「地方創生、地域活性化にむけて」研修会報告 【応用編】

地方議員研究会主催による「地方創生、地域活性化にむけて」の研修会 【応用編】の報告をします。

 

自治体はお金がないのか?基金残高がある。それを使わないと価値を生まない。市立図書館整備にこれを使った。地方都市の武雄市には民が育っていないから、官が主導して民に引き継いだ。この考え方と同様に、少子高齢化社会で労働力不足が言われているが、高齢化は労働力の確保につながると考えることで、先が見えてくる。高齢者が地域を担えるようなプラットホームをつくるのが地方創生だ。その一つの方法に「地域活性化支援機構」(ファンド)の活用もある。

Ⅰ. 100万人が来る図書館

図書館は賑わいを産む最大の装置だ。図書館は無料の貸本屋ではなく、カフェや雑誌を買い、集い語らう場だからだ。<海老名市図書館><小布施図書館>が先行している。

Ⅱ. 官民一体小学校

民間学習塾のはなまる学習会と組み「わくわくどきどき楽しく」学べる授業に取り組み、学力の向上の成果がある。その方法は、学校のいいところと塾のいいところを組み合わせることだ。誰が、何を、どうするのか。教員が教え、講師が助言し、教科書で教え学習塾の副教材を使う。組み合わせでイノベーションが生まれる。高槻市の放置自転車とネットオークションの組み合わせで、放置自転車が1台もなくなった。

Ⅲ. 自治体間競争を生き抜く勘所

●何が何でも公募しなくてはいけないのか?  随意契約案件のすべてを議会の議決事項にすれば、形だけの公募などしなくていい。

●議員は政策関与できないか?  決定するのは議会だ。議会が注目され市民説明の場にもなるようおもしろくしていく。一般質問で、先に数字を議員に出し、大型モニターにそれを表示することで市民にもわかりやすく、しかも、質問が締まってくる。難聴者には字幕スーパー対応がある。武雄市議会が盛り上がるのは、そこが決定の場だからだ。機能では無く体感を伝えることだ。そして、言っている中身に共感すれば広まり伝わる。

●武雄市議会の報酬は361,000円/月は高いか?  アメリカのようなシティーマネージャー制(プロ)による条件付き採用の考え方がある。

●ヨコの公平性にしばられすぎていないか?  タテの公平性による正しいエコヒイキ(努力する市民を支援する)の時代がきた。

守→破→離のプロセスで自治体間競争を生き抜いてほしい。前例主義は、過去の成功は未来の失敗だ。これまでの財政運営では対処できないだろう。一つの方策に「ふるさと納税」があるが、現行は個人対象であり、自治体間のカニ・エビ合戦になっている。今後は、公共施設整備等への企業寄付を取り込む活用法にならなくてはならない。企業もバリュウ価値を求め投資(寄附)先を探している。長浜市のファンドのように、地域ファンドの時代になると考えている。

 

公募と随意契約における議会の関わり方と、大型モニター導入により議会が市民に分かりやすくなり、議場が決定の場となることなど、ちょっと考えれば気付くであろうことに気付いていなかったことに、衝撃を受けています。やる気があればすぐできる具体的な提案のお話に、やる気に火が付きました。

 

以上で、樋渡啓祐氏による「地方創生、地域活性化にむけて」の 【基礎編】 と 【応用編】 の研修報告を終わります。

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