地方創生は子ども会から始まる

新しい年となった月半ばのこの時期に、毎年のように開催されている行事の一つに、香川県内の子ども会の育成のために設立されている「一般社団法人 香川県子ども会育成連絡協議会」が主催する、『香川県子ども会指導者・育成者研究大会』があります。今年で第52回をむかえ、平成29年1月15日(日)に、県教育会館・ミューズホールで開催されました。

三豊市子ども会育成連絡協議会の会長になって、時だけをいたずらに重ねてきた感がありますが、昨年、県子ども会育成連絡協議会の会長が引退することで、運営体制が大きく変わるにあわせ、長く役員に名を連ねているというだけで副会長の一人になっています。今回の研究大会は、主催者の一人として還暦を目前にした私にとって、思いがけない新たな経験をした貴重なものとなりました。それは、パネル討議のパネリストとして、子ども会の活動や役割について、日ごろ思い考えていることを発言することができたことでした。

【パネル討議】 議題:楽しもう 子ども会 これからの子ども会とは!   コーディネーター:幼保連携型認可こども園 サンシャインこどもの森施設長 香川県子ども会育成連絡協議会専門委員 西山徹氏   パネリスト:①高松市立古高松小学校 学校評議員(香川県子ども会育成連絡協議会専門委員) 横山喜一郎氏 ②三豊市子ども会育成連絡協議会会長(香川県子ども会育成連絡協議会副会長) 詫間政司(私) ③高松市立古高松校区子ども会元会長 末原俊幸氏 ④多度津町子ども会育成連絡協議会会長 氏家恭子氏

パネリストの皆さんが実践してきた成果についての内容の濃い発言があり、予定の1時間半は瞬く間に過ぎていきました。私は市の会長と県の副会長という立場から、子ども会の存在価値や組織の運営とあり方について発言させていただきました。

三豊市子ども会育成連絡協議会では、一昨年、市内の単位子ども会役員の全員に、子ども会活動の必要性などについての、存在意義を問うアンケート調査を実施しました。その結果、現在の子ども会組織が、県、市、町、校区・単位子ども会の4層のピラミッドとなっていることによる、分かりにくさと不透明さに対する不信感にあることが明らかとなりました。必要性が高いのは、「単位」と「校区」の82%で、「町」66%、「市」55%、「県」40%となっており、活動の現場から遠いほど必要性が低くなっています。しかし、だからと言って今の保護者の皆さんが子ども会活動そのものを不必要だといっているのではないと思っています。毎年変わる役員さんにとって、このような何層にもなった組織がわからないのも当然で、遠い存在の役職を訳も分からず押し付けられているという「やらされ感」が必要性を感じにくくさせているのだと考えています。

私が今回のパネリストとして最も伝えたかったのは、子ども会組織の必要性よりも、活動そのものの必要性でした。東日本大震災の避難所で、子どもたちが自分たちにもできることで役に立ちたいと、行動の先頭に立ったのが、子ども会活動で体験を積んだジュニアリーダーの子どもたちだったという事実です。そんな人を育てるために、子ども会活動は学校、地域、家庭を活動の場とするといった、全ての条件が備わっているのだということに気付いてほしいことでした。

私は、本気で思っています。「地方創生は子ども会から始まる」と。なぜなら、子どもたちは子ども会活動を通して、地域の自然や歴史・文化、施設、人といった、地域資源のすべてを駆使した活動とともに成長していくのですから。地域を誇りに愛する人として、地方を支えるのだと信じているのです。

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