2件目 三豊市独自の脱炭素社会と流域治水について
質問
本年度の姿勢方針で掲げる「三豊市独自の脱炭素社会」は、温室効果ガスの削減だけにとどまらず、吸収量を増やすことで自然と共生し、環境そのものを地域の価値に変えていくという、まさに三豊市らしい循環型の環境経営の姿だと感じている。
一方、気候変動による線状降水帯や集中豪雨など自然災害の激甚化が進む中、流域全体を対象にした治水の重要性はかつてないほど高まっている。9月議会における「流域治水について」の質問で、市長は「流域全体を対象とした抜本的な治水効果を本市だけではなく県・国とも緊密に連携し、さらに民間の知見も取り入れて成し遂げたい」と答弁している。これは防災、環境、産業を一体と捉える三豊市の方向性であり、気候変動への対応を守るだけでなく、新しい価値を生み出す地域戦略と位置付ける姿勢こそ三豊市独自の脱炭素社会と流域治水をつなぐ大きな鍵になると考える。
山間部に降った雨水をただ「集めて流す」のではなく、森林や農地、ため池、遊水地などを活用し「溜めて流す」ことで緩やかに排水していく流域治水の考えをより積極的に取り入れることはできないか。これが、激甚豪雨に強く、持続可能な地域経済にも波及する自然共生のまちづくりを実現する鍵と考える。
脱炭素、森林整備、農地保全、河川治水、さらに地域産業といった分野は、それぞれ国の所管省庁によって制度が分かれており、小規模な事業の積み重ねにとどまる懸念がある。複数の国庫補助金や交付金を組み合わせて活用すれば、環境施策にとどまらず、地域の土木事業や林業、農業を将来につなぐ投資にもなりうると考える。
「三豊市独自の脱炭素社会と流域治水」を、循環型の環境経営と位置付けることにより、地域の産業育成や雇用創出につなげていくという視点の考えを問う。
答弁
上流域に位置する森林は、二酸化炭素の吸収源であるだけでなく、雨水の浸透促進や土壌流出防止の役割なども果たし、緑のダムとも呼ばれている。近年では全国的に森林の価値が高まり、健全な森林維持が求められ、その財源として森林環境譲与税の交付がある。森林整備計画に基づいた森林の整備、保全の動きが活発化している。
平野部に広がる水田も森林と同様に炭素貯留機能を備えており、流域全体にある資源を活用したカーボンオフセットの新しい取り組みも、産業振興や地域活用の持続可能性を高める有効な手段の一つだと認識している。
地域の市民とともに、川上から川下までが一体となって脱炭素という視点と、循環と防災の両立を念頭に、流域全体での治水の実現、持続可能な強いまちづくりに向けて取り組みを強化していく。
財源調達は、流域治水を海から山まで一体的に進めることは、防災、治水、利水、環境、農地、森林など多くの分野にまたがることとなる。流域全体を面的に捉え、効率よく整備していくという現場に立脚した「分野別の横断型のプロジェクト」として、財源を多層的に組み合わせて確保していく。
どうすれば、より多くの財源を引っ張ってこられるか、関係部局で連携し国や県に対して要望の声を上げていく。
