三豊市立比地大小学校は平成19と20年度の2年間、文部科学省の豊かな体験活動推進事業「命の大切さを学ばせる体験活動推進校」の指定を受けています。
この実践活動報告のために、2月21日(木)、地域の人たちの参加による比地大小学校「豊な体験活動支援委員会」が開かれました。
比地大小学校では、平成18年度(昨年)まで地域の自然・人・物を教材として、地域を知ることによって関わり合いの中で生活していることを学ぶ『七宝山学習』に取り組んできました。
これを発展させた【自ら学びより良く生きようとする子どもの育成-命を実感する体験活動と知的学習を通して-】を研究テーマとした、各学年一年間の活動と成果の研究発表会です。
体験活動指導に対する成果として、
・各学年の発達段階に合わせて「自然」 「体」 「社会」 「心」それぞれに関わる体験活動ができた。
・地域や家庭との良好な連携で、体験活動がスムーズに行えただけでなく、命の大切さを地域や家庭に伝える協働学習ができつつある。
・体験活動を通して、体全体で様々なことを受け止め、感じ・発見する感性を培うことができた。
・低学年では、動植物の飼育・栽培を通して命の誕生と死にふれ「生命としての命」を学び、高学年では地域の大人との関わりによって、生きることについて「生き方としての命」を考える機会を得られた。
生きる力に向けての体験活動と知的学習の関係については、
・ただ体験をして楽しかっただけではなく、言葉にすることが必要だ。言葉で体験を整理し、表現し、伝え合うことによってより深く理解することができた。
・知的学習を進めることで、表現力や思考力、コミュニケーション力などが子どもの中で育ってきた。
・体験活動と知的学習を関係づけることで「命の大切さ」を感じ、このことが子どもたちの生きる力に結びつくと考えられ、思考力やコミュニケーション力を育成のために、「整理・分析・熟考」を主とした知的学習を充実させたい。
このような報告で、教育の現場に身を置く先生方ならでわの、理路整然とした中に情熱が伺い知れる研究発表でした。
生きると言うことは、様々な予測も付かない物や事によって翻弄されるもので、決して自分の計画通り思い通りにはならないと言うことです。
病気にもなり、受験にも失敗するし、会社が倒産して失業もすることもあり、家族も死ぬこともある、明日の命すら危ういのです。
だからこそ、命ある者はすべてを受け入れ、負けずに頑張り生き抜き命を繋ごうとするのです。
命とはそう言う物です。
比地大小学校の子どもたちが経験したこの一年は、生きることの意味を考える入り口であり、大人になり悩み苦しむときに必ず役に立つと思います。
今から、来年度の「ゆたかな体験活動支援委員会」の研究発表会が楽しみです。