3月定例会 一般質問報告・1

議会最終日の3月28日には、各常任委員会に付託されていた議案審議結果の報告が常任委員長から行われ、平成23年度予算案を含む全ての議案が原案通り可決され、28日間の平成23年第1回定例会が閉会しました。
これから何回かに渡り、3月定例会報告をします。
先ず今回は、一般質問通告をしていた2件の内、 「施政方針の “マイナスアルファ” について」の報告をします。
【質問】
行政、福祉サービスは、日常的に変化する社会状況に対し、既にある事業の必要性について自問自答しながら業務に当たる事が理想だ。
昨年、外部評価委員会から市長に提出された外部評価報告書に、総括的事項として次のように示されている。
「行政が行う事業として、当初は意義深いものであっても、現在、社会の変化とともに行政の担う役割や市民ニーズも変わることから、その変化に応じて事務事業も改善するべきである。特に、マンネリ化により当初の目的や効果を失う一方、それにより利益を受ける側には、既得権益化し、行政自体がそれを見直すことさえ困難となっている状況が見受けられる。今後は、旧態依然のままの事業や効果、効率に疑問がある事業については、整理再編や思い切った廃止が必要である。前例踏襲にとらわれることなく、その時点の価値観に基づき見直しを進めるべきである。」
と厳しく指摘されている。
平成23年度施政方針の中で、
「今までやってきたことで役割の終わったものは、 “マイナスアルファ” にしなければならない。民間ができることは民間でお願いしなければならない。」
とあるが、その指す意味と対象事業は何かを問う。
【答弁】
行財政改革で行政から仕事量が減り、予算も減る。
これが “マイナスアルファ” だが、その効果は、市民や次世代にとって “プラスアルファ” になると信じている。
結局は、“プラスアルファ” と同じ事だ。
行政は管理型で、民間は利用型がスタンスだ。
行政は、法律や規則に最も忠実に従う団体なので、利用促進より管理的にならざるを得ない。
時代は利用型を求めていると思うので、市民利用型に移行したいと思っている。
民間にできることは民間には、公共施設の管理や保育所、観光事業、国際交流などで、民間業者や市民団体にお願いしたいと考えている。
【提案・質問】
私が調べた先進事例を何点か挙げる。
・ 公金収納のアウトソーシング (税務課の収納業務を民間委託-課税業務は市役所内部に置く)
・ 公用車管理のアウトソーシング (管財課の業務を民間委託)
・ 総務事務(人事・給与・福利厚生・旅費等)のアウトソーシング (人事課業務を民間委託)
・ 窓口事務のアウトソーシング (市民課、税務課、福祉事務所、介護保険課などの窓口業務を民間委託)
・ 税収総額の1%を市域団体に補助する制度の創設
・ 指定管理者制度の活用
・ PFIを活用した長期的な指定管理者制度 (施設の建設・修理・管理・運営を25年を目安に外部委託)
・ NPO法人の設立を促し、地域の問題を地域で解決する仕組みづくり (コミュニティビジネスとして中小企業施策の中で支援)
これらの事例がある。
取り組みの考えを問う。
【答弁】
守秘義務に関することは、今のところ市役所の仕事の範疇だと考えている。
これからはずれる部分で、民間でやれるのであれば今後とも、あらゆる分野で研究していきたい。
この提案も一度検討したいと思っている。
次回は、2件目の報告をします。

NPO法人の会計基礎講座

香川県には267の特定非営利活動法人(NPO法人)があり、ここ数年は毎年20から30の法人が増加しています。
NPO法人は、新しい公共サービスの担い手として活躍が期待されていますが、現実は財政と経営状態を運営経営者自身が把握できていない場合が多くあり、せっかく法人格を取得したとしても、目的に相応しい活動に支障をきたすケースがあるといいます。
平成23年3月26日(土)、香川県総務部県民活動・男女共同参画課による、 『NPOマネージメント口座(会計編) “NPO法人の会計基礎講座”』 を、青空クラブの指導員の先生3名と一緒に受講しました。
以前から、NPO法人になったら日常の帳簿の記帳や決算書などの作成が面倒くさいと聞かされていました。
ボランティア活動で止まって、収益事業がほとんどない団体にとっては、煩わしく負担増になるのかも知れません。
それに対して、新しい公共としてコミュニティビジネスを展開する目的がある団体にとっては、法人格を取得し、自らの財政状態や経営成績を明確にすることは重要なことです。
このことによって社会的信用を得ることの価値は、大きなものがあります。
これを力に 「NPO法人青空クラブ」 は、公共という地域コミュニティに打って出ることとします。
私にとって、今回の講座の受講で何よりも良かったのは、企業経営の基本である複式簿記の概念からの基礎勉強をやり直す事ができたことです。
それはさておき、伴に運営と経営にあたる指導員の皆さんと一緒に 「NPO法人青空クラブ」 を、公器とも言える法人として、恥ずかしくない経営の信頼性を高めていかなくてはらないと思っています。

次期ゴミ処理方法と施設の行方

三豊市民が出す家庭ゴミや事業系などの一般廃棄物は、これまで観音寺市と三豊市でつくる三観広域行政組合の運営する、クリーンセンターで焼却処理を行って来ました。
観音寺市の政策転換による民間処理委託開始によって、現在は、この施設を使用しているのは、三豊市のみとなっています。
新設稼働時点から借地期限は、平成25年(2013年)3月31日であることは、誰もが知っていることでした。
平成25年4月1日からの新たなゴミ処理方法実施まで、残すところ2年となっています。
市及び議会も、数々の先進施設視察研修と調査を行ってきました。
また、「ゴミ処理技術検討委員会」 や 「環境市民会議」 を設けて、専門家や市民の意向も確認してきました。
新市発足以来、5年間を費やし以上のような検討を重ねてきた過程を経て、昨年末の平成22年12月に、 「三豊市一般廃棄物処理施設整備事業参加意志確認調査評価委員会」 が設置され、公募によって提案された7つの方式について検討が行われました。
その結果、地元企業の(株)エコマスターが、三豊市の次期一般廃棄物処理施設の 「方式」 の案として決定されたのです。
詳細は、平成23年1月22日付けのこの場に書き込みしています。
平成23年3月22日(火)、三豊市議会ゴミ処理問題調査特別委員会において、エコマスターが丸亀市に設置した実証実験機の実施状況について、現地調査を行いました。
『バイオトンネル実証機』 は、40フィート海上コンテナーを改造したもので、生ごみを含む可燃ゴミを投入後遮蔽し、空気と水分量をコントロールすることで、約3週間をかけて微生物の持つ発酵分解能力によって、生ごみを堆肥化し、それをふるいに掛けて取り出された廃プラなどを、RPF製造機によって固形燃料化するものです。
昨年10月から実施されている実験は3回行われ、現時点では予定通りの結果を得ています。
もし、この方式で三豊市が次期ゴミ処理施設として決定したとしても、着工から完成まで21ヶ月を要するとのことで、平成25年4月からの稼働は困難な状況なのです。
新たなゴミ処理施設の確保は重要な課題であることには違いありませんが、現処理施設使用期限を2年に控えるこの時点で、市独自の施設を持たない場合の市の方針を、市民に対し速やかに明確な説明をする必要があります。
三豊市を拠点とするゴミ処理施設(資源化施設)の完成までは、たとえば、観音寺市のように民間事業者に処理委託するのか、それとあわせて、自然災害などの有事には近隣自治体との施設共同使用協定を締結するとか、具体的施策提案をしなければならないのです。

義援活動

東北関東大震災が発生した3月11日(金)から、早10日目を迎えようとしています。
三豊市では、13日(日)から市役所本庁と各支所で募金箱を置き、常時受付を始めまており、現在は、受け付けた義捐金を、日本赤十字に一本化しています。
三豊市議会もすでに、全議員からの義捐金をまとめました。
三豊市職員においても、募金活動の実施を決定し、活動が始められています。
義援物資は、19日(土)から、香川県の指定品目 「毛布」 「紙おむつ(幼児・大人)」 「バスタオル」 「飲料水・お茶」 「保存食」 「粉ミルク」 等の受付を各支所で開始しています。
応援派遣は、三豊市水道局から香川県団の一員として、3/27~4/1の間、仙台市へ1名。
保健師は県団の一員として、4/4~4/8、4/20~4/24の間、各1名を南三陸町へ。
被災者の受け入れは、公営住宅などの14戸の他、雇用促進住宅89戸を可能数として、県に報告しています。
私の近くの子どもたちは、募金活動をしたいとまでいっています。
私たちにできることを、一つ一つ力をあわせていけば、大きな支援の波で大津波の被害を押し戻せるのだと思っています。

当たり前のことを当たり前に

卒業式や修了式の季節です。
毎回の事ながら、せっかくのこの機会に新たな旅立ちをする子どもたちに、私たちの思いを託したいといつも思って臨んでいます。
今年はなんと言っても、東北関東大地震のことです。
発生以来、全ての放送局がテレビコマーシャルもせず報道する画像で感じるのは、こんな事が現実に起きていいのだろうか、という未だにつきまとう信じがたい疑念と、日常の何の変哲のない普通の日々を迎えることのできる、我が身の有り難さと何という幸せなのだろうかという思いです。
地震による津波で被災した東北関東地方の皆さんにも、当たり前のように卒業式や修了式は予定されていたはずです。
ところが、一瞬にしてこれまでの当たり前のことで当たり前にあった日常が途切れたのです。
私たちが今、当たり前のように生活できることは、何ものにも代え難い有り難いことであり幸せなことなのだということです。
途切れることのない日々の積み重ねの大切さと、当たり前のことが当たり前にできる事への感謝の念を忘れて欲しくないのです。
突然訪れたような、あっと驚く大発見も、文明を変えるような大発見であっても、自らができる当たり前の日々をこつこつと積み重ねてきた者たちにのみ訪れる、僥倖なのだと言うことを。
当たり前のことを当たり前にできることの、有り難さと幸せに気づく者の持つ力を信じて欲しいのです。

今、私たちにできること

東日本巨大地震による津波の被害は、犠牲者が数千人との予想で、それも恐ろしい事だったのですが、不幸なことにその予測を遙かに超えた数万人に達するのではないかと、実態があらわになってきました。
未だに余震は収まらず、福島原発の爆発も誘発し、想像すらしなかった出来事の波が押し寄せています。
このような日本の存亡に関わる大事件にあっても、幸いこれらの災害の外にいる私たちにできることは、今後、被災者の皆さんを何があっても支えることのできる、確かな日常を積み重ねることではないかと考えています。
平成23年第1回定例会の代表質問と一般質問が、3月14日(月)に終了しました。
これからは、施政方針に基づき編成された予算案審議が始まります。
施政方針の特徴的なところを上げたいと思います。
知名度向上のために、「若者の定住」 「Uターン・Iターン」 「産業振興」 「企業誘致」 「市民の誇り」 を有効に活用する。
歴史文化として、「太平洋戦争と三豊」 「織田朱越と三豊」の2のテーマで発信する。
関東に続き関西でも、ふるさと会の創設に努力する。
三豊市三野町出身のタレントの要潤さんに、ふるさと大使に就任していただく。
など、精力的な施策が盛り込まれています。
今、私たちにできることは、議会の中にあって、それそれの常任委員会に付託された案件に対して、当たり前のように淡々とこなすことなのかも知れません。
東日本巨大地震は、私にこんな事を考えさせるほど、衝撃的な出来事なのです。

最大地震襲来

度肝を抜かれたようなものすごいことが発生しました。
映画でも見ているような、いやそれ以上の想像を絶する悲惨な光景です。
平成23年3月11日(金) 午後2時46分頃、関東から東北地方を、マグニチュード8.8の最大地震が襲ったのです。
地震で想像する揺れの被害よりも、津波による被害がこれほどに凄まじいことに戦慄を覚えます。
当然にくると思っていた日常が、一瞬にして途切れるのです。
当たり前が当たり前のように来て過ぎることの有り難さを心底感じています。
考えもしたくないのですが、おそらく数千人単位の人命が失われているのではないかと、想像してしまいます。
もしも、四国沖で発生したとすればどうなるのだろうかと、明日は我が身と思うとともに、私たちに何ができるのか、行動を求められていると思っています。
「自然は偉大であり、人知を超えている」 という当たり前のことを突きつけられているのです。

マイナスアルファとプラスアルファ

行政の規模や形を表す言葉として、「大きな政府、小さな政府」 があると言われます。
これは、どのような社会を目指すのかによって、どのような行政体制を選択するのかは異なってきます。
大きな政府の場合、極端な言い方をすれば、市民・国民の全てが公務員となり、行政サービスを提供したりされたりすれば、正規とか非正規とかの職員の差はなくなり、民間人はいないので給与格差の問題も存在しなくなります。
地域内通過とともいえるサービス受給券のようなものが、その社会の中だけでくるくると回るだけで、地域内調達さえできれば、必要以上に外貨を稼ぐ必要はなくなります。
経済的な成長は期待できませんが、平等と安定はあるのかも知れません。
江戸時代のような一種の鎖国状態の社会でしょうか。
それに対する小さな政府は、大きな公共サービスが必要となります。
公務員や政治関係者の削減をし、非正規職員で担っていた事業業務を民間に託していくのです。
その財源は、削減した公務員や政治関係者の給与報酬と、積極的な経済活性化策による外貨の獲得です。
いずれの社会を求めるのかを決するのは、市民・国民なのです。
今回の平成23年度の横山市長の施政方針にある、マイナスアルファとは何かを確認することは、これからの三豊市のあり方を予測するに重要な部分なのです。
マイナスアルファとプラスアルファは、公共サービスの点からすれば表裏一体です。
プラスアルファならマイナスアルファがあり、マイナスアルファには新たな公共サービスのプラスアルファが連動するべきものだとも思うのです。

子どもとともに、大人も育つ活動

「平成22年度 三豊市子ども会育成連絡協議会」 の新指導者研修会が、3月6日(日)に三豊市高瀬町農村環境改善センターで開催されます。
前日の今日の3月5日(土)は、前川前会長から引き継いだ2年目の総決算だと言える明日に向けての、振り返りと反省や今後の活動指針や構想を模索する1日となりました。
今朝の四国新聞に、三豊市担当の平野記者執筆の 「取材こぼれ話」 のコラムがあり、本当にたまたまですがそれに目がとまったのです。
それは、
三豊市の荘内半島の入り口にある 「博智山(ばくちやま)」 で、地元住民が始めたユニークな活動に出会って、記者自身が驚きを感じた、という記事でした。
それは、 博智(ばくち)を博打に掛けて勝負師の聖地にしようと 「荒れ果てて入山できなくなった山を子どもの遊び場だった昔の姿に戻そう」 と地元住民が一致団結したと言うもので、その驚きとは、記者自身が1ヶ月で3回登ったそのたびに、 「手入れによって毎回、山道や周辺の景色に変化があり、地元住民の山への愛着や活性化に向けた活力を肌で感じた。」 ことでした。
明日の新指導者研修会では、博智山や七宝山など三豊市の七町にある里山を 『三豊七山』 と銘打ち、子どもたちが自然の中で丸一日何の束縛もなく自身の時間を過ごすことのできる、 【山の学校】 を提案したいと考えています。
その模範は、吉野川の 【川の学校】 です。
おそらく、子ども会活動の本来の役割は、生きる力の原点に気づく仕掛けづくりなのだろうと、私自身が感じ始めています。
まさに、 「子どもとともに、大人も育つ活動」 のことです。
おまけですが、平野記者の思い描くまちづくりを少しでも現実にしてあげようとも、ついでに思っています。  

3月定例会 一般質問通告

平成23年度の予算を審議決定する平成23年第1回三豊市議会定例会が、3月1日(火)~28日(月)の28日間の会期で開会されています。
今議会の初日には、平成22年度一般会計と9の特別会計及び2の公営企業会計の補正予算が上程され、可決されました。
これからの会期で、条例制定及び一部改正と平成23年度予算案を3の常任委員会において、それそれに付託された案件について審議が行われます。
これに先立ち、3月9日(水)に代表質問、3月10日(木)・11日(金)・14日(月)の3日間の予定で、一般質問が予定されています。
今回の私の一般質問は、次の2件を行う予定にしています。
1件目
【「中小企業地域経済振興条例」 制定の必要性について】
平成23年度施政方針には、「三豊市企業誘致条例」の制定を予定しているとあり、今議会にその議案が上程されている。
まちづくりの根幹を成すのは、財政基盤強化のための地域経済活性化である。
その方策は、企業誘致だけではなく地域産業育成も重要な手段である。
すでに当市では、中小企業振興基金や農業振興基金による支援事業を実施しているが、その根拠となる理念と目的を定めた基本条例がない。
この施策が市民から広く支持され、執行者が代わったとしても、まちづくりの根幹政策のぶれと後退を許さない、「中小企業地域経済振興条例」制定の必要性を問う。
2件目
【施政方針の “マイナスアルファ” について】
平成23年度施政方針の中で、「今までやってきたことで役割の終わったものは “マイナスアルファ” にしなければなりません。民間ができることとは、民間でお願いしなければなりません。」 とある。
“マイナスアルファ” とは何を指し、民間でお願いしなければならないこととは、どのような事業のことなのかを問う。
いつもの事ながら、能力の限界を感じながらの質問原稿づくりに、これから産みの苦しみです。