令和4年第1回定例会 代表質問・2

代表質問2件目は、「予算編成から見る財政見通しについて」です。

 

「予算編成から見る財政見通しについて」

【質問】 令和4年度の当初予算の概要における予算編成方針では、令和2年度の経常収支比率が97.9%であり、元年度と比較しても3.1ポイント上昇し、年を重ねるごとに悪化し、財政構造の硬直化が進んでいるとしている。

歳入では、普通交付税は微増であるものの、公債費に係る増額によるもので、それ以外は減額となっており、依然、財源確保に厳しい局面が続いているとある。

歳出では、義務的経費の増加のほか、公共施設の管理更新と病院への繰り出し、新型コロナウイルス対策経費、自然災害への備えなど、早急に取り組むべき課題が山積していることによる、今後の財政状況が想定以上に悪化するという危機感が示されている。

このような認識に対して、3点について問う。

1点目、硬直化した財政構造の中、この難局を改善するための手立てとして、財政運営における選択と集中があると考えられるが、その方向性は

2点目、普通交付税の内訳は、合併特例債等の償還による額が増加して、自由に使える割合が減少しているとのことだが、交付税算定に影響されない自主財源確保による、投資的経費確保の考えは

3点目、歳出抑制は、直接・間接的行政サービスの質と量に影響があると考えられるが、必要不可欠であると想定できる財政需要の判断は、どのような基準によって対処していくのか

 

【答弁】 1点目について、本市の近年の予算編成においては、財政調整基金などの取り崩しや、合併特例債で収支の均衡を図って、予算が成り立っている状況にある。合併以来継続している経常的な事務事業の見直しをはじめ、組織機構の改革及び最適な人員配置、公共施設の再配置などにより、限られた経営資源の中で優先順位をつけて取り組んでいく。

2点目について、ふるさと納税や企業版ふるさと納税、クラウドファンディングなど、新たな歳入確保に取り組んでいる。また、民間の資金やノウハウを活用するソーシャルインパクトボンド方式の導入も検討していく。さらに、自治体においても、民間企業などによる自治体への投資など、直接金融の枠組みによる歳入確保の可能性も考えられるので、課題等を整理しながら検討していく。

3点目について、本市のまちづくりの設計書でもあり最上位計画でもある、三豊市第2次総合計画を実現するために、必要で緊急性の高い事業を実施するとしている。また、部局長の運営方針や事業評価結果等を踏まえ、事務事業の取捨選択を行ったうえで、各部局における事業の優先順位づけを確実に実施し、関係する個別計画との整合性を測りながら予算化している。

 

【再質問】 前任期中の施政方針にも、ソーシャルインパクトボンドの可能性を検討するとあったが、そのときの取り組みとどのように違うのかを問う。

 

【答弁】 ソーシャルインパクトボンドは、事業を実施するための資金を民間から集め、事業の成果に応じた成果報酬を市が後から支払う仕組みだ。この地域全体の課題として、最も民間企業とマッチングできるのは何かを見極める必要がある。それは企業にとっても利益になるような考え方でやらなくてはならない。市が行う事業について、公共性や社会性を訴えながら、賛同いただける企業や個人からの投資を募ることで、ソーシャルインパクトボンドの実現に向け検討していく。

 

次回は3件目の質問の報告をします。

令和4年第1回定例会 代表質問・1

三豊市の第5回市長並びに市議会議員選挙が行われた後の、初の定例会における「三豊市議会 会派清風会」の代表質問6件(「市長の政策実現に向けての運営について」「予算編成方針から見る財政見通しについて」「教育の本質へのロードマップについて」「持続できる教育政策について」「農業振興について」「情報伝達について」) の報告を、1件ごと6回に分けて行います。

 

本格的な議会活動の新たな出発となります。新しい仲間も加わり、山下市長ともども全力で市民の皆様の福祉の向上と、市の発展に取り組んでいかなくてはなりません。新型コロナ禍の中であるとともに、いまだにリアル世界のものとも思えない他国への侵略戦争が勃発している、尋常ならざる世界情勢の真っただ中ではありますが、市民の皆様とともにこの難局を乗り越えてまいりましょう。新たな決意で代表質問を行いました。

1件目は、「市長の政策実現に向けての運営方針について」です。

 

「市長の政策実現に向けての運営方針について」

【質問】1期目の4年間は、市長は新たな視点でのまちづくりに向け、多様な政策提言をしてきた。施政方針の冒頭の所信には、『みとよSDGs未来都市』として取り組むにふさわしいテーマとしての、市長の市政に対する願いが述べられていると感じる。ただ、その素晴らしい考えも、市民の実生活につながる施策や事業に具現化されてこそのものだと思う。

市長の目指そうとする三豊市に向かって、職員と思いを共有、共感、共鳴することによって、シビックプライドを醸成し、市民サービスに直結するようつくり上げていくことが必要だ。そのための人材、組織、財源、進捗計画の考えを問う。

 

【答弁】平成29年12月より市長に就任し、新たなまちづくりロードマップとして策定した「三豊市第2次総合計画」において、『One MITOYO~心つながる豊かさ実感都市~』を目指すべきまちの姿として、人口減少という最大の課題に対し、攻めの姿勢で挑戦し続けてきた。2期目においても、新たな3本柱(教育・健康・脱炭素社会)とともに継続して取り組んでいく。誰もが暮らしの中で豊かさを実感できる市政を実現できるか否かは、まさにその運営体制が重要な鍵となる。

一つ目の人材については、各職員が部局を横断し、様々な可能性を検討し、施策の方向性を打ち出していく必要がある。この手法で事業を進める部署の人材は、企画力、調整力のある職員でなければならない。常に疑問を持ち、探求し、変革を恐れない意識を持った職員を登用したいと考えている。その能力、実績を有すると思われる職員を適材適所で登用するとともに、そのような人材を外部から任用することも視野に入れ対応していく。

二つ目の組織については、職場環境を整えるとともに、限られた人材や資源、財源を適切に管理し、有効に機能させていかなければならない。重要施策については、部署の境界を越えたチームとして、アイデアを持ち寄り、即座に施策を実行できる体制をとる必要がある。そこで、年度にこだわらず、関係部局が連携して対応するタスクフォースを積極的に取り入れていく。今回のようなコロナ禍や災害時、また市民ニーズに倒して行政の機動性を発揮するためのものであり、より大きな成果を生み出すための組織マネージメントに努める。

三つ目の財源については、必要な事業に必要な予算を確保するために、有利な財源を積極的に獲得していく。ふるさと納税による寄付の拡充と企業版ふるさと納税やクラウドファンでイングなどの新たな手法を取り入れるとともに、公有財産の適正管理を進めることにより、財源確保に取り組んでいく。また、今後本市への投資を呼び込む直接金融の可能性についても検討していく。

四つ目の進捗計画については、第2次総合計画基本計画に定める施策を計画的に実施するにあたり、3年間を計画期間とする実施計画を策定し、具体的な取り組み内容や事業費、財源などを明らかにしている。また、事業実施後には効果や課題を検証し、後年度の事業計画を見直すことで、ニーズや社会情勢に沿う事業へとブラッシュアップを行っている。

職員のみならず、本市にかかわる全ての人や企業がまちづくりに参画することで、三豊への愛着や誇りにつながり、真に求められるサービスが行き届くものと考えている。

 

次回は2件目の報告をします。

 

 

令和3年第4回定例会一般質問

三豊市誕生以来の5期目となる、三豊市議会議員選挙の公示日(1月23日・土)が近づく慌ただしい日々ですが、任期中のことは任期中に済ませることに尽きます。任期最後となる昨年12月の 令和3年第4回定例会 における一般質問の報告をします。

 

「視覚障がい者支援センターの方向性について」

質問  令和2年3月31日の「三豊市障がいのある人の情報保障及びコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例」制定をきっかけに、視覚に障がいのある市民有志によって、日常生活支援となるタブレット等の先端ICTツールを活用した勉強会が、MAiZMの協力を得て行われてきた。その成果と実績によって、令和3年度に三豊市福祉事務所の支援で『視覚障がい者支援センターひかり』が結成され、視覚に障害を持つ当事者自らによって運営と活動が始められている。

市内には視覚障害で手帳所有者は約150人だが、参加者はその一割ほどにとどまっている。この現状は、視覚障がい者支援を行う支援センター機能を果たす拠点がこの地域にないからだと考える。「ひかり」を核にした西讃地域の視覚障がい者支援センター充実に向けた考えを問う。

 

答弁  条例制定により、情報の取得及びコミュニケーションの困難の有無によって分け隔てられることがない共生社会を実現することを目指し、障害の特性に応じた支援策を進めている。まだ一割程度の参加者数だが、回を重ねるごとに少しずつ増えつつある。また、香川県眼科医会が発行するチラシに掲載していただけることとなり、活動が徐々に浸透し、認知されてきている。

先ず、組織の基盤を固め、目指す方向に進んでいけるよう当事者の方々と相談しながら、今後も継続した支援に取り組んでいく。

 

再質問  私は、令和2年度のICT研修会の立ち上げから活動の様子を見てきた。障害を持つ方々の中においても、視覚に障害を持った人が最も社会参加に取り残されているのではないかと痛感した。

今、社会を豊かにする科学技術は飛躍的に進歩し、ICT、AI技術の発達で、視覚障がい者の皆さんの目の代わりができるツールが普通に使える時代になってきた現実がある。一方、その情報が視覚障がい者の皆さんに届きにくい環境のままであるという現実がある。この二つの現実を有機的に結びつけるためにも、西讃地域の視覚支援センターが必要だと考える。

ICT研修会に加え、ここで取り組むべき具体的事業は ①同行援護事業 ②相談支援事業 ③普及啓発事業 の3点だ。これを実現するためには、独立した本格的法人格の取得とスタッフの確保、拠点場所が必要最低条件だろうと考える。

 

答弁  人が受け取る情報のうち8割は視覚からの情報といわれている。その意味するところは、視覚に障害を持つ方が情報の取得に苦労し、生活困難を抱えているかが分かる数字といえる。

今、「ひかり」では、目が見えなくてもスマートフォンやパソコンなどのICT機器を使うことによって世界が広がることを一人でも多くの人に伝えようと活動されている。また、外出の同行をするヘルパーの養成や相談、普及啓発事業等を計画しているとも聞いている。

「ひかり」が、いずれは視覚障害を持つ人の拠り所となれるよう、その支援の在り方を検討するとともに、障害のある人もない人も、だれもが安心して暮らすことのできる社会の実現を目指して取り組んでいく。

 

再々質問  企業の存在意義に関する記事を見た。マイクロソフトの視覚障害者向けアプリが、いかに企業の存在価値に根差したものなのかを伝えるものだった。マイクロソフト再興の立役者、サティア・ナデラCEOは、「地球のすべての個人とすべての組織がより多くのことを達成できるようにすることが企業の存在意義だ」といい、その象徴の一つが視覚障害を持ったエンジニアが開発した視覚障害者向けアプリだという。

スマートフォンのカメラを周囲に向けると、状況を読み取り音声で説明してくれるもので、目の代わりをするのだ。これまで諦めていたことが、最先端技術を使えば可能となる時代となっている。その可能性の恩恵を広く視覚障がい者の皆さんに知っていただき活用し、新しい豊かな生活を享受してほしいと願っている。福祉行政の存在意義はそこにあると思う。

 

答弁  三豊市重度障害者日常生活用具給付実施要項に基づき、情報・意思疎通支援用具を給付しているが、給付対象用具が、急速に進歩する技術に追い付いていないというのも現状だ。

制度の拡充を検討しているところであり、当事者の方の意見を聞きながら、視覚に障害のある方の日常生活がより豊かなものとなるよう支援していく。

 

以上で、今期最後の一般質問報告を終わります。

「たくままさし通信 特別号」が完成しました

来年の令和4年(2022年)の三豊市議会議員任期満了によって、市議会議員として4期16年務めさせていただくこととなります。三豊市誕生直前の旧豊中町議会議員の2年8か月を併せると、18年を超える長きにわたってのご支援をいただいてきたことに、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございます。

この機会をとらえ「たくままさし通信 特別号」で、私のこれまでの想いと、これからのまちづくりに向けての方向性をお伝えしたいと考えています。語りつくせないことばかりでほんの一部ですが、市民の皆様にご一読いただき、未来の三豊市創造に、ともに携わっていけますことを切に願っています。

たくままさし通信「特別号」

令和3年第3回定例会一般質問・4

4件目  「『みどりの食料システム戦略』と三豊市型農業について」

質問  農水省が本年策定した『みどりの食料システム戦略』は、有機農業用地の割合を2050年までに全国で100万haに拡大する目標を打ち出している。今、国が有機農業転換を急ぎ、進める背景には、温暖化ガス削減による脱炭素や環境配慮に対する世界的な意識の高まりがあるためだ。しかし、有機農業への転換には乗り越えなければならない大きな課題があるという。『みどりの食料システム戦略』を基本構想にした、市民の健康と農業者の収益確保、自然環境の向上の実現を目指す、三豊市型農業の施策展開について問う。

 

答弁  『みどりの食料システム戦略』は、中長期的な観点から戦略的に取り組む政策方針とされている。この戦略の一つに、有機農業を全農地の25%、面積にして100万haに拡大する目標が掲げられている。

一方、三豊市の目指す農業の方向については、市農業振興計画後期計画に定めているが、脱酸素や有機農業に特化した取り組みは定められていない内容だ。そうしたことから、今後の国の方針を受け、それぞれの地域の実情に応じた取り組みの基本計画をつくることとなるため、地域や農家の皆さんの声を聞きながら進めていく。

 

質問  農水省の支援策や助成制度はこれからだが、その前提として有機農業の抱える問題や普及しにくい課題、クリアしなければならないことが3点ある。

①農業としての技術的な困難さによる若い農業者の離農

②有機農業作物や有機食品が消費者に浸透していないことによる販売機会ロス

③日本の有機農業が小規模であることからの、輸送コストのスケールメリットがないための価格上昇

これらの課題解決の考えを問う。

最後に、本市で着手している薬用作物の栽培で得られた有機、減農薬栽培技術やノウハウの、他の農作物への横展開の考えを問う。

 

答弁  一点目については、市内にも有機JAS認証を取得し、有機農業を実践して生計を立てている方がいるとともに、有機農業の勉強会もある。この出会いや機会の中で志を同じくする仲間づくりを支援するなど、有機農業を続けていけるような仕組みをつくっていきたい。

二点目は、有機農業の拡大には、マーケット、消費者の理解が必要不可欠だと考える。国の方針や県の指導を受ける中で、有機表示ができる有機JAS認証の取得に向けた取り組みを支援していきたい。

三点目は、先ずは消費者の多くいる地域のニーズをマーケティング調査する。それを反映しながらよりよい方法で流通できるよう検討する。

有機野菜の横展開は、既存の農法に取り入れる部分があると考えられるし、有機農業の考えを薬用作物栽培の参考にできることもあろうと思うので、事例紹介等を行いたいと考える。

 

以上で、4回に渡っての一般質問報告を終わります。

令和3年第3回定例会 一般質問・3

二件目  「『地域プロジェクトマネージャー制度』について

質問  国の令和3年度地方財政措置として、『地域プロジェクトマネージャー制度』の創設がある。市町村が重要プロジェクトを実施する際に、外部専門人材、地域、行政、民間などが連携することが不可欠だ。しかし、そうした関係者間を橋渡しいてプロジェクトをマネジメントできるブリッジ人材が不足している。そこで、市町村がそうした人材を地域プロジェクトマネージャーとして任用することを後押しするための制度だ。

『地域プロジェクトマネージャー制度』を活用し、必ず解決し達成しようと考える地域課題や、重要プロジェクト及び政策は何かを問うとともに、制度の活用の考えを問う。

 

答弁  三豊市第2次総合計画で定める基本方針に基づき、地域おこし協力隊や地域活性化企業人などの制度を活用し、外部人材の持つ知見や人脈を生かして、様々な地域課題の解決に取り組んできた。

農業や観光、教育、子育て、健康、移住定住など、解決すべき課題を洗い出し、目標を達成すべく事業に取り組んでいる。その中で、目標達成のためにはどのような人材が必要か、地域プロジェクトマネージャーを活用してどのように取り組みを展開していくのかを、現在、令和4年度の人材確保に向けて各部署で検討しているところだ。

行政と地域、民間の間の関係を構築しながらプロジェクトを推進し、地域の課題解決に向けて取り組んでいく。

令和3年第3回定例会 一般質問・2

2件目 「『新国富指標』について」

質問  『新国富指標』とは、国連のSDGs採択によってこれまでのGDP(国内総生産)では、国や地域の豊かさを見る指標としては不充分だとの観点から提唱されたものだ。現在、自治体経営でSDGsとESGが欠かせない視点だといわれて、その運営手法として『新国富指標』に注目が集まりつつある。

健康や教育、自然など、これまで数値化できなかった要素を経済価値に換算するというものだ。言い換えれば、『新国富指標』は見えない経済価値を測る指標だといえる。『新国富指標』の価値観を取り入れた自治体運営の取り組みの考えを問う。

 

答弁  GDPには、市場で取引された財やサービスの生産のみが計上されており、市場で取引されない活動は含まれていない。物的な豊かさのみに焦点が当てられてきた指標といえる。

今後、市が持続発展していくためには、従来の物差しだけでなく、SDGsの観点からも様々な指標を使用してまちづくりに取り組んでいく必要がある。

既に一部の自治体では、実際に推計を行った『新国富指標』を基に予算編成を行っていると聞く。本市の抱える重要課題解決のための有効な指標になりうるのではないかと考える。さらに、既存の経済指標を組み合わせることで、さらなる解決策を見出すことも可能になるとも考える。

『新国富指標』の算出方法や活用方法等の調査研究から取り組んでいく。

 

令和3年第3回定例会 一般質問・1

令和3年第1回定例会では、三豊市議会会派清風会の会長として代表質問をしました。令和3年第3回定例会における一般質問は、本当に久しぶりのこととなりました。7町が合併して誕生した三豊市の行く末を、創造するための質問を行いました。まちの豊かさとは何か、市民の皆さんの幸せとは何か、を探求するための4件の質問を行いました。

 

一件目 「人口減少・少子化対策のこれまでの検証と今後の展開について」

質問  三豊市は、7町合併により誕生して15年が経過した。この間、まちの成長と繁栄を人口減少・少子化対策みよる定住人口の安定確保に向け、市を挙げて取り組んできた。

このような経緯の末に、2020年(令和2年)の国勢調査の結果から、県が発表した速報は、県の中で人口減少数が最も多い自治体だったという衝撃的なものだった。さらに、疑うような数字は合併年には500人台だった出生数が、318人であったというものだ。三豊市が、他自治体よりも先手で着手してきた数々の対策の効果は雲散霧消に帰したということなのか。

この現実に対する検証を行い、これまで着手してきた人口減少・少子化対策の各種施策の総括を踏まえた、これからの政策の方向性を問う。

①20年国勢調査の人口動向結果をどのように捉えているのか

②これまで取り組んできた子育て支援や若者定住施策等の人口減少対策にかかる政策の評価について

③それらの検証に基づく政策転換の考えと展望は

④人口の増減数がまちの豊かさの指標ととらえているのか

以上の点について質問する。

 

答弁  指摘の通り、本市にとって衝撃的な数字だと痛感している。平成30年に策定した第2次総合計画の基本構想の中で、人口目標を63,500人プラスと掲げており、高い人口目標を設定することで、減少する人口予測をただ受け入れるのではなく、持続発展し続ける三豊市を目指し、人口減少・少子化対策を念頭に置いて、各種事業に取り組んでいる。

特に子育て支援や若者定住施策に注力してきた。子育て支援施策については、待機児童対策としてアクションプランを策定し取り組んでおり、待機児童の発生を抑制することができている。また、子育て世代包括支援センター「なないろ」の対象年齢を18歳までに拡充し、連携して包括支援に取り組んでいる。

若者定住施策については、40歳未満の住宅取得に補助金を交付し、912世帯3,131人の定住に繋がっている。

日本全体の人口が減少している中、今後は人口の減少を緩やかにしたり、少ない人口でも活力ある社会を維持することが重用になってくる。

内閣官房まち・ひと・しごと創生本部が行った調査によると、出生数や出生率の向上している自治体は、若者が安心して結婚し、子どもを産み育てるために家庭、子育てと仕事を両立しやすい環境であること、経済的な安定が得られる就業、生活環境であること、住み続けたいと思える魅力や文化環境、安心感を持てることが重用だとある。

安心して子どもを産み、育てられる環境づくりを行い、住みやすいと思ってもらえる、まちづくりを考えていく必要がある。加えて、市民の一人一人が自分の求める豊かさを実現することで、三豊市を今以上に好きになってもらうことだと思う。

人口減少問題の解決方法に正解が見いだせない中、自分の生活の場所を誇りに思うシビックプライドの醸成は突破口になると考える。発想の転換も含めた新たな視点から施策を考えていく。

 

質問    答弁にもあったように、人口の減少を緩やかにするとともに、少ない人口でも活力ある社会を維持することが、これからの大きな課題だと思うとともに、そのための発想の転換も含めた新たな視点からの施策立案も重要なことだと思う。

結論は、人口減少にかかわらず、そこに住む人が幸せであると実感できる社会であればいいのだということだ。その人々が幸せと感じるからたくさんの人が引き付けられ、定住するし、安心して子どもを産み育てたいと思うのだ。ならば、このまちが誕生して以来、これまで積み重ねてきた各種施策と事業に、発想の転換による新しい価値を見出して、つなぎ合わせればよいのではないかということだ。

私から一つの具体的な提案だが、三豊市が誇るコミュニティーバス路線網を活かした、コミュニティーバスのサブスクリクションやAIによるダイナミックコースティング等を展開することによって、移動の自由を構築することで、シビックプライドにもつながるのではないかと考える。

このような考えを根幹とした、発想の転換と政策展開の考えを問う。

 

答弁  指摘の通り、人口の増減にかかわらずそこに住む人が幸せであると実感できる社会の実現が重要になってくると思う。教育、健康、福祉、環境、安全など、あらゆる施策において部署の垣根を越え、何が市民の幸せかということを念頭に置き、全職員が一丸となって取り組んでいかなくてはならない。コミュニティーバス路線に関する提案もあったように、現行制度に付加価値を加えた新たな制度の構築も重要だ。こいれは、三豊市にとってウイークポイントだと考えることも、逆転の発想でそれが豊かさにつながるよう新たな視点から考えることだと思う。

三豊市で育つ子どもたちが、夢を諦めることなくチャレンジできる環境をつくり、進学等で三豊を離れてもふるさとに帰りたいと思えるようなまちづくりを目指し、職員自身が色々なアイデアを出し合い、楽しく生き生きと仕事に取り組むことが、ひいては市民の皆さんの幸せにつながると信じ、行政、市民の皆さんが一緒になってまちづくりに取り組んでいこうと考えている。

 

次回も続いて、一般質問の報告をします。

 

一期一会の「たくままさし通信20号」

「たくままさし通信20号」が完成しました。

前号である19号の復活の日から、まる1年が過ぎてのことですが、現状の私の考えと思いを込め、市民の皆様にお届けしたい内容に集約したつもりです。

一号一回のたびに、一期一会(いちごいちえ)の思いで発行しています。

最後までお目通しいただけますことを切に願っています。