『健康を売る』

千葉県柏市に京北(けいほく)スーパーという『健康を売る』スーパーマーケットがあります。
三豊市の農業を考えているとき、たまたま当社の石戸孝行会長の講演を聴く機会に恵まれました。
「売れるものを売らない我慢 売れないものを売る信念」で、柏駅周辺の激戦区で店のポジションを確立し、年商60億円を売り上げています。
今でこそ、常識となっている航空機内の禁煙ですが、海外の航空会社がそれを初めてやったことを知ったとき、「うちの店はこう思います」をハッキリさせようと決意したのです。
それが、食料品を売る店として、お客さまのニーズを売る店ではなく、食べ物を通して『健康を売る』ということでした。
「確かに今、街では売れているが、うちの基準だと売らない」という店づくりです。
先ず、健康を売るために、売れるタバコの販売を止めたのです。
その時、週刊誌に「一円でも稼ぎたいときに、売り上げを減らす野蛮な勇気を持った田舎おやじがいる」と書かれたのです。その記事を読んだ日本中の赤十字病院の院長先生から、よくやったとの手紙が届けられたのでした。
これが、「売れるものを売らない我慢 売れないものを売る信念」で表される経営理念の裏付けとなったのです。
多くある店の中から、わざわざ当店で買い物をしてくれたのはなぜなのか。
その意味と気持ちに応えることが使命だといい、「私はこのスーパーを選んだ」ことに対する、お客さまのプライドに応えることなのだというのです。
七宝会 農業問題研究会(6月7日)であった話と同様で、どの店で買ったのかが問われており、食料品を扱うものとしての基本の考え方は同じで、三豊市農業の方向を指し示すお話でした。
正直な生産者が、安心安全な農作物を育て、信念と使命感を持ったお店が扱い、プライドを持ったお客さまが買い求めるという一連の循環は、『健康を売る』という最も支持されるビジネスモデルとなっているのです。