総務教育常任員会 視察研修報告・4

総務教育常任委員会視察研修報告の最後は、東京都足立区での「行政事務の民間委託」についてです。

 

足立区は、面積53.2㎢、東京23区の中で大田区、世田谷区に次いで第3位の広さで、人口約67万人である。

足立区は、これまでに技能労務や保育士等の業務者を約2,500人削減し、民間に委託するなどして、行政改革の先進自治体といわれている。これまでの限られた範囲の中での取り組みはやり尽され、さらなる行政のスリム化という点においては、新たな効果があげられないという壁に直面していた。そのような中、平成18年市場化テスト法の制定で、新たな分野への可能性が広がったことで、事務作業の外部化にも踏み込んだ事業展開で取り組んでいる。

事業形態によって6分類し、新たな民間委託のターゲットを定めようとしている。【政策企画立案業務】 【公権力の行使・法規制事務】 【専門非定型業務】 【専門定型業務】 【単純非定型業務】 【単純定型業務】 に分類し、その内後者の2業務についてはすでに民間委託に着手済みだ。

新たなターゲットは、【専門定型業務】 である。そこで想定される業務として、『税関連補助業務』 『会計・出納』 『介護保険事務』 『国保事務』 『総務事務』 『児童手当事務』 『窓口事務』 が考えられる。その内、戸籍住民課の 『窓口事務』 は、平成26年1月から本格稼働しており、民間への移管率は10割となっている。また、『介護保険事務』 は、平成26年3月から一部移管し、平成29年には移管率10割にし本格稼働する計画で進められている。来年度より取り組む業務として、『国民保健業務』 と 『会計管理業務』 がある。いづれも平成27年度に5割移管し、平成28年度から本格稼働で移管率10割とすることとしている。以上の4業務の民間委託によって、単年度で約1億4千万円の削減効果があると試算している。

行政事務の民間委託のメリットとデメリットについては、メリットとして ①業務の可視化とコスト削減 ②窓口からの積極的な声かけによるサービスの向上 がある。デメリットとしては ①個人情報保護に対する疑念を問われる ②人事制度・人材育成の見直しが求められる(事業者への管理監督能力向上や、民間事業者間のノウハウの移転・継承) ③小規模自治体では効果が少ない などが考えられる。

これまでの取り組みから明らかになったことは、国からの法定受託事業に対しては、国がかなり関与してくることや、『介護保険事務』 等の民間主導で行われてきた行政サービスは、民間が行うことで苦情が激減しているなど、やってみてわかることが多くある。これからも、区政を取り巻く状況変化に飲み込まれることなく、変化をエネルギーにして課題を克服していかなければならない。

 

委託先である民間事業者が力を発揮できる市場環境と力のある事業者の存在や、三豊市のような小規模自治体で効果を生み出すための自治体間連携による規模確保等、課題は多くあることも理解できました。市政を取り巻く状況変化に飲み込まれることなく、新たな可能性を求め続けなければならないと、気づかされた研修でした。

以上で、平成26年度三豊市議会 「総務教育常任委員会 視察研修報告」 を終わります。

総務教育常任委員会視察 研修報告・3 

総務教育常任委員会視察研修報告の3件目は、東京都港区での「小中一貫教育の取り組み」についてです。

 

港区は、面積20.34㎢、東京23区の中で12番目の広さで、人口237,000人である。

港区では、幼稚園・小学校・中学校を通した12年間において、中学校区を単位とする10のブロック(アカデミー)ごとにカリキュラムを組み、地域にあった幼・小中一貫教育を推進している。この取り組みは、「小1プロブレム」や「中1ギャップ」といわれるように、小学校入学時に授業中に歩き回ったり、中学校入学時にかけ算や九九等ができなかったりすることや、生活習慣が身についていない等により、不登校や問題行動を起こす子どもが増えてきたことが、大きな要因として始められた。

平成22年4月、小中一貫教育校『お台場学園』を開校するとともに、地域の特色を踏まえた教育活動や幼・小中の子どもの交流活動、教員による【MINATOカリキュラム】を活用した指導方法の研究や、学習指導上の連携を図ってきた。今後平成27年4月、区内で2校目となる小中一貫教育校『白金の丘学園』の開港に合わせ、平成27年度から全アカデミーで、幼児期の3年間と小中の9年間がつながった、12年間と見通した指導方針で小中一貫教育を進めていくこととしている。

港区のアカデミーの形態は10にアカデミーを置き、その内2校区は〔施設一体型〕で、他の8校区は〔カリキュラム連携校〕で構成されている。

〔施設一体型〕 『お台場アカデミー(お台場学園)』━中:1校、小:1校  『朝日アカデミー(白金の丘学園)』━中:1校、小:1校、幼:1園

〔カリキュラム連携校〕 『御成門アカデミー』━中:1、小:1  『赤坂アカデミー』━中:1、小:1、幼:1  『港南アカデミー』━中:1、小:2、幼:2  『高陵アカデミー』━中:1、小:2、幼:1  『三田アカデミー』━中:1、小:3、幼:1  『高松アカデミー』━中:1、小:2、幼:2  『六本木アカデミー』━中:1、小:3、幼:1

アカデミーが機能するための方策がある。その一つとして、子どもたちの学びが良好な環境の中でつながっていくために、カリキュラムがまとめられている。 ●小学校入学前教育カリキュラム<小1プロブレムを発生させないために、当たり前のことができるよう、家庭でも教育できるようまとめたもの> ●MINATOカリキュラム<教員が小・中の学ぶ内容を知り、つながっていることを知って授業に取り組むことができるためのもの>  また、マンネリやいじめ回避のため、学校選択希望性を導入している。

今後の課題として、3てあげられる。1点は、中学校教員の小学校への出前授業のため、負担増がある。今後小学校教員の部活動指導が考えられる。2点は、免許状の違いへの対応として、兼務発令が考えられる。3点は、小中の教員間の打ち合わせ・準備・移動時間の確保は、ICT等の環境整備が考えられる。

 

平成27年度から全区での展開に関心が尽きません。三豊市においても、〔カリキュラム連携校〕の形態は導入しやすいものではないかと思われます。三豊市教育協議会の中でも、幼・小中連携教育の考えをより前向きに取り入れ、一歩踏み込んでみるのも一手ではないかと気づかせていただいた研修でした。

総務教育常任委員会 視察研修報告・2

総務教育常任委員会視察研修の2件目は、埼玉県春日部市での研修です。研修の目的は、「市議会における災害発生時の対応」についてです。

 

春日部市は、埼玉県東部の中核市で、人口24万人弱、面積65.98㎢を有し、都心から35㎞の位置にある。江戸時代から日光街道の粕壁宿として栄え、古くから水路・陸路の交通の要所となってきた地域だ。幾度かの市町村合併を経て、平成17年10月1日に新春日部市となり現在に至っている。かつては桐たんす・羽子板・麦わら帽子などの産地として知られていたが、近年ではアニメの くれよんしんちゃん の舞台となったことで、市の広告塔となって春日部の名が知られている。

春日部市議会の、災害発生時における市議会及び議員の対応のルール化の必要性は、東日本大震災の教訓からである。その教訓とは、東日本大震災発生直後から、各議員に寄せられた市民からの情報や要望等が、一元化されていなかったことにより混乱したことで、対応が十分でなかったことだ。そこで、平成25年2月4日、災害発生時の市議会と議員の対応をルール化するため、「春日部市議会における災害発生時の対応要領」を制定した。

●春日部市の市対策本部が設置されたときは、市議会災害対策支援本部を設置し、議長が本部長となり、副議長が副本部長となる。本部役員は、各会派の代表者が就くこととなっている。

●本部の役割は、議員の安否確認を行い、市対策本部から受けた災害情報を議員に情報提供する。また、議員からの災害情報を収集、整理し、市対策本部に情報提供を行うとともに、被災地及び避難所等の調査を行うこととしている。

●議員の対応は、自らの安否と居場所を本部に報告し、本部からの情報提供を受け、地域の防災活動にあたるとともに、被災地及び避難所等の情報を収集し、本部に提供する。また、救援活動に協力するとともに、被災者に対する相談や助言と行うこととしている。

春日部市議会では、要領の制定に止まることなく議員の行動マニュアルを作成し、大規模災害に対する議員の認識を深めることが重要であるとの考えから、議場における避難訓練を実施している。

要領及びマニュアルでは、災害時における市議会災害対策支援本部と各議員間との連絡方法について、具体的な手段が明記されていなかった。連絡手段は電話やメールが想定されるが、これまでネールは活用していなかった。そこで、メールの活用を想定し各議員への『メール送信訓練』を行っている。

「市議会における災害発生時の対応」を明確にすることの大きな目的は、普段から地域に密着して活動している議員ならではの役割を果たすことである。

(1)市職員では把握しきれない情報の収集・整理を行い、市対策本部へ伝えること

(2)市対策本部の情報を直接、被害者個人個人に伝え、住民の不安や混乱解消につなげること

課題として、議員の選出地域の偏りや人数の制約で、全ての避難施設をカバーできていないことがある。

 

南海、東南海大地震の発生が予測されている現状の中で、三豊市議会においても取り組むべきテーマであると確信した研修でした。

総務教育常任委員会 視察研修報告・1

三豊市議会の3つある常任委員会の一つである総務教育常任委員会の視察研修が、平成26年11月19日(水)~21日(金)の3日間の行程で行われました。訪問したのは埼玉県熊谷市と同じく春日部市、東京都港区、同じく足立区の4つの自治体で、この常任委員会が所管する行政分野を視察目的として、研修してきました。

最初に訪れた熊谷市では、既に誰もが知るような観光地ではありませんが、小粒でもこのまちにあるものを活かし、観光に結び付けようと取り組んでいる「地域資源を活用した観光施策について」の報告をします。

 

熊谷市は、東京都心から50~70㎞に位置し、面積159.88㎢、人口約20万人を有し、首都圏では珍しく通勤・通学の流入人口の多い、人々が集まる自立都市です。40.9℃を記録した日本一熱いまちとして全国に知られている。

観光資源及び主客のための施策は、「祭やイベント」と「歴史的資産」の2面で進められている。

(1)「祭やイベント」は、 ①3月下旬~4月上旬に【さくら祭】が、市が事務局の観光協会が主催し、広告ぼんぼりやライトアップで観光客を迎えている。JRや秩父鉄道との共催による「駅からハイキング」も開催しにぎわっている。 ②5月には【B級グルメ大会】が、商工会連合会を中心にして平成23年度から開催している。平成26年度の第4回は、来場者数45,000人であった。出店数は、市内グルメ店舗27、市外店舗(県内)14、が参加し、投票による人気ナンバー1を決定する「くまが屋・オブ・ザ・イヤー」を実施し、大いに盛り上がっている。 ③7月20.21.22日は【うちわ祭】が、市内8町区が毎年順番で主催し開催されている。12台の山車が出て関東一のギオン祭として70万人を集めている。市の文化財であることから市の行事として都市間交流の長野県山ノ内町の協力で、雪と足湯のイベントを同時開催している。 ④8月第2週は【熊谷花火大会】が、観光協会を含む主催3者で実施されている。65回開催されており、10,000発、45万人を集める県内でも歴史ある花火大会となっている。メッセージ花火や企業広告花火、花火業者7社が技術を競うプログラムがあり、いずれも大好評だ。 ⑤11月は【オ・ドーレなおざね】が開催される。熊谷市商店街連合会が半世紀にわたり行ってきた「熊谷えびす大商業祭」の協賛行事として、平成14年からダンスイベントとして、約1,500人の参加で行われている。

(2)「歴史的資産」は、歓喜院聖天堂が平成24年7月9日に国宝に指定された。記念事業として平成24年度にJR駅用のPRポスター作成や記念切手、ガイドブック等を発行した。観光客は、指定全55万人であったのが、90万人に大きく増加している。

熊谷ブランド物産事業については、主なものが2つある。

(1)【雪くま】 平成18年度に地元の人々の誇りとなるご当地名物をつくろうと若手職員を中心にプロジェクトチームを立ち上げ、「あつい」熊谷にふさわしい『かき氷』を誕生させた。【雪くま】のれん会加盟店は27店舗で、定期的に氷かき技術の習得や新メニューの開発に向けた講習や意見交換を行っている。

(2)【伝統工芸「熊谷染め」】 埼玉県知事から伝統的手工芸品に指定されており、熊谷を誇る伝統工芸として広めようと取り組んでいる。商品開発や販売促進、技術継承講座の開催等に支援している。現在、高校跡地を活用した生涯学習施設「熊谷市スポーツ・文化村くまぴあ」に熊谷伝統産業伝承室を準備中だ。

最後は、今後の課題、展開についてです。

(1)従来の観光に加え、スポーツツーリズム、産業観光といった切り口で、観光振興を図り交流人口を増加させ、定住人口につなげていきたい。

(2)新たな観光資源や熊谷ブランドの発掘とセールスのため、ノウハウを持つ専門家を活用したい。

(3)観光協会の民営化によって、より自由に幅広く観光振興を進めたい。

等があげられる。

 

以前は行政がかかわっていた【くま辛】は、現在は民間主導で行われ、参加店40店舗に迫る勢いで、「あつく」沸騰しています。日本一暑いという出来事や富岡製糸所世界遺産登録、来年の大河ドラマ 花燃ゆ 等、少しでも話題性のある出来事をわがまちに結び付け、敏感に反応しています。これからも熊谷市は「あつく」挑戦し続けていくことでしょう。

地域資源はどのまちにもあります。それを活かすのは地域人材なのです。

 

平成26年12月議会が開会しました

三豊市議会議員選挙で始まった平成26年(2014年)は、はや師走を迎えました。12月3日(水)、三豊市議会の12月議会が、22日(月)までの20日間の会期で開会されました。議会の最初に行われるのは一般質問で、8日(月)~10日(水)の3日間予定されています。届け出順に決まる質問順番は、私の今回の出番は7番目で、2日目の朝一番となっています。今議会の私の質問は2件です。

 

1件目 「『バリアアリー(有り)』の介護予防について」

介護保険法改正では、予防給付の内『介護予防訪問介護』と『介護予防通所介護』が地域支援事業へ移行され、市の実施する総合事業となる。市独自の地域の支えあいの体制づくりの推進の受け皿として、『バリアフリー』ならぬ『バリアアリー(有りー)』の考えに基づいた取り組みを問う。

・『社会福祉法人夢のみずうみ村』が実績を上げている介護予防の研究と取り組み

・引きこもりを防ぎコミュニケーションを促進するサービスのメニューの検討(長寿会や高齢者スポーツ団体が取り組んでいる事業支援に加え、新たに三豊市オリジナルの健康ダンス」や今話題のコミュニケーション麻雀の着手推進)

 

2件目 「『ラウンドアバウト方式』交差点の導入について」

2014年9月より『環状交差点』として『現代的ラウンドアバウト』 の運用が始まった。①効率が上がる ②安全性が上がる ③経費が下がる(信号不要) といった3つのメリットがある。交差点改良時の導入の考えを問う。

 

今年度は、私が総務教育常任委員長であるため、私自身に与えられた質問の範囲にかなり制約があります。しかし、福祉、環境、税金、建設、農漁業等、人口減少高齢社会を迎えた三豊市の抱えている問題は数多です。

平成25年度財政健全化判断比率

平成19年6月に制定された「地方公共団体の財政健全化に関する法律」(財政健全化法)に定められた、財政健全化を確認する指標は、4つあります。平成25年度決算におけるその指標は次の通りです。

【①実質赤字比率】

標準財政規模に対して、一般会計の実質赤字の比率を示すものです。赤字でないため「実質赤字なし」となっています。

【②連結実質赤字比率】

標準財政規模に対して、一般会計に特別会計及び公営企業会計を連結した実質赤字を示すものです。赤字でないため「連結実質赤字なし」となっています。

【③実質公債比率】

①と②に加えて、一部事務組合や広域連合まで範囲を広げて、公債費の比率を示すものです。早期健全化基準25.0%に対し7.1%となっています。平成24年度が7.9%であったことから0.8%良化しています。

【④将来負担比率】

③に加えて、地方公社や第三セクターまで範囲を広げ、公債費や債務負担行為など将来に係る負担の比率を示すものです。早期健全化基準は350%となっていますが、負担比率はマイナスとなっているためポイント表示はありません。

指標の良化は、4つの指標算出の分母にあたる標準財政規模は、平成24年度は205億21,558千円であったのが、平成25年度は206億654千円と大きくなっていることと、分子にあたる公債費が減少したことと基金の増加によります。本年度(平成26年度)より、本格的に公共施設整備事業が着手されており、今後大きく指標が変化してくるものと思われ、これまで以上に財政健全化比率に注視していかなくてはならないと思っています。

以上で、平成25年度決算関係の報告を終わります。

 

平成25年度決算認定

平成25年度決算を審査するために、9月定例会で設置した三豊市議会決算特別委員会が、10月15日(水)・16日(木)・17日(金)・11月10日の4日間の日程で開催され、全ての決算案が承認されました。

 

決算規模は、一般会計歳入が308億1,547万6,635円で、歳出は289億861万1,728円となり、歳入歳出差引額は19億686万4,907円となります。

また、8の特別会計歳入合計は180億6,037万8,469円で、歳出合計は177億3,140万円となっており、歳入歳出差引額は3億2,892万2,368円となります。

よって、一般会計と特別会計の合計額の決算収支状況は、歳入決算額488億7,585万5,104円から歳出決算額466億4,001万7,929円を差し引き、差額は22億3,583万7,275円となります。このうち、翌年度へ繰り越すべき財源7億9,939万4,000円を差し引いた実質収支額は14億3,644万3,275円の黒字となりました。なお、実質収支額の内訳は、一般会計が11億747万907円、特別会計が3億2,897万2,368円となっています。

貯金に当たる基金は、平成25年度末で166億5,461万円余となっており、前年度末と比べて1億7,607万円余の増加となっています。内、財政調整基金は79億700万円弱となっており、前年度末と比べ4億2,600万円余の増加となっています。借金にあたる地方債は、一般会計及び特別会計合わせ、平成25年度末で総額275億円弱で、前年比7億8,000万円余の減となっています。

 

次回は、平成25年度財政健全化判断比率について報告します。

 

閉会中の総務教育常任委員会(第3回)

閉会中の三豊市議会総務教育常任委員会が、平成26年11月4日(火)に開催されました。所管部局からの報告事項に対して、協議が行われました。

 

【政策部】

●地方分権改革に関する提案募集について

内閣府は、地方分権改革の一連の動きの中で、個性を生かした自立した地方をつくるため、地方自らの提案を募り、個々の地方公共団体からの改革を進めるため、「提案応募方式」を導入した。三豊市では、9件の国との事前相談の内、2件が提案の提出となった。 (1)「一般廃棄物収集運搬業の許可期限の延長」(環境部環境衛生課):産業廃棄物処理業の許可優良事業者については2年延長され、7年となっている。同様に2年延長し、4年とすることを特例として認めてほしい。 (2)「適化法の補助金返還要件の緩和」:施設の有効活用を検討する中で、民間売却に際し補助金返還を求めず、事務処理の簡素化を図ってほしい。

●新市建設計画の変更について

合併特例債の借入期間が10年から15年に延長されることに伴い、新市建設計画を変更する必要がある。その手続きとして、合併時に期限を限った『地域審議会』を設置した自治体においては、それに諮らなければならない。しかし、『地域審議会』の役割がすでに終えたことを踏まえ、そこでの意見聴取を行わず、設置期間を平成28年3月32日から平成27年3月31日に変更し、実質廃止する。

●定住促進関係事業進捗について

①『若者定住促進・地域経済活性化事業』 40歳未満の者を対象に、市内で住宅取得することに対し、費用の一部を補助する。事業対象額の20分の1で上限100万円。当初予算80件×100万円の8,000万円に対して、問い合わせの急増で25件分2,500万円の増額を求める説明があった。

②『定住促進・学生宿泊支援事業』 市外の高校以上の学生の合宿を支援し、定住促進及び地方経済活性化を図る。指定宿舎(11件)に2泊以上宿泊する10名以上の団体に対し、1人1泊につき1,000円の三豊市商品券を交付する。当初予算50万円に対し、30万円の増額を求める説明があった。

③『定住促進・短期滞在者支援事業』 市へ定住を準備・計画する市外の者に対し、滞在を支援する。当初114,000円に対し、現在24,000円の交付。

④『住宅リフォーム・地域経済活性化事業(空き家バンク』 空き家バンク登録物件に対し、リフォームに係る費用の一部として、上限50万円を補助する。当初予算10件×50万円の500万円に対し、10件分の500万円の増額を求める説明があった。

その他、合併特例債の見通しについて報告があった。

 

【教育委員会】

●教育委員会制度について

平成27年4月より始まる新教育委員会制度について説明があった。

〔教育行政の責任の明確化〕 ①教育委員長と教育長を一本化した新たな責任者(新教育長)を置く。 ②教育長は、首長が議会同意を得て直接任命・罷免を行う。 ③教育長の任期は、3年とする(委員は4年)。

〔総合教育会議の設置、大綱の策定〕 ①首長は、総合教育会議を設ける。会議は、首長が招集し、首長と教育委員会により構成される。 ②首長は、教育の振興に関する施策の大綱を策定する。

〔国の地方公共団体への関与の見直し〕 ①いじめによる自殺の防止等、緊急の必要がある場合に、文部科学大臣が教育委員会に対して指示ができることを明確化する。

●学校再編整備について

新設統合小学校建設事業関係の入札予定及び、教育関係の工事請負契約の報告があった。

 

【総務部】

●コミュニティバスについて

全12路線の運行・収支状況の報告があり、3路線が維持基準を下回っている現状の説明と、利用向上の対応策が協議された。

●公文書管理について

歴史的価値のある公文書の適正な保存のため、文書館との連携と利用を明確化するため、「三豊市公文書管理条例」の制定を進める。

 

以上で、閉会中の総務教育常任委員会の報告を終わります。

議会運営委員会 視察研修報告・2

三豊市議会運営委員会 視察研修の2件目、山口県山陽小野田市の報告をします。

 

山陽小野田市は、山口県の南西部に位置し、面積132.99㎢ 人口64,000人ほどの瀬戸内海に面した、「スエ器」の出土や製塩等で古くから栄えた歴史あるまちだ。近代にはいり、小野田セメント等が操業するなどし、セメントと石炭を礎に発展してきた。現在は、企業誘致や大学の開校等、新しい産業と教育の都市へと歩みを進めている。

山陽小野田市議会は、平成24年4月に議会基本条例施行後、【公開度】 【住民参加度】 【運営改善度】 の三つの目標を掲げ議会改革に取り組んでいる。

【公開度】 は、※会議の公開:本会議、委員会を原則公開 ※委員会記録の公開:ホームページで公開 ※議案及び関連資料の公開:傍聴者に配布 ※賛否の公開:議会だより及びホームページに掲載 ※議会情報の公開:議会フェイスブック

【住民参加度】 は、※議会報告会の開催:毎定例会ごと、中学校区の6会場 ※市民懇談会の開催:学校給食や議員定数等をテーマに、年間10回ほど ※請願者の意見陳述:請願審査の充実 ※市民モニター:来年度より実施

【運営改善度】 は、※代表質問制の導入:施政方針に対する質問で、3月議会より開始 ※一問一答方式の導入:9月から導入 ※執行部の反問権:論点を明らかにするため、質問の趣旨確認まで ※議決事件の追加:基本計画を審査 ※議長任期を4年に:二元代表制の一翼 ※予算決算の審査:予算決算常任委員会の設置

さらなる議会改革のため、平成26年から 『議会のあり方調査特別委員会』 を設置している。目的は、「二元代表制の一翼として監視機能及び政策立案機能の強化のため」だ。検討項目は、4点ある。

1点目は、議会機能について=(1)監視機能 ア.職員研修 イ.行政評価 ウ.議場の議席  (2)政策立案機能 ア.政策立案及び提言:政策研究会の設置、議員間討議の充実、議会の付属機関の設置と活用、議会事務局の充実強化 イ.政策形成サイクル

2点目は、情報発信・情報収集・市民参加=(1)情報発信 ア.傍聴者への議会資料の配布   イ.委員会中継 ウ.独自の市議会ホームページ エ.市議会フェイスブック  (2)情報収集 ア.自治会、諸団体対象政調会 イ.政務活動費  (3)市民参加 ア.出前講座・子ども議会 イ.市民モニター

3点目は、議員報酬・議員定数について=(1)議員報酬  (2)議員定数

4点目は、災害時における議会の対応

検討項目のそれぞれに、今すぐ、中期、任期中といった3つのスパンに分け、検討スケジュールを定めている。

市民に対する議会の広報活動は、3種類設けている。〔議会報告会〕は議会が主催し、3班に分け6地区で開催(議会が市民へアプローチする形態)であり、〔市民懇談会〕と〔出前講座〕は市内で活動する団体及び10人以上の市民グループの申し込みにより担当委員会が対応する(市民が議会にアプローチする形態)、としている。

「政策討論会」は、本議会が本来の政策討論の場ではあるが、議会運営上時間的制約があるため、議題を決めて公開の場で議員通しの討論会を行っている。基本的な流れは、先ず、会派代表等が議長に議題を申し入れ、次に議会運営委員会で議題を決定する。そして、議長が座長となり議事を進行する。この中で出された意見の活用は、先ず、常任委員会及び特別委員会における審査・政策立案をした後、執行機関への政策提言をする。また、その他議会における政策形成へ反映する。

山陽小野田市議会では、今後ともさらなる議会改革のため、議会のあり方調査特別委員会での検討項目を基に、議会運営委員会で2年ごとの条例検証(35条)を行っていくこととしている。

 

タブレット端末を活用した議会運営や、パソコン持ち込み等ICTを活用した議会活動の取り組みなど、これまでの確かな実績と次への課題を見極めた議会改革の実践を知ることができた、有意義な研修でした。

今回の2件の研修で学んだことを、議会運営委員会の中で活かしていかなくてはなりません。

議会運営委員会 視察研修報告・1

三豊市議会議会運営委員会の視察研修に、10月23日(木)と24日(金)の2日間行ってきました。視察テーマは 《議会改革・議会運営について》 で、訪問したのは 佐賀県鹿島市 と 山口県山陽小野田市 の二つの市議会です。

1件目の 鹿島市 における研修報告をします。

鹿島市は、佐賀県の西南部に位置し、面積112.10㎢ 人口約30.000人の、有明海が東に広がる自然豊かな環境にある。日本三大稲荷の一つで年間300万人程が参拝に訪れる祐徳稲荷神社や、地域おこしイベント「ガタリンピック」で有名だ。また、日本の生涯教育発祥の地といわれ、青年団活動の生みの親である田澤先生の生誕の地としても全国に名を知られている。

鹿島市における議会改革・議会運営の取り組みは、平成20年に議会運営委員会で委員から議会基本条例の提案があったことにより、議運で勉強会を行い検討することから始まる。平成21年に全員で構成する『鹿島市議会基本条例検討会』を設置、約1年をかけ平成22年9月24日「鹿島市議会基本条例」を全会一致で可決した。

現在、鹿島市議会が取り組む議会改革として、【議会報告・議場開放】 【政務活動費】 【議会だより・ICT】 の3つのプロジェクトを設け、市民に開かれた市民が主役の議会を目指している。

条例制定後の影響とその変化は、㋐議会報告会の定期的開催の定着 ㋑基本条例第11条の定着 ㋒議会だより・ICTプロジェクトの実績(議会だより予算の増額、議場パソコンモニター設置事業など) ㋓議場解放事業(市制60周年事業として市民に議場開放) がある。特に、㋑の基本条例第11条 「市長等による政策等の形成過程の説明」 は、市長が提案する重要な政策に対し、6点の説明を求めるものとしている。 「⑴必要とする背景 ⑵提案に至るまでの経緯 ⑶総合計画における根拠又は位置付け及び整合性 ⑷関係する法令及び条例等 ⑸財源措置及び将来負担すべき経費 ⑹政策等の効果」 により協議を行う。これによって政策水準を高め、その結果について 【確認書】 を交わしている。この 【確認書】 は、年度が替わり担当職員が異動となっても新たな担当者と交わすことで、協議事項に対する影響が継続するようになっている。

議会改革を進めるにあたり、議会運営委員会が担うべき役割と目標とする課題は、①議員間の自由討議(6条2項):重要案件で全員協議会で活発な議員間討議を行なう。また、本議会の議案審議でも討論が活発になる。 ②一般質問での映像利用(5条2項):平成26年度補正で ‟議場パソコンテレビモニター設置事業” に導入予算がついた。 ③議員提案: ‟鹿島市日本酒で乾杯を推進する条例の制定” を行い、今後も議員提案の条例を増やしていきたい。

これまでの活動実績だけではなく、ユーストリームによるインターネット中継や一般質問での映像利用の試みなど、市民に分かりやすい議会情報提供に、挑戦的に取り組み続けていることが分かった。

 

その気になればすぐやれる、具体的な取り組み事例の示唆をいただきました。1件目の報告を終わります。