総務常任委員会視察研修(R7年度) 報告3

「公益社団法人ふるさと回帰・移住交流推進機構」は、東京都有楽町の東京交通会館にあります。母体となる「ふるさと回帰支援センター」は2002年に設立され、今年で23年目を迎えていますが、2023年に「移住交流推進機構JOIN」と組織統合され現在の体制になっています。

 

高橋理事長と香川県担当の廣原うどん県移住コーディネーター他から説明を受けた。

組織統合の最大の狙いは、全国約1,700自治体の半数の850自治体を移住促進運動に巻き込むことだ。現状、「行きたい人がいるのに、よい場所が見つからない」ということだ。バブル崩壊以降の30年間で進行した格差拡大や貧困等の克服の一助となることが期待されている。

センター内には全国44都道府県のブースが常設され、相談員が配置されている。移住者の傾向と重視する点は、「仕事があるところ」が圧倒的に多く、次いで「自然環境が良いところ」「住む場所があるところ」「交通の便が良いところ」と続く。今は若い働き盛り世代が増えている。昨今は、ファミリー層が減少し、40~60歳の単身男性が多い傾向にある。女性の移住相談も増加している。

 

センターからは三豊市が会員になることで、再び以前に行っていたセミナーを再開するなどして、「空き家バンク」が充実していることや、市民が当たり前だと思っていることが当たり前ではなく、実は大きな価値のあることを積極的に発信することが効果的だと、提案をいただきました。

 

総務常任委員会視察研修(R7年度) 報告2

佐渡市は、佐渡島全域を市域とし、平成16年に10市町村が合併して人口68,000人余で誕生したが、現在は36,000人余である。島の面積が855㎢で東京23区や淡路島の1.5倍の大きさがある日本海側最大の島だ。

調査事項である『集落支援員・二地域居住の取り組みについて』、佐渡市役所地域振興部地域産業振興課及び、移住交流課から説明を受けた。

●『集落支援制度の取り組みについて』  全島が一行政区となったことで地域課題の把握や行政サービスが届きにくいということに対して、令和3年度から支所・行政サービスの組織体制強化に着手した。

「地域相談員」:市のOBを中心に、行政と集落のつなぎ役として地域要望や情報収集、事業化検討を行う。会計年度任用職員として、21地域の専任で各支所に配置されている。

「地域活動支援員」:佐渡市の掲げる主要政策を推進するために、主に首都圏の大学(相模女子大・東洋大・芝浦工業大等15校)と連携して地域活性を担う専任職員である。特に佐渡の伝統行事の伝承や地域イベントの活性化のため、大学生等の参加を促すサポート支援を行う。当市における集落支援員は、佐渡の伝統芸能等の造詣の深い民間人に業務委託しているこの1名である。

●『二地域居住促進の取り組みについて』  UIターン政策の行き詰まりから、より気軽に地域と関わる仕組みとして、二拠点居住を重視している。人材創出社会のため、スタートアップを支える仕組みを充実するとともに、地域活性化法の改正を受け「二拠点移住広域促進計画」を新潟県内で初めて策定し、二地域居住を推進している。

移住支援施策は二つの切り口で展開している。  ①「スタートアップ支援」と「企業誘致」として、※廃校や佐渡汽船ターミナルの空きスペースうを活用したインキュベーションセンターや、コワーキングスペースを整備し、ワーケーションによる企業を支援している ※県と連携したビジネスコンテストで雇用機会拡充補助金の活用促進をしている  ②「受け入れ促進と定着支援」は、※「さどくらしテラス」で〈住む〉〈働く〉〈暮らす〉の相談の受付 ※「お試し住宅」で保育園留学でお試し入園による佐渡の暮らしを体験 ※「就業支援」で多様な働き方を支援する、地域づくり事業協同組み合の運営や医療・介護・福祉分野の奨学金制度で若者の定着促進 等

 

二地域居住政策とそれに関わった若者に、定住を促す集落支援政策を複合的に、しかも関係性をもって展開していることに、気づき多い研修でした。

総務常任委員会視察研修(R7年度) 報告1

三豊市議会総務常任委員会の視察研修が、令和7年7月29日~31日の3日間実施されました。訪問先は、新潟県南魚沼市と同県佐渡市及び、東京都有楽町にある公益社団法人ふるさと回帰・移住交流推進機構でした。

 

南魚沼市は、平成17年10月に3町合併により面積584㎢、現人口52,000人の新生「南魚沼市」として誕生した。群馬県との県境に位置し、豊かな水と肥沃な土地が育むコシヒカリの産地として全国に名を馳せている。

調査事項である『地域コミュニティと移住について』、南魚沼市役所U&Iときめき課から説明を受けた。

●『地域づくり協議会について』  合併により地域の声が行政に届きづらく、距離のある状況を改善する必要があったことや、自分たちのまちは自分たちでつくるという機運が高まっていたことから、地区と行政が両輪となり、ともに対等な立場で効率的できめ細やかな行政運営を推進するため、平成24年に設立された。

旧3町のそれぞれに4つの旧村単位の協議会が組織され、活動事業所として12の地区センターを設置している。地区センターごとに事務長がおり、地域づくり協議会での事務業務が集落支援員業務と同等であるとみなされ、総務省の集落支援員制度の専任集落支援員と位置付けられた。給与は協議会から支払われている。

また、地区センター事務長の12名のほかに、公共施設管理運営のために会計年度任用職員の立場で1名おり、計13名の集落支援員を配置していることとなっている。

●『移住施策について』  総合計画で「若者が帰ってこられる、住み続けられる南魚沼」と謳っており、若者世代のUターン層のほかIターン層に対しては、雪などの地域資源に魅力を感じる人を狙っている。近年は、「ふるさとワーキングホリデー事業」や総務省の「ふるさとみらいカレッジ」などの、大学生世代の関係人口化に注力している。このような施策によって、当市の魅力にひかれ訪れた学生を中心に、R4からこれまでの4年間で計11名が地域おこし協力隊として、会計年度任用職員に雇用されて活動している。

 

「南魚沼市地域コミュニティ活性化事業実施要綱」における、基礎事業や提案事業の内容は、三豊市におけるこれからの制度設計に役立つと感じました。三豊市にすでにある土地改良区事業の仕組みの考え方に似ており、地域コミュニティの制度設計に大いに参考になった研修でした。

 

 

令和7年第2回定例会 一般質問・3

3件目

小学校統合に伴う学校施設跡地の利用と避難所活用について

 

【質問】

小学校の統廃合により、廃校となった校舎や跡地の今後の在り方について、市民から不安や期待の声がある。廃校となった学校は、地域の記憶とともに歩んできた大切な場所だ。これを活かして地域の活性化につなげるとともに、近年多発する自然災害に備えた防災機能を確保することも重要な視点と考える。

次の3点について質問する。

先ず、既に廃校となっている施設について、避難所指定や投票所指定など、どのような実績があるのか。

次に、民間活用、地域主導の取り組みの可能性について、全国的に地域のコミュニティスペースやカフェ、体験施設などに再活用する事例が増えている。市内でも、地域住民や民間事業者との協働により、施設が新たな価値を生む場として活用される可能性があると考えており、民間提案などをどのように受け入れていくのか。

3点目は、学校施設の所在する場所は、歴史的にもその地域の安心安全の拠り所であり、敷地面積や建物構造の面で、災害時の避難場所としての機能を担うポテンシャルがある。施設を民間に譲渡、売却する場合であっても、災害時には地域住民の避難場所として使用可能な状態を維持できるよう、防災拠点、避難所としての再整備と避難所機能の継続に関する条項を設けることを、市の方針で掲げることを提案する。併せて、各方面隊ごとの防災センターの整備の現状と、豊中地域の今後の計画と見通し、並びに場所について学校跡地の一つに整備することの考えを問う。

 

【答弁】

学校施設跡地について、役割を終えた公共施設は行政目的がなければ、公募による売却をするとして進めている。実績としてはこのようになっている。

 

民間活用、地域主導の可能性は、公募による売却となるため、購入した事業者のノウハウにより、有効に活用するものと考えている。地域と事業者が協働することで、公共施設を取得することができれば、地域主導の活用も可能だと考える。

条件付き売却については、これまで売却物件に特段条件を付したことはない。公募による売却においての条件付けは今後の検討課題だと考えている。防災センターの再編計画では、各方面隊に1か所設置することとしている。令和8年度以降に建て替えを計画している第4分団との併設の施設を検討している。消防団や関係者と協議して候補地を選定していく。

 

【再質問】

入札参加における特段条件が、豊中地域でなぜ絶対必要なのかは、この地域の真ん中に南北に竿川が横たわり、液状化する可能性があるという地形的な課題があるからだ。小学校が使えなくなれば、指定避難所の数は9か所から5か所となる上に、七宝山エリアには避難所が0となる。

さらに、桑山2,200人と比地大1,700人の住民が2小学校以外の避難所に集中すると、豊中地域の人口の4分の1に当たる4,300人が加わることとなる。それに対し、分散避難すればこれまで実施してきた避難所運営の訓練も生かされる。また、大人数での避難所で発生した性被害や伝染病も抑止できる。地形的にも歴史的にも人口分布からも避難所の位置は重要である。

市民の安心安全が大前提であり、条件付き売却の条項がなければ民間譲渡には反対だ。豊中地域の学校跡地の避難所の在り方を考えるきっかけとして、全市域の避難所の再編を実施すべきだ。

 

【答弁】

現状において指定避難所が十分であるとは考えていない。民間施設など協定により指定し避難所を確保しているところだ。小学校跡地を売却した場合であっても、借主の協力を得て、緊急避難場所や指定避難所として継続できるよう協議を進める。

令和7年3月末に内閣府より南海トラフ巨大地震の被害想定が見直しされており、県独自の被害想定についても本年夏ごろに公表される予定となっている。

指定避難所と緊急避難場所を分けるなど、再編は必要だ。新たな民間施設の指定に向けた協議を行い実施していく。

 

 

 

令和7年第2回定例会 一般質問・2

2件目

豊中町本山地区の治水対策の現況と見通しについて

 

【質問】

令和6年12月議会の一般質問に対して、次の4点の答弁があった。

1点は、市河川である加奈子川は、河川護岸の老朽化から、現在120mほどの区間で改修工事を計画中で、今後、地元関係者の協力を得ながら、河川の幅広い護岸のかさ上げの改良工事を進めていく。

2点は、河川改修と大雨のため池や水路管理といった農業施設の適正な維持管理の働きかけを強化する。現状可能な対策にしっかり取り組み、浸水被害の軽減に努める。

3点は、竿川や財田川は、河川の管理者である県に対して、流れがよくなるよう、河道掘削により流水面積の拡大などの協議や改修要望を行っていく。

4点は、地元自治会からの要望もあり、また、私からの提案である「三方良し政策」について、遊水地の整備は有効な浸水防止対策の一つとして検証を行う。

というものだった。これらの答弁に対して以下の4点についてその後の対応の結果を質問する。

①市河川の加奈子川の改修工事の進捗状況と今後の予定について

②大雨前のため池や水路管理の適正管理の働きかけの強化の状況について

③県河川である竿川、財田川の流下力向上に向けた取り組み状況と今後の対応について

④旧豊中電子跡地に企業誘致する産業振興施策と、その民有地を活用した治水対策としての貯水池整備と樹木管理による住環境向上を図る安心安全の確保、並びに借り手のなかった農地の優良農地化という、三方良し政策の提案に対する検討結果について

以上、豊中地区百合田の治水対策の現況と見通しについて問う。

 

【答弁】

市河川の加奈子川の改修について、現在、JR本山駅前の県道観音寺善通寺線から豊中電子跡地までの現地測量、調査を行い、河川法線を検討しているところだ。地元関係者に提案(7月4日)し、了承が得られたら設計案の作成、詳細計画、用地測量など順次進め、用地取得の後下流側から改修工事を実施する予定だ。

農業施設の適正な維持管理の働きかけについては、現在、ポイントとなる施設を確認しているところであり、今後、施設管理者とその方法について協議し、浸水被害軽減のため協力を求めていく。

県河川である竿川と財田川の流下能力向上の取り組みは、財田川と竿川の合流がスムーズに行われ、竿川の流速が少しでも高まり、支川の流れに支障がないよう対策を調査、検討を県に要望しているところだ。

民有地の活用については、先ず、環境美化の観点から樹木管理を土地所有者に要請しているところだ。治水対策は、貯水池の整備を計画する際、大雨時の流量から必要な貯水容量を算出し、それに基づいて設計を行う必要がある。民有地の活用と治水対策の両立は、浸水リスクの軽減が企業誘致の前提となることから、貯水機能を備えた土地利用として、例えば水を活用する陸上養殖など、地域と環境と調和する企業の誘致の可能性が想定される。

いずれにしても、実現には一定の課題があるため、先ず、市河川改修を進めるとともに、農業施設の適正な維持管理の働きかけを強化し、現状可能な対策にしっかり取り組むことで浸水被害の軽減に努めていく。

 

令和7年第2回定例会 一般質問・1

三豊市議会6月議会の一般質問では、3件の質問をしました。

1件目

統合小学校開校に伴う子どもの放課後の居場所づくりについて

 

【質問】

豊中地区の小学校は、5校が1校となる統合小学校として、令和8年4月1日の開校に向け、工程が進められており、並行して、5か所あった放課簿児童クラブも集約されることとなっている。これにより、利用児童数が増加するとともに、ちいき、保護者の多様なニーズを受け止める新たな体制構築が求められる。

国(文部科学省、こども家庭庁)が示した『放課後児童対策パッケージ』に即して、本市の取り組みと今後の展望について、次の3点について質問する。

1.放課後児童クラブと放課後子供教室の一体的運営について。放課後児童クラブと放課後子供教室の連携や統合、具体的な検討状況について、現在は両社の運営主体、財源が分かれており、今後どのように一体運営に向けた移行を進めていくのか。

2.人材確保と放課後コーディネーターの導入について。国のパッケージでは、放課後支援をつなぐ役割として、放課後コーディネーターの配置支援が示されている。担い手不足が心配されているが、地域の人材を活かす研修や連携体制の支援はどのように展開していくのか。

3.子どもたちの多様な育ちを支える仕組みとしての多様な居場所づくりによる多機能化について。放課後の時間が預かりだけでなく、学び、遊び、地域とつながりの場となるよう、多機能型の放課後拠点づくりに向けて、今後の方向性やビジョンを問うととっもに、国の補助制度やモデル指定を活用しながら、先行的な新たな放課後支援体制の展開の考えを問う。

 

【答弁】

豊中地区新設小学校の開校に併せ、現在5つの小学校区ごとに運営している放課後児童クラブを一つに統合することとしており、新校舎の屋内運動場1階部分に専用施設の整備を進めている。

『放課後児童対策パッケージ2025』に基づき、本市として初めて放課後児童クラブと放課後子供教室を同一小学校で一体的に運用する「校内交流型」を導入する。

子どもたちが放課後や休日に地域の方や大学生、企業、NPOなど様々な人と関わり、学校ではできない学習や体験、交流活動などを行うためには、コーディネーターの役割が重要だ。本市においても、人材不足が問題だが、子どもたちの成長を地域全体で支えていくという意識を、地域の方に持ってもらえるよう啓発に努めるとともに、コーディネーターとして活躍する人材の発掘にも努める。

子どもたちが自分らしく育っていくためには、放課後の居場所が預けられるだけの場所ではなく、人とつながり、学びや体験を重ねていくことができる場であることが何よりも大切だ。異なる機能を持つ居場所が地域の中に存在し、子どもたちが必要に応じて行き来できる、地域全体を多機能型の居場所として整えていくことを目指す。国の補助制度やモデル指定等の活躍も検討しながら、育ちを支える環境づくりに全力で取り組む。

 

【むすびに】

積極的に子どもたちの放課後の居場所を構築するとともに豊中地域から全市に展開し、福祉機能の高い大きな学校の実現に向け、全力で取り組むことを期待する。

 

会派清風会視察研修報告(2025山梨・東京)・3

会派研修の3件目は、東京都国立市の「くにたち未来共創拠点 矢川プラス」です。

 

矢川プラス館長・幼児教育センター長である細田氏他から説明をうけた。

矢川プラスは、高齢化し住人人口が減少した都営団地跡地に、「あらゆる世代が利用できる機能を備えたさまざまな活動・交流の拠点となる複合公共施設」として、2023年4月1日OPENした。コンセプトは「まちなかの おおきな家と庭」で、市民の意見から生まれた。

建設費は、総工費11億3,000万円余で、うち補助金が25%余の2億8,000万円余である。運営費は、1億3,5000万円弱で内89%余の1億2,000円余が指定管理料だ。

運営は、国立市100%出資の「夜会福祉法人 くにたち子どもの夢・未来事業団」が指定管理者となっている。理事長は教育学者の汐見稔幸氏である。

施設運営の合言葉は「つどう、つながる、つくりだす」で、矢川プラスはどんな「場」にしていくのかも、どんな「元気」や「未来」を生み出していくのかも、この場所につどうみなさんそれぞれのチカラをつなげて、みんなで一緒に考え、みんなで一緒に作っていく という考えが込められている。

館内は、目的によって利用できるように、8つの施設で構成されており ①矢川児童館 ②ここすきひろば(子育てひろば) ③こども縁側 ④多目的ルーム ⑤スタジオ ⑥とおり土間 ⑦みんなのホール ⑧スタディコーナー がある。

施設全体来館者数は33万人/年の利用者がある。他に主なイベントだけでも16を数え、地域の商店街や大学生他の協力もあり、地域と一体の活動を年間を通して実施している。

まさに地域の中にある、あらゆる世代が利用できる「まちなかの おおきな家と庭」を現実のものとするため、日々取り組んでいる。

 

細田館長のお話の中に、「『人間』とは『他者を助ける本能』をもった生き物だ。大人に見守られている安心感のもと、周りの大人への憧れで参加・挑戦し、コミュニティの一員として発達していく」という人育ちの本質を指す言葉が印象的でした。そのために地域の多様な人たちの関りが欠かせないのだと思います。この関りが、そこに集う人々の生きる活力にもつながっていくという、ひとづくりと生きがいの循環を見ることができた、貴重な研修でした。

会派清風会視察研修報告(2025山梨・東京)・2

会派清風会視察研修の2件目は、衆議院会館会議室に省庁関係職員を招いての政策勉強会で、テーマは【放課後改革について】と【自動運転について】の2点です。

 

【放課後改革について】

●『放課後子供教室について』  文部科学省総合教育政策局地域学習推進課から説明をうけた。

放課後児童クラブにおける待機児童解消策は、開設する場の確保だ。学校施設の積極的な活用で、学校内の特別教室や学校図書館等のタイムシェアや体育館や校庭等の有効活用、廃校施設の活用を図るなど、学校施設を活用する際の管理運営上の責任体制の明確化。

全ての子どもが放課後を安全・安心に過ごすための強化策は、多様な居場所づくりの推進だ。放課後児童クラブと放課後子供教室の校内交流型・連携型の推進。「地域と学校の連携・協働体制構築事業」を活用して、放課後子供教室を実施する場合は、校内交流型を中心として連携実施し、放課後児童クラブの児童も含めてのこどもたちの参加促進が図られるよう努める。

●『部活動の地域連携・地域移行と、地域スポーツ・文化芸術環境の整備について』  スポーツ庁地域スポーツ課、並びに文化庁参事官(芸術文化担当)学校芸術教育室から説明を受けた。

「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」最終とりまとめ(素案)ポイントは8点ある。

1.地域クラブ活動を担う運営団体・実施主体の体制整備

2.指導者の質の保証・量の確保

3.活動場所の確保

4.活動場所への移動手段の確保

5.大会やコンクール運営の在り方

6.生徒・保護者等の関係者の理解促進

7.生徒の安全確保のための体制整備

8.障害のある生徒の活動機会の確保  などが挙げられている。

 

三豊市では先んじてミクスポを立ち上げ、この地域に相応しい部活動の在り方に取り組んでいます。今回の説明にあった実行会議の今後の施策提案に注目したいと考えています。

 

【自動運転について】

●『自動運転に関する取り組み』を国土交通省 物流・自動車局 技術・環境政策課説明を受けた。

自動運転の意義は *死亡事故の大部分は「運転者の違反」で、交通事故の削減効果に期待 *地域交通の維持・改善、ドライバー不足への対応などの解決

自動運転の実現に向かうアプローチは2つ ①特定のルート・地域に限定して、「無人」自動運転を実現し、人手不足解消や移動手段確保に寄与(商用車) ②ルート・地域を限定しないことで、どこでも使える自動車として、自動運転のレベルを段階的に上げる(自家用車)  により社会実装が進められている。

自動運転社会実装推進事業は、レベル4自動運転移動サービス実装の初期投資を支援する。地方公共団体を対象事業者として4/5を補助。重点支援には上限3億円、一般支援には1億円。

松山市では、市内の港から駅を結ぶバス路線を、市と私鉄が協力して着手し、自動運転化している。

三豊市では、詫間駅~大浜地域を結ぶルートで社会実装することを目指した取り組みを行っている。令和6年度には一部運行し、令和8年度からレベル4運行を開始し、段階的に運行区間を拡大することとしている。

 

●『自動運転実現に向けたインフラ支援』を同省 道路局から説明を受けた。

一般道の自動運転移動サービスに求められるインフラ支援は、「道路インフラから自動運転車両に対して交差点等の状況を提供する路車協調システムや、安全性向上のための走行空間整備により、自動運転移動サービスの実現」するためだ。

支援案として、走行空間確保のための専用道・歩行者分離によるハード面の支援から、自車位置特定のための電磁誘導線や磁気マーカー・RFタグ等の路面施設や、交差点センサによる路面協調のためのソフト面による支援が考えられる。

 

その地域にとってどのような自動運転が求められて必要とされているのかを、そこに住む私たちが、どのような未来社会を目指していくのかを見据え見極めていくことから始めなければならないという、当たり前のことが明確になった研修でした。

 

 

 

会派清風会視察研修報告(2025山梨・東京)・1

令和7年5月7日(水)~9日(金)の3日間の日程で、3件の会派清風会視察研修に参加しました。

1件目は、山梨県山梨市における「ふるさと納税について」です。

 

山梨市は面積290㎢、人口32,000人余の甲府盆地の東部に位置しており、都心から約100㎞圏、JR中央線、中央自動車道で90分という交通の利便性に恵まれている。なだらかな斜面や平坦地に広がる桃・ぶどうの果樹園は、令和4年に世界農業遺産に認定されるなど美しい景観をおりなすとともに、全国有数の生産量を誇っている。

『ふるさと納税ブランディング課』から説明を受けた。

山梨市のふるさと納税は、制度が始まった平成20年から17年間で着実に実績を積み重ねている。令和5年度の納税額は43億9,000万円程で件数は313,000件余だった。令和6年度には65億7,000万円程で件数は406,000件余であり、21億8、000万円余の増加額であった。

山梨市は、三豊市と同じくフルーツ王国を掲げているとともに、人口、面積ともによく似た規模であるにもかかわらず、当市の6倍の寄付を集めており、シャインマスカット人気とともに伸びてきた。寄付の比率は果樹が86%、他14%(ワイン・羽毛布団・装飾品等)となっている。

令和3年度から寄付額が急増している。「前年度寄附受付、次年度返礼品配送」という【先行受付】を11・12月に導入した。その結果この期間に10億円以上の寄付が集まるようになった。

職員体制は、令和7年度より『ふるさと納税ブランディング課』となり1名増員の6名体制となった。内2名は企画担当として、新しい商品の開発に取り組んでいる。

配送料や物価高騰による経費増に対しては、返礼品率の見直し(寄付額の30%⇒25%)や配送サイズの見直し(例:80サイズ⇒60サイズ)及び、安価な運送業者に移行して対応している。

果物などの品質に対するクレームに対しては、中間事業者が対応することとなっている。令和5年度より果物配送は原則「クール便」としたことで、それまでの何十分の1といえるほどに激減した。

ふるさと納税の使い道は、「市街地や生活インフラの整備」「地域資源を活かした産業経済の活性化」「子育て・学校教育・福祉の充実」「使途の指定なし」となっている。

今後の課題は、新体制の2名の企画担当を中心に、天候に左右されない新たな地場産業の育成に取り組むこととしている。他産地との競合やニーズの変化、気候変動の影響を念頭に置き着手していく。

 

「山梨」を検索すると「山梨市」がトップに来るようレビュー対応しているとともに、ぶどうの一大産地という歴史と伝統に裏打ちされた信頼の積み重ねが実績に表れていると感じます。山梨市は現状に甘んじることなく、さらなるブランド力の向上のため、加工品開発、品種改良、体験型商品の開発等に努めており、当市においてもまだまだやるべきことの多いことに気付いた研修でした。

 

令和7年第1回定例会 一般質問・2

2件目

ファイナンス機能を有する組織の創設という、組織改革による意識改革について

 

問   三豊市の財政事情を考えるとき、納税業務を含めた歳入と歳出を一元管理する意識が必要と考える。今は市税は市民環境部、財政は政策部、公有財産は総務部に分かれている。そこで、会計管理者のかかわり方も含めて、財政運営において歳入確保とその運用の関係性の重要さを認識するファイナンス機能を有する、理財を担う組織創設による意識改革によって、行政の事務事業運営の意識改革につなげることを提案する。

 

答   税務部門、財政部門、管財部門については、自治体によっては理財部等の名称で同一部局の所管となっている事例があるほか、総務部の中に3課が、税部を除く2課が配置されている場合もある。

本市の現状を踏まえると、組織改革による組織全体の意識改革につながり、財政面で好影響が生まれるのは難しいと考える。しかし、提案の趣旨については同様の意識を持っている。

 

問   今回の初めての提案で、三豊市の行政機構組織が変わるとは思えないが、将来的に行政機構を考えるときに、基本的な三豊市の行政運営の理念や、考え方、姿勢が組織に表れるのではないか。

理財とは「金銭財物を有利な結果を得るよう取り扱うこと」となっている。まさにファイナンス機能の根幹を担う役割となる。

あるマーケターの著書に「組織とは一人ひとりの能力を引き上げる装置だ」とある。一人でいるときよりもはるかに大きな力を発揮する、それが強い組織で、それこそが組織をつくる意義だとまで言っている。当市の現状とこれからの財政状況を考えるとき、マンパワーの最大活用が求められ、そのための組織の在り方について考える必要があると考える。

ファイナンス機能とは、組織を動かす血液ともいえるお金を管理するための一切の動きのことだ。血液の巡りをよくする組織を創設してはどうかというのが私の提案だ。気が付いたら市の財政のことを誰もが意識している、そんな意識改革となるような組織改革に着手する価値はあると考える。

今後組織改革を検討するに当たっては、この提案を留め置いていただくとともに、組織とは一人ひとりの能力を引き上げる装置であるという視点をもって取り組んでほしい。

 

答   職員一人ひとりの能力を引き出すことがより良い行政サービスにつながっていくので、今後の組織改革に当たっては、その観点にも留意していく。