会派啓明会 視察研修報告・Ⅱ-⑨(激論・1)

ついに会派啓明会の東京都内での視察研修報告が、終わりに近づいてきました。研修から帰ってからこれまでの一か月余りの間、6月定例会が開会され、間を見て報告を重ねてきました。5月21日の 〔自治体総合フェア 2014〕 における地域包括ケアをテーマとした2件の講演に始まり、22日・23日の日本自治創造学会の8件の講演の報告を終えています。最後にお二人からの 激論 の報告をします。

‟地方が元気でなければ日本の繁栄はない” との立場からの 激論 です。

「東京一極集中と分権~課題と展望~」 古川康佐賀県知事・全国知事会地方分権推進特別委員会委員長

安倍内閣における地方分権改革は、地方分権改革推進本部を設置し、平成25年4月に地方分権改革有識者会議を発足させたことから始まる。いくつかの事務を地方へ移譲したが、さらなる分権改革の進め方として『提案募集方式』を決定し、地方が手を上げれば権限を移譲できるようにした。これからの方向性は、【岩盤規制に、じっくり取り組む】ことと、【自分の地域に必要な権限移譲】の2点をコンセプトとしている。

東京一極集中と地方分権改革は、東京に行かなくても問題解決できるようにしたいため、平成5年に地方分権推進に関する国会決議から始まった。まず、政治・行政上の決定権限を地方に分散し東京一極集中に歯止めをかけた。次に、自立した地方が互いに連携しつつ、地域それぞれの個性や資源を結びつて、世界各地域と交流・交易することで、地方に競争力が増し、活力を持った日本となることを目指した。ところが、平成5年以降も東京一極集中は続いており、特に2000年以降は地方経済や雇用状況の悪化で若年層が地方から東京へ人口移動している。出生率の高い地方から、出生率の低い東京へ若者が移動するため、人口再生産の意味から、日本の人口減少に拍車がかかるのではないか。

ゆとりと豊かさを実感できる地域社会をつくっていかなくてはならない。そのために分権があり、地方分権の考え方の一つに <地方分権型道州制> がある。国の役割を限定し、都道府県を廃止し同州を設置することで地方の役割を拡大させるものだ。

権限移譲・規制緩和と道州制で東京一極集中と地方分権改革が実現できるのだろうか。地方に活力がわき、ワクワク、ドキドキする楽しい地域にならなければならない。そうならなければ若者たちはそこの止まらないし、人口減少は収まらず、日本の衰退は明らかになる。佐賀県武雄市は、市立図書館をカルチャー・コンビニエンス・クラブ(蔦屋書店)に委託した。佐賀に 「代官山」 をつくった。これができるのも権限委譲・規制緩和の成果だ。ちょっとおしゃれな若者たちが図書館&カフェに集まるようになった。東京に行かなくても楽しい空間をつくっていくことは、地方にとって非常に重要なことだ。

 

翌日の5月24日(土)に、蔦屋代官山店を訪問しました。古川さんの言うことがよく理解できました。とても楽しく豊かな空間でした。

 

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