令和7年5月7日(水)~9日(金)の3日間の日程で、3件の会派清風会視察研修に参加しました。
1件目は、山梨県山梨市における「ふるさと納税について」です。
山梨市は面積290㎢、人口32,000人余の甲府盆地の東部に位置しており、都心から約100㎞圏、JR中央線、中央自動車道で90分という交通の利便性に恵まれている。なだらかな斜面や平坦地に広がる桃・ぶどうの果樹園は、令和4年に世界農業遺産に認定されるなど美しい景観をおりなすとともに、全国有数の生産量を誇っている。
『ふるさと納税ブランディング課』から説明を受けた。
山梨市のふるさと納税は、制度が始まった平成20年から17年間で着実に実績を積み重ねている。令和5年度の納税額は43億9,000万円程で件数は313,000件余だった。令和6年度には65億7,000万円程で件数は406,000件余であり、21億8、000万円余の増加額であった。
山梨市は、三豊市と同じくフルーツ王国を掲げているとともに、人口、面積ともによく似た規模であるにもかかわらず、当市の6倍の寄付を集めており、シャインマスカット人気とともに伸びてきた。寄付の比率は果樹が86%、他14%(ワイン・羽毛布団・装飾品等)となっている。
令和3年度から寄付額が急増している。「前年度寄附受付、次年度返礼品配送」という【先行受付】を11・12月に導入した。その結果この期間に10億円以上の寄付が集まるようになった。
職員体制は、令和7年度より『ふるさと納税ブランディング課』となり1名増員の6名体制となった。内2名は企画担当として、新しい商品の開発に取り組んでいる。
配送料や物価高騰による経費増に対しては、返礼品率の見直し(寄付額の30%⇒25%)や配送サイズの見直し(例:80サイズ⇒60サイズ)及び、安価な運送業者に移行して対応している。
果物などの品質に対するクレームに対しては、中間事業者が対応することとなっている。令和5年度より果物配送は原則「クール便」としたことで、それまでの何十分の1といえるほどに激減した。
ふるさと納税の使い道は、「市街地や生活インフラの整備」「地域資源を活かした産業経済の活性化」「子育て・学校教育・福祉の充実」「使途の指定なし」となっている。
今後の課題は、新体制の2名の企画担当を中心に、天候に左右されない新たな地場産業の育成に取り組むこととしている。他産地との競合やニーズの変化、気候変動の影響を念頭に置き着手していく。
「山梨」を検索すると「山梨市」がトップに来るようレビュー対応しているとともに、ぶどうの一大産地という歴史と伝統に裏打ちされた信頼の積み重ねが実績に表れていると感じます。山梨市は現状に甘んじることなく、さらなるブランド力の向上のため、加工品開発、品種改良、体験型商品の開発等に努めており、当市においてもまだまだやるべきことの多いことに気付いた研修でした。