三豊市議会会派清風会 研修報告・パート2━③

研究フォーラム2日目に行われた課題討議の報告をします。「地方議会のデジタル化の取り組み報告」が、コーディネーターを谷口尚子氏[慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネージメント研究科教授]として、金澤克仁氏[取手市議会議長]、板津博之氏[可児市議会議長]、林晴信氏[西脇市議会議長]の事例報告者3名で行われました。

 

金澤氏  『ICT活用 いつでも・どこでも議会の機能を維持向上』の取り組みの報告があった。議員の3割近くが女性議員であったことから議会改革の土壌があった。さらに、議会事務局も含め議会愛が強かったため、デジタル化に向けての合意形成がスムーズに進んでいった。

取手市議会における議会運営のデジタル化・住民とのコミュニケーション強化の主な取り組みは、①オンライン事前説明:7日前招集告示。その3~4日後、オンラインで市長や部長が提出予定議案の詳細説明。そのことによって、議員は、議案の事前調査が活発になる。また、聞き逃し、聞き間違いなどがなくなり、議論の質向上に寄与  ②コロナ禍、学校休校により育児しつつ、介護しつつ、また、濃厚接触者により自宅待機でもオンライン委員会に出席し審査 ③医療従事者とは平日の夜間。市PTAとは土曜日の午前中など、情報を聞きたい相手に合わせて開催

誰もが政治参加しやすい社会を目指し、オンライン本会議を可能とするよう、多くの議会からも自治法改正の意見書をまとめて欲しい。

 

板津氏  『可児市議会の取り組みについて』の報告があった。コロナ禍における議会報告会の開催で議会グループウエアを導入した。Withコロナ時代における議会報告会の在り方として、議場において十分な座席間隔を確保し人数を限定して市民に参加してもらい、一部議員はオンライン会議システムを活用して参加。一歩進めて完全オンラインの議会報告会に着手した。

デジタル化による議会改革の方向性は、市民アンケートの結果を基に行っている。

 

林氏  『議会は住民自治のプラットフォーム!を目指してICTを何のために使う? 議会DXへの取り組み』の報告があった。議会DXへの取り組みは、防災訓練と一緒だ。シミュレーションしなければいざというときに使えない。

自治体DXは、行政も議会もDXしなければならない。自治体DXはデジタルによる、多機能化と効率化。議会DXはデジタルによる議会の効率化と、より多くの多様化した民意の集約化だ。それは、情報の共有・住民参加・議会の機能強化であり、人々の生活をより良いものへと変革し、住民の福祉の増進につなげていくためのものだ。

オンラインは時間と距離を超越する。そのためには広聴・広報の戦略が必要だ。

 

議会DXを、住民の福祉の増進と議会への信頼度upに活用するためには、議会の広聴・広報戦略に基づいたデジタル化の取り組みに向けて、走り出さなくてはならないことを痛感した事例報告でした。

以上で会派清風会の研修報告を終わります。

 

三豊市議会会派清風会 研修報告・パート2━②

研究フォーラム1日目のパネルディスカッションは、「地方議会のデジタル化の現状・課題と将来の可能性」をテーマに、人羅格氏[毎日新聞社論説委員]がコーディネーターとなり、岩﨑尚子氏[早稲田大学電子政府・自治体研究所教授]、牧原出氏[東京大学先端科学技術研究センター教授]、湯淺墾道氏[明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科教授]、寺沢さゆり氏[長野市議会議長]の4名のパネリストで行われました。

 

岩﨑氏  コロナ禍の中で機能しない議会とはいったい何なのか。この現状からデジタル化についての議論が出されるのは必然だ。その進むべき方向性は、①議会のデジタル化の目的は、あらゆる災害にも議会機能を十分に発揮し、住民とのコミュニケーションを確保すること ②誰も取り残されないデジタル初回に向けて議会が果たすべき市議会のリーダーシップ ③市議会が域内のコミュニティを取りまとめる役割を果たすために必要な改革(DX) が考えられる。

議会のデジタル化を推進するための提言として、●非接触社会への対応:有事と平時における議会の役割 ●新デジタル人材育成:リスキング、技術導入、誰も取り残されない共助社会 ●指導的地位を占める女性割合を増やすポジティブアクション実現するためのデジタル化の促進と国連SDGsの実装へ ●最適なテレワークBCP、介護、育児等への多様で柔軟な選択肢こそ、少子・高齢・人口減少社会の解決モデル ●新デジタル社会の形成に強力な政治リーダーシップで、地方の経済格差、情報格差の解消を優先せよ

 

牧原氏  地方議会のデジタル化として、審議のオンライン化とデジタル化への対応の提言があった。国の政策としてのデジタル化は、①人口減少への対応としての圏域連携、公共私連携による「スマート自治体」へ ②新型コロナへの対応としてのリモートの推進 この2つの大きな課題の鍵となるのがデジタル化だ。

デジタル化の今後として、●市民からのアクセスが容易なデジタル化は不可欠であり、市民への「議会報告会」こそハイブリッド開催などデジタル化になじむ ●議員の担い手不足の面からも、議場外からの参加も可能とするオンライン議会の可能性は大きい ●自治体全体のデジタル化と歩調を合わせるべき ●デジタルのリテラシーと法律は相性が悪いことは十分に留意すべき

以上を踏まえ、地方議会のデジタル化に取り組むには、人材育成が重用であり元SEや地域のIT人材の活用が重用だ。

 

湯淺氏  議会におけるアナログの問題点とデジタルの可能性についての指摘があった。アナログな議会の問題は、●情報収集において客観的なデータが不足 ●意思決定や政策がデータ(エビデンス)に基づいていない ●意思決定や政策の根拠を説明できない ●決定過程が不透明 ●対面、口頭、物理的な場における全員集合の難 ●押印への形式的依存 ●危機に柔軟に対応できない ことだ。

議会のデジタル化の意義は、平時・災害時・コロナ禍にかかわらず議会機能を十分に発揮し、住民とのコミュニケーションを確保するなど、オンライン化で実現する可能性がある。また、議会Webサイト等を通じた活動によって、住民との関係の再構築が可能となる。面白い取り組みとして、アバターやフォログラム、ロボット等を駆使したオンラインによる会議のデジタル化も夢ではない。

 

寺沢氏  長野市議会のデジタル化への取り組み状況について説明があった。①平成28年:採決システムの導入 ②平成30年:常任委員会のインターネット中継を開始(録画) ③平成31年:議会活動にタブレット端末を導入 ④令和4年:市民と議会の意見交換会をオンラインで開催 ⑤令和4年:委員会のオンライン開催の導入

 

本来担うべき地方議会の機能とは何かを再考する機会となったとともに、それを実施・実現するためにデジタル化で「みえる化」することが、住民との関係の再構築につながることに気づかされたパネルディスカッションでした。

三豊市議会会派清風会 研修報告・パート2ー①

10月19日(水)と20日(木)の2日間、長野県長野市のホクト文化ホールで開催された『第17回全国市議会議長会研究フォーラム ━デジタルが開く地方議会の未来━』の報告をします。

1日目は、冨山和彦氏[(株)経営共創基盤グループ会長、(株)日本共創プラネットフォーラム代表取締役社長]の基調講演と、「地方議会のデジタル化の現状・課題と将来の可能性」のパネルディスカッションが行われました。

 

基調講演 「コロナ後の地域経済」

冨山和彦氏は、自身が60歳を機に、地域経済に密着した会社を支援するための企業を設立した。新型コロナが終息すると、これからは地域経済に大きなチャンスが訪れると考えていた。なぜなら、コロナ禍ショックでグローバル経済は脆いことが明らかになったからだ。また、破壊的危機は今後もかなりの頻度で発生する。さらに平成30年間に進んだ破壊的イノベーションの波は、コロナでもっと拡大・加速し、GX(グリーントランスフォーメーション)の波により、日本のグローバル企業の不振が明白となった。この激変に対応するには、ローカルな地域経済が強くなることだ。事実、観光や農林水産業が活発な地方は元気だ。

世界的に見ても、L型(ローカル)産業に移行した国は成長している。にもかかわらずいまだに東京中心のG型(グローバル)発想しかない。日本経済の低迷は、労働生産性が悪いことだ。それが良くならないのならば、経済付加価値を上げるしかない。地方では人手不足が決定的だが、だからこそチャンスだ。限られた人手でやっていかなければならないのなら、経済付加価値を上げるために必死で考えなければならない。

日本経済復興の本丸は、ローカル経済圏と中堅・中小企業経済圏が主流となることだ。そのためのポイントは ●労働生産性の低さとマネージメントレベルの低さこそが、変容による成長の可能性を大きくする ●エッセンシャルワーカーこそが、これからのコア中間層を形成するべきであり、L型産業こそエッセンシャル産業だ ●L型産業のCX(コーポレートトランスフォーメーション)経営と、桁違いに安いコストで最先端のデジタル技術を使い倒せる、クラウドDX時代で大きなチャンスが到来

具体的取り組みとして、『みちのくグループ』のバス事業を連携させた事例がある。「分ける化」「見える化」による地道な改善改良の徹底の先にDX的解決が自然に浮かびあがってくる。その結果、再編によるベストプラクティス(最も優れた工程・手法)の横展開やスケールメリットの追及で、単独では成しえない改善効果を生み出した。次なる取り組みとして、DX活用など新たな取り組みによる生産性向上に向け、空中戦力も活用し人手不足・高賃金時代を逆手にとって、さらなる成長を目指す。

おわりに、CX→DX→IXによってローカル産業、公営企業体の生産性革命を実現していく可能性について。このようなシンプルで当たり前の取り組みが、ローカル経済圏でなぜできていないのか。 ●経営人材の問題 ●経営体の動機づけの問題 ●新陳代謝が進まない問題 ●地域経済密度の問題 がある。これらの問題を克服し、DXの時代に進んでいかなくてはならない。そのためのデジタルだ。地方経済は宝の山だ。コロナ後の地域経済こそが日本を元気にすると確信している。

 

デジタル活用によって地方を元気にする、具体的実践例を示していただきながらの基調講演は、CXなくして成しえないことを気づかせていただく機会となりました。実践あるのみです。

三豊市議会会派清風会 研修報告・パート1

令和4年(2022年)10月18日(火)~20日(木)の3日間、会派清風会で、地元選出国会議員3名に要望書を提出するために東京都へ、『第17回全国市議会議長会研究フォーラム』へ参加するために長野県長野市に行ってきました。

10月18日(火)には、地元選出国会議員である大野敬太郎衆議院議員と、磯崎仁彦参議院議員、三宅伸吾参議院議員のお三方に対して、三豊市の抱える多くの課題のうちの2件について、制度の拡充とともに財政支援の要望書を提出しました。

1件は、「詫間港経面地区の活性化について(要望)」*要望書写し添付

もう1件は、「地域プロジェクトマネージャーの人員枠の撤廃について(要望)」*要望書写し添付

です。

国会での予算委員会の最中にも拘わらず、お三方とも本人と面談でき、直接要望書を受理していただきました。

ありがとうございました。

令和4年第1回定例会 代表質問・6

代表質問6件目の最後の報告は、「情報伝達について」です。

 

6件目 「情報伝達について」

【質問】 施政方針では、「様々な情報発信ツールを掛け合わせながら、必要な方に必要な情報が届くよう情報の伝達の在り方を検討する」としている。仕組みと全体像を問う。

 

【答弁】 現在、広報紙や防災行政無線、公式ホームページなどによって情報共有を図っている。しかし、いずれも情報の受け手は特定の市民に偏ってしまう傾向がある。この課題を解決するために、昨年、公式LINEアカウントを開設したところだ。現状、市政情報の一部のみをLINE登録者全ての方に配信している状況だ。今後は、必要な方が必要な情報のみを受け取れるよう、セグメント配信機能の導入準備を進めているところだ。また、広く情報発信するためには、メディアを巻き込んだ広報活動も重要になってくる。

情報発信は市のPRであり、プロモーションであるという考えのもと、既存の情報発信ツールを掛け合わせながら、ただ伝えるのではなく、効果的な情報発信に取り組んでいく。

 

以上で、私が受け持った『会派清風会』の代表質問6件の報告を終わります。

 

 

令和4年第1回定例会 代表質問・5

代表質問5件目は、「農業振興について」です。

 

5件目 「農業振興について」

【質問】 農業振興では、新たに地域おこし協力隊1名を採用し、さらに地域プロジェクトマネージャー1名を配置するとのことだが、この人員補強によって市長肝いりの薬用作物栽培普及が確かなものとなり、農業振興へと展開可能となるのかを問うとともに、その具体的な構想として、薬用作物の6次化の構想の有無について問う。

農業振興基金事業について、少しでも永く経営を維持し、所得の向上はもとより地域の農地荒廃防止、後継者の確保につながる中規模農家の支援を強化するための大幅な見直しを予定しているとしてるが、計画、詳細はどのようなものなのかを問うとともに、その中に新規就農の初期費用軽減施策があるのかを問う。

 

【答弁】 地域プロジェクトマネージャー制度を活用し、薬用作物の産地化というプロジェクトに向け、栽培面積の拡大、産地を支えるリーダーの育成や活動拠点の整備など、次のステージに移して取り組む。地域おこし協力隊については、本市の農畜水産業の振興につながるプリモーションを行っていく。

農業振興基金事業を活用した市単独事業の見直しに関しては、これまで大規模経営の担い手に支援を進めてきたが、これからは支援の枠を広げ、現在頑張って地域を支えている担い手を応援することで、地域農業や産地維持のための基礎体力を強化していきたい。

基金の積み増しは、6月補正予算で計画している。

薬用作物の6次化構想については、現段階では構想はない。先ずは薬用作物の産地として市内外に認知されるよう、一定の栽培面積を確保し、生産拡大に取り組んでいるところだ。薬用作物は、医療系の使い道もあるが健康食品に使われている。先ず栽培技術を確立し、収量を伸ばし、医療系をターゲットとしていく中で、様々な加工方法があると考えられる。今後、産業として自らリスクをもって加工や販売を担いたいという取り組みが生まれる中から、6次化とともに産業クラスターをつくっていきたいと思う。

新規就農における初期費用の軽減策は、意欲ある若者を積極的に呼び込み、これまで以上に新規就農者数を増やし、定着させるために重用だと考える。新規就農者の機械の導入費は、新年度において国と県が補助する事業が新設されることとなっている。また、JAなどの関係機関による新規就農者への支援も計画されているようだ。

 

【再質問】 これまでの新規就農の初期費用の軽減策は、新品の農機具購入に対して補助するものだ。私たちの周りには、離農した市民が大事に使ってきた農機具が溢れている。この農機具を引き継ぐことによって、手放す方にも適正な代金が支払われ、引き継ぐ就農者にも費用負担が軽減され、ゆとりある農業経営をスタートすることができる上に、市としても限りある財源を有効に活用することができると考える。中古農機具を地域で有効活用できる仕組みを検討し実現することで、三方よしの施策になると思うがその考えを問う。

 

【答弁】 現在使われていない農機具を利用し、初期投資を軽減することは、新規就農者を増やし定着させる非常に有効な手段だと考える。農業改良普及センターなど関係機関との連携を図りながら、需要と供給の情報を共有できるような仕組みづくりを検討する。

 

次回は、最後の質問となる6件目の報告をします。

令和4年第1回定例会 代表質問・4

代表質問4件目は、「持続できる教育政策について」です。

 

「持続できる教育政策について」

【質問】 令和4年度の主要新規事業、重点施策に、給付型奨学金事業と夜間中学運営事業がある。三豊市の教育政策の重要事業であればこそ、継続できる計画的な取り組みがかかせない。給付型奨学金事業の拡充の方向性と財源を問うとともに、夜間中学運営事業の運営体制とその財源を問う。

 

【答弁】 給付型奨学金事業は、令和3年度に創設し高校卒業と同時に進学した20名の学生たちへの奨学金の支給を開始したところだ。今回、令和4年度支給対象に在学生を加えるとともに、高校卒業後、浪人して大学や短期大学、専門学校などに進学する学生にも対象を広げこととしている。財源は、ふるさと納税を主財源として充当することとしているが、一部一般財源を投入する。

夜間中学運営事業は、本年4月に高瀬中学校内に開設する。運営体制については、県の教員が配置される予定だ。運営費は、地方交付税により財源措置が講じられるとともに、開設してからの3年間は、円滑な運営に係る経費に対して国の補助制度がある。さらに、施設整備やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置促進など、様々な補助メニューが示されており、これから有効な財源を活用しつつ運営していく。

 

【再質問】 教育は継続あってこそ成果が表れるものだと思う。そのためにはその財源が必要だ。給付型奨学金事業について、運営し続けることを前提にそのための財源確保の将来的見通しを問う。

 

【答弁】 財源確保は、今までの財源を基にした考え方ではなく、様々な取り組みをやらなければならないと思う。クラウドファンディングをはじめ、新たな財源確保に取り組むとともに、先駆的なこの事業の趣旨に賛同していただき、より多くのふるさと納税がいただけるようPRしていく。

 

次回は5件目の質問の報告をします。

 

令和4年第1回定例会 代表質問・3

代表質問3件目は、「教育の本質へのロードマップについて」です。

 

「教育の本質へのロードマップについて」

【質問】 施政方針では、「市が環境整備を行い、さらにサービスまで提供するという従来の行政の在り方を抜本的に改め、官・民が両輪となり、文化、スポーツの分野を超え、子どもたちの育成を支援していく」としている。この取り組みに対する三豊市の空気感や熱意が、子どもたちに伝わることによって、成長の場となることが教育の本質であるとも思う。どのように展開していくのかを問う。

また、教育の本質へのロードマップとして、「私たちが進むべき道の模索を行い、探求する学びの機会を創出する」ともしている。体制と時間軸を問う。

 

【答弁】 三豊市教育大綱の基本目標の一つに、「夢を抱き、可能性にチャレンジできる多様な選択肢と教育機会の提供」を重点項目に掲げ、三豊市教育方針においては、「多様な他者と協働し探求し続ける力の育成」と定めている。これこそが教育の本質だと考える。

多様な他者と協働するためには、学校の中だけではなく、校外でも価値観の多様性を理解し、新たな考えをつくり出していくことが求められる。また、探求し続けるためには、子どもたちが自分独自の軸をもって、現実の課題に取り組む中で、分野にとらわれず、主体的に学び進めていくことが求められる。

三豊市では、みとよ探求部の取り組みを始めている。自分の熱意と関心に基づき、身の回りの課題解決につながるテーマを設定し、計画を立て、地域の大人の手を借りながら、自力でそれを推進している。今後は、みとよ探求部を継続的に運営し、より多くの生徒を受け入れられる安定した体制を確立するとともに、より広く事業者と連携し、生徒の体験活動や協業先の種類、分野を充実していく。今後5年程度かけて、みとよ探求部の運営を通じて、地域に開かれた協業と探求の学びを整備していく。

 

次回は4件目の質問の報告をします。

令和4年第1回定例会 代表質問・2

代表質問2件目は、「予算編成から見る財政見通しについて」です。

 

「予算編成から見る財政見通しについて」

【質問】 令和4年度の当初予算の概要における予算編成方針では、令和2年度の経常収支比率が97.9%であり、元年度と比較しても3.1ポイント上昇し、年を重ねるごとに悪化し、財政構造の硬直化が進んでいるとしている。

歳入では、普通交付税は微増であるものの、公債費に係る増額によるもので、それ以外は減額となっており、依然、財源確保に厳しい局面が続いているとある。

歳出では、義務的経費の増加のほか、公共施設の管理更新と病院への繰り出し、新型コロナウイルス対策経費、自然災害への備えなど、早急に取り組むべき課題が山積していることによる、今後の財政状況が想定以上に悪化するという危機感が示されている。

このような認識に対して、3点について問う。

1点目、硬直化した財政構造の中、この難局を改善するための手立てとして、財政運営における選択と集中があると考えられるが、その方向性は

2点目、普通交付税の内訳は、合併特例債等の償還による額が増加して、自由に使える割合が減少しているとのことだが、交付税算定に影響されない自主財源確保による、投資的経費確保の考えは

3点目、歳出抑制は、直接・間接的行政サービスの質と量に影響があると考えられるが、必要不可欠であると想定できる財政需要の判断は、どのような基準によって対処していくのか

 

【答弁】 1点目について、本市の近年の予算編成においては、財政調整基金などの取り崩しや、合併特例債で収支の均衡を図って、予算が成り立っている状況にある。合併以来継続している経常的な事務事業の見直しをはじめ、組織機構の改革及び最適な人員配置、公共施設の再配置などにより、限られた経営資源の中で優先順位をつけて取り組んでいく。

2点目について、ふるさと納税や企業版ふるさと納税、クラウドファンディングなど、新たな歳入確保に取り組んでいる。また、民間の資金やノウハウを活用するソーシャルインパクトボンド方式の導入も検討していく。さらに、自治体においても、民間企業などによる自治体への投資など、直接金融の枠組みによる歳入確保の可能性も考えられるので、課題等を整理しながら検討していく。

3点目について、本市のまちづくりの設計書でもあり最上位計画でもある、三豊市第2次総合計画を実現するために、必要で緊急性の高い事業を実施するとしている。また、部局長の運営方針や事業評価結果等を踏まえ、事務事業の取捨選択を行ったうえで、各部局における事業の優先順位づけを確実に実施し、関係する個別計画との整合性を測りながら予算化している。

 

【再質問】 前任期中の施政方針にも、ソーシャルインパクトボンドの可能性を検討するとあったが、そのときの取り組みとどのように違うのかを問う。

 

【答弁】 ソーシャルインパクトボンドは、事業を実施するための資金を民間から集め、事業の成果に応じた成果報酬を市が後から支払う仕組みだ。この地域全体の課題として、最も民間企業とマッチングできるのは何かを見極める必要がある。それは企業にとっても利益になるような考え方でやらなくてはならない。市が行う事業について、公共性や社会性を訴えながら、賛同いただける企業や個人からの投資を募ることで、ソーシャルインパクトボンドの実現に向け検討していく。

 

次回は3件目の質問の報告をします。

令和4年第1回定例会 代表質問・1

三豊市の第5回市長並びに市議会議員選挙が行われた後の、初の定例会における「三豊市議会 会派清風会」の代表質問6件(「市長の政策実現に向けての運営について」「予算編成方針から見る財政見通しについて」「教育の本質へのロードマップについて」「持続できる教育政策について」「農業振興について」「情報伝達について」) の報告を、1件ごと6回に分けて行います。

 

本格的な議会活動の新たな出発となります。新しい仲間も加わり、山下市長ともども全力で市民の皆様の福祉の向上と、市の発展に取り組んでいかなくてはなりません。新型コロナ禍の中であるとともに、いまだにリアル世界のものとも思えない他国への侵略戦争が勃発している、尋常ならざる世界情勢の真っただ中ではありますが、市民の皆様とともにこの難局を乗り越えてまいりましょう。新たな決意で代表質問を行いました。

1件目は、「市長の政策実現に向けての運営方針について」です。

 

「市長の政策実現に向けての運営方針について」

【質問】1期目の4年間は、市長は新たな視点でのまちづくりに向け、多様な政策提言をしてきた。施政方針の冒頭の所信には、『みとよSDGs未来都市』として取り組むにふさわしいテーマとしての、市長の市政に対する願いが述べられていると感じる。ただ、その素晴らしい考えも、市民の実生活につながる施策や事業に具現化されてこそのものだと思う。

市長の目指そうとする三豊市に向かって、職員と思いを共有、共感、共鳴することによって、シビックプライドを醸成し、市民サービスに直結するようつくり上げていくことが必要だ。そのための人材、組織、財源、進捗計画の考えを問う。

 

【答弁】平成29年12月より市長に就任し、新たなまちづくりロードマップとして策定した「三豊市第2次総合計画」において、『One MITOYO~心つながる豊かさ実感都市~』を目指すべきまちの姿として、人口減少という最大の課題に対し、攻めの姿勢で挑戦し続けてきた。2期目においても、新たな3本柱(教育・健康・脱炭素社会)とともに継続して取り組んでいく。誰もが暮らしの中で豊かさを実感できる市政を実現できるか否かは、まさにその運営体制が重要な鍵となる。

一つ目の人材については、各職員が部局を横断し、様々な可能性を検討し、施策の方向性を打ち出していく必要がある。この手法で事業を進める部署の人材は、企画力、調整力のある職員でなければならない。常に疑問を持ち、探求し、変革を恐れない意識を持った職員を登用したいと考えている。その能力、実績を有すると思われる職員を適材適所で登用するとともに、そのような人材を外部から任用することも視野に入れ対応していく。

二つ目の組織については、職場環境を整えるとともに、限られた人材や資源、財源を適切に管理し、有効に機能させていかなければならない。重要施策については、部署の境界を越えたチームとして、アイデアを持ち寄り、即座に施策を実行できる体制をとる必要がある。そこで、年度にこだわらず、関係部局が連携して対応するタスクフォースを積極的に取り入れていく。今回のようなコロナ禍や災害時、また市民ニーズに倒して行政の機動性を発揮するためのものであり、より大きな成果を生み出すための組織マネージメントに努める。

三つ目の財源については、必要な事業に必要な予算を確保するために、有利な財源を積極的に獲得していく。ふるさと納税による寄付の拡充と企業版ふるさと納税やクラウドファンでイングなどの新たな手法を取り入れるとともに、公有財産の適正管理を進めることにより、財源確保に取り組んでいく。また、今後本市への投資を呼び込む直接金融の可能性についても検討していく。

四つ目の進捗計画については、第2次総合計画基本計画に定める施策を計画的に実施するにあたり、3年間を計画期間とする実施計画を策定し、具体的な取り組み内容や事業費、財源などを明らかにしている。また、事業実施後には効果や課題を検証し、後年度の事業計画を見直すことで、ニーズや社会情勢に沿う事業へとブラッシュアップを行っている。

職員のみならず、本市にかかわる全ての人や企業がまちづくりに参画することで、三豊への愛着や誇りにつながり、真に求められるサービスが行き届くものと考えている。

 

次回は2件目の報告をします。