小倉百人一首

グローバル化社会に対し、英語教育の強化が言われてきました。
これに対し、しっかりとした母国語教育が先ではないか、との意見も少なくありませんでした。
以前から、三豊市の特色ある教育のひとつに、「美しい日本語教育」を掲げてはどうか、との意見を持っていました。
そん折り、10月31日(水)に桑山小学校で取り組んでいる授業の、見学をさせていただく機会がありました。
5・6年生合同の「小倉百人一首」の札取りゲームです。
4~5人を1チームとした10チームが、A・B・Cの3リーグに分かれリーグ戦を行います。
その結果、上位リーグ最下位チームと下位リーグ1位チームが入れ替え戦を行い、より上のリーグを目指し競い合うのです。
子どもたちは一生懸命でした。
「小倉百人一首」は、藤原定家(1162~1241)が小倉山荘で選んだと伝えられています。
まさに、平安から鎌倉へと実権が移り、貴族から武家の時代への大きな変動の時代の中にありました。
春夏秋冬の歌32首・恋歌43首・その他旅歌25首で構成され、古き良き万葉の時代を愛おしみながら選んだのではないかと、その光景が彷彿としてきます。
子どもたちに、大方を占める恋の歌が理解できるのかどうかは問題ではありません。
古典という日本の文化・伝統・歴史があることを知り、触れる機会を持つことが重要だと思うのです。
何かの形で栄養となり、大人になって初めて「ハッ!」と気づく瞬間があると期待しているのです。
“日本”を知り愛する、心豊かな日本人を育てない限り、本当に世界とのコミュニケーションが取れたことにはならず、グローバル化社会の一員になったとは言えないと思っています。
英語で『何を伝えるのか』が重要なのです。
美しい日本語から生まれた思いや考えを、しっかりと世界に発信できる人に育って欲しいと、心から願っています。