総務教育常任委員会行政視察研修 報告・1

平成27年度の三豊市議会総務教育常任委員会行政視察研修に、8月19日(水)~21日(金)の3日間参加し、4市(長野県安曇野市、千曲市、上田市、石川県白山市)での研修を行いました。

 

第1回の研修報告は、19日午後に訪問した長野県安曇野市における「防災対策について」と「道の駅ほりがねの里」です。

安曇野市は、平成17年10月1日に豊科町、穂高町、三郷村、堀金村、明科町の5町村による新設合併で誕生した。長野県のほぼ中央部に位置し、県内第2の市である松本市に隣接している。人口98,000人余、面積331.78㎢で、豊かな自然環境と景観の中で、製造品出荷額県内1位の「暮らす場」と「働く場」のまちとなっている。

この地域は、糸魚川ー静岡構造線(北部)に位置しているにもかかわらず、近年大規模災害の発生がなく、市民の防災意識が低調な中、東日本大震災をきっかけとして防災対策に取り組むこととなった。

「防災対策について」は、自助・共助・公助の観点からの研修と現地視察を行った。

<自助> 『防災用品購入補助金』の制度を平成25年度より実施。事業内容は、各家庭に保存食、保存水をはじめ防災用品を備えてもらうため、飲料水と食料品(3年以上保存)の2品目の購入金額の3分の1、最大4,000円を補助するものだ。なお、この2品目の他非常持ち出し袋・懐中電灯・ラジオ・おむつ・生理用品等も対象としている。平成26年度アンケートでは市民の38%が非常持ち出し袋を所持している。

<共助> Ⅰ.自主防災組織への活動支援  『防災活動支援補助金』があり、自主防災組織の組織力強化のため、2つの事業補助金制度を実施している。 ①防災資機材整備事業:防災倉庫、発電機、担架、リヤカー、救助用工具セット等、購入価格の2分の1を5年間で最高50万円を補助 ②防災訓練・防災啓発:炊き出し訓練材料費、応急救護訓練用フェイスシート購入費、支え合いマップ印刷費、防災資機材のメンテナンス費用等に、経費の2分の1を10年間に各年度ごと最大3万円を補助   Ⅱ.防災訓練  自主防災組織数は83区95組織(組織率100%)で、このうち71組織で計82回/年実施され、参加人数は8,300人余となっている。

<公助> 市が実施する防災対策として、主なものとして8つある。 ㋐防災行政無線(同報系・移動系) ㋑安曇野市防災行政無線テレホンサービス ㋒安曇野市メール配信サービス ㋓安曇野市ハザードマップ ㋔避難情報等の判断伝達マニュアル ㋕安曇野市公式ツイッター ㋖公的備蓄の実施 ㋗出前講座(防災に関すること)の実施 など。

次に、安曇野市業務継続計画(BCP)については、応急業務及び非常時優先業務を発災直後から業務継続すべく計画したもので、平成27年3月に策定し、今後は実効性のあるものとするため、訓練等の実施を検討している。

「防災対策について」の最後に、【安曇野市防災広場】の現地視察をした。合併により発生した重複施設の市民プール跡地に、災害時に本庁舎に設置される災害対策本部を補完する支援拠点として設けられた。1.5haほどの面積があり、周辺には公共施設等が集積しており、災害時における避難所として期待される。平常時は、市民の憩いの場、防災教育、消防団のポンプ操法場としてりようされている。防災機能は資料の通り。

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「道の駅ほりがねの里」は、昭和62年に旧堀金村の一地域の直売所『新鮮市』として開設され、平成3年には堀金地域全域での直売所『堀金新鮮市』として現在の場所にプレハブでの営業をスタートした。現在は、安曇野市の指定管理制度施行により『農事組合法人 旬の味ほりがね物産センター組合』が指定管理者となり運営している。ほりがね物産センターの活動の3本柱は直売所、加工品、食堂で、3部の取り組みによる相乗効果をねらっている。 ①物産部:生鮮野菜は、堀金産、安曇野平からの地域の農家の顔の見える農産物を中心に取り揃えている。冬場の農産物の品薄時期には、JA愛知みなみと個人生産者と連携し、通常営業を行っている。 ②加工部:地元の食材、旬の食材を活かすことを第一に考え、安曇野を感じてもらえるような商品開発を目指している。地元産の原材料にこだわり、直売書で販売するとともに、地域の学校給食への提供も行っており、年間では300種類の加工品を生産している。 ③食堂部:季節ごとに直売所で販売している食材を中心に使った田舎風メニューの提供にこだわっている。

現在、年商6億円の実績を上げているが、組合員142名の高齢化とともに後継者不足が問題だ。世代交代を進めるとともに、堀金地域以外の安曇野地域全般からの産直品の検討もしており、農産物の安定供給の維持に努めて行くこととしている。

 

災害の少ない地域に共通する悩みは、危機意識の希薄さです。いかに全ての市民に防災意識の向上を図るのかが、施策の重要な部分であると感じました。「道の駅ほりがねの里」では、明確な運営方針が店内にいきわたっているようで、接客も活き活きと、てきぱきとしており、新鮮市の原点を見た思いでした。以上で、長野県安曇野市における視察研修報告を終わります。次回は、同県千曲市の報告をします。

 

 

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