職員給与改正に思う

12月21日(金)に、第4回三豊市議会定例会が閉会しました。
最終日に、“鳥坂企業用地造成工事請負契約の締結”と、“人権擁護委員の推薦が2件”、“地方の道路整備財源の確保に関する意見書”の、併せて4議案の追加提案がありましたが、全24議案可決となりました。
ただし、今議会の議論の的となっていた、議案第161号「三豊市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」に対しては、保守系会派である七宝会より附帯議決案が出され、賛成多数で可決となりました。
附帯決議の内容は、大平敏宏議員のブログに掲載されていますのでご覧下さい。
私は、「人事院勧告は、公務員も労働者であり民間との比較による給与調整機能として、合理的な方法」であるとの説明を理解しているつもりです。
また、三豊市職員のラスパイレス指数は、香川県の8市中7位であり、低い水準に置かれていることも認識しています。
三豊市の行政サービスの最前線に立つ職員の皆さんには、やる気と活力を持って他の市に負けない行政サービスを担っていただくためにも、それに相応しい給与であることに依存はありません。
この意味において、今回の条例改正は現存する制度とその運用の範囲の中にあると、理解し認めてもいます。
しかし、今回最も重要であったことは、この条例案の背景にあるものに対する議論だと考えています。
前の議会(9月)で、私は正規職員と臨時職員の格差について問いました。
その答弁で「臨時職員の在り方も含め格差是正を、三豊市の労働政策の中心に据え取り組む」とありました。
それにもかかわらず、未だに具体策が何も打たれない中での今回の提案に、所得格差問題に本当に取り組む意志があるのかに疑いを覚えたのです。
さらに、このことは市民意識を理解しない行政の無神経さにみも強い憤りを感じると合わせ、職場に現前としてある所得格差を知っていながら、職員自らがそれを見過ごし安閑とした日常を過ごしている鈍感さにも苛立ちを覚えているのです。
行政に身を置く“人”として、同じ職場での雇用条件と所得格差に、制度だから「そんなの関係ねー」ですむのでしょうか。
「三豊市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」に対する附帯議決は、ただの否決よりも私の考える意味は深く大きいのです。
職員の皆さんによる自浄力で、改善しようとする発想と行動に大いに期待しているからです。
本当の意味での職員間給与格差是正のための人事考課制度が機能するとともに、正規職員と臨時職員の格差是正にも、職員の皆さん自らの問題として考え取り組む機会として、受け取っていただきたいと思っています。
制度が「ああだこうだ」などといった問題ではないのです。
制度に寄りかかり、それを持ち出す状況そのものが、すでに異常であることが多いことに気づかなければなりません。
心と意識の問題だと思っています。
職員の皆さん自らが、そう思っているのならいざ知らず、「制度がそうなっているから」とか「組合がそうするから」に身を委ねるのは、自らの判断基準のないことにおいて、本当に自立した“人”とは言い難いのではないでしょうか。
職員の皆さんの身分に法的制度的裏付けがあろうが無かろうが、三豊市民の期待する三豊市職員の姿になりさえすればそれでよい、と私は思っています。
勧告制度については、その時代を洞察したより良い制度とするために、三豊市議会として人事院や香川県人事委員会に対し、地方分権に適合した勧告の在り方を求める、意見書を提出するべきだと考えています。