第19回香川県市議会議長会議員研修会

昨年は、早稲田大学名誉教授 北川正泰先生からご講演をいただいた香川県市議会議長会議員研修会が、本年も1月31日(火)に開催されました。

第19回を迎える今回の研修会は、同志社大学大学院総合政策科学研究科教授 新川達郎(にいかわたつろう)先生による、「災害時における 議会の役割について」でした。

 

日本は、イギリスの再保険会社ロイスが世界中で災害リスクが高いと判定するほど、世界でも指折りの自然災害被災地域だ。そのような環境に生きていることをしっかり認識したうえで、対応していかなくてはならない。東日本大震災や熊本震災で現地に入り調査する中で、議員の皆さんが災害時における議会の役割とはなにかを、模索している姿に直面することがあった。議員が個々に動くことで、災害対策本部を混乱させることが考えられる。災害時における議会の役割を考えてみたい。

議員としての心構えや、議会の対応の仕方など災害時における議会の役割を考える。  ●フェーズ0:災害発生時における議会としての対応  ●フェーズ1:被災後救援時の議会の対応はできているか  ●フェーズ2とそれ以降:災害復旧、復興時に果たすべき役割は明確か  ●予防は十分か:防災や減災に取り組んでいるか

議会防災体制の整備の課題  ●議会の危機管理体制のあり方  ●議会危機管理計画(議会防災計画)の策定と議会災害時対応マニュアルの策定  ●議会や市民・地域の被災状況の把握と対応可能な組織体制整備  ●予防、救援、復旧、復興を促進する議会体制確立

議会の防災と業務継続計画  ●議会の災害対策体制の確立へ、議会独自の防災方針の策定検討  ●議会災害対策条例制定と条例に基づく議会防災計画策定と議会災害対策体制設置  ●業務継続計画(BCP)の策定:BCPによる被災想定下での議会機能の維持:議会機能の移転先、機能代替、継続体制へ

災害復旧と議会の役割  ●復旧計画の策定と議会の関与  ●住民の声を反映させる議会の役割:復興政策形成、復興政策の実施監視と評価  ●住民の付託にこたえる:議会の復興責任を果たす

災害対策における広域連携の重要性  ●広域行政広域協力は災害対策の要  ●議会は広域連携ができているか  ●議会は市民、国、県と市をつなぎ、市民の防災に向けて活動  ●議会と議会:防災協力協定:対話を続け仕組みを考え、災害対策のネットワークづくり

終わりに災害時の議会の役割をまとめる。平時であれ緊急時であれ、住民代表としての議員だ。災害時にも住民代表機関としての議会としてあらねばならない。団体意思決定機関である議会の機能維持の要請や、危機に際して救援・復旧・復興を担うガバナンス(地域を治める仕組み)を再構築する役割がある。そのためにも、議会減災ネットワークをつくることが求められるのだ。

 

新川先生の示唆の数々を、災害に向け機能するようにまとめなければなりません。これも、団体意思決定機関である議会の役割なのだと、新鮮な気付きをいただいた研修会でした。

<大津市議会の時系列にみる基本的行動パターン>

 

 

 

 

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