三豊市議会会派清風会 研修報告・パート2ー①

10月19日(水)と20日(木)の2日間、長野県長野市のホクト文化ホールで開催された『第17回全国市議会議長会研究フォーラム ━デジタルが開く地方議会の未来━』の報告をします。

1日目は、冨山和彦氏[(株)経営共創基盤グループ会長、(株)日本共創プラネットフォーラム代表取締役社長]の基調講演と、「地方議会のデジタル化の現状・課題と将来の可能性」のパネルディスカッションが行われました。

 

基調講演 「コロナ後の地域経済」

冨山和彦氏は、自身が60歳を機に、地域経済に密着した会社を支援するための企業を設立した。新型コロナが終息すると、これからは地域経済に大きなチャンスが訪れると考えていた。なぜなら、コロナ禍ショックでグローバル経済は脆いことが明らかになったからだ。また、破壊的危機は今後もかなりの頻度で発生する。さらに平成30年間に進んだ破壊的イノベーションの波は、コロナでもっと拡大・加速し、GX(グリーントランスフォーメーション)の波により、日本のグローバル企業の不振が明白となった。この激変に対応するには、ローカルな地域経済が強くなることだ。事実、観光や農林水産業が活発な地方は元気だ。

世界的に見ても、L型(ローカル)産業に移行した国は成長している。にもかかわらずいまだに東京中心のG型(グローバル)発想しかない。日本経済の低迷は、労働生産性が悪いことだ。それが良くならないのならば、経済付加価値を上げるしかない。地方では人手不足が決定的だが、だからこそチャンスだ。限られた人手でやっていかなければならないのなら、経済付加価値を上げるために必死で考えなければならない。

日本経済復興の本丸は、ローカル経済圏と中堅・中小企業経済圏が主流となることだ。そのためのポイントは ●労働生産性の低さとマネージメントレベルの低さこそが、変容による成長の可能性を大きくする ●エッセンシャルワーカーこそが、これからのコア中間層を形成するべきであり、L型産業こそエッセンシャル産業だ ●L型産業のCX(コーポレートトランスフォーメーション)経営と、桁違いに安いコストで最先端のデジタル技術を使い倒せる、クラウドDX時代で大きなチャンスが到来

具体的取り組みとして、『みちのくグループ』のバス事業を連携させた事例がある。「分ける化」「見える化」による地道な改善改良の徹底の先にDX的解決が自然に浮かびあがってくる。その結果、再編によるベストプラクティス(最も優れた工程・手法)の横展開やスケールメリットの追及で、単独では成しえない改善効果を生み出した。次なる取り組みとして、DX活用など新たな取り組みによる生産性向上に向け、空中戦力も活用し人手不足・高賃金時代を逆手にとって、さらなる成長を目指す。

おわりに、CX→DX→IXによってローカル産業、公営企業体の生産性革命を実現していく可能性について。このようなシンプルで当たり前の取り組みが、ローカル経済圏でなぜできていないのか。 ●経営人材の問題 ●経営体の動機づけの問題 ●新陳代謝が進まない問題 ●地域経済密度の問題 がある。これらの問題を克服し、DXの時代に進んでいかなくてはならない。そのためのデジタルだ。地方経済は宝の山だ。コロナ後の地域経済こそが日本を元気にすると確信している。

 

デジタル活用によって地方を元気にする、具体的実践例を示していただきながらの基調講演は、CXなくして成しえないことを気づかせていただく機会となりました。実践あるのみです。