会派清風会視察研修 報告・3

最後となる3件目の報告は、佐賀県小城市における「小城市庁舎防災機能強靭化事業について」です。

 

小城市は、平成17年に4町の合併で誕生し、現在人口43,000人余となっている。北に天山山系があり、有明海へと注ぐ河川の扇状地として、肥沃な佐賀平野の中にある。

財政課から説明を受けた。

「小城市庁舎防災機能強靭化事業」における太陽光発電並びに蓄電等の設備は、RE100を掲げて令和3年9月から令和4年2月に施工された。

事業内容は、職員駐車場と来庁者駐車場にカーポート式架台を施工し、太陽光パネルを設置し、庁舎が必要とする全ての電力を賄うというものだ。

事業費用は、8億62,400千円。その財源内訳は、【国庫支出金】(環境省:地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する避難所施設等への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業)が2億98,557千円 【地方債】(防災・減災・国土強靭化緊急対策事業債)2億98,200千円、(緊急防災・減災事業債)が2億48,400千円 【一般財源】17,243千円

これまで非常用電源の発電機による受電は、14時間であったが、導入後は72時間以上の確保ができる。また、近接する避難所指定されている保健福祉センター「ゆめりあ」へ給電が可能だ。またこの施設は、電力契約しているため、万が一庁舎の電力不足があったとしても、逆にそこから受電できるようになっている。

導入効果は、24時間365日庁舎の電力を太陽光で発電した電力で賄う自給自足の電力システムとなり、災害時でも防災活動拠点として機能維持が可能となった。また、平常時に電力会社から電力需給しないため、大幅な電気料金の削減となった。年間電力量624,590kWh、年間電気料金約1,000万円、年間CO2量361.64tーCO2の、いずれも削減メリットが報告されている。

 

大規模災害時におけるレジリエンス強化は、その自治体の立地環境や社会に対す考え方や捉え方による財源活用によって、大きな現実の違いが出てくることを感じた研修でした。

会派清風会視察研修 報告・2

2件目の報告は、長崎県大村市での「こども未来館 〈おむらんど〉 について」です。

 

大村市は長崎県の真ん中にある大村湾に面し、長い歴史に裏打ちされた史跡が多く存在している。世界初の海上空港の長崎空港や、長崎自動車道のIC、新幹線の新大村駅の三大高速交通拠点を有し、交通アクセスに恵まれている。このような利便性の高い環境とともに、子育て施策の充実したとても住みやすい街として、地方都市ではまれな人口増加する自治体として、その評価は高い。

子育て支援センター 「こども未来館〈おむらんど〉」は、大村駅へとつながるアーケード街にあり、大村駅前商店街をエリアとする、中心市街地活性化基本計画区域内に立地している。この地にあった地方銀行の支店統合により、その跡地に市民交流プラザ(1F~4F)と市営住宅(5F~12F)の構想が発表され、5年の工事期間を経て平成26年にオープンし、10年になる。

こども未来館の設置は、長崎市や佐世保市は宅地が高いため、比較的土地代も手ごろで、交通アクセスも良いことから、大村市に定住する若者が増加してきたこともあり、子育て支援センターの核施設として「こども未来館〈おむらんど〉」の必要性と役割が大きくなったことによる。

〈おむらんど〉は3Fの一部と4Fにあり、0歳~就学前の子どもと保護者が一緒に過ごす場だ(小学生とその保護者も利用可)。利用は予約制で、未就学児とその保護者は無料。小学生は100円。小学生のみの保護者は100円の有料。利用条件は、市内外共通としている。

運営形態は市直営で、正規職員2名、会計年度任用職員他9名の交代制(11名のうち5人が保育士、1名が子育て支援員)。維持管理費は2,500万円余/年。利用者数は約38,000人/年で、市内・外の利用比率は6:4の割合で、徐々に市外からの利用が増えている。その中には、長崎空港のフライト待ちの間、子どもをリラックスさせるために予約する保護者も増えてきたとのことだ。

 

視察中にも、元気に遊ぶ子どもたちとにこやかに見守る保護者の姿がありました。環境整備の重要さを今更ながら痛感した研修でした。

 

 

 

会派清風会視察研修 報告・1

三豊市議会議員選挙改選後、初めてとなる会派清風会の行政視察研修の報告をします。令和8年(2026)4月14日(火)~16日の3日間、長崎県五島市と同じく大村市、佐賀県小城市に訪問しました。

 

最初に訪問した長崎県五島市は、九州の最西端に位置する五島列島にあり、古くは遣唐使船の寄港地となる国境の島だ。現在は、世界遺産や日本遺産、ジオパークの認定を受けるなど、歴史や文化、自然を活用したまちづくりに取り組んでいる。

五島市では、 1.ICTを駆使したイノシシ駆除について 2.移住定住について 3.関係人口の取組(ワーケーション)について  の3点について研修を行った。

 

 

1.ICTを駆使したイノシシ駆除について

五島市産業振興部農林課畜産・鳥獣対策班と、民間事業者から説明を受けた。

イノシシ対策の基本は〈防護〉〈棲み分け〉〈捕獲〉対策だ。

〈捕獲対策〉のICT活用は、民間事業者のアイエスイー社提案で、国内初として五島市からスタートした。

この事業を導入するきっかけは、地域住民が結成した捕獲隊の活動は、本業の傍らのため限られた時間内に効率的に実施できる方法として、システム導入に至った。

捕獲の効率化のための費用と効果は、導入費用に親機:約60万円、子機:5万円で、ランニングコストはユーザー数にもよるが、概ね20万円(アンテナ設置費用は別途必要)となる。

効果は、見回りに係る走行距離や見回り日数、必要経費(ガソリン代)の比較において、いずれも導入前の1/3程度に削減された。

ICTイノベーション事業による利点は 「見回りに労力がかかってしまう場所(自宅から遠いところ)で多く活用され、通知があると事前準備ができたり、見回りルートも計画的に立てることができる。」「行政と捕獲通知を共有することができることで、提出書類が簡素化できる。」「捕獲報告書もその場で登録できる。」「ジビエ活用するため、加工場の計画が立てられる。」

利用者からの所感は 「午前中に見回りをしたが、午後になって通知が届いた。通知を受けたことで処理、獲付けの次の捕獲のための作業ができる。」「捕獲通知が届くことで、止め刺しの準備ができ優先的に処理が可能。」「毎日の見回りが原則だが、行けない時にほかのパトを使用することで見回りが楽になった。また、通知が来る楽しみができた。」

 

業種・業界に関わらず、先端技術であるICT等の技術を活用し、効率的的に運用で切ることで、新たな働き方が生まれ新たな担い手の可能性が確認できた、貴重な1件目の研修でした。

 

「移住定住について」と「関係人口の取組(ワーケーション)について」は、地域振興部地域協働課移住定住促進班から説明を受けた。

 

2.移住定住について

人口は70年前に9万人余であったものが、現在約3.2万人に減少している。何も手を打たなければ35年後の2060年には1万人になると推計されていたが、第2期人口ビジョンでは2万人の目標を掲げている。

市が関わった(UIターン)状況は、直近5年間で1,200人以上を受け入れている。

移住者の声として「通勤時間が短くなり家族と過ごす時間が増え、笑顔が増えた」「豊かな自然の中で子育てや生活を楽しむことができる」があり、【ちょうどいい生産性】を追求することができるようになっている。

就業先の状況は、行政・一次産業・医療機関・サービス業・観光業・個人事業主・飲食業などが主なもので、市の有効求人倍率は1.5となっており、移住者にとって仕事はある。

移住相談体制は、地域協働課内に移住支援員(会計年度任用職員)3名を配置。相談対応やセミナー、移住イベントへの積極参加を行っている。

情報発信は、HP「まるごとう」だけでなく、観光サイト「五島の島たび」で、観光目的の移住無関心層にまで底辺を広げて、他地域との差別化を図っている。

移住下見ツアーの実施や、移住希望者に無料で貸し出す14戸の短期滞在住宅を保有するとともに、空き家バンクの充実・活用促進を行っている。

 

五島の魅力を最大活用し・伝えようとしている取り組みは、発信する地元の人が五島の良さを知り愛すればこそ、できることなのだと感じました。

 

3.関係人口の取り組み(ワーケーション)について

ワーケーション事業推進の目的は ①豊かな自然環境や観光コンテンツを活かした新たな観光需要の創出 ②島民との継続的な関係性を構築することによる関係人口、二拠点居住、移住・定住の促進 ③島民との継続的な関係性構築を図り、訪れる側、受け入れる側双方にとってメリットを生み出す  ことにある。

ワーケーション事業は、令和元年に民間により「1,000km以上離れた五島でリモートワークができるのかという実証実験が発端だ。

その後、ワーケーションのための、コワーキング住宅や施設が複数できた。〈コリビング施設(シェアハウス)〉〈滞在型宿泊施設〉他に、10か所ほどの〈コワーキングスペース〉ができた。

 

デジタルノマドは世界中に8千万人いると推計されており、2035年には10億人に達するともいわれている。

デジタルノマドが地域に与える影響は

01 長期滞在による経済効果:1つの地域に1か月程度滞在するケースが多いのと、情報発信能力が高いため、新たな誘客も期待できる。

02 関係人口の拡大:地域コミュニティとの交流を好むため、継続的な関係性を構築することができる。

03 地域の魅力向上:高いスキルを活かしたビジネスマッチングができるとともに、国際交流の促進によって地域の多様性や魅力向上につながる。

デジタルノマドと地域事業者、住民を結ぶ「ハブ役」を担う人材として、現在6名のコミュニティマネージャーが活躍中だ。デジタルノマドは、信頼できるコミュニティマネージャーいるところに集まるため、これからの展望は、「人を集められる人材」を育成することだ。

デジタルノマド受け入れ事業をきっかけに、令和7年に2名が定住予定となった。令和8年度中にデジタルノマド向けの五島市専用サイトを創設予定だ。

 

離島に行けば40年後の日本が見える。活力漲る五島市のような三豊市の未来を、現実のものとしていかなくてはならないと新たに誓った研修でした。