地域資源としての地元企業・14

先月先々月に続いて、今回も三豊市仁尾町の企業訪問をしました。
「お盆休みが終わったら、今月もどこかに取材を申し込まなくては」と、思っていたのですが、のりピー事件や甲子園、衆議院選挙、さらに夏の日差しのきついことなど、言い訳をすればきりが無いのですが、たちまち8月も終わろうとしています。
そんなこんまで、あわてて訪問の電話をして、このばたばた劇にお付き合いいただいたのが、地元生産の青果物を仕入れ販売する卸業を営む、(有)三宅青果 後継者の三宅博美さんでした。
こんな事情にもかかわらず、にこやかに気さくに迎えていただき、三宅さんの人柄の良さが瞬時に伝わってきました。
三宅さんは、男三人兄弟の長男(私も同じです)でもあるため、大阪の大学を卒業後、家業を継ぐ勉強のために、そのまま大阪に止まり青果市場へ就職し、5年間青果物の流通の修行をしました。
帰郷して8年ほどになりますが、今34歳で、先月訪問した “プリマーレ はやしや” の林達二さんとは同級生だとのことで、家業を持つ家に生まれたものとして、どこか似た人生を歩んでいるようです。
(有)三宅青果は、博美さんのおじいさんが戦後、この仁尾のまちで農家と共に栽培し販売できる農作物はないかと考え、イチゴの苗を持ち込み農家に販売したのが始まりだそうです。
その後、イチゴから みかん びわ 等へと作物は移り、特に曽保ブランドのみかんは一時代を築いてきました。
残念ながら、現在の仁尾町ではイチゴ栽培農家は皆無となっていますが、おじいさんから現社長のお父さんへと受け継がれた、地産作物を農家と共に育て販売するという、地域に根ざすことを大切にする精神に歪みはないようです。
昨年の世界的な金融破たんによる日本経済の低迷で、食卓の中で果物は一番に買い控えの対象となっていて、厳しい経営環境にあるとのことです。
しかし、青果物の扱いだけではなく、企画外品をジャムなどの加工品として、年間通して安定経営できるよう、商品開発に取り組んでいます。
今、新たな企業経営へのスタートラインに付いたようです。
取材で訪問した翌朝の四国新聞に、私たちの仲間である高松の 『スカイファーム(川西社長)』 が、地元のケーキ屋さんと協同開発した “イチゴマシュマロ” の記事が掲載されていました。
先進的な農業経営者や異業種経営者とも知り合い学びあって、仁尾(三豊)発の名物スイーツで大きく羽ばたいて欲しいと、心から期待しています。
訪問した日がちょうど、市場の休日の関係でお休みだとは知らずに、押しかけて申し訳ありませんでした。
家族サービスもしなければならなかったのでしょうが、時間を割いていただきありがとうございました。
奥様によろしくお伝えください。
ありがとうございました。
有志による新商品開発プロジェクトの立ち上げの可能性を感じた訪問でした。