超会派議員団の行政視察研修報告・1

三豊市議会の会派を超えた議員団による、沖縄県糸満市、宮古島市への行政視察が、平成28年1月14日(木)~16日(土)の3日間の日程で行われました。議員団は私を団長として、啓明会4名、七宝会2名、公明党2名、みとよ新政会1名、社民党1名の、計10名で結成されました。

糸満市では、「市民提案型まちづくり事業について」の視察研修を行いました。三豊市では、地域内分権によるまちづくりを掲げ、まちづくり推進隊の設立と育成による、市民による市民のためのまちづくりを目指しています。事業を開始して3年になりますが、市全体への広がりはまだまだだとの声をしばしば聞くことがあります。そこで、市民による市民のための活動が、真に新たな支え合いの担い手となる、すそ野の広い活動の手掛かりをテーマに訪問しました。

 

糸満市は、第4次糸満市総合計画(平成23年度~平成32年度)において、‟信頼のつながるまち(協働)=協働社会の推進”を定めています。

「地域には、たくさんの解決すべき課題があります。その解決には、市民、事業者・各種団体、行政の協働による取り組みが求められています。その取り組みとして、各種団体に協働への十分な理解を求め、協働活動の拠点となる施設の整備に努めて、市民活動や地域活動、NPO活動の支援を推進します。また、先行的(モデル的)協働事業に取り組み、協働社会構築を実践していきます。」

協働社会の推進に要する経費は18,800千円足らずです。内訳は、3件で  ➊市民提案型のまちづくり事業に1,000千円(10万円コース×4団体=40万円、30万円コース×2団体=60万円)  ❷市民活動支援センター設置事業に8,396千円  ❸諸経費に9,396千円  となっています。

市民提案型まちづくり事業は、市の提案書募集に対し、市民団体やグループから応募のあったアイデア・企画の提案書(申請書)を、市が設置した審査委員会委員5名(内部:職員1名、外部:4名)が審査し、交付決定します。これらの事務手続きは、民間事業者であるNPO法人まちなか研究所が委託を受けた『糸満市市民活動支援センター』が、事務局として担当しています。

市民提案型まちづくり事業の運営は、市民と行政をつなぐコーディネーターとしての『糸満市民活動支援センター』の役割は大きいものがあります。例えば  1.市民団体やグループに対する市への申請書(提案書)の書き方講座の実施や、他の補助事業の活用アドバイス等で、一歩踏み出せない潜在的な市民力を浮上させています。  2.市民団体やグループからの相談を受けやすくすることで、市内の課題が見えて、新たな事業展開の発見になっています。  3.募集についての事業説明会の後に、前年度交付団体による報告会を開催し、情報共有ができます。

最後に、『糸満市市民活動センター』に届く市民提案型まちづくり事業に対する、市民の声のお話がありました。最も厳しい意見として、「行政主導ではない、市民主体の補助金事業を目指して欲しい」というもので、行政の決まり事を押し付けすぎると、本来の事業目的である市民団体の自発的な促進を妨げる可能性があることの課題が示されました。

 

この日の研修で説明してくれた『糸満市市民活動支援センター』(NPOまちなか研究所)の上原さん(女性)のような、民間人材の存在の有無によって、そのまちの市民力向上に雲泥の差が出ます。翻って、三豊市のまちづくり推進隊の7つの事務局に目を移したとき、糸満市の市民活動支援センターの役割を担える人材は十分でしょうか。改善点は大いにあることを実感しました。

糸満市民からの市民提案型まちづくり事業の運営に対する厳しい意見と、三豊市のまちづくり推進隊の市民から離れた感のある見えにくさを融合した、ハイブリッド型のまちづくり推進隊事業の研究を進める必要性を、強く感じた研修でした。

 

 

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