地域主権と経済成長戦略

残暑厳しい、暑く過酷な12日間の衆議院選挙が、民主党の驚くような大勝で終わりました。
民主党は、地域主権をマニフェストに掲げて選挙戦を戦いました。
「国と地方の協議機関」を法制化し、地域主権に向け地方分権改革を進めることを明記しています。
地方の財源の一部には補助金がありますが、これを地方自治体が独自に使途を決められる交付金とするともしています。
地方分権や地方主権、地方の自立とよく言われてきましたが、それは地方経済の自立と財政基盤の安定あって始めて実現するものです。
これまでの地域経済の活性化や財政基盤の強化は、中央資本の大企業の工場誘致などが主たる手法で、日本全国津々浦々で同じ策が繰り広げられてきました。
ところが、バブル経済崩壊を機に、地方にあった工場は汐が引くように撤退し、後には荒涼とした跡地と職を失った人々が残されたのです。
地方経済にあって、もう二度と大企業や中央資本の都合に振り回されないためにも、地域に根を下ろしここで育ちどこにも逃げない、地元資本の中小企業・地域産業の育成が先ず重要なことなのです。
民主党には、10年後、20年後のこの国のかたちを見据えた、地域主権を実現するための経済成長戦略を、ただちに私たちに示して欲しいと強く願っています。

地域資源としての地元企業・14

先月先々月に続いて、今回も三豊市仁尾町の企業訪問をしました。
「お盆休みが終わったら、今月もどこかに取材を申し込まなくては」と、思っていたのですが、のりピー事件や甲子園、衆議院選挙、さらに夏の日差しのきついことなど、言い訳をすればきりが無いのですが、たちまち8月も終わろうとしています。
そんなこんまで、あわてて訪問の電話をして、このばたばた劇にお付き合いいただいたのが、地元生産の青果物を仕入れ販売する卸業を営む、(有)三宅青果 後継者の三宅博美さんでした。
こんな事情にもかかわらず、にこやかに気さくに迎えていただき、三宅さんの人柄の良さが瞬時に伝わってきました。
三宅さんは、男三人兄弟の長男(私も同じです)でもあるため、大阪の大学を卒業後、家業を継ぐ勉強のために、そのまま大阪に止まり青果市場へ就職し、5年間青果物の流通の修行をしました。
帰郷して8年ほどになりますが、今34歳で、先月訪問した “プリマーレ はやしや” の林達二さんとは同級生だとのことで、家業を持つ家に生まれたものとして、どこか似た人生を歩んでいるようです。
(有)三宅青果は、博美さんのおじいさんが戦後、この仁尾のまちで農家と共に栽培し販売できる農作物はないかと考え、イチゴの苗を持ち込み農家に販売したのが始まりだそうです。
その後、イチゴから みかん びわ 等へと作物は移り、特に曽保ブランドのみかんは一時代を築いてきました。
残念ながら、現在の仁尾町ではイチゴ栽培農家は皆無となっていますが、おじいさんから現社長のお父さんへと受け継がれた、地産作物を農家と共に育て販売するという、地域に根ざすことを大切にする精神に歪みはないようです。
昨年の世界的な金融破たんによる日本経済の低迷で、食卓の中で果物は一番に買い控えの対象となっていて、厳しい経営環境にあるとのことです。
しかし、青果物の扱いだけではなく、企画外品をジャムなどの加工品として、年間通して安定経営できるよう、商品開発に取り組んでいます。
今、新たな企業経営へのスタートラインに付いたようです。
取材で訪問した翌朝の四国新聞に、私たちの仲間である高松の 『スカイファーム(川西社長)』 が、地元のケーキ屋さんと協同開発した “イチゴマシュマロ” の記事が掲載されていました。
先進的な農業経営者や異業種経営者とも知り合い学びあって、仁尾(三豊)発の名物スイーツで大きく羽ばたいて欲しいと、心から期待しています。
訪問した日がちょうど、市場の休日の関係でお休みだとは知らずに、押しかけて申し訳ありませんでした。
家族サービスもしなければならなかったのでしょうが、時間を割いていただきありがとうございました。
奥様によろしくお伝えください。
ありがとうございました。
有志による新商品開発プロジェクトの立ち上げの可能性を感じた訪問でした。

三観広域行政組合視察研修・2-②

今回の研修の最後の訪問は、岐阜県関市と美濃市の2市でつくる 「中濃地域広域行政事務組合」 が運営する、 『クリーンプラザ中濃』 です。
『クリーンプラザ中濃』 は、研修一日目に訪問した多治見市の 『三の倉センター』 と同様の総合ゴミ処理施設で、関市と美濃市の118,000市民の安心な生活を確保するために、平成15年に稼動を始めています。
施設構成は、焼却施設である “ガス化溶融炉” と 資源ごみ再資源化施設の “リサイクルプラザ” 及び、粗大ゴミ処理施設と最終処分場からなっています。
焼却施設は、ガス化炉と溶融炉が連動した(株)荏原製作所製の 「流動床式ガス化溶融システム」 です。
500℃~600℃のガス化炉の底に敷き詰めた砂を空気で吹き上げ、この砂によってゴミを粉砕し、乾燥・ガス化(炭化)します。
そして、このガス化炉で発生したガスを溶融炉に送り込み、燃焼空気によって1300℃~1400℃で溶かすという仕組みになっています。
このシステムの特徴は、投入したすべてのゴミを溶融するのではなく、混入している金属類をガス化炉で「炉底金属」と「炉底アルミ」として分離回収することが可能となっています。
そして、金属類と分離されガス化された可燃ごみは、溶融炉でスラグ(ガラス粒状)となり、金気の無い良質の砂として、工業製品に再生利用されています。
処理能力は、168t/日(56t/24h×3炉)で、常時2炉運転しており1炉を緊急対応用とし、3~4ヶ月ごとに循環運転しています。
発生する熱を利用した蒸気タービン発電機は、1980kwの発電能力を持ち、家庭用電力量に換算すると800戸分に相当し、現施設の8割の電気を賄っています。
建設費は、73億4千万円ほど。
運転管理費はトン当たり3万円で推移していますが、稼動を始めて5年程が経過して、修繕費用もあわせ年間11億円を超える予算を費やしています。
資源化施設の“リサイクルプラザ”は(株)神戸製鋼所によるもので、施設規模として、12t/日の資源ごみの処理能力を持っています。
内訳は、ペットボトル 7.14t/日、トレイ 0.41t/日、缶 3.29t/日、ビン 7.14t/日の処理実績となっています。
建設費は、11億2千万円ほどとなっています。
『クリーンプラザ中濃』 は以上の施設を主として、他、粗大ごみ処理施設と最終処分場など、総額96億円を費やし整備されています。
今回の広域ごみ処理施設研修で、2種類の技術の異なるゴミ処理施設を訪問することができました。
処理システムの同時比較調査ができたことは、三観広域行政組合におけるごみ処理技術検討に、大きく役立つ研修となりました。
以上で、2日間の日程で行ってきました、 『多治見市 三の倉センター』 並びに 『中濃消防組合 消防本部』 と 『中濃地域広域行政事務組合 クリーンプラザ中濃』 の視察研修報告を終わります。

三観広域行政組合視察研修・2-①

2日目は、中濃消防組合と中濃地域広域行政事務組合の施設を2ヵ所訪問しました。
1ヶ所目は、刃物のまち関市と紙のまち美濃市の2市で構成し、面積589.89K㎡をカバーする、中濃消防組合消防本部で、広域消防のこれからの在り方について研修を行いました。
消防組合は、関市94,000人、美濃市24,000人、合わせて118,000人弱の市民の生命財産を守っています。
組織体系は、消防本部を指令本部として、2つの消防署、1分署、5出張所を備え、市町村合併前の旧自治体施設を地域消防の拠点としています。
20日(木)のこの日は、ちょうど消防本部の耐震改築工事の竣工検査前日であったため、防災バス 『あんしん号』 の中での研修となりました。
“防災バス『あんしん号』”は、組合所有のものではなく関市が単独で導入したもので、主な目的としては、
①消防隊員などの現場活動環境の充実のため
②高速道路事故の一時対応のため
③現場本部機能
④防災の市民広報
などで、本年4月から稼動しています。
購入費は、市民からの寄付金と岐阜県振興補助金などの18,500千円です。
車両の装備内容は、中古の高速バスを改造したものをベースとして、現場での被災者に対する応急処置機能や、防災無線機、衛星電話機、発電機などを搭載しており、緊急自動車として登録しています。
また、バスの左側面を利用した組み立てテントも配備したものとなっています。
『あんしん号』 は、市民が安心安全を目に見える具体的な形として実感できる役割を果たしています。
説明を受ける中で再確認できたのは、岐阜県下におけるデジタル通信網整備や広域合併など、抱える問題はどの地域の広域消防組織も共通の問題なのだということです。
これを打破するのは、地方の中央に対する政治の強い働きかけなのだろうと、改めて感じた研修でした。
次回は、2-②の報告をします。

三観広域行政組合視察研修・1

三観広域行政組合議会の視察研修で8月19日(水)と20日(木)の2日間、岐阜県多治見市のゴミ処理施設である『三の倉センター』並びに、関市・美濃市で設置する『中濃消防組合 消防本部』と『中濃地域広域行政事務組合 クリーンプラザ中濃』を訪問しました。
一月半ほど前に三豊市議会教育民生常任委員会の視察研修で訪問した、岐阜県の各市に近接する自治体施設のでの研修となりましたが、中部地域経済圏にある自治体の施設であり、確かな財政力に支えられた立派な施設ばかりでした。
初日の“多治見市『三の倉センター』”は、平成15年に稼動を始めた新日鉄製によるガス化溶融炉の「ゴミ焼却施設」を中核とした、総合的なゴミ処理施設です。
併設された破砕・粗大ゴミの処理や缶・PET・びんなどの資源化施設の「リサイクルプラザ」によって、環境保全と再資源化を追求した、循環型社会を築くためのセンター施設となっています。
当センターの処理能力は、
「焼却施設」の『ガス化炉と高温溶融炉を一体化したコークスベッド式の縦型シャフト炉』で、1日当たり170t(85t×24h×2炉)。
ここで発生する熱を利用しての蒸気タービン発電機による2,020kWの発電能力。(年間800万円売り上げ)
「リサイクルプラザ」は、破砕ゴミ・粗大ゴミが25t/日(5h)。
資源ごみとして、アルミ缶とスチール缶が2t/日(5h)、ペットボトルが1t/日(5h)、びん類が6t/日(5h)。
また、建設工事費は、
「焼却施設」として、106億6千万円余。
「リサイクルプラザ」として、21億1千万円余。
となっています。
多治見市のごみ減量・リサイクル推進への取り組みは、平成12年より市民総力による23分別収集を開始しており、この『三の倉センター』が多治見市117,000人市民の毎日の快適な暮らしを支えています。
稼動から約5年を経過し、経常経費も含めた年間維持管理費がおよそ10億円であるとの報告には驚いたのですが、そこには確かな建設理念に基づき、財政力の裏づけによったごみ処理施設の一つの形態であると感じた、参考になる研修となりました。
次回は、2日目の報告をします。

衆院選始まる

第45回衆院選の公示がされ、各陣営の出陣式が勇ましく高らかに行われたようです。
私たちが居を置くこの香川3区には、各党派から5名の候補者が名乗りを上げ、一議席を争うこととなりました。
「政権交代」か「政策実行」かが叫ばれているようですが、どのような結果となったとしても、地方経済の再生と発展を、日本の国づくりの基本的方針としなければ、この国の未来はないと思っています。
しかも、それはどのような哲学によって実行してゆくのかが、何よりも重要です。
私は、経済は単なる 『お金儲け』 だとは考えておらず、人が何のために生きるのか、どんな生き方を願うのかを、実現するための手段だと考えています。
そのために、生産や創造の営みがあり、職業職種や企業の選択があるのだと考えています。
その意味において、地方経済の自立発展の根底に無くてはならないのが、地元資本の地場産業や中小企業の役割の重要さを、地域社会が理解し支援するという、国民や地域市民の意識改革を導く政策なのだと思っています。
それは、これまでの価値観を大きく変革する、大人はもちろんのこと、子どもをも含めた、『生き方や人生設計のためのキャリア教育の推進』 が根幹に無くてはならないということです。
私は、細かい政策の吟味以前に、この国のあり方として、大都市集中の大企業優先の政策から、人の教育をも包含する地方経済を支える中小企業重視への転換を、明確に示す候補者を選択たいと考えています。

初盆

お盆休みで、お墓参りなどして少しは身の回りのことを見つめる時間を持とうとしていたところ、何やら今朝から部屋に入ってくる風が、昨日までと違うことに気がついたのです。
間違いなく、この国の特有なヌメットした湿気の多い空気とは違い、涼を感じる風です。
この夏は、とにかく暑いのは例年通りなのですが、異常なけじめの無い梅雨に始まり、つい先日は突如出現したような台風で、水不足なのか水余りなのかどうも判断のつきかねる妙な気象となっていました。
この国の季節は人の願いとは関係なく、移り変わり四季を重ねてきました。
夏から秋へ、そして冬となっても再び春が訪れ、また夏へと移ろう四季に、私たちは人生や社会の変化を重ね合わせ解釈してきました。
昨年秋のアメリカ発金融破たんによる世界的経済危機で、日本経済はもとより地方経済は、大打撃を今も受けています。
このような惨憺たる実情に対して、国も地方もあらん限りの経済危機・活性化対策を打っており、経済再生の道筋の中から、新たな産業やビジネスモデルが生まれる可能性を感じるようになっています。
異常気象で秋を忘れたかのような、突然の冬の来襲であったとしても、必ず春が訪れるごとく経済も大きなうねりのように循環しているのだと理解できます。
“「生」あるものは必ず「死」あり”
しかし、季節の移ろいのごとく “再び蘇る” のです。
この感覚は、四季の風土の中で生きてきた日本人特有のものなのかもしれませんが、私はそのように感じています。
このような思想は、必ず日本の最強の武器になるのだと思っています。
初盆で、父の墓前で経済再生の光を見つめています。

教育カウンセラー養成講座

8月8日(土)から10日(月)の3日間、高松テルサを会場として、特定非営利活動法人 日本教育カウンセラー協会主催による 『教育カウンセラー養成講座』 があり、世間の大雨騒動にもかかわらず、缶詰状態で受講してきました。
この間に、大雨洪水警報に対処していた皆さんには、感謝申し上げます。
私が参加したのは初級講座で、
8日の午前中の3時間は、名城大学教授 曽山和彦氏の「構成的グループエンカウンター」、午後の3時間は、元広島県立宮島工業高校教師で上級教育カウンセラーの朝倉一隆氏の、「絆と心を育てる生徒指導」。
9日は、青森明の星短期大学客員教授 國分久子氏の「問題行動の理解と対応」と、東京成徳大学副学長 國分康孝氏の「教師に必要なコミュニケーションスキル」。
最終日の10日は、愛知教育大学教授 坂柳恒夫氏の「キャリア・ガイダンス・カウンセリング初級編」と、東京学芸大学教授 河野義章氏の 「授業に生かすカウンセリング」。
このような講義内容での、延べ18時間の有意義な受講研修となりました。
教育カウンセラーとは、子どもたちの成長の過程で経験する、学習や進路などに関する問題を解決するためのもので、治療的カウンセリングとは異なります。
その異なる点は二つあります。
一つは、個人だけを対象とするのではなく、学級などの集団をも対象とすることです。
もう一点は、「治す」ことよりも「育てる」観点に立った支援を目指す点です。
この意味から、私にとっては、桑山放課後児童クラブのこれからの運営のためにも、子どもたちがこれから遭遇するであろう様々な問題に、大人としてどのように関わってゆくべきなのかを考えるよい機会となったと思っています。
人は、とにかく色んな人と関わり合わなければ人として生きてゆけない、という事実があります。
私たち大人に託されているのは、子どもたちが成長する過程で出くわす現実に立ち向かい、対処する力を養うことができるよう導くことだと思うのです。
私は、子どもたちにとって、人はいかに生きるのかという“生き方”や“人生設計”をめぐる教育が、今、最も必要な課題だと考えています。
子どもたちを導くための『教育カウンセラー』の価値の意味を確かに感じた3日間でした。

行財政改革調査特別委員会視察研修報告・3

視察研修の最終日は、東京都霞ヶ関の総務省自治行政局を訪問し、『市町村合併と地方行政改革』 にとういての研修をおこないました。
市町村合併の進捗状況は、平成11年3月31日に 3,232 あった地方自治体が、平成21年6月1日には 1,775 となっており、平成22年3月31日には 1,758 となる予定です。
これによって、旧・現法下での今回の平成の大合併は一応の終結を迎えます。
今後の課題は、人口1万人未満の市町村も469存在しており、更なる推進が求められるにあわせ、合併市町村の規模・能力の充実、行財政基盤の一層の強化に対する着実な支援が欠かせません。
合併市町村の課題は、大きく分け5つあげられます。
1. 住民自治の振興・住民主体となった地域づくり
住民の自主的は活動の差によって、同じ自治体内で地域活動に差が生まれる懸念がある。
2. 組織・職員の融和とスキルの向上
旧市町村間の組織風土の違いから、組織としての融和に時間がかかり、行政遂行能力に合併効果が現れていない事例がある。
3. 住民負担の適正化
合併後の一定期間、旧市町村の住民負担料金体系を継続しており、負担水準の適正化に十分な議論での見直しが必要。
4. 公共施設の再編
重複する公共施設の廃止・転用による、施設の再編が不十分であり、補助金特化法の運用基準変更を積極的に推進する必要がある。
5. 都道府県から市町村への権限委譲
分権の受け皿の一つの方法として合併が推進されたが、地方の仕事が多くなりすぎたにもかかわらず、権限委譲がまだまだ不十分で、更に進める必要がある。
以上のような改善すべき点が考えられ、合併の成果は3~4年で量れるものではなく、10年位の時間がかかるのでしょう。
説明をしてくださった 総務省自治行政局合併推進課・併任 市町村課 新田一郎 理事官には、詳細な資料をいただき、また、地方の実態を正確に把握分析いただいており、安堵するとともに感謝の思いです。
特に、補助金特化法の運用については、国の出先機関や県が動かない場合は、「直接中央(私)に相談してください」との言葉は、彼が四国愛媛の出身であることも重なって、なんとも頼もしく、希望の光の見える研修となりました。
これで、3回続いた 「行財政改革調査特別委員会視察研修報告」を終わります。

行財政改革調査特別委員会視察研修報告・2

2日目の視察研修は、山梨県韮崎市での「議会改革について」です。
韮崎市は、山梨県の県庁所在地である甲府市から北西約12kmにある山岳盆地にあり、面積143.73平方キロメートル、人口32,000人余の自然豊かな環境にあり、昭和29年に市政施行から55周年を向かえています。
甲斐武田氏発祥の地であり、また、日本代表で海外のプロリーグでも活躍した中田英寿氏を輩出するなど、サッカーのまちとして有名です。
韮崎市議会では、平成11年の費用弁償廃止から平成21年の本年までの10年間に多くの改革を行ってきました。
その推進の仕組みは、先ず、正副議長と各会派代表者(現在8名)による 『議会運営等に関する研究会(小委員会)』 で優先項目を選出し協議決定します。
それを 『議会運営等に関する研究会(全員協議会)』 で協議決定する、という手順で行ってきました。
H17年には・・・会議録検索システムの導入
H18年には・・・議会映像の庁内配信、委員会の公開
H19年には・・・政治倫理規定の制定(議会の不祥事)
H20年には・・・議会映像のインターネット配信(ライブ並びに録画中継)、財務常任委員会の設置(予算決算を審査する常任委員会)、常任委員会の複数所属、自治法改正により諸議会を正規の議会活動に位置づけ
H21年には・・・申し合わせ(先例集)の改正(これまで一度も改正されていなかったものを全部見直し改正)、政務調査費の減額、議長交際費の公表、一般質問の一問一答方式の変更、休日・夜間・女性会議の開催(人件費・光熱費等の検討や他市の状況の研究をすることとなった)
現在(今後)の検討項目として
1. 議会定数の見直しとして、削減ありきではなくメリット、デメリットを検証するが、他市の状況から2人減の18人の方向
2. 議員の審議会(執行部附属機関)委員等の就任の見直し
3. 議会報告会(出前塾)の開催
4. 議決権の範囲の拡大
などがあげられています。
この日の研修でもっとも興味深いところは、「財務常任委員会の設置」です。
正副議長と議会選出監査委員を除く全議員が委員となり、予算決算及び補正予算審議を行うというものです。
関係所管ごとに開かれる常任委員会は、スムーズな審議の反面、財政状況全体が見えにくい問題があるといえます。
これに対して、韮崎市における「財務常任委員会」のような全員が所属する、財政状況に関する常任委員会が設置されれば、議会だけでなく財務担当以外の職員にも、自分のまちの財政内容が分かりやすくなると考えられます。
各常任委員会の補正予算歳出に関わる予算審議との住み分けの問題はありますが、少なくとも補正予算の歳入は、財政状況全体を見る中での詳細な審議が可能となると考えられます。
韮崎市における議会改革は、基本的なことやその気になればできることを、着実に積み重ねてきた地に足の着いたものであり、まちの歴史の重さを感じた研修でした。