人口減少時代を考えた

新年度になり各種団体の総会が開催されています。高齢者が集う各地の長寿会総会にもご案内をいただき、挨拶をさせていただく機会をいただいています。会員の減少が止まらないことへの危機感を、全ての長寿会の会長さんが訴えていました。会員減少と人口減少に、減少という言葉の共通点で、人口減少時代の意味するところをいろいろと考えてみました。

少子高齢社会に突入し、日本の人口は50年後に約8,000万人となり、100年後には4,000万人まで減少し、現在の3分の1になると推測されています。このような危機感の中で、国の政策によって2年ほど前に全国の自治体で地方創生総合戦略と人口ビジョンが策定されました。

三豊市の人口は、1985年に合併前の旧7町で78,000人をピークとして、30年後の2015年には65,000人となり、30年間で13,000人の減少となっています。人口ビジョンでは、このまま何もしなければ45年後の2060年には36,000人まで減少すると推計されており、それを9,000人減少を抑制し45,000人に止めようとする構想となっています。

日本の人口推移を、古代から現代にいたる長期スパンで見てみると、人口減少は大きな社会の変革を予兆するような、うねりとなって現れてきます。

これまでの人口減少のサイクルは4回あります。1回目は、紀元前2,000年ごろの縄文時代後半に訪れています。人為的な食料生産が本格化したといわれる弥生時代になり人口増へと転じています。2回目は、1,000年ごろ平安・鎌倉時代に訪れます。室町から戦国時代にかけ人口は爆発的に増加していきます。3回目は、1,800年ごろの江戸時代後半です。鎖国によって停滞していた社会を打破したのが明治維新でした。そして、4回目は、2,000年代の現代です。

このサイクルを知れば、人口減少時代は、新たな価値観や文明ともいえる秩序へと移行する、序章であるともいえると考えられます。日本はその都度、新たな仕組みや制度によって復活してきたのでした。少子高齢社会の人口減少時代にあって、変革を恐れ既存の概念や常識にとらわれて、対面ばかり気にしているようでは、決して復活の日は訪れることはないことを、歴史が証明しています。

自らに言い聞かせています。