久しぶりの読書

朝夕、肌をなでる風がほんのちょっとですが心地よく感じるようになってきました。
早明浦ダムを満たすまとまった雨は、まだまだ期待できそうにありませんが、このまま灼熱地獄でもなさそうで、間違いなく季節は移ってゆく予感です。
世間は夏休みのようで、少々静かなので久しぶりに読書に没頭しています。
武田邦彦著『偽善エコロジー 「環境生活」が地球を破壊する』 幻冬舎新書からの出版です。
帯に
“(企業の)金儲けと(環境省の)省益にまみれたエコ事業・商品にダマされるな! 家電リサイクル、エコバッグ、ペットボトル回収・・・・・・庶民だけがバカをみる。”
という衝撃的なもので、思わず手に取っていました。
著者の武田邦彦氏は、東京大学教養学部卒業で、工学博士。専攻は資源材料工学。
名古屋大学大学院教授を経て、現在、中部大学総合工学研究所教授(副所長)。多摩美術大学非常勤講師。日本アカデミー理事。内閣府技術審議会専門委員。などの要職にあり、多数の著書を著しています。
これほどの人が、ここまでハッキリと記述するのですから説得力があります。
このような多面的な見方を行うことはとても大切なことだと、読み進むにつれ強く感じました。
現在、エコロジーともてはやされる3R(リデュース・リユース・リサイクル)は、本当にそうなのかを独自の具体的データを記して明らかにしています。
「レジ袋を使わない」は「ただのエゴ」
「石油をやめバイオエタノールに」は「ただのエゴ」
「温暖化はCO2削減努力で防げる」は「防げない」
「ダイオキシンは有害だ」は「危なくない」
等々・・・・・・間違った「環境生活」の推奨は、金儲けと省益のためであり、人(国民)をダマして税金で儲けようとする浅ましい行為であるとし、日本人の誠の欠如に起因すると言及しています。 
巻頭巻尾に至るまで、日本の卑しさが「偽善エコロジー」になっているとの主張が貫かれています。
本年度、三豊市が設けた「ごみ処理技術検討委員会」も、既成概念にとらわれず冷静に客観性を持って見極めてゆくことの重要さを痛感しています。
少々涼しくなった空気の中で頭を冷やしながら、次は、志治美世子著「ねじれ 医療の光と影を越えて」(集英社)の文字を追っているところです。