地域資源としての地元企業・13

観音寺市から海沿いの道を進むと仁尾町に入り、すぐに父母ヶ浜を背景にした、南欧風の白い建物が目に飛び込んできます。
それが、今回お伺いした (有)プリマーレはやしや です。
本年度から三豊市商工会の会長に就任されたお父様の、後継経営者となる常務の林達二さん(34歳)にお話をお聞きしました。
達二さんは、宮城県の有名な結婚式場での2年間の修業の後、帰郷して現在に至り9年になるます。
『プリマーレはやしや』がこの地にあるのは、達二さんのおばあさんが仁尾町街で宴会場として営んでいた『はやしや』を、昭和50年頃に現社長であるお父さんが、これからの時代に相応しい結婚式場としても営業できる会館として、新装開業したものです。
“プリマーレ”とは、イタリア語で“最高の海”という意味があり、まさに、この命名に相応しいロケーションにあり、この地を新たな事業展開の拠点に選んだお父さんの、思いの結晶のようです。
現在の三豊観音寺地域の婚礼市場は、宇多津・高松方面に流れていることや、顧客対象者の5割が、従来のような華やかな披露宴を行わないなどが重なり低迷しています。
しかし、このような苦境にあっても、地元の同業者と共に新しい華燭の典の仕掛けを模索するために、勉強会に積極的に参加すると共に、「この仁尾のまちが好き」を営業展開の基本として、この仁尾のまちならではの特性を活かしたサービスの開発に知恵を絞っています。
そして、今流出している顧客を取り戻すことと合わせて、これまでとは逆に高松やその他地域から顧客を引き込もうと目標を定めています。
「お客様に喜んでいただくサービスは、スタッフの幸せあって始めて提供できる」を信条に、若いスタッフの皆さんと、その一員である奥さんと共に“心の経営”の実践に勉強の日々です。
帰り際に、同行している久保田さん(観音寺市の久保田写真館店主)の向けるカメラに納まった、達二さんと奥さん、そしてスタッフの皆さんの表情のさりげない自然さに、新たな『プリマーレはやしや』の可能性が垣間見えたように感じたのでした。
さまざまな企業や経営者が常に追い求めている、形の見えにくい「サービス」という形とは何なのかを考えさせられた訪問でした。
人生の節目となる、その人に相応しい『プリマーレはやしや』ならではの“ハレの舞台”のサービス”を確立することを期待しています。
奥さんが出してくださったアイスコーヒー、本当においしかったです。
忙しいところ時間を割いていただいた皆さん、ありがとうございました。