東京財団・三豊市公開研究会

『三豊を考える市民の会』(渡辺勝美会長)が受け入れ団体となり、東京財団主催の「地方自治体のガバナンス研究 公開研究会」が、12月6日(土)三豊市高瀬町農村環境改善センターで開催されました。
テーマは「改革派首長からの提言━道州制の議論の前に考えること━」で、道州制導入には地方自治体の権能を自覚し、高めてゆくことが先決であり、そのためには、自らの責任で決定してゆく議会・議員の役割についての再考が必要であるということです。
道州制になったからといって、地方自らが何もせずに地方が変わるのではないのです。
東京財団の研究員である、3名の方からお話を頂きました。
東京財団・塩尻市研修会でお会いした、前・佐賀市長木下敏之氏を最初に、前・流山市議会議員森亮二氏、前・我孫子市長福嶋浩彦氏から、研究報告がされました。
主な内容は、10月6日のこの場で報告したものと、ほぼ同様ですのでご覧ください。
福嶋さんとは何度かお会いし、改革派市長として取り組んできたことのお話をお聞きしています。
2007(H19)年10月22日付けのこの場に書き込んでいますので、ご覧ください。
この日の福嶋浩彦氏のお話の中で、国政と地方自治の統治システムに根本的な違いがあり、このことの認識の大切さを再確認しました。
世界中で“地方自治の二元代表制”を採用している国は日本しかないのです。
どの国も議会から首長を選ぶ“一元代表制”なのです。
日本の統治システムは、国政は“一元代表制”であるのに対して、地方自治は“二元代表制”となっています。
システムの違いによって、政治の質が違ってきます。
国のとる議員内閣制は、国民は選挙で国会を選びその中で内閣をつくります。
よって、内閣は国会に対し責任を有し、相互の協調・連携で政治をおこないます。
これに対し、地方自治は首長制で、国民は首長と議会のいずれもを直接選挙し、民意が二つできることとなります。
このことによって、両者の対立・拮抗による緊張感でバランスをとりつつ自治をおこなうのです。
地方自治にとって、市民の直接的参加と監視が重要だといえます。
現行の“二元代表制”の地方自治の現実は、首長の力(提案・執行)が大きいと誤解され、本来同等の権能(提案・決定)を持っているはずの議会が、その役割を果たしきっていないのです。
これを改革した先進自治体が、北海道の栗山町なのです。
首長と議会に二つの政策があり、それを選ぶのは市民なのです。
地方政府となろうとする地方自治体にとって、道州制の議論の前に考えるべきことは、まさに、議会・議員の役割をしっかりと見極めることに尽きるのです。