、石川県にあるごみ処理施設を訪問してきました。
一日目の研修先である 湖東広域衛生管理組合の運営する 『リバースセンター』 は、東近江市の一部と愛荘町・豊郷町・甲良町・多賀町の家庭及び事業系の生ごみを含む可燃ごみを処理する施設で、対象処理人口約57,000人から出されるリサイクルできない可燃ごみを、固形燃料化(RDF)する ≪ごみ固形燃料化施設≫ です。
平成9年に稼働を始め、13年半の実績とノウハウの蓄積をしてきました。
【『リバース(Re-Birth)センター』の概要】
稼働当初は、1日7時間運転で22t/日の処理能力でスタートしましたが、需要増加によって現在は5:00~23:00の18時間運転で約35t/日の可燃ごみを処理し、約15~17t/日のRDF固形燃料を生産しています。
この順調な増産は、設備のハードと運転技術のソフトの融合によるものです。
・総事業費:約22億円
・RDF製造能力:ごみ搬入量の約1/2の製造
・運転管理費:トン当たり28,300円、年間約4憶60,000千円(内2億円の公債費含む・15年償還)
【RDF化処理施設のメリットとデメリットについて】
(1) メリット
・ごみ処理だけでなく燃料を製造しているという意識への変化によって、職員の経済性意識の高揚<良い原料(ごみ)から良い商品(固形燃料)>
・煙突がない施設であるため、施設とRDFに対するイメージアップ
・イメージアップによる、お荷物施設から誘致へと転換
(2) デメリット
・実績あるメーカーが限られ、入札の選択の幅が狭い
・ごみの厳正な選別が必要で、異物混入などの運転停止時の、隣接施設との連携が必要
・破砕や乾燥工程でのエネルギー投下・消費量が大きく、総二酸化炭素排出量が多い
【RDF化処理施設の考察すべき点】
・売却先の確保と、シーズンによるごみ量と質の差による製造量の安定
・販売価格と運送費が収支に大きく影響する
・過去の火災・爆発などの事故原因調査による、安全性の説明(現在は問題ない)
・修繕費が、焼却施設との比較に置いて経常化しているため負担感が強い
【今後求められること】
・ハイコスト・ローサービスとならないために、“公のすべきことと民の活用” で、効率のよいスマート・ガバメントの確立
・“報償金と課徴金” の応用で、市民力によるごみの総量削減
・収集費と処理費を明確に分離することで、ごみ処理経費の把握
・エネルギー・消費量投下削減による、CO2の削減
RDFのメリットをより大きくし、デメリットをより小さくし、よりよい原料からよりよい商品を製造するためには、よりよい分別収集の智恵が求めれれるのです。
「家庭生ごみの中身の多くが加工食品となっていることで、RDFを燃料とすることでの環境に対する影響を考えるとき、生ごみを可燃ごみとせず、生ごみ独自の処理施設の検討も必要ではないか」
との意見には、一つの方向が示されているように感じました。
市民の協力による 「入口」 の意識によって、 「出口」 の姿が大きく変わることを学んだ研修でした。

バイオマスタウン推進室

三豊市は、10月1日付けで 「バイオマスタウン推進室」 を設置しました。
本年4月に農林水産省より 「バイオマスタウン」 の認定を受け、竹資源を中心とする市内にある様々なバイオマス資源の利活用の構想を携えて、取り組みを始めていました。
一方、現有のごみ処理施設の使用期限切れを平成25年3月末日に控え、家庭生ごみの処理施設建設の課題にも取り組んできていました。
ごみ処理技術検討委員会の答申は、 『バイオガス化施設』 が三豊市には相応しいというものでした。
その説明として、全てのごみを徹底分別し、再資源化を試みるとき、生ごみの処理が最も難しく最後まで問題として残されるとのことでした。
私は、三豊市が 「バイオマスタウン」 の認定を受けてから、生ごみがバイオマス資源であるならば、「バイオマスタウン構想」 と 「ごみ処理施設計画」 は一体であり、「ごみ処理施設計画」 を 「バイオマスタウン構想」 の中の一事業に位置づけ、行政担当窓口を一元化し、総合的に展開するのがごく自然だと考えていました。
まさに今日から三豊市は、“政策部 バイオマスタウン推進室”の丸戸次長をリーダーとして、ごみ処理問題も解決する 『バイオマスタウン三豊』 実現に向け、大きな一歩を踏み出すこととなります。