家庭教育指導者養成講座第2回

6月25日第2回の「家庭教育指導者養成講座<基本講座>」に参加しました。
今回の講座は「子どもの心と体の発達」をテーマに”思春期の子どもにどのように接したらよいか。特に性の問題を中心に考える。”の内容で講師の先生の講演を聴く形で行われました。
恥ずかしながら私は知らなかったのですが、この講師の先生がすごいのです。これまで助産師として2.000人の子どもを採り上げ、また、そばでの付き添いを入れると10.000人の誕生を見守ったその体験を、性の話を通し「いのち」の大切さを全国各地で語ってきた人でした。NPO法人 いのちの応援舎代表 助産師山本文子さんでした。
さもありなん、受講生と一般の聴講の方で会場は満席。これほどの聴衆を目の当たりにして、改めて家庭の中で「いのち」の大切さを伝えてゆくことの必要性と難しさを突きつけられた思いでした。
日々、命を採り上げる人の、「いのち」のお話でした。
若者の事件が起きると全国各地から講演依頼があります。荒れた高校に講演に行くことがあります。そんな高校だから当然静かになりません。ところが、彼等・彼女等の何気ない会話の言葉に応えると、急に静かになります。なぜなら、彼等・彼女等はこの大人は自分たちの話を聴いているし、聴いてくれるんだと感じるのです。子どもは無視されることが一番嫌いだからです。
思春期の子どもたちを前に、講演でいつも始めに同じことを言います。
「私の話を自分のこととして聴いてね」と。性教育の大切さや性器の話をします。男の命の元は射精で、女の命の元は月経です。両者に大きな違いがあります。男は気持ちいいが、女は痛いししんどいし、イライラするし貧血も起すんです。特に、男の人は知っておいてくださいね。
さらに避妊の話をします。
日本の若者に感染症が異常に多い。コンドームは大切な避妊具であり、感染症を防ぐ効果的なものです。こんな大切な知識を充分に知った上で、「今を大切に生きてください」と言います。性とは生きることそのものです。だから、性教育は「いのち」の教育なのです。
最後に、思春期の子どもにどのように接したらよいのかに迷ったときの対処として、山本さんから3つの方法が示されました。
1.僕どこから生まれたの?と聞かれたときは、出産の感動を伝える。子育ての大変さは、ほかのことが便利になっているのに何にも変わっていない(紙おむつができたくらいかな)。子育てが辛く大変なときやしんどいときは、人に助けを求める。
2.母乳を与えている写真を見せる。説明は要らない。
3.抱きしめる。抱きしめられると元気をもらえる。抱きしめられていない若者のセックスの初体験の時期が早い。セックスをすることで抱きしめてもらい、寂しさを癒しているのではないか。
生命の誕生という「いのち」の現場に、日々身を置く人のごまかしようのない体を張ったお話でした。
私は、少子化や子育てにかかわる問題は経済や労働条件の改善で解決するとは思っていません。「いのち」はどのように生まれ受け継がれてゆくのかの「いのち」の教育を、体を張って取り組むよりほかに、解決の方法なんかやっぱりないのかと感じた瞬間でした。
「ぼっこ助産院」と「傾聴ボランティアひなた」の発展と、1日も早い1億円の借金が完済できますこと、そして山本先生とメンバーの皆様のご活躍とご健康をお祈りいたします。