豊中中学校平成30年度卒業式の祝辞

鳥がさえずり花香り、桜の花の季節をまじかに感じる今日の良き日に、97名の皆さんが、三豊市立豊中中学校を卒業されることに対して、心からお慶びを申し上げます。おめでとうございます。

皆さんはこれまでの3年間、先生方の指導の下勉強にクラブ活動にと様々な体験を通して、実にたくましく成長されました。皆さんの中には、それぞれの置かれた環境によって、これからの進路は色々であろうと思いますが、本校での学びと経験を活かし、しっかりと自分らしく生きて欲しいと願っています。

時代は大きな転換点にあります。皆さんが生きるこれからの社会は、ソサエティ5.0社会だといわれています。1.0社会は太古の狩猟社会です。2.0社会は古代から中世にかけての農業社会です。3.0社会は近世から近代にかけての工業社会です。4.0社会は現代の情報社会です。まさに次の社会となる5.0社会は、全ての人とモノがつながり、今までにない新たな価値を生み出す近未来社会なのです。

AI、IOT、ロボット、ドローン、ビッグデータといった、社会を大きく変化させる技術が進展し、経済の発展と社会課題を解決し、これまでの閉塞感を打破し、希望ある社会へと進化するであろうことが期待されています。皆さんはまさに今、そのような未来社会へとつながる劇的変革期に、豊中中学校を巣立とうとしているのです。

そこで、皆さんへの餞の言葉を贈りたいと思います。「決してあきらめない」ということと、 ‟「量」が「質」に変わる” ということです。例えば水を沸かすと水蒸気に変わります。水という液体が水蒸気という気体に変わるためには、そこに至るまでの熱のエネルギーの蓄積があって始めて変わります。熱が、ある一定の「量」になってある時を境に、水蒸気という「質」に変わるのです。

諦めないで、自分らしく自分のできること、当たり前のことを普通にやり続けることで、ある日突然新しい世界が広がることがあるのです。‟諦めなければ、失敗で終わることはない”のです。 なぜなら、失敗のエネルギーの「量」が、成功という「質」に変わるからです。

皆さんが生きるこれからの時代が、ソサエティ5.0社会であったとしても、皆さんにできることは、自分らしく与えられた日々をしっかり生きることです。立派に成長した姿を期待しています。

最後になりますが、お子様をこのように立派に育ててこられた保護者の皆様へのご労苦に、そして校長先生をはじめ諸先生方のこれまでのご尽力に対し敬意と感謝を申し上げますとともに、卒業生97名の皆さんの幸多からんことを願い、お祝いの言葉といたします。