議会と執行部によるごみ処理施設視察研修・1

いよいよ、三豊市の次期ごみ処理方式決定の時期が迫ってきており、その決断のためには、議会としてもあらゆる方式の調査研究を行っておくことが欠かせません。
これまで、ごみ処理問題調査特別委員会で、調査研究と審議を行ってきましたが、この特別委員会に所属していない議員にも、他市の事例を目の当たりにしてもらう必要があり、全議員26名対象の視察研修となりました。
諸事情もあり、議員21名、執行部より副市長はじめ4名の参加で、8月9日(火)~10日(水)の2日間、総勢25名の人員での研修となりました。
1日目は、愛知県田原市の 『田原リサイクルセンター炭生館(たんせいかん)』 、2日目は同じく豊明市の 『豊明市沓掛堆肥センター』 です。
先ず、 田原市の報告を行います。
田原市は愛知県の渥美半島に位置して、人口66,000余、面積188平方キロで、三豊市に似た環境にあり、豊かな自然の中農業が全国的にも盛んなまちとして知られています。
一方、現状は、トヨタ自動車関連企業が多く進出し、財政状態もしっかりしており、活力ある産業都市の一面を持っています。
『田原リサイクルセンター炭生館』 は、可燃ごみ処理施設として、平成17年に運用が始まりました。
建設及び運営は、民間資金導入によるPFIを採用し、公募型プロポーザル方式で審査決定された特別目的会社(SPC)による、BOT方式で行われています。
施設の詳細は次のようになっています。
事業者(SPC) : グリーンサイトジャパン(株) 構成員5社【日本碍子(メタウオーター)・大成建設・セントラルリース・テクノ中部・中部鋼鈑】
15年間を、約100億円で所有、運営、維持管理し、その後所有権を市に売り渡す経営形態となっています。
処理方式 : 可燃ごみを炭化するもので、流動床式炭化システムです。 特長【高品質の炭化物製造が可能・炭化物組成の調整が可能・設備がコンパクト・炭化炉内に駆動部がなく維持管理が容易・設備の起動や停止が容易】
処理能力 : 60t/日 (30t/日×2系)
処理予定量 : 約16000t/年 (炭化物は5~7%で1,200t/年を生産)
事業効果(財政負担の軽減) : PFI方式によって31%縮減 
『炭生館』 では、2種類の炭化物が生産されています。
一つは、コークス代替品として、金属を溶かす燃料として鉄スクラップ溶解電気炉に使用されています。
もう一つは、保温材代替品として溶けた鉄を型に流し込んで製品の形にする工程で、熱が逃げないように表面を覆う材料として使用されています。
いづれも、地域基幹産業に必要とされる材料として、有効利用が前提とされ生産されています。
このことが、この地域に相応しいごみ処理方式として、 “炭化炉と連携の仕組み” が高く評価され採用されたのです。
三豊市における、この地域に相応しいごみ処理方式として、地域産業に大きく貢献できる方式とは何かを、見極めていかなくてはならないと感じた視察研修でした。
三豊市に相応しい方式であるかどうかは別にして、理にかなった実に面白い仕組みでした。