本年最後の日記帳です

2014年(平成26年)の年の暮れを迎えました。本年1月には第3回の三豊市議会議員選挙があり、定数22人中2番という成績で当選させていただくことができました。ひとえに皆様のご支援あってのことと、心からお礼申し上げます。新たな年を目前にして今後とも変わらず挑戦し続けていくことをお伝えしたいと思います。

さて、1年を振り返ると、本年は合併してから8年を費やし、これまで慎重に検討されていた市の大型建設事業が多く発注された年となりました。「危機管理センター」 「南部給食センター」 「南部火葬場」 「山本地区新設統合小学校」 「財田地区新設統合小学校」など、未来に対する投資が始まりました。いづれも、平成27年度中の完成で再来年の平成28年4月からの運用の予定で進められています。新施設完成によって閉鎖され遊休施設となる現施設の、新たな有効利活用がこれからの課題となります。国の推し進めようとする地方創生とあわせ、地域活性の拠点となるような利用方法の検討が不可欠であると考えています。

本年最後の日記帳です。12月議会閉会時に市から報告のあった2件についてお伝えします。

1件目は、市水道事業の 「『香川県広域水道事業体検討協議会』への参加」 です。現在、香川県下の自治体はそれぞれに水道事業を運営していますが、それを県で一元化し全県一つの水道事業とするものです。三豊市も年が変わった4月に設置予定の 『設立準備協議会』 に参加するべく、その手続きに入ります。

2件目は、「三観広域埋め立て処分場の処理水の排水について」 です。三観広域行政組合のごみ焼却施設であったクリーンセンターは、既に閉鎖されています。その結果施設稼働時には焼却炉の冷却水として使用されてきた処理水〔塩分濃度2%(海水は3%)〕はその利用ができないため、処理の方法が大きな問題となっていました。閉鎖以来これまで80t/日ペースでタンクローリーで運送され、坂出市の民間焼却施設で処理されてきました。その経費は10,000円/tで、年間に約2億円が費やされていました。この費用は広域事業として2市が人口割りで負担してきました。今後は、観音寺市は市し尿処理場で、三豊市は市内の民間事業者に委託し処理することとなります。処理費用は試算で従来の3分の1程になる見込みです。

最後の最後まで何かと慌ただしい一年でした。十分な報告ができていないことを反省しながら、新たな年に向け新たな心で取り組んでいきたいと思っています。一年間ありがとうございました。よい年をお迎えください。

平成26年12月議会の一般質問報告・2

12月議会の一般質問2件目は、《「ラウンドアバウト方式交差点」の導入について》の報告です。

【質問】

拡大の時代から人口減少高齢社会という縮小の時代になることで、これまでの社会資本の在り方が大きく変化することは、誰の目に見ても明らかだ。拡大の時代は、車社会とともに主要交差点には安全対策として信号が配置されてきた。しかし、縮小の時代に突入し、それにふさわしい道路整備の在り方があるはずだ。

交差点の在り方の一つに、信号の要らないロータリー式の交差点であるラウンドアバウトの導入がある。ラウンドアバウトの特徴と期待される効果は、無駄な信号機がなくなり効率が上がる、真っすぐ直進できないため速度抑制ができ安全性が上がる、信号設置がないため導入と維持管理コストの縮減となり経費が下がる、などがある。また、縮小の時代とは違った角度から、大災害時におけるのメリットは大きい。補給路や救援路、救助路等の確保のため、交差点で信号が消えていることによる混乱が回避でき、大災害時に停電しても交通に支障がなく、復旧活動に速やかに対応できるという点で、これからの時代にふさわしいメリットもある。

2013年6月に道路交通法改正により、本年9月1日より全国で運用が始まった。ラウンドアバウト方式の県道、市道における交差点改良時の導入見通しについて問う。

【答弁】

ラウンドアバウト方式といわれる環状交差点は一旦停車せず流入可能で、比較的交通量の少ない交差点で効果があるとされている。導入状況は、国内では32都道府県140か所で導入されている。現在、県内では導入実績はない。人口減少とともに交通需要の減少も予測されており、現在、全国でこの方式が導入されているのは、効率的で効果的な道路整備への転換が図られているからだと考える。今後、ラウンドアバウト方式に該当するような交差点改良が必要となった場合は、導入の可能性も含め、交通量の調査、他の交差点と比較しての経済性、安全性、円滑性、維持管理の観点から検討する。

全国で140か所で導入されているが、東日本大震災の被災地である東北地方や災害の多いところで実績が多い。これから南海大震災等も危惧しながら計画を進めている地方もあり、調査し導入の検討をしていく。

 

以上で、平成26年12月議会の一般質問報告を終わります。

 

平成26年12月議会の一般質問報告・1

議会が閉会して一週間が過ぎようとしています。今年も残すところ今日を含めて3日となりました。今年のことは今年のうちに、けりをつけておかなくてはなりません。

平成26年12月議会の一般質問報告をします。先ず1件目は 《「バリアアリー(有りー)」の介護予防について》 です。

【質問】

平成27年度から介護保険法改正により、効率的で質の高い医療供給体制と連携した地域包括ケアシステムを構築することとなる。市独自の支え合い体制づくりの推進の受け皿として、高齢者がいつまでも住みなれた場所で自立して過ごすことのできる、自立支援介護に重点を置いた施設環境や事業、サービスメニュー等が求められる。自立支援介護に重点を置いた施設環境の取り組みに、山口県山口市の社会福祉法人夢のみずうみ村がある。バリアフリーならぬ「バリアアリー」で、自分のできることは自分ですることで、自分らしい生活を継続することのできる取り組みだ。市として、このような考え方による自立支援、介護予防の研究と取り組みの考えを問う。

また、介護予防には、高齢者が社会とのかかわりを持続し、引きこもりを防ぎコミュニケーションを促進するサービスメニューの検討や、企画にも支援していく必要があると思うが考えを問う。

【答弁】

夢のみずうみ村山口デイサービスセンターでは、リハビリを生活できる能力を確認すること、生きるエネルギーを再生産することと位置づけ、自分の隠れている力を再発見し、自身の埋もれている能力を引き出すという、従来のデイサービスの概念を大きく覆す取り組みが行われている。バリアフリーは障害物を取り除くことだが、バリアアリーは障害物ありにすることで、本来の生活に必要な身体の機能を自然に取り戻すように設定してあり、施設外での生活範囲を広げることを目標としている。介護現場の逆転の発想から生まれた取り組みともいえる。当然、施設側には大きな負担とリスクが伴うが、それを背負ってでも利用者の能力を引き出すことを優先するという気概と理念には、目を見張るものがある。社会をバリアフリー化していくことも大切だが、高齢者の生活能力を改善するためには、バリアアリーの発想も必要だ。バリアアリーの考えは、画一化されたサービスを一方的に提供するのではなく、高齢者の自己選択と自己決定により、自らの力で生きるための支援であり、今後の高齢者サービスの在り方を考える上で先駆的な取り組みであると認識しており、研究し取り組んでいく。

高齢者のコミュニケーションの促進は、県の補助事業である一人暮らし高齢者対策事業の『居場所づくり事業』に取り組んでいる。孤立を防ぎ、介護予防活動やコミュニケーションを促進する場となっている。県事業としては本年度で終了するが、今後も市の単独事業として継続していく。また、コミュニケーションを促進するレクリエーション用品の購入等に対しても補助しており、用品等の情報提供も含め、今後も支援していく。『居場所づくり事業』を通して、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、取り組んでいく。

 

1件目の報告を終わります。次回は2件目の報告をお届けします。

12月議会・補正予算関係の報告

12月議会に提案されていた一般会計及び7つの特別会計と1つの企業会計の補正予算について報告します。

【一般会計】

補正額は4億22,505千円で、補正前予算額347億13,424千円に加えると補正後予算額は351億35,929千円となります。各課別歳出予算の主なものは次の通りです。

「総務課」 27,390千円 : 一般管理諸経費23,720千円、消防施設一般経費3,580千円他

「人事課」 85,091千円 : 職員給与費84,949千円他

「管財課」 ▲6,843千円 : コミュニティバス運行事業▲3,639千円、仁尾支所管理事業▲4,232千円他

「施設管理課」 3,783千円 : ふれあいの森公園管理事業2,019千円他

「産業政策課」 2,169千円 : 産業政策一般管理事業1,078千円他

「田園都市推進課」 31,283千円 : 定住促進事業30,300千円他

「環境衛生課」 30,000千円 : 火葬場建設事業(6自治会×500万円)

「水処理課」 53,940千円 : 水と緑の美しいまちづくり事業53,288千円他

「健康課」 11,493千円 : 老人医療業務費6,253千円、国民健康保険事業2,932千円、健康増進事業2,308千円

「介護保険課」 47,261千円 : 介護保険事業特別会計等繰出金47,219千円他

「福祉課」 73,140千円 : 障害者自立支援事業39,871千円、臨時福祉給付金きゅふ事業20,729千円他

「子育て支援課」 4,823千円 : 母子自立支援事業2,877千円、放課後児童クラブ運営事業1,464千円他

「農業振興課」 1,206千円 : 中山間地域等直接支払事業839千円他

「土地改良課」 36,861千円 : 現年度農地・農業用施設災害復旧事業21,560千円、農道維持管理費9,600千円他

「建設課」 13,498千円 : 現年度公共土木補助災害復旧費

「用地課」 1,772千円 : 国土調査管理事業他

「学校教育課」 585千円 : 小学校教育扶助事業1,650千円、幼稚園総務管理事業1,340千円、桑山小学校教育振興事業1,000千円、中学校教育扶助事業▲1,915千円、幼稚園預かり保育賃金事業▲2,315千円他

「農業委員会事務局」 2,755千円 : 農業委員会総務費2,862千円他

【特別会計】

『国民健康保険事業特別会計』 ▲1億44,827千円で補正後予算額は86億65,988千円 : 交付金決定に伴う減額補正等

『国民健康保険診療所事業特別会計』 ▲171千円で補正後予算額は1億96,333千円 : 人事院勧告等に伴う人件費補整等

『後期高齢者医療事業会計』 7,857千円で補正後予算額は18億60,325千円 : 人事院勧告等に伴う人件費補整及び福祉系仮想サーバ更新の増額補正

『介護保険事業特別会計』 87,621千円で補正後予算額は73億36,476千円 : 人事院勧告等に伴う人件費補整及び法改正で介護保険システム改修の補正

『介護サービス事業特別会計』 2,774千円で補正後予算額は1億3,887千円 : 人事院勧告に伴う人件費補正及び居宅介護予防支援事業の増額補正

『集落排水事業特別会計』 130千円で補正後予算額は1億61,316千円 : 人事院勧告等に伴う人件費補正

『浄化槽整備推進事業特別会計』 160千円で補正後予算額は2億28,770千円 : 人事院勧告等に伴う人件費補正

【企業会計】

〔水道事業会計〕 消火栓等布設替え工事増加に伴う収入の増額補正で3,580千円

 

以上で、12月議会報告を終わります。

12月議会・議案報告

12月3日(水)に開会した平成26年第4回三豊市議会定例会(12月議会)は、全ての議案を原案可決し、20日間の会期を終え12月22日(月)に閉会しました。

最終日の議案採決の前に、2名の議員から議長と副議長に対する不信任決議案が提出されましたが、反対多数で否決されました。続いて、執行部から提案されていた議案の採決が行われました。今回は、補正予算関係以外の議案について報告します。

「議案第122号  地域審議会の設置等に関する協議により定められた事項を変更する条例の制定について」  合併特例債の適用期日が平成33年度まで伸びることにより、新総合計画の改定が必要となるため、その手続きとして地域審議会の設置期日を1年短縮し、実質廃止とするため。

「議案第123号  三豊市指定介護予防支援等の事業の人員及び運営等の基準等に関する条例の制定について」  地域包括支援センターの基準を厚生労働省の定めに準じるため。

「議案第124号  三豊市特定教育・保育施設の利用に関する選考委員会設置条例の制定について」  利用者の選考を厳正公平に行うため。

「議案第125号  三豊市職員給与に関する条例の一部改正について」  人事院勧告により改正する。

「議案第126号  三豊市議会議員の議員報酬、費用弁償等に関する条例の一部改正について」  同上

「議案第127号  三豊市特別職の職員で常勤のものの旧与党に関する条例の一部改正について」  同上

「議案第128号  三豊市教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部改正について」  同上

「議案第129号  三豊市臨時的任用職員等の給与等に関する条例の一部改正について」  同上

「議案第130号  三豊市国民健康保険条例の一部改正について」  出産育児一時金を40万4,000円に引き上げる。

「議案第131号  三豊市保育所条例の一部改正について」  保育所運営を民間事業者に委託できるよう、指定管理委託を加える。

「議案第132号  三豊市放課後児童クラブ条例の一部改正について」  子育て関連法改正に伴い、小学6年生まで受け入れる。

「議案第133号  三豊市衛生組合規約の一部変更について」  観音寺市と協議のうえ、平成27年3月31日をもって事業を終了する。

「議案第134号~142号  香川県市町総合事務組合を組織する地方公共団体の数の減少及び香川県市町総合事務組合規約の一部変更について  の9議案」  土庄町小豆島町環境衛生組合が脱退するため。

「議案第143号~151号  香川県市町総合事務組合を組織する地方公共団体の数の減少に伴う財産処分について  の9議案」  土庄町小豆島町環境衛生組合が脱退することにより財産処分するため。

「議案第152号  三観広域行政組合の共同処理する事務の変更及び三観広域行政組合規約の一部変更について」  七宝荘を民間事業者に譲渡するにあわせ、譲渡先が施設改修等をする経費の補助事務を加える。振興基金廃止のため一部を削除する。

「議案第153号  三観広域行政組合の共同処理する事務の変更に伴う財産処分について」  七宝荘を社会福祉法人和光福祉会に譲渡するため、譲渡金1億5千万円は関係市へ配分する。

「議案第154号  市道の路線認定について(桑山小学校道支線)」  地元要望により、避難所であり桑山小学校への緊急車両等の進入路確保のため認定。

「議案第155号  市道の路線認定について(詫間137号線)」  地元要望により指導基準に合致するため認定。

「議案第156号  工事請負契約の締結について(平成26年度三豊市立山本地区新設統合小学校校舎棟・屋内運動場棟建築工事)」  一般競争入札で、菅・田中・藤田特定建設工事共同体が14億400万円。

「議案第157号  工事請負契約の締結について(平成26年度三豊市立山本地区新設統合小学校校舎棟・屋内運動場棟機械設備工事)」  一般競争入札で、高松市の大善工業(株)が2億952万円。

「議案第158号  工事請負契約の締結について(平成26年度三豊市立山本地区新設統合小学校校舎棟・屋内運動場棟電気設備工事)」  一般競争入札で、高松市の四国電設工業(株)が1億5,120万円。

「議案第159号  工事請負契約の締結について(平成26年度三豊市立財田地区新設統合小学校校舎棟・屋内運動場棟建築工事)」  一般競争入札で、富士・金丸・神詫特定建設工事共同体が13億7,376万円。

「議案第160号  工事請負契約の締結について(平成26年度三豊市立財田地区新設統合小学校校舎棟・屋内運動場棟機械設備工事)」  一般競争入札で、丸亀市の(株)四建プラントが2億3,220万円。

「議案第161号  工事請負契約の締結について(平成26年度三豊市立財田地区新設統合小学校校舎棟・屋内運動場棟電気設備工事)」  一般競争入札で、観音寺市の(株)四国電工観音寺(営)が2億3,220万円。

 

次回は、補正予算について報告します。

 

総務教育常任員会 視察研修報告・4

総務教育常任委員会視察研修報告の最後は、東京都足立区での「行政事務の民間委託」についてです。

 

足立区は、面積53.2㎢、東京23区の中で大田区、世田谷区に次いで第3位の広さで、人口約67万人である。

足立区は、これまでに技能労務や保育士等の業務者を約2,500人削減し、民間に委託するなどして、行政改革の先進自治体といわれている。これまでの限られた範囲の中での取り組みはやり尽され、さらなる行政のスリム化という点においては、新たな効果があげられないという壁に直面していた。そのような中、平成18年市場化テスト法の制定で、新たな分野への可能性が広がったことで、事務作業の外部化にも踏み込んだ事業展開で取り組んでいる。

事業形態によって6分類し、新たな民間委託のターゲットを定めようとしている。【政策企画立案業務】 【公権力の行使・法規制事務】 【専門非定型業務】 【専門定型業務】 【単純非定型業務】 【単純定型業務】 に分類し、その内後者の2業務についてはすでに民間委託に着手済みだ。

新たなターゲットは、【専門定型業務】 である。そこで想定される業務として、『税関連補助業務』 『会計・出納』 『介護保険事務』 『国保事務』 『総務事務』 『児童手当事務』 『窓口事務』 が考えられる。その内、戸籍住民課の 『窓口事務』 は、平成26年1月から本格稼働しており、民間への移管率は10割となっている。また、『介護保険事務』 は、平成26年3月から一部移管し、平成29年には移管率10割にし本格稼働する計画で進められている。来年度より取り組む業務として、『国民保健業務』 と 『会計管理業務』 がある。いづれも平成27年度に5割移管し、平成28年度から本格稼働で移管率10割とすることとしている。以上の4業務の民間委託によって、単年度で約1億4千万円の削減効果があると試算している。

行政事務の民間委託のメリットとデメリットについては、メリットとして ①業務の可視化とコスト削減 ②窓口からの積極的な声かけによるサービスの向上 がある。デメリットとしては ①個人情報保護に対する疑念を問われる ②人事制度・人材育成の見直しが求められる(事業者への管理監督能力向上や、民間事業者間のノウハウの移転・継承) ③小規模自治体では効果が少ない などが考えられる。

これまでの取り組みから明らかになったことは、国からの法定受託事業に対しては、国がかなり関与してくることや、『介護保険事務』 等の民間主導で行われてきた行政サービスは、民間が行うことで苦情が激減しているなど、やってみてわかることが多くある。これからも、区政を取り巻く状況変化に飲み込まれることなく、変化をエネルギーにして課題を克服していかなければならない。

 

委託先である民間事業者が力を発揮できる市場環境と力のある事業者の存在や、三豊市のような小規模自治体で効果を生み出すための自治体間連携による規模確保等、課題は多くあることも理解できました。市政を取り巻く状況変化に飲み込まれることなく、新たな可能性を求め続けなければならないと、気づかされた研修でした。

以上で、平成26年度三豊市議会 「総務教育常任委員会 視察研修報告」 を終わります。

総務教育常任委員会視察 研修報告・3 

総務教育常任委員会視察研修報告の3件目は、東京都港区での「小中一貫教育の取り組み」についてです。

 

港区は、面積20.34㎢、東京23区の中で12番目の広さで、人口237,000人である。

港区では、幼稚園・小学校・中学校を通した12年間において、中学校区を単位とする10のブロック(アカデミー)ごとにカリキュラムを組み、地域にあった幼・小中一貫教育を推進している。この取り組みは、「小1プロブレム」や「中1ギャップ」といわれるように、小学校入学時に授業中に歩き回ったり、中学校入学時にかけ算や九九等ができなかったりすることや、生活習慣が身についていない等により、不登校や問題行動を起こす子どもが増えてきたことが、大きな要因として始められた。

平成22年4月、小中一貫教育校『お台場学園』を開校するとともに、地域の特色を踏まえた教育活動や幼・小中の子どもの交流活動、教員による【MINATOカリキュラム】を活用した指導方法の研究や、学習指導上の連携を図ってきた。今後平成27年4月、区内で2校目となる小中一貫教育校『白金の丘学園』の開港に合わせ、平成27年度から全アカデミーで、幼児期の3年間と小中の9年間がつながった、12年間と見通した指導方針で小中一貫教育を進めていくこととしている。

港区のアカデミーの形態は10にアカデミーを置き、その内2校区は〔施設一体型〕で、他の8校区は〔カリキュラム連携校〕で構成されている。

〔施設一体型〕 『お台場アカデミー(お台場学園)』━中:1校、小:1校  『朝日アカデミー(白金の丘学園)』━中:1校、小:1校、幼:1園

〔カリキュラム連携校〕 『御成門アカデミー』━中:1、小:1  『赤坂アカデミー』━中:1、小:1、幼:1  『港南アカデミー』━中:1、小:2、幼:2  『高陵アカデミー』━中:1、小:2、幼:1  『三田アカデミー』━中:1、小:3、幼:1  『高松アカデミー』━中:1、小:2、幼:2  『六本木アカデミー』━中:1、小:3、幼:1

アカデミーが機能するための方策がある。その一つとして、子どもたちの学びが良好な環境の中でつながっていくために、カリキュラムがまとめられている。 ●小学校入学前教育カリキュラム<小1プロブレムを発生させないために、当たり前のことができるよう、家庭でも教育できるようまとめたもの> ●MINATOカリキュラム<教員が小・中の学ぶ内容を知り、つながっていることを知って授業に取り組むことができるためのもの>  また、マンネリやいじめ回避のため、学校選択希望性を導入している。

今後の課題として、3てあげられる。1点は、中学校教員の小学校への出前授業のため、負担増がある。今後小学校教員の部活動指導が考えられる。2点は、免許状の違いへの対応として、兼務発令が考えられる。3点は、小中の教員間の打ち合わせ・準備・移動時間の確保は、ICT等の環境整備が考えられる。

 

平成27年度から全区での展開に関心が尽きません。三豊市においても、〔カリキュラム連携校〕の形態は導入しやすいものではないかと思われます。三豊市教育協議会の中でも、幼・小中連携教育の考えをより前向きに取り入れ、一歩踏み込んでみるのも一手ではないかと気づかせていただいた研修でした。

総務教育常任委員会 視察研修報告・2

総務教育常任委員会視察研修の2件目は、埼玉県春日部市での研修です。研修の目的は、「市議会における災害発生時の対応」についてです。

 

春日部市は、埼玉県東部の中核市で、人口24万人弱、面積65.98㎢を有し、都心から35㎞の位置にある。江戸時代から日光街道の粕壁宿として栄え、古くから水路・陸路の交通の要所となってきた地域だ。幾度かの市町村合併を経て、平成17年10月1日に新春日部市となり現在に至っている。かつては桐たんす・羽子板・麦わら帽子などの産地として知られていたが、近年ではアニメの くれよんしんちゃん の舞台となったことで、市の広告塔となって春日部の名が知られている。

春日部市議会の、災害発生時における市議会及び議員の対応のルール化の必要性は、東日本大震災の教訓からである。その教訓とは、東日本大震災発生直後から、各議員に寄せられた市民からの情報や要望等が、一元化されていなかったことにより混乱したことで、対応が十分でなかったことだ。そこで、平成25年2月4日、災害発生時の市議会と議員の対応をルール化するため、「春日部市議会における災害発生時の対応要領」を制定した。

●春日部市の市対策本部が設置されたときは、市議会災害対策支援本部を設置し、議長が本部長となり、副議長が副本部長となる。本部役員は、各会派の代表者が就くこととなっている。

●本部の役割は、議員の安否確認を行い、市対策本部から受けた災害情報を議員に情報提供する。また、議員からの災害情報を収集、整理し、市対策本部に情報提供を行うとともに、被災地及び避難所等の調査を行うこととしている。

●議員の対応は、自らの安否と居場所を本部に報告し、本部からの情報提供を受け、地域の防災活動にあたるとともに、被災地及び避難所等の情報を収集し、本部に提供する。また、救援活動に協力するとともに、被災者に対する相談や助言と行うこととしている。

春日部市議会では、要領の制定に止まることなく議員の行動マニュアルを作成し、大規模災害に対する議員の認識を深めることが重要であるとの考えから、議場における避難訓練を実施している。

要領及びマニュアルでは、災害時における市議会災害対策支援本部と各議員間との連絡方法について、具体的な手段が明記されていなかった。連絡手段は電話やメールが想定されるが、これまでネールは活用していなかった。そこで、メールの活用を想定し各議員への『メール送信訓練』を行っている。

「市議会における災害発生時の対応」を明確にすることの大きな目的は、普段から地域に密着して活動している議員ならではの役割を果たすことである。

(1)市職員では把握しきれない情報の収集・整理を行い、市対策本部へ伝えること

(2)市対策本部の情報を直接、被害者個人個人に伝え、住民の不安や混乱解消につなげること

課題として、議員の選出地域の偏りや人数の制約で、全ての避難施設をカバーできていないことがある。

 

南海、東南海大地震の発生が予測されている現状の中で、三豊市議会においても取り組むべきテーマであると確信した研修でした。

総務教育常任委員会 視察研修報告・1

三豊市議会の3つある常任委員会の一つである総務教育常任委員会の視察研修が、平成26年11月19日(水)~21日(金)の3日間の行程で行われました。訪問したのは埼玉県熊谷市と同じく春日部市、東京都港区、同じく足立区の4つの自治体で、この常任委員会が所管する行政分野を視察目的として、研修してきました。

最初に訪れた熊谷市では、既に誰もが知るような観光地ではありませんが、小粒でもこのまちにあるものを活かし、観光に結び付けようと取り組んでいる「地域資源を活用した観光施策について」の報告をします。

 

熊谷市は、東京都心から50~70㎞に位置し、面積159.88㎢、人口約20万人を有し、首都圏では珍しく通勤・通学の流入人口の多い、人々が集まる自立都市です。40.9℃を記録した日本一熱いまちとして全国に知られている。

観光資源及び主客のための施策は、「祭やイベント」と「歴史的資産」の2面で進められている。

(1)「祭やイベント」は、 ①3月下旬~4月上旬に【さくら祭】が、市が事務局の観光協会が主催し、広告ぼんぼりやライトアップで観光客を迎えている。JRや秩父鉄道との共催による「駅からハイキング」も開催しにぎわっている。 ②5月には【B級グルメ大会】が、商工会連合会を中心にして平成23年度から開催している。平成26年度の第4回は、来場者数45,000人であった。出店数は、市内グルメ店舗27、市外店舗(県内)14、が参加し、投票による人気ナンバー1を決定する「くまが屋・オブ・ザ・イヤー」を実施し、大いに盛り上がっている。 ③7月20.21.22日は【うちわ祭】が、市内8町区が毎年順番で主催し開催されている。12台の山車が出て関東一のギオン祭として70万人を集めている。市の文化財であることから市の行事として都市間交流の長野県山ノ内町の協力で、雪と足湯のイベントを同時開催している。 ④8月第2週は【熊谷花火大会】が、観光協会を含む主催3者で実施されている。65回開催されており、10,000発、45万人を集める県内でも歴史ある花火大会となっている。メッセージ花火や企業広告花火、花火業者7社が技術を競うプログラムがあり、いずれも大好評だ。 ⑤11月は【オ・ドーレなおざね】が開催される。熊谷市商店街連合会が半世紀にわたり行ってきた「熊谷えびす大商業祭」の協賛行事として、平成14年からダンスイベントとして、約1,500人の参加で行われている。

(2)「歴史的資産」は、歓喜院聖天堂が平成24年7月9日に国宝に指定された。記念事業として平成24年度にJR駅用のPRポスター作成や記念切手、ガイドブック等を発行した。観光客は、指定全55万人であったのが、90万人に大きく増加している。

熊谷ブランド物産事業については、主なものが2つある。

(1)【雪くま】 平成18年度に地元の人々の誇りとなるご当地名物をつくろうと若手職員を中心にプロジェクトチームを立ち上げ、「あつい」熊谷にふさわしい『かき氷』を誕生させた。【雪くま】のれん会加盟店は27店舗で、定期的に氷かき技術の習得や新メニューの開発に向けた講習や意見交換を行っている。

(2)【伝統工芸「熊谷染め」】 埼玉県知事から伝統的手工芸品に指定されており、熊谷を誇る伝統工芸として広めようと取り組んでいる。商品開発や販売促進、技術継承講座の開催等に支援している。現在、高校跡地を活用した生涯学習施設「熊谷市スポーツ・文化村くまぴあ」に熊谷伝統産業伝承室を準備中だ。

最後は、今後の課題、展開についてです。

(1)従来の観光に加え、スポーツツーリズム、産業観光といった切り口で、観光振興を図り交流人口を増加させ、定住人口につなげていきたい。

(2)新たな観光資源や熊谷ブランドの発掘とセールスのため、ノウハウを持つ専門家を活用したい。

(3)観光協会の民営化によって、より自由に幅広く観光振興を進めたい。

等があげられる。

 

以前は行政がかかわっていた【くま辛】は、現在は民間主導で行われ、参加店40店舗に迫る勢いで、「あつく」沸騰しています。日本一暑いという出来事や富岡製糸所世界遺産登録、来年の大河ドラマ 花燃ゆ 等、少しでも話題性のある出来事をわがまちに結び付け、敏感に反応しています。これからも熊谷市は「あつく」挑戦し続けていくことでしょう。

地域資源はどのまちにもあります。それを活かすのは地域人材なのです。

 

平成26年12月議会が開会しました

三豊市議会議員選挙で始まった平成26年(2014年)は、はや師走を迎えました。12月3日(水)、三豊市議会の12月議会が、22日(月)までの20日間の会期で開会されました。議会の最初に行われるのは一般質問で、8日(月)~10日(水)の3日間予定されています。届け出順に決まる質問順番は、私の今回の出番は7番目で、2日目の朝一番となっています。今議会の私の質問は2件です。

 

1件目 「『バリアアリー(有り)』の介護予防について」

介護保険法改正では、予防給付の内『介護予防訪問介護』と『介護予防通所介護』が地域支援事業へ移行され、市の実施する総合事業となる。市独自の地域の支えあいの体制づくりの推進の受け皿として、『バリアフリー』ならぬ『バリアアリー(有りー)』の考えに基づいた取り組みを問う。

・『社会福祉法人夢のみずうみ村』が実績を上げている介護予防の研究と取り組み

・引きこもりを防ぎコミュニケーションを促進するサービスのメニューの検討(長寿会や高齢者スポーツ団体が取り組んでいる事業支援に加え、新たに三豊市オリジナルの健康ダンス」や今話題のコミュニケーション麻雀の着手推進)

 

2件目 「『ラウンドアバウト方式』交差点の導入について」

2014年9月より『環状交差点』として『現代的ラウンドアバウト』 の運用が始まった。①効率が上がる ②安全性が上がる ③経費が下がる(信号不要) といった3つのメリットがある。交差点改良時の導入の考えを問う。

 

今年度は、私が総務教育常任委員長であるため、私自身に与えられた質問の範囲にかなり制約があります。しかし、福祉、環境、税金、建設、農漁業等、人口減少高齢社会を迎えた三豊市の抱えている問題は数多です。