建設経済常任委員会視察研修報告・1

三豊市議会建設経済常任委員会は、7月22日(月)~24日(水)の3日間の視察研修を行いました。行先は、九州地方の大分県豊後大野市と同じく日田市、そして熊本県菊池市に所在する(株)コッコファームの3か所です。

最初の訪問先は大分県豊後大野市で、「インキュベーションファーム事業について」の研修を行いました。豊後大野市は、平成17年3月31日に5町2村が合併し、人口39,000人余、面積603.36k㎡、県土の9.5%を占めており、気候に恵まれ農業を基幹産業として発展してきました。耕作面積は6,350haで、県内でも有数の規模となっています。基幹産業である農業は、農業従事者の減少による耕作放棄地の増加と農業生産額の減少で、衰退の一途をたどってきました。

農業就業人口(販売農家)の推移は、平成22年に4,800人余であるに対し、20年後の平成42年には1,800人余と予測され、高齢化も著しく農業の存続が危ぶまれています。このような状況の中、平成22年度に「第2次豊後大野市農業振興計画」を策定し、戦略作物である夏秋(かしゅう)ピーマンを新規就農者の中心品目に定め、若い農業起業者(新規就農者:I.Uターン)をホームページ等で募集するとともに、後継者確保対策として「インキュベーションファーム」事業に取り組んでいます。

【インキュベーションファーム研修の概要】

①研修作物:全国で4位、西日本一の生産を誇る夏秋ピーマン

②短期体験研修:新規就農希望者に対し、必ず1組2名での1週間程度の短期体験研修を実施

③研修生の受け入れ審査:自己資金(生活費300万円)の確保、就農の熱意、労働力(夫婦等)、地域に協調できる人間性、認定就農者の認定の確実性

④募集人員:毎年3組6名(55歳未満)

⑤研修期間(2年間):<1年目>就農実践基礎研修(7.5a/1組)、農業の基礎知識(土壌・防除・農業簿記) <2年目>農業実践研修(模擬経営15a/1組)、就農準備(就農計画・就農用地・住居の確保)

⑥指導体制:直接指導はJAピーマン部会の里親が担当。栽培技術向上や品質確保は部会が指導。農林業振興公社はインキュベーションファームの指定管理者として、研修の振興・栽培管理補助を行う。

【研修生の支援】

①宿泊施設:2LDK 6戸

②青年就農給付金「準備型」:大分県第1号の研修機関認定(1人当たり150万円/年)

③研修費用の融資:2年間(15万円/月)

【就農の支援】 研修期間中に就農に向けた経営・資金計画を策定。住居や就農用農地の確保。

①ミニハウス作業機械の補助等(青年就農給付金「開始型」受給者は除く)

②空き家リフォーム補助等の住宅補助を創設予定

現在、研修期間H24.1~H25.12の1期研修生と、H25.1~H26.12の2期研修生の6組12名が、『豊後大野市新規就農者技術修得研修施設』における「インキュベーションファーム事業」の研修を受けています。

20aで14tの夏秋ピーマンを収穫し、年収400万円を目指して新規就農農家の育成支援を強力に推進し、実績を着実に重ねています。

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