会派視察研修報告・3

北海道における、三豊市民クラブ会派視察研修の最後の訪問地は札幌市です。視察の目的は、三豊市の地域内分権推進拠点の「まちづくり推進隊」にもあたる「札幌市まちづくりセンター」の、機構機能と地域自主運営についてです。

札幌市は人口190万人余の政令指定都市です。「まちづくりセンター」の前身である連絡所は、昭和47年の指定都市移行にともない、住民に身近な行政機関が区役所へ集約されることに対する激変緩和の目的で設置され、住民組織の振興、地区の要望等の集約、市政の周知、戸籍や住民票の取次等の業務を行ってきました。その後、人口増にともない、平成10年に現在の87か所(出張所2か所)となっています。平成15年に新市長となり、これまで担ってきた機能をより充実させるとともに、市民自治によるまちづくりを推進するための地域拠点とすべく、平成16年に「まちづくりセンター」へと機能転換及び名所変更を行いました。

「札幌市まちづくりセンター」の機構機能

・運営形態:市の施設

・配置形態:市有施設75か所、民間との合築施設5か所、民間からの借り上げ施設7か所

・職員配置:所長(課長職・区保健福祉部地区福祉活動支援担当課長を兼務、ただし地域自主運営まちづくりセンターについては、区保健福祉課が窓口となる)1名、地区連絡員(非常勤職員)2名程

・配置基準:概ね中学校区に1か所(人口1万人~3万人をカバー)

・期待される役割:①情報、スペースの提供など活動しやすい環境づくり ②町内会を中心とした活動団体のネットワーク化支援 ③新しい担い手の育成、発掘

・具体的取組:㋐まちづくり協議会の設立、運営支援 ㋑地域課題に関する情報収集、提供 ㋒地域における情報交流の促進 ㋓地域住民主体のまちづくり活動の支援 ㋔住民票や印鑑証明、戸籍証明の取次

「まちづくりセンター」は、市民自治によるまちづくりを推進するため地域の拠点となり、これまで地域主体のまちづくり活動の支援に成果を上げてきました。そのような中で、一部の地域から「まちづくりセンターの運営を地域に任せてほしい」という意見が出されるようになりました。これによって、地域のことをもっともよく知る地域の人々に運営を委託する『地域自主運営化』制度が平成20年に開始されることとなりました。

「地域自主運営のまちづくりセンター」について

87か所ある「まちづくりセンター」の内8か所が自主運営されています。委託先となる団体は、地域の団体や個人がそれぞれの独自性を活かしながら、主体となって地域課題を解決していこうと設立された「まちづくり協議会」です。

委託される業務は、『まちづくりセンター業務マニュアル』に基づいて実施されます。 ①地区住民組織との連絡調整業務 ②地区住民福祉活動の支援業務 ③住民組織のネットワーク化を促進する業務 ④市民集会施設建設に係る情報収集・相談及び要望の伝達 ⑤戸籍や住民票などの諸証明の交付に関する案内 ⑥地区要望の把握と報告 ⑦地区のまちづくりに関する施策等の企画及び推進に係る支援と調整 ⑧地域情報の交流促進及び市政情報の提供 ⑨まちづくりセンターの維持管理及び地区会館の運営に関する支援 ⑩その他まちづくりセンターの運営に関する事項 など、現在のまちづくりセンターが市の業務として実施している全てです。

センター職員の雇用は、地域で雇用する人数及び雇用する人を決定し、必ず責任者を配置します。

住民票等の諸証明交付事務は、地域が雇用したセンター職員を市が非常勤職員として任用し、市が月額固定報酬を支給します。

委託料は、人件費相当額の785万円と事務費相当額です。

交付金は、地域課題の解決に向けたまちづくりの方向性をまとめた「地域活動ビジョン」に基づき、交付対象事業が決められます。基本額200万円と世帯当たり25円の加算額でなっており、『地域課題解決活動』を実施していくための財源となります。

 

「札幌市まちづくりセンター」の機構機能と地域自主運営についての研修は、地方自治の本旨である住民自治と団体自治の実践を学ぶ好機となりました。三豊市の進める地域内分権の姿かたちと、「まちづくり推進隊」の運営および進むべき方向の手掛かりとなった研修でした。

以上で、4日間の北海道における、三豊市民クラブ会派研修報告を終わります。

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