家庭教育啓発月間

7月1日から31日の1ヶ月は「家庭教育啓発月間」です。
初日の1日、サンポート高松で青少年育成香川県民会議・香川県・香川県教育委員会・香川県警察本部の主催による 「みんなで子どもを育てる県民運動」香川県民大会 夏の青少年非行防止香川県民大会 が開催されました。
「地域に根ざした県民運動の展開、犯罪のない安全で安心なまちづくり」を大会テーマとして、講演と事例発表を通し、心豊かな子どもを育てるために、県民運動や青少年問題について皆で考えようというものです。
基調講演は、ラジオの「テレフォン人生相談」でおなじみの、心理学者で早稲田大学教授の加藤諦三先生でした。「心豊かな子どもに育てる心理学」の演題で行われました。
現代社会の問題の現状として、「努力の報われない時代」になっているということです。
この時代に3つの若者の階層ができています。
「1」 非社会的若者:社会の共通感覚(あらかじめの合意)が欠如している。違法ではないがするべきことでないことを抑制できない。(女子高校生が自分の身に付けていた下着を、欲しい人に売ったりする。)
「2」 反社会的若者:違法行為をするから分かりやすい。
「3」 危機階層予備軍の若者:過剰に社会に適応している。実はこの若者が問題だ。
今、事件を起している若者の多くが「3」のタイプである。彼等の背景にはどんなことが見えているのか。分析と調査データを紹介する。
*教育熱心でありながら不登校になってしまう。
*世界一教育熱心なのに家族の絆が崩壊している。
*世界の若者に「どんなとき生きがいを感じるか」のアンケートをとると、家族と居るときと答えた日本の若者は最低の21.3パーセント、韓国が42.5パーセント、アメリカが77.8パーセントの結果となっている。
日本は父母とうまくいっていない若者が一番多いのです。現代は心理的不健康の時代だといえるということです。その結果、不登校・引きこもり・ニート・家庭内暴力・ネット心中・サラリーマン神経症 鬱病・子育てノイローゼ他、日本以外の国では大きな問題になっていない事象が多発しています。
問題なのは、真面目な子どもの社会的事件にあります。事件が起こると報道は「家族は仲良かった」「ケンカはしていなかった」などと報じますが、本当にケンカをしていないから中がいいのでしょうか?。また、事件を起した子どもを接見した弁護士のコメントを「まったく正常に見える」「普通の家庭の子」と伝えます。その上、校長は「模範的な生徒」と答え、彼を知る人たちは「絶対にそんなことをする人じゃない」という言葉を流します。
これらのすべての報道は、彼等の外しか見ていなく、内側を見ていないのです。人を評価するときに心を見ていないということです。たとえば、お母さんが好きで手伝いをすることと、お母さんに褒められたくてするのとでは、行動は同じでも心はまったく違うということです。
何故そんなことがおきるのかの問題は動機にあるのです。動機には、愛情・恐怖感・孤独感(防衛的性格)・規範意識などがあります。肝心なことは、子どもの動機が読み取れるかどうかによって”報われる”かどうかが決まるのです。
「努力の報われる時代」とは、子どもの行動や言葉に囚われない心を見る子育てができることなのです。先ず、気持ちを汲み取り、次に教え、そしてフォローすることです。子どもが素直になっているから言うことを聴けるのです。ところが現実は、悲しいことに親子の役割が逆転しているのです。
真面目な子どもほど、親の気持ち(動機)に答えようとしているのです。ここに日本の子育ての大きな問題があるのです。
私にとって、加藤先生の言葉のすべてが衝撃的で、目から鱗の落ちる思いでした。
後になりましたが、「みんなで子どもを育てる県民運動」実践活動優秀事例表彰優秀賞に三豊市から大浜学区子ども見守り隊が、他の6団体とともに選ばれました。おめでとうございました。
様々なところへ出かけ、色々な人と出会い話を聞き考えることの大切さを思い返させていただいた大会でした。