地域資源としての地元企業(3)

3月1日と5月24日の地元企業紹介に続き、今回で3社目となります。
三豊市詫間町で、企業からの注文に応えて人材を送り込む、請負及び人材派遣を業務とする(有)日讃を訪問し、代表取締役の林洋光さんにお会いしてきました。
当社は、2年前に故人となられたお父様が、昭和47年に讃岐造船鉄工所(三豊市詫間町)の足場・雑役作業の請負会社(人夫貸し業)として発足しました。
それ以来、瀬戸大橋建設関係作業を始め、高度成長期の直中にあって、多くの地元企業現場作業の円滑な業務遂行に貢献してきました。
今日の多くの受注は、業界活況のために造船会社からのものが6割を占めており、あとは他の製造業及び運輸業などからの請負となっています。
林さんは、大学卒業後すぐに当社に入社し、36歳の今まで若さ故の苦労を糧にしながら、10数年にわたり懸命に経営者としてのキャリアを積んできました。
人が財産のこの業界で、個性豊かな社員との人間関係の難しさに幾度となく悩んだこともあったようですが、歴史が好きだったこともあり戦国武将の生き様に範を得て、自分らしい人とのつきあい方を見つけてきたようです。
この頃は、地元雇用を中心とした60人ほどの信頼する社員とともに、楽しく、時に厳しく日々の経営に当たっています。
≪同友会(香川県中小企業家同友会)で何を学びますか≫
「社員が帰社する最も忙しい夕方と、例会の時間帯が重なり思うように出席できず、一度は退会したのですが、異業種の会員の皆さんとも親交を深めたいと思い再入会しました。
まだ、経営の形が確かなものとなっておらず、現時点では経営指針書作成の段階にはまだまだだと思っています。
先ず、日常の業務の中で自分の思いや考えが伝わり、共有できるリーダーを育ててゆきたいと思っています。
その過程で、自分自身の中に【経営理念】といえる、確かなものが見えてくるとも考えています。
今後は、時間の配分を考えて、例会にも出席できるように努力したいと思っています。」
「毎日結構大変だが、気長にやっています。」の言葉とは裏腹に、地域経済の基本である地元雇用をしっかりと実践しており、経営形態と経営理念の確立は目の前に来ていると感じました。
「趣味らしい趣味はありません」と言いながら「二人の娘と遊ぶことかな」と、さりげなく語る笑顔に充実感が溢れており、社員との人間関係と相まって“人と人とのかかわりかた”の大切さに気づかされた企業訪問でした。
“企業は人なり”と言いますが、(有)日讃はこれからますます面白い企業になりそうです。
林社長、ありがとうございました。
そして、ともに頑張ってゆきましょう。

良識

私は、議員という公職に就く者の判断は、本人の「良識」によるところが最大であると考えています。
公職に就く者としての「良識」は、公人として自らが自らで自らを処することにおいて、法的判断(罪の有無・刑の軽重)に優ものであり、至高の判断基準であるといえます。
よって、市民から選ばれた議員であるならば、公人としての「良識ある」判断無くして議員足り得ません。
今回の同僚議員による脱税犯罪については、本人は議員の職を辞さないとしていますが、私の「良識」からすれば辞職すべきです。
1. 消費税脱税に対し、執行猶予付きの有罪となった。この罪状が、司法判断の辞職に当たらないとの判例があったとしても、議員という公人が預かり金である税金を着服した行為であり、日本の社会・行政システムの根幹に背き、また、三豊市民に与えた信頼感への負の影響は計り知れない。
2. 市民との関係において、「後援会は議員として任期満了まで務めて欲しいと言っている。市民からは辞職しろとの声は聞こえない」とのことであるが、詭弁と言うより他にない。市民が声高に言わないのは、辞職に対して「そんなことは分かり切っていること」という意志の裏返しである。この意志を解せず職にあり続けるのは、資質の有無にまで行き着く。
3. 市の部長級職員が罪の確定を待たずして、公務員の極刑とも言われる懲戒免職になった事実がある。罪が定かではない職員が辞職させられ、罪が確定した議員が職に止まるのは、職の違いこそあれ不公平感の極みであり、それを超え人権問題であるともいえる。
いずれにせよ、私利私欲で税金を着服したという事実に対し有罪が確定した議員が、市政の監視役としての任を全うできるのでしょうか。
公人であり「良識」を至高の判断基準とすべき議員が、議会外の私事(本質は税金にまつわる事件であり私事ではない)が原因の事件であったとしても、職に在り続けるのは「良識」の欠落と言うより他にないと考えています。
今回の同僚議員が下した判断に対する、同じ一議員としての私の「良識」から見た考えは以上の通りです。
再度の熟考と思慮深い判断を期待しています。
で、なければ・・・・・・・・・・・!!

平成20年度6月定例会常任委員会

平成20年度6月定例会会期中の常任委員会が順次開催されており、付託議案及び一般会計並びに特別会計補正予算審議が行われています。
今回の一般会計補整予算案は、168,913千円の増額補整となっており、予算総額は当初の25,450,000千円から25,618,913千円となっています。
歳入内訳は、
『県からの補助委託金』として30,000千円弱。
『寄付金』が2者併せて2,050千円。
『基金繰入金』が124,000千円弱で、内、財政調整基金から123,756千円が当てられています。(財調基金の20年度末見込み 51億4千万円程)
『雑入』として、たくまシーマックス及び保管金で13,000千円余となっています。
歳出の主なものは、
『人事課』 制度改正による幼保管理職手当増額分7,200千円。
『企画課』 ゆめタウン三豊関連市道で8,400千円弱。
『地域振興室』 2つの特目基金積み立てとして6,300千円余。
『税務課』  市県民税還付金及び法人市民税還付金で87,000千円余。
『環境衛生課』 ごみ処理技術検討委員会関連で12,600千円。
『健康課』 乳幼児医療助成事業に4,500千円余。
『子育て支援課』 学童保育運営事業及び保育所施設補修などに3,000千円余。
『学校教育課』 小学校県委託事業及び詫間中学校改修事業に31,500千円余。
『生涯学習課』 図書館の障害者臨時職員雇用賃金などに2,300千円余。
とりあえず、予算関係のお知らせとします。

比地大小学校支援委員会

三豊市立比地大小学校で昨年から取り組んでいる、豊かな体験活動推進事業「命の大切さを学ばせる体験活動」の本年第1回の学校支援委員会が、6月15日(日)開かれました。
2月24日のこの場でも書き込んでいますが、今年度は昨年度の活動と学習実績を基に、さらに深め、学校教育の大きなねらいである「生きる力の育成」に取り組もうとしています。
地域の中での体験活動と知的学習を関連づけ、「自ら学びよりよく生きようとする子どもの育成」をめざしています。
若者の無差別大量殺傷事件が多発する現状において、人間同士の関わりが極端に希薄で歪のものになっていることを痛感しています。   
秋葉原の事件も、怒りを超え哀れさと情けなさを感じてなりません。
特に、取り調べの中で出た言葉の「だれかが止めてくれればよかった」には、現代の若者がこれほど人恋しく、恐ろしいほどに孤独だったのだと思い知らされたのでした。
便利な時代になるほどに、実生活でも一人、携帯メールにも誰一人としてコメントをくれない、リアルな孤独の妄想に陥ってゆくのでしょうか。
子どもたちには、地域の中での体験活動を通して、地域とのつながりを感じ、地域の人とともに暮らし頼り頼られることの大切さに気づき、一人ではない、人と人との関わりの中で生きていること、一人一人が大切な人であることを知って欲しいと思っています。
そして、知的学習を重ねることで、価値観の交錯する日常においても、自分を表現し伝える術を養って欲しいと願っています。
この日に合わせておこなわれた、授業参観と学校保健委員会にも多くの保護者と地域の人たちが参加しており、比地大小学校そのものが、地域とともにあり、地域の人たちにとっても活力の源になっていて、互いが支え合っていることを実感したのです。
こんなに、地域の人たちに関わってもらえる“比地大っ子”は、とても幸せです。
ひじ(比地)ちゃんが大(だい)ウンチを毎日出して、元気に通学する姿を見守りたいと思っています。

『健康を売る』

千葉県柏市に京北(けいほく)スーパーという『健康を売る』スーパーマーケットがあります。
三豊市の農業を考えているとき、たまたま当社の石戸孝行会長の講演を聴く機会に恵まれました。
「売れるものを売らない我慢 売れないものを売る信念」で、柏駅周辺の激戦区で店のポジションを確立し、年商60億円を売り上げています。
今でこそ、常識となっている航空機内の禁煙ですが、海外の航空会社がそれを初めてやったことを知ったとき、「うちの店はこう思います」をハッキリさせようと決意したのです。
それが、食料品を売る店として、お客さまのニーズを売る店ではなく、食べ物を通して『健康を売る』ということでした。
「確かに今、街では売れているが、うちの基準だと売らない」という店づくりです。
先ず、健康を売るために、売れるタバコの販売を止めたのです。
その時、週刊誌に「一円でも稼ぎたいときに、売り上げを減らす野蛮な勇気を持った田舎おやじがいる」と書かれたのです。その記事を読んだ日本中の赤十字病院の院長先生から、よくやったとの手紙が届けられたのでした。
これが、「売れるものを売らない我慢 売れないものを売る信念」で表される経営理念の裏付けとなったのです。
多くある店の中から、わざわざ当店で買い物をしてくれたのはなぜなのか。
その意味と気持ちに応えることが使命だといい、「私はこのスーパーを選んだ」ことに対する、お客さまのプライドに応えることなのだというのです。
七宝会 農業問題研究会(6月7日)であった話と同様で、どの店で買ったのかが問われており、食料品を扱うものとしての基本の考え方は同じで、三豊市農業の方向を指し示すお話でした。
正直な生産者が、安心安全な農作物を育て、信念と使命感を持ったお店が扱い、プライドを持ったお客さまが買い求めるという一連の循環は、『健康を売る』という最も支持されるビジネスモデルとなっているのです。

七宝会 農業問題研究会

「ゆめタウン三豊」出店を、三豊市農業の再生と活性化の好機と捉え、「七宝会 農業問題研究会」では三豊市型農業の調査研究に取り組んでいます。
今や農作物は、単なる食品から商品となっています。
消費の最前線では、野菜売り場の玉売り(素材)からカット野菜(簡便化)へ変化し、今は総菜売り場の色んな野菜を混ぜたカップ入り(即食)が消費の主役となっています。
生産を担う農業(農家)は、“ただ作る人”では止まらず、生産~流通~消費~生産の循環があることを知った“生活者”の立場であるべきだと思っています。
この意味で、一律の直接的農業(農家)支援だけで、地方と地域が活性化し再生するとは考えていません。
どうすれば、生産者、流通業者、消費者の誰もが喜び、良くなる関係と仕組みになるのだろうかを考える中で、三豊市農業はこうあるべきであることを導き出したいと考えています。
このような地方の一つ一つの動きが、地方の活性化を促し、結果として日本の食糧自給率上昇に繋がってゆくのだと思っています。
「ゆめタウン三豊」を運営する(株)イズミ 食品部九州担当部長 手嶋泰樹氏に来ていただき、『食生活の変化と対応』のテーマでお話をしていただきました。
【食生活の変化】
一つは、少子高齢化と世帯人員の減少による食消費の減少がある。
現在の食品市場規模は70兆円だが、今後日本の人口は年間70万人減少し、約5,000億円減少すると予測され、世帯当たりの1ヶ月の食品購入額は69,000円程で年々低下している。
二つ目は、健康意識の高まりと実態のギャップがある。
「健康に関心がある」や「食生活が重要」、「野菜の摂取が必要」と80~95パーセントの回答がある。ところが、朝食に野菜が出る家庭は9%で、夕食は38%でしかない。また、薬事法改正によって、民間企業保険組合ではメタボリック対策が急務となっている。
三つ目は、「豊食→飽食→崩食の時代」 「小食→個食→孤食の時代」と移っている。
世帯の1/3が一人で食事をし、一家団欒からバラバラ食の時代になっている。
調理も食事も短時間で済ますために、短時間料理メニューが求められる。手抜きで「このままでは家庭が崩壊する」反省から、たまには手間をかけた料理メニューによるハレの日の出現。
四つ目は、安全安心意識の高まりがある。
中国餃子事件以来、中国産から国産へ需要が極端に動いており、国産しか売れなくなり地産地消志向が強く、野菜などの素材食品だけでなく加工品にも拡大しており、地産域消、地産全消へと広がりを見せている。
さらに、メーカー表示は50%の人が信用できないと応え、どこの店で買ったかのストアロイアリティ(お店の信頼)が問われるようになってきた。
最後に、値上げラッシュの生活防御の動きがある。
消費者のくらしを応援する企画が好成績を上げている。また、生活場面に応じて買い分ける(松竹梅)消費動向が強くなっている。
“食生活の変化”の現実をしっかりと見極め、「ゆめタウン三豊」を流通の柱とした、三豊市型農業模索の切り口【対応】もあることを再確認させていただいたお話でした。

6月議会 一般質問

平成20年度6月議会が、6月9日から26日の18日間の会期で開かれます。
初日9日は、執行部からの議案上程があり、12日から一般質問が始まります。
今回の私のテーマは、着々と店舗建設の進んでいる「ゆめタウン三豊」開店後の地元市民との関係について質問しようと考えています。
【件名】 
「ゆめタウン三豊」 地域協議会について
【要旨】
「ゆめタウン三豊」オープンの11月5日まで5ヶ月を切り、店舗建設現場は着々と全容を表しつつあります。
大店立地法に基づく地元説明会が、4月45日と26日の両日に三豊市豊中町公民館大ホールで開かれ、その中でも生活環境の激変を余儀なくされる周辺住民や、子どもたちの安全を心配する教育関係者と保護者から、質問と要望が出されていました。
まさにこれから、三豊市民と「ゆめタウン三豊」の本格的な永いおつき合いが始まろうとしています。
運営者であるイズミも、地元住民と同じテーブルに付く機会を早期に望んでいますが、市民との協議をどのように始めればよいのか、調整役を期待する市の窓口が判然とせず、動きにくい現状にあります。
地域協議会設立に向けての、市の役割及び指導体制をどのように考えているのかを問います。
① イズミと地元住民及び行政機関による、協議会組織設立に向けての考えと予定・計画
② 設立に向けての役割とその担当窓口部署の明確化
③ 教育施設(特に豊中中学校)の環境整備に対する設置管理者としての考えと対応
極簡単にまとめてみました。
「ゆめタウン」出店地域には、地域それぞれに異なる事情があるのは当然だといえます。
果たして「ゆめタウン三豊」が出現するこの地域には、どのような協議会の役割と形態が相応しいのでしょうか。
こんな素朴な疑問と不安を払拭する切っ掛けとしたいと考えています。

七宝会 医療問題研究会

三豊市議会の保守系会派である七宝会の「医療問題研究会」で、三豊市立永康病院の若宮事務長から“永康病院の現状について”のお話がありました。
当市には、永康病院と西香川病院の二つの市立病院と、三豊総合病院の一つの組合立病院を抱えています。
現在、日本国内には973の自治体病院があり、その8割が赤字経営であると言われています。
自治体病院改革として、財政健全化法の施行に端を発して、各自治体病院では“財政の健全化” “地域医療ネットワーク再編” “経営形態の検討” の計画の策定が求められています。
自治体病院の地域での役割を明確にし、統廃合や存廃も含め行政の繰入金基準を鮮明にし、経営の安定と医療の質を確保しようとしています。
地域医療における自治体病院のあり方と役割に対する議論が、財政と絡んで本格化するものと思います。
<永康病院の沿革>
昭和24年 詫間町・荘内村・粟島村の組合立として、「とこしえにやすらかなれ」との願いを込め、永康病院と命名され開設された。
昭和30年 町村合併により、詫間町立国民健康保険直営永康病院となる。
平成18年 合併によって、三豊市立永康病院となる。(医師9名、診療科10科、病床数199床、病床利用率74.9)
<永康病院の特徴>
救急指定・広域救護・僻地支援・労災指定を受け、北三豊地区の中核病院・救急病院となっている。
僻地医療支援病院として、志志島診療所医師派遣並びに、にお荘とたくま荘の特養介護施設への派遣を行っている。
臨床研修医協力施設として、香川大学医学部付属病院から地域医療福祉と、精神科分野を受け持っている。
広域救護病院として、災害時に医師1:看護師3:補助2の6名で1チームの救護班派遣の役割を担っている。(市内に他、岩崎・橋本病院がある)
学生の実習受け入れとして、三豊准看と香川西より看護師を、四国リハビリと穴吹リハビリより理学・作業療法士を、瀬戸内短大から栄養士、徳島文理大から薬剤師を受け入れている。
三豊市立永康病院は、三豊市内では診療科・病床数とも最大規模の病院です。
この病院の位置づけは、財政と医療の質や地域医療ネットワークなど、これからの三豊市の地域医療のあり方に大きく影響を与えるものと考えられます。

みんなで子どもを育てる県民運動

“みんなで子どもを育てる県民運動”は、真鍋知事の呼びかけで「地域の大人みんなで積極的に子どもたちとかかわり、心豊かでたくましい子どもを育てよう!」を目標に、平成13年1月から始まり、校区会議の設立や地域実践活動を展開しています。
平成20年度「みんなで子どもを育てる県民運動」推進大会が、5月29日(木)丹下健三氏設計で今話題の香川県庁ホールで開催され、顕彰と子どもたちの提案と大会宣言、総会、講演会が行われました。
講演は、鳴戸教育大学准教授の坂根健二氏による“子どもたちの健やかな育ちを支える -保護者として 地域として-”で、この運動が推進している校区会議の活動が、子どもたちを健全に育てる環境に大きな役割を持つというお話でした。
子どもたちの健やかな育ちには、“地域活動”など体験活動が重要ではないかの問いかけに始まり、日本的陰湿なイジメの根本的解決にも効果的だととの提示がありました。
イジメは“四層構造”になっており、①被害者 ②加害者 ③観衆(増幅) ④傍観者(暗黙の指示)の四つの改装になっています。
問題なのは、④傍観者 である見て見ぬ振りをする人が多数を占めることで、イジメが正当化され抑止力を欠く集団になることです。
イジメが正当化されることによって、イジメられた本人が「自分が悪い」と思いこんでしまうイジメに発展しやすいのです。
このことから、傍観者が暗黙の指示から仲裁する側(あるいは容認しない側)に変わったら、日本的陰湿なイジメは格段に減少すると考えられています。
国際調査でイギリスなどでは、学年が上になるにつれ傍観者が仲裁者になる率が高くなっています。
ところが日本では、学年が上がるにつれ仲裁者が減少する結果となっています。
日本社会は、陰湿なイジメの抑止力が弱い体質であると言えるのです。
だからこそ、地域社会が「悪いことは悪い」 「おかしいことはおかしい」と、ハッキリと言える環境を作ることが不可欠だと言えます。
そのために、地域の大人みんなで活動する校区会議などによって、イジメの抑止作用となる、風通しの良い明るいまちづくりを促進していただきたいと思います。
また一つ、新しい気づきを与えていただいた講演でした。

慶應義塾創立150周年記念講演会

慶應義塾創立150年を祝う記念講演会が、5月25日(日)、高松のサンポートホールで開かれ、同大学現役の教授3人による講演が行われました。
現在の日本の経済と政治を語るには最高の方々です。
法学部教授 小林良彰氏。国政選挙にはテレビの政治番組によく出演しています。
同じく法学部教授 片山善博氏。前鳥取県知事で、鳥取自立塾では何度かお会いしています。
そして、同大学院メディアデザイン研究科教授 竹中平蔵氏。言わずと知た、小泉内閣で経済財政政策担当大臣、金融担当大臣、総務大臣を歴任したあの方です。
小林良彰氏 『日本政治の行方』
ガソリン代高騰や道路特定財源、後期高齢者医療制度などの問題で、日本政治は混乱している。
政治に対する知識や情報はあるが、行動しないのが日本人だ。
なぜなら、行動して政治がよくなる経験がなく、意識も弱い。
創立者である福沢は、庶民が学ぶために義塾を作った。
学問とは生きた活動の一環で、市民社会を作るためにある。
日本政治の行方は、市民自らが学び行動し方向づけてゆくことだ。
片山善博氏 『地方分権改革は進んだか』
地方分権改革は進んだか?の問いに対し、少しは進んだがその実感は無いだろうと応える。
そのわけは、国から地方自治体への“権限移譲”や“国の関与の減少”、“財源移譲”など自由度は増したが、住民までは成果は及んでいない。
国の改革は進んでいるが、地方の構造改革はまだまだだ。
国の関与はかなりなくなり、市民が選んだ人同士で決定できるようになっているが、現実は自治体の権限が強くなっているだけに止まっている。
さらに前進して、首長や議員を市民がどう選び、いかにチェックし、リコールもしやすくして市民がコントロールしやすい方向にしなければならない。
“自分の力で考える市民が社会をつくる”そうなって初めて真の地方分権改革は進んだと言える。
竹中平蔵氏 『日本経済と改革のこれから』
日本経済の現状は、
①韓国のイ・ミョンパク大統領は、7%成長、年収4万ドル(日本は3万8千ドル)、GDP7位を達成する政策を明確にしている。韓国が日本経済を射程圏内に捉えたということだ。
②外資の排除などグローバル化に逆行しており、世界から見て日本経済はやるべきことをやらなくなっている。
③日本のCO2削減技術をもってすれば、全世界の65%のCO2を削減できる力を持っている。
これまで日本は財政健全化しながら経済成長してきた。
これからは、戦略的アジェンダ(行動計画)として期待感の持てる政策が必要だ。
たとえば、ボーリングのセンターピンのように、他のピンに影響し広がりの可能性がある政策のことだ。
具体的キーワードは、「羽田空港」 「交流人口」 「法人税引き下げ特区」 「東大民営化」などだ。
最後に、地方経済の改革と活性化のポイントは、「徹底的な地方分権」と「農業の徹底的改革(農地法改正とJAの改革)」だと提示がありました。
その場しのぎの水戸黄門的解決ではだめで、地方分権改革には制度や仕組みと、市民自らが変わることへの期待感が語られました。
やっぱり一流はすごい!!!!
同じ空気を吸っているだけで、未来への可能性に気づかされ、夢と希望が湧いてくるものなのですね。