中小企業の使命

企業の役割は大きく分けて二つあります。
一つは、業績を伸ばし適正利益を確保し、税金を納めることです。
もう一つは、安定経営で社員が安心して仕事ができる、雇用の受け皿となることです。
三豊市が打ち出した地域経済活性化と基盤強化の政策に、地域産業支援による地元企業振興施策があります。
目的は、自主財源確保による財政的にもしっかりとした、真に自立するまちづくりのためです。
ところが、地元中小企業にどのような支援策を講じようとも、当事者である企業経営者自らが、地域経済を支えることによって、まちづくりの根幹を担うのだという “使命” に気づかなければ、効果は薄いと私は考えています。
今、 『三豊市中小企業振興協議会』 が結成され、手探りで支援事業の展開が行われようとしていますが、現段階では、企業の役割の一つである「納税」による財政の安定からの発想に止まっているように思われます。
しかし、本当はもう一つの「雇用の受け皿」としての役割が、まちづくりにとって重大な意味をもっているのです。
なぜなら、市民が安心して仕事のできる雇用の場を確保できる企業でなければ、「納税」すらままならないからです。
この意味からして、地域の中で生きる中小企業経営者には、社員の皆さんに対していかなる経営環境に遭遇したとしても、 「皆さんの生活は絶対にまもる」 といった、覚悟が求められるのです。
この覚悟から湧き出る使命感は共感という熱波となって、必ずや社員や市民に、そして地域全体へと伝わるのだと信じています。
中小企業の使命は、市民の皆さんが安心して仕事ができ、安定した収入が得られ、定住できる地域とするための、雇用の場を死守することなのです。
いかなる経済環境となったとしても、この地域からどこにも逃げてゆかない、地域と共に歩む企業とならなくてはならないのです。
経営者のためだけの企業が持続・継続も成長・発展もしないことは、志ある経営者は知っています。
そして、社員が幸せにならなければ会社が成り立たないことにも気づいています。
“生きるよろこび・育てる楽しさ、を三豊に!” 
私は、これを実現するのは、どんなに苦しくても雇用の受け皿となる、使命を果たす覚悟と志ある、地元中小企業経営者なのだと思っています。
『三豊市中小企業振興協議会』 が、中小企業の使命を議論する熱き場となることを期待しています。

議会が動き始めました

合併して2回目の三豊市議会議員選挙で選ばれた26名の議員による初の臨時議会が、2月23日(火) 9:30から開会され、議長及び副議長の他、委員会構成が決定されました。
議長に近藤久志議員(三豊市民クラブ)、副議長に三宅静雄議員(三豊市民クラブ)で、これからの一年間、三豊市議会が運営されることとなりました。
三つの常任委員会は、関係所管の予算額や職員数の偏りがあったため、議員提案により、これまでの総務常任委員会に教育委員会が加わり総務教育常任委員会とし、また、教育民生常任委員会からは教育委員会がはずれ、民生常任委員会とする案が出され承認されました。
よって、総務教育常任委員会 9名、建設経済常任委員会 8名、民生常任委員会 9名の構成で、審議されることとなりました。
私は、民生常任委員会に所属し、三木委員長のもとで副委員長として、委員会運営にあたります。
また、議会広報委員会が引き続き設置されることが決定され、委員長となって三豊市議会の情報公開と説明責任をはたし、開かれた議会の実現に取り組むこととなりました。
本格的に、三豊市議会が動き始めました。
これからも、議会情報や身近な出来事をお届けしたいと思っています。

「遊び」で生きる力を

源平駅伝で交通規制のかかった、高松サンポート近くの浜街道沿いに、アルファあなぶきホールがあります。
レース時間と重なったため、近くの駐車場が満車で、2月21日(日) 13:30からの開催の研修会に大幅に遅れて、途中入場となってしまいませた。
“(財)明治百年記念香川県青少年基金” と “香川県” の主催で、そして “県教育委員会” の後援による、<「遊び」で育てよう!子どもたちの生きる力>の研修会に参加しました。
今回の研修テーマである 「遊び」 に対して県と県教育委員会が、 「遊び」 が持つ『人を育てる力』と、その『担う役割の重大さ』に目を向け、正面から取り組もうとしていることに驚いています。
講演は、子ども自身が 「遊び」 をつくる場である 「冒険遊び場(プレーパーク)」 の活動を30年前から行っている、NPO法人日本冒険遊び場づくり協会副代表の天野 秀昭さんです。
「子どもの力を引き出す遊びの魅力」 と題して、日本初の常設のプレーパークである 「羽根木プレーパーク」 で関わってきた子どもたちから気づかされた遊びの魅力のお話でした。
“「遊び」は生きることそのもの。
「遊び」を通して、こどもたちはいろいろな人との『かかわり』を学び、結果として、子どもにコミュニケーション力が生まれる”
という持論のもと、束縛せず、思い切り遊べる場づくりに取り組んでいる、体験と実践から得られた信念に基づいた講演でした。
シンポジウム(意見交換会)は、「子どもを育む環境としての大人の役割」をテーマに、清國 祐二さん(香川大学生涯学習教育研究センター所長、栗林プレーパーク主宰)をコーディネーターとして、シンポジストに天野さんと竹森 康彦さん (かがわあそびの学校代表、かぐや姫プレイパーク主宰)で進められました。
参加者からも様々な意見が出され活気のある意見交換会となりました。
大人の役割として、「遊び」 に夢中の子どもたちを見守るなかで、子どもだけの集団では「子どもを育む環境」とはならないと言うことで、そこには彼らを人として認めることのできる、大人の存在が欠かせないのです。
子どもたちにとって、 「追いかけられる大人の姿が必ず存在しなければならない」 との言葉には、現状の社会が見失っている本質的なヒントを得た思いでした。
三豊市にプレーパークをつくる活動も、新たな青少年健全育成の取り組みとなると感じています。

「答申書」が出されました

平成20年7月30日を第1回として、平成22年2月4日の第11回までの一年半をかけて検討された、『三豊市にふさわしいごみ処理技術の選定について』 の答申が、三豊市ごみ処理技術検討委員会から、横山市長あてに出されました。
三豊市にふさわしいごみ処理システムの評価・選定は、
1) 「燃やせるごみ」のうち、「生ごみ」を分別収集して、バイオガス化施設でメタン等のバイオガスを燃料として回収し、有効利用する。
2) 「燃やせるごみ」のうち、紙ごみは容器包装の制限をはずし、全て回収することを計画する。
3) RPF(プラスチックを成型した固形燃料)の原料になるプラスチックごみについては、サーマルリサイクルを推進する。容器包装の制限をはずし、全てをRPF業者に委託し、パルプ産業等で燃料として利用する。
4) 「生ごみ」 「紙区分」 「RPF区分」 以外の燃やせるごみや、焼却するより他に処理方法のない区分のごみは、焼却業者に処理委託する。
5) ごみの収集頻度は、その種類によって回収頻度を別途定める。
6) ごみの量をできるだけ少なくするため、「生ごみ」及び「RPF区分」の新規ごみ袋導入については、従来の指定ごみ袋とは差別化することが望ましい。
今後の検討内容・取り組みについては、
1) 循環型社会形成、地球温暖化防止に向けては、市民や事業者への説明や普及啓発及び市民の環境活動への支援に一層務めていただきたい。
2) 水事情が厳しい地域特性から、堆肥化も選択肢として捨てがたいものがある。一部住民の間で、堆肥化に熱心に取り組むグループもあり、このような活動には市としても積極的な支援やシステムズづくりを行うことが望ましい。
3) 燃やせるごみは業者委託としているが、広域間共同処理も探るべきである。バイオガス化処理に伴う排水処理や堆肥化についても、広域連携によるごみ処理システムの合理化やコスト削減の可能性について検討されるべきである。
4) 同様に、ごみ処理・屎尿処理・農業集落排水・堆肥化事業など、広域間で合理化の可能性について検討されるべきである。
5) バイオガス化処理方式(湿式・乾式法、高温・中温法、発電方式、液肥利用、排水処理の方法、施設規模等)や分別収集方法など、当局は詳細を検討した上で、市民との十分な協議が必要である。
三豊市議会も新たな構成となり、近隣市や広域間の協議によって、ごみ処理施設の広域間共同利用の推進が、本格的に取り組める環境となってきました。
あわせて、『ごみ処理施設の広域間共同利用推進議員連盟』 の結成に着手する環境も整ってきました。

“される人”から“する人”へ

三豊市社会福祉協議会主催の 「人と豊かなまちづくり事業研修会」 が、2月8日(月)の夜に豊中地区 『地域福祉計画』 を推進するために開催されました。
「まちづくりはみんなの手で」 をテーマにした、愛媛県で活躍するNPO法人代表のお話でしで、ある地域のお互いが支え合うまちづくりの実例が報告されました。
特に印象に残ったのが、寝たきりの高齢者が世話を “される人” であったのが、 “する人” になったと言うことでした。
いつも寝過ごしてしまう若者のことを聞いて、自分にもできることに気づいたのです。
「電話くらいならかけられる」
そうです、 “モーニングコールをかける” ことで、地域にお役に立てることに気づいたのです。
地域のみなさんが “される人” から “する人” への気づきを実感することが、地域発展の原動力だと信じています。
このような市民のみなさんとともに、三豊市が必ずすばらしいまちになるよう、ともに “する人” として働こうと誓っています。

地域産業と福祉

三豊市の障害者(児)の保護者でつくる 「手をつなぐ親の会」 から、昨年の11月頃に、観音寺市にある香川県西部養護学校を、これから卒業する予定の子どもたちの行き場が無いことについての相談を受けていました。
今ある施設や小規模作業所だけでは、その受け入れが不可能で、新たな障害者の受け入れ先・仕事場が必要なのだということです。
私自身が、市議選であたふたしていたため、選挙後に本格的に対応しようと約束していました。
若い障害者が自ら働き収入を得て、生きがいを実感でき、しかも、地域の産業と連携することでお互にメリットがあり、共存できるような仕組みづくりを支援したいと考えていました。
私の考えを理解し協力してくれる、地元の若き経営者に心当たりがありました。
彼は、学生時代に福祉の勉強をしていて、社会福祉士の資格を持ち、障害者を雇用できる事業形態をつくる夢とビジョンをを持っていました。
2月10日(水) 「手をつなぐ親の会」 の皆さんとともに、三好市池田町にある彼の関わる農業法人に見学に行きました。
無農薬野菜の栽培で、少ない投資と経常経費で食料・農業問題の解消にも効果があり、障害者雇用だけでなく、幅広い市民の仕事場を確保する意味でも大きな可能性を感じるものでした。
野菜栽培をするための、パミス層土を使った水耕栽培プラントによる農業施設です。
後日、この施設建設を進めるための打ち合わせを、 「手をつなぐ親の会」 の皆さんと行う予定にしています。
障害者雇用に止まらず、三豊市の地域産業として、農業を新たな事業形態として取り組み直すきっかけに必ずなると感じています。

教育カウンセリング研修会

平成21年度教育カウンセラー協会香川県支部研修会が、2月6日(土)にユープラザうたづで行われ受講してきました。
香川県教育委員会委員長で香川大学教育学部教授の有馬道久先生による、 『まなざしの教育心理』 と題した3時間の講演でした。
見ることの不思議として、逆転メガネ(左右逆転・上下逆さまに見える)を使った、米国の心理学者のストラットンの研究を例にあげ、始めはすべてが逆に見えるのだが2・3日すると順応し、普通に見えるようになるのです。
このことが意味することは、人間は元々逆転して網膜に写る像を、経験によって普通に見える(正立視)能力を獲得するということです。
言い換えれば、学習し順応が生じるのです。
動物は生まれたその時から自立自食できる能力を備えていますが、人間は自立自食できるまでに約1年が必要です。
この期間に豊富な環境刺激の中で人間として育つようにできているのです。
このことから、動物は生まれた本能のまま大きくなるが、人間は教え学ぶことでどのようにも成長する可能性を秘めていると言えます。
公教育を支援する立場で、小規模学校運動の先駆けである米国のデボラ・マイヤーは、
“教えることは聞くことである。
    学ぶことは語ることである。”  
と言っています。
この言葉から気づいたのは、
“教えることは聞くことである。
 教えることは観ることである。”
と言うことです。
逆転メガネの体験による、実は 「ありのままを観ているようで観ていない」 ことの気づきと、子どもをしっかりと観るまなざしの大切さを思うのです。
まとめとして、「まなざし」 と 「こころざし」 の話です。
「こころざし」 は 「こころ(心)」 と 「さし(指し)」 の複合語で、ある対象に心を引きつけられるとき、それがきっかけとなって生まれる、志向性を持つ心の動きを指しており、子どもに向かう心だと言えます。
一方、 「まなざし」 とは、子どもに視線を向けるときの目の様子です。
また、夢と志の違いについて、夢は「あなたの笑顔と繋がっている」だけだが、志は「あなたと、あなたの周りの誰かの笑顔と繋がっている」。
すなわち、夢は自分の内に止まっているものであり、志は社会を視野に入れたものだと言えるのです。
『まなざしの教育心理』 は、教師の “まなざし” と “こころざし” で支えられているものなのです。
“教えることは聞くことである。
 教えることは観ることである。”
のです。
私の教育カウンセラーの本気の学びは始まったばかりです。
≪お知らせ≫
2月9日(火)の本日よる10:00~ NHK 『プロフェッショナル』 で、
観音寺第一高校定時制 岡田倫代先生(香川県教育カウンセラー協会 理事)の、 “生徒たちへの熱い関わりと生徒の成長の様子” が放送されます。
ご覧下さい。

菜の花プロジェクト学習会

『三豊菜の花プロジェクト』 と 『三豊菜の花プロジェクト研究会』 が企画する “菜の花プロジェクト学習会” が、三豊・観音寺の8か所で開催されています。
これまでこの場で何度か紹介してきましたが、『菜の花プロジェクト』 とは循環型地域社会を目指す市民の取り組みです。
今回の学習会は、環境問題と菜の花プロジェクトに対する理解を深めてもらうためのものです。
1月30日(土)と1月31日(日)の両日には、豊中地区、財田地区、詫間地区、高瀬地区の4か所で、立教大学非常勤講師 安部竜一郎先生による 「ゴミから考える環境問題:やっていいリサイクルとやってはいけないリサイクル」 の講演が行われました。
今後の予定として、
・山本地区  2月14日(日) 10:00~11:30 山本町保健センター 研修室
・観音寺地区 2月14日(日) 14:00~15:30 観音寺市働く婦人の家 相談室
・三野地区  2月21日(日) 10:00~11:30 三野町社会福祉センター 老人生きがい対策作業室
・仁尾地区  2月21日(日) 14:00~15:30 仁尾町総合福祉会館 健康相談室
で、菜の花プロジェクトネットワーク理事 石井亨先生による 「地域で考える温暖化と私たちの暮らし」 の講演が行われることとなっています。
参加費は無料です。
申し込み不用ででどなたでも参加大歓迎です。
都合のよい会場に、お誘い合わせの上お越し下さい。
ご案内申し上げます。 

生涯学習推進計画策定

三豊市の生涯学習を推進するための計画が、 「三豊市生涯学習推進計画策定委員会」 で策定にむけ検討されようとしています。
私は、 “三豊市子ども会育成連絡協議会” の会長として、策定委員の委嘱を受けました。
1月29日(金)の今回を第1回として、平成23年3月末日を目途に約1年半を費やして、地域の実情にあった、市民の生涯学習への参加が地域・まちづくりにつながる推進計画策定が行われることとなります。
委員会は20名で構成され、会長に 『香川大学生涯学習教育研究センター』 の清國祐二先生、副会長に 『三豊市公民館運営審議会会長』 の小林静夫さん(私の高校の恩師です)が互選により選任されました。
生涯学習の理念として、平成18(2006)年に公布・施行された改正教育基本法第3条に
「国民の一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない」
と定められています。
この趣旨に沿い、
・ 生きがいを持って生涯を過ごせるまちづくり
・ 三豊市の歴史を継承し、独自の芸術文化を創造するまりづくり
・ 生涯スポーツに生きがいを持って参加できるまちづくり
・ 学力と人間性豊かな心、健やかな体を育む教育が行われるまちづくり
・ 差別なく人権が守られるまちづくり
などの、計画内容が審議されてゆく予定です。
生涯学習を通して、市民一人一人の日常の活動が “地域のことは地域で” の市民風土へと昇華を導くような計画になればと思っています。