みんなで子どもを育てる県民運動

“みんなで子どもを育てる県民運動”は、真鍋知事の呼びかけで「地域の大人みんなで積極的に子どもたちとかかわり、心豊かでたくましい子どもを育てよう!」を目標に、平成13年1月から始まり、校区会議の設立や地域実践活動を展開しています。
平成20年度「みんなで子どもを育てる県民運動」推進大会が、5月29日(木)丹下健三氏設計で今話題の香川県庁ホールで開催され、顕彰と子どもたちの提案と大会宣言、総会、講演会が行われました。
講演は、鳴戸教育大学准教授の坂根健二氏による“子どもたちの健やかな育ちを支える -保護者として 地域として-”で、この運動が推進している校区会議の活動が、子どもたちを健全に育てる環境に大きな役割を持つというお話でした。
子どもたちの健やかな育ちには、“地域活動”など体験活動が重要ではないかの問いかけに始まり、日本的陰湿なイジメの根本的解決にも効果的だととの提示がありました。
イジメは“四層構造”になっており、①被害者 ②加害者 ③観衆(増幅) ④傍観者(暗黙の指示)の四つの改装になっています。
問題なのは、④傍観者 である見て見ぬ振りをする人が多数を占めることで、イジメが正当化され抑止力を欠く集団になることです。
イジメが正当化されることによって、イジメられた本人が「自分が悪い」と思いこんでしまうイジメに発展しやすいのです。
このことから、傍観者が暗黙の指示から仲裁する側(あるいは容認しない側)に変わったら、日本的陰湿なイジメは格段に減少すると考えられています。
国際調査でイギリスなどでは、学年が上になるにつれ傍観者が仲裁者になる率が高くなっています。
ところが日本では、学年が上がるにつれ仲裁者が減少する結果となっています。
日本社会は、陰湿なイジメの抑止力が弱い体質であると言えるのです。
だからこそ、地域社会が「悪いことは悪い」 「おかしいことはおかしい」と、ハッキリと言える環境を作ることが不可欠だと言えます。
そのために、地域の大人みんなで活動する校区会議などによって、イジメの抑止作用となる、風通しの良い明るいまちづくりを促進していただきたいと思います。
また一つ、新しい気づきを与えていただいた講演でした。