前回に引き続いて、「新学校給食センター」 建設について考えています。
教育に限って言えば、誰もが便利になり快適になることは、誰もが甘えて手抜きをして楽をすることにつながり、結果、誰も成長しなくなるように思えます。
学校給食に関して言えば、平成21年4月の学校給食法の改正からも、従来の 「学校給食実施」 に加え、 「学校給食を活用した食に関する指導の実施」 が新たに規定されており、取り組み方によっては、学校と家庭の連携による、手間と時間のかかる面倒くさい新たな展開の食育の可能性が広がっています。
私は、新学校給食センターの方式は、センター方式であろうが自校方式であろうが、将来的負担が教育効果に見合うのであれば、そんなに大きな問題ではないと考えています。
むしろ、最新の施設によって調理の現場の皆さんの労働環境が改善され、さらに、施設が集約されることによって維持管理経費が軽減され、そこで浮いた経費をより良質な食材購入に回せると期待しています。
ですから、新学校給食センター完成後、それを柱にした 「学校と家庭が一緒に取り組む食育の推進」 による、子どもの生きる力の醸成をどのように行うのかの方が問題だと考えています。
“弁当の日” を小学校の校長先生の時に初めて導入した、武内和男先生の実践の記録を著した 「“弁当に日” がやってきた」 は、私を虜にしました。
「こんな事できたらいいな」 と思う人は沢山います。
しかし、それを実行に移せる人はごくまれです。
新学校給食センター建設計画を考えるに当たり、あえて面倒くさいことをやってみてはどうかです。
武内先生の言葉を借りれば、
「こんなに豊かな時代のための教育のあり方も創り出す必要があるのです。
学校給食制度ができているのに “弁当の日” を実施するのはそのためです。」
このような視点からの 「新学校給食センター」 基本構想の議論があってもよいのではないかと思っています。