会派清風会の行政視察研修報告・3

 

会派清風会の行政視察研修の3件目の訪問先である、東京都衆議院会館大野敬太郎事務所での研修報告をします。環境省地球温暖化対策課と内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局兼内閣府地方創生推進事業事務局から、2点の説明をいただきました。

 

「地球温暖化対策の現状と課題について」

1880年の産業革命以降、130年間に世界の平均気温は0.85℃上昇した。放置すれば今世紀末までに5℃近く上昇する。パリ協定は、温度上昇を2℃以下にする世界共通の目標を設定した。パリ協定は、「京都議定書」に代わる、2020年以降の温室効果ガス排出削減のための新たな国際枠組みであり、歴史上なじめてすべての国が参加する公平な合意だ。

地方自治体の役割と政策   国全体の温室効果ガス排出削減のためには、地域レベルでの取り組みが基礎となるため、地域の自然・社会条件に応じた低炭素地域づくりが重要だ。たとえば、地域特性に応じた再生可能エネルギーの選択や過疎化の進む農村部での集住促進が考えられる。昔ながらのコミュニティ、水と緑のネットワーク、歩いて暮らせる街、にぎわいのある中心市街地、公共交通の利便性向上、LRT次世代路面電車、BRT(バス・ラピッド・トランジット:バス高速輸送機関)、自転車道、太陽光、廃熱利用、風力発電等の活用・構築の考え方がある。低炭素地域づくりに向けた取り組み策の例がある。  *再開発を機会とした地域冷暖房の導入  *地域の未利用資源であるバイオマスエネルギーの活用  *コミュニティ・サイクルやカーシェアリングの導入  *コミュニティバスのEV車導入

推進のための環境省からの支援策   ①実行計画策定の手引きや研修等を通じたソフト支援〔地方公共団体温暖化対策実行計画(区域施策編)の策定促進、地方公共団体職員向け研修等の実施〕    ②各省と連携し、地域の拠点や特性を生かした低炭素化〔鉄道や駅舎の低炭素化支援(国交省連携)、農村における最エネ導入支援(農水省連携)〕  ③自治体の設備導入支援:太陽光発電やバイオマス熱供給等〔地方公共団体実行計画(事務事業編)とこれに基づく取り組みの大胆な強化・拡充を支援、地域の自然的・社会的条件に応じた再エネ事業であって導入拡大を阻む課題に適切に対応をする自治体に対し事業実施を支援〕

地方公共団体が自ら率先し取り組むことで、区域の事業者・住民の模範となることを目指し、『地方公共団体実行計画事務事業編』を策定し、実施する。パリ協定の目標をクリアするために、と方公共団体の取り組みの大いに期待している。

 

「地方創生に対する財政措置について」

地方の支援には『地方創生版・3本の矢』がある。

1.情報支援の矢  ①地域経済分析システム(RESAS)●官民が保有する産業・人口・観光等の地域経済に関わる様々なビッグデータを見える化 ●ワンストップで、広報・普及、活用支援、開発・改善、利便性の向上を推進

2.人材支援の矢  ①地方創生コンシェルジュ●相談窓口を各府省庁に設置  ②地方創生人材支援制度●応募期間の長期化、民間人材の募集拡大  ③地方創生カレッジ●地方創生を担う専門人材を官民共同で確保育成

3.財政支援の矢  ①「地方創生推進交付金」〔28年度1,000億円(事業費ベース2,000億円)〕●平成28年度予算として新型交付金(「地方創生推進交付金」)を創設し、官民協働、地域間連携、政策間連携等の促進、先駆的、優良事例の横展開を支援  ②「まち・ひと・しごと創生事業費」(地方財政措置)●地方公共団体が地方創生に取り組み、きめ細やかな施策を可能とする観点から地方財政計画に27年度1.0兆円、28年度1.0兆円を計上(全国に交付税で一般財源として配分) ③地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)●地方公共団体が行う地方創生の取り組みに対し寄付を行う企業に対し、税額控除の優遇措置

次に、平成28年度二次補正予算案(地方創生関連)〔総額(国費):914.7億円〕は以下の通り。  ●地方創生拠点整備交付金(道、汚水処理施設、港の公共事業(30.2億円)含む):900.0億円 ●地方創生カレッジ運営事業:7.0億円 ●RESASの拡充・DMOクラウド:3.3億円 ●小さな拠点・地域運営組織の形成拡大支援:0.6億円 ●「稼ぐまちづくり」の実現に向けたシティ・セールス手法の検討:0.2億円 ●地方創生インターンシップ事業に関するシンポジウム等:0.5億円 ●地域産品魅力発信事業:1.1億円 ●交付金効果検証分析:2.0億円

その中の多くを占める、地方創生拠点整備交付金900億円(事業ベース1.800億円)の事業イメージは、●ローカルイノベーションに資する公設試験研究機関の改修等 ●地域経営の視点に立った観光地域づくりに効果的な観光施設の改修 ●地域全体としてのブランディング戦略の確立に資する収益施設(6次産業化施設含む)の整備 ●生涯活躍のまちの推進に資する多世代交流の拠点施設(既存施設の改修を含む) ●移住定住促進のために行う施設の改修 ●小さな拠点づくりに資する地域コミュニティ組織の日常的な活動の場として機能する基幹的な拠点施設の整備(廃校舎、旧役場、公民館等の改修を含む) だ。

最後に、地方創生応援税制「企業版ふるさと納税」についてだ。制度のポイントは、●志のある企業が地方創生を応援する税制を創設する(地方公共団体が行う地方創生の取り組みに対する企業寄付について、税額控除の優遇措置) ●企業が寄附しやすいように税負担軽減のインセンティブを2倍にするとともに、寄付額の下限は10万円と低めに設定  ただし、交付税の不交付団体への寄付は対象外であるとともに、本社が所在する地方公共団体への寄付も対象外だ。

 

国政の中核での研修は刺激的でした。足元にある地域資源をフル活用し環境と地方創生の複合施策で邁進していかなくてはならないと、気持ちを新たにすることができました。

 

 

会派清風会の行政視察研修報告・2

会派清風会の行政視察研修の2件目の訪問先である、栃木県佐野市の民間「認定こども園 あかみ幼稚園」の研修報告をします。

 

車から降り、「認定こども園 あかみ幼稚園」の正面玄関に立った目の前にある園舎は、学校法人中山学園学園長である中山惠三氏と、ご子息である理事長で統括園長の中山昌樹氏の二代につながる、保育・幼児教育理念を形にした、積み重なりであると感じた。

あかみ幼稚園は、認定こども園で、就学前の子どもに幼児教育・保育を提供している。保育園と幼稚園の両方の機能を備え、入園していない地域家庭への支援も含めた役割を果たしている。認定こども園のいいところは、①保護者が働いている・いないにかかわらず全ての子どもが利用できる ②0~5歳児の年齢の違う子ども同士が共に育つ ③子育ての相談などの子育て支援を行い、地域の子育て家庭を支援するところだ。

あかみ幼稚園は、5,500坪(18,000㎡)の広い園庭に、平成28年は350名の園児が通っている(1号:183名、2号:102名、3号:58名、他7名)。通う園児の小学校区は、遠近30校区とこれまた広い。このことからも、「認定こども園 あかみ幼稚園」の地域からの信頼が強いことがわかる。

幼児教育・保育の方針は「遊びで学ぶ」であり、その環境が充実している。遊びは、主体性(〇〇したい)と自律性(自分をコントロール)を同時に育む、乳幼児期の学びのあり方だ。木製アスレチックや木登りできる木、農業体験できる畑、ビオトープ、アヒル・チャボ・うさぎ・やぎなどの小屋、プラネタリウム、陶芸窯などで、子どもと保護者、地域の人々の豊かな生活を支えている。特に陶芸は、現理事長の中山昌樹氏が最も思いを注ぐものだ。若き日に、窯の中で揺らめく炎の魅力に取りつかれ、子どもと大人に体験してほしいと取り組んでいる。地域の子育て中の女性たちが窯場で談笑しながら、楽しそうに作業をしていた。陶芸の虜になっているようだ。就学前の子どもたちの成長のための、理想の環境がここにある。

 

認定こども園の運営が、幼児教育・保育のプロではあっても経営ができるような、組織体制を構築することの重要さを認識しました。「認定こども園 あかみ幼稚園」は、それを実現していました。確かな理念に基づく幼児教育・保育の二代にわたる息の長い実践がそれを実現しているのだとも感じました。認定こども園制度をしっかりと研究し運営力を培うことが欠かせません。

 

2件目の研修報告を終わります。

会派清風会の行政視察研修報告・1

10月4日(火)から6日(木)の3日間、三豊市議会会派清風会の行政視察研修に参加しました。訪問先は、長野県伊那市役所と栃木県佐野市「認定こども園 あかみ幼稚園」、東京都衆議院会館大野敬太郎事務所、都内のNPOふるさと回帰支援センターの4か所です。

1件目の訪問先である、伊那市「子育て支援策について」の研修報告をします。

長野県伊那市は、平成18年に旧伊那市を含む3市町村が合併し、人口7万余、面積667.8k㎡で県内第3位となり誕生しました。中央・南両アルプスに抱かれ、天竜川・三峰川の扇状平野に町並みが形成され、古くから歴史の舞台として登場するとともに、豊かな自然と共存し栄えてきました。現在の伊那市は、本来の自然と、自然とともにある、持続可能な循環型のくらしを今も「実感」できる場所として、「日本一子育てしやすいまち」であると評価されています。

 

「子育て世代にぴったりな田舎部門」2年連続日本一の評価をいただいている。なぜ「日本一子育てしやすいまち」なのか?自己分析すると、<子育てのしやすさ> <価値ある取り組み>が認められている結果ではないかと考えている。

<子育てのしやすさ>  子育て世帯に対する市営住宅の家賃の軽減制度、総合病院や産科・小児科の立地、出産祝金の支給や保育料の軽減、子どもの医療費補助、高校生の通学費補助など、子育て支援て支援策が充実している。

<価値ある取り組み>  「自然や遊びの中から学ぶ保育」や小中学校での「暮らしのなかの食」など、伊那市でしか体験できない価値のある取り組みが高い評価を受けている。

この評価を支えているのは、【切れ目のない子育て”支援”と”環境”の充実】を目指してつくられた事業の数々だ。

『切れ目のない支援策』  ●産前・産後サポート:ハッピーバースデー講座(両親学級)、妊婦さん訪問・赤ちゃん訪問、助産師による育児・母乳相談への助成、ママヘルプサービス、小児科・産科・助産所の多様なサポート ●子育て支援センター:育児の悩みには、保健師、助産師、栄養士、歯科衛生士などが対応して子どもの成長を一緒に支える ●オリジナル出生届:伊那中央病院、菜の花マタニティクリニックで発行 ●ウッドスタート・ブックスタート:地元木工職人がつくった木のおもちゃ一つと絵本を一冊プレゼント ●保育料の減免:多子世帯の軽減、ひとり親世帯の軽減、3歳以上の延長保育料を半額 ●出産祝金:過疎地域への若者の定住促進や人口増対策のため祝い金を支給。旧町村地域は第1市から、その他の地域は第3子以降から ●ファミリー・サポート・センター:地域の中で子育ての助け合いを有償で行う ●福祉医療給付金:子どもの医療費負担を軽減するための医療費の助成

『充実した子育て環境』  ●遊びの中から学ぶ保育:保育園では、自ら面白がる、試してみたがるなど、意欲を持って行動できる子どもを「がるがるっ子」と名付け、自ら遊ぶ(学ぶ)力を育むために、地域の豊かな自然体験を活かし、遊びの中から学ぶ保育に取り組んでいる ●シンボルツリー:保育園に植えられている親しみのある木で遊び、四季を感じる体験を積み上げ、知恵や意欲を育てる ●園庭の芝生化:芝生の上を裸足で走り回れる園庭づくりを計画的に進める

次に、市が抱える課題を資源と捉え取り込むことで、まちの抱える課題解決に結び付けようする事業を紹介する。

市営住宅を活用した〔子育て支援「子育て住まいる事業」〕は、市の課題である市営住宅の空き住戸対策と子育て支援策の両方がかみ合った、複合施策となっている。始めは、市営住宅の空き住戸を少しでも解消したいと計画した。家賃を1~2割程度値下げしたが、既存入居者は喜んだが新規入居には効果がなかった。そのため、本年(平成28年度)4月より子育て世代の入居推進に焦点を当てた「子育て住まいる事業」に着手した。 ①子育て世代、若者世代の入居要件緩和 ②子育て世帯の家賃2割軽減  するものだ。

事業概要と目的は、(1)旧2町村の過疎対策として、市営住宅(その他住宅)を活用し子育て世帯を誘導することにより活性化を図る (2)子育て世帯の入居の要件緩和をすることにより、入居者を増やし空き住戸の解消を図る (3)子育て世帯に対し、家賃を減額し生活支援を行う

事業内容は、①子育て(若者)世帯の入居要件の引き下げ ●対象世帯:中学生以下の子どもの要る世帯 また 入居者と同居者のいずれもが40歳未満の世帯 ●内容:子育て(若者)世帯の入居所得要件を「月額123,000円以上」に基準を引き下げる(一般世帯は月額158,000円以上)  ②子育て世帯の家賃軽減 ●対象世帯:中学生以下の子どものいる世帯 ●内容:家賃を2割軽減 ●軽減期間:平成28年4月から平成33年3月まで(5年間)

本年(平成28年)4月の事業開始からまだ7か月の結果だが、すでに18世帯の入居があり、退去世帯を差し引いても14戸の空き住戸が解消している。前年度の同時期(入居9、退去8で解消1)と比較してもその効果は鮮明だ。

 

伊那市の取り組みは、自らの住む地域の魅力や特性を自らが知ることで事業展開する、まさにこれこそが政策というに、相応しいものです。私が会長を務める、三豊市子ども会育成連絡協議会では、昨年度より組織と活動内容を大幅に見直し改革してきました。本年度より市が所有する自然豊かな公園を舞台にした、新たな催しの事業を企画し実施しています。このような関わり方から、三豊市型の【切れ目のない子育て”支援”と”環境”の充実】に貢献できるものと信じています。

三豊市の掲げる「子育てするなら三豊が一番」の重点施策も、私たち自らがわがまちをより深く、より広く知り、より強く愛することで、ここにあるものすべてを資源と捉えることから進めていくことの大切さを再認識した研修でした。

「教育カウンセラー養成講座 愛媛会場」 第1回講座

NPO日本教育カウンセラー協会に所属する愛媛県教育カウンセラー協会が主催の、「2016年教育カウンセラー養成講座 愛媛会場 応用コース」研修が、松山市総合コミュニティーセンターで開催されています。10月23日(日)と29日(土)、30日(日)の3日間で、いずれの日も講座は9:30~16:30の、1日6時間ぎっしりの受講となります。

第1回講座は、高知大学教育学部准教授 金山元春先生による 《ブリーフカウンセリング「解決志向アプローチ」~心地よい人間関係とより良き未来を築くためのコツ~》

第2回講座は、新見公立短期大学幼児教育学科教授 住本克彦先生による 《対話のある授業~「いのちを育てる関わり方」指導者に必要なカウンセリング能力とは~》

第3回講座は、聖徳大学児童学科教授 鈴木由美先生による 《チーム援助~日常に生かせるやさしい支援のあり方~》

 

10月23日(日)の第1回講座の報告をします。《ブリーフカウンセリング「解決志向アプローチ」~心地よい人間関係とより良き未来を築くためのコツ~》金山元春 高知大学教育研究部人文社会科学系教育学部門准教授

 

そもそも「カウンセリング」とは、人生で誰もが取り組む課題を解決していくのを援助する営みで、これは人間関係の営みだといえる。だから、カウンセリングについて学ぶことは、人間関係について学ぶことだ。人間関係は相互作用なので、こちらが「ものの見方」を変えて、コミュニケーションを工夫することで、人間関係に変化が生まれてくる。

いろんな「ものの見方」があるが、これまでの視点とはことなる角度で見ることから始めよう。そのためには、いつもと違う「メガネ」をかけてみることだ。それは、自分の関心を解決や未来に向けてみることだ。これを「解決志向アプローチ」と呼ぶ。ブリーフセラピー(ブリーフカウンセリング)の一種とされている(ブリーフ:効率的、効果的)。解決志向もひとつの「ものの見方」なので、全てが「正しい」というわけではない。しかし、課題解決のためのひとつの方法であるといえる。役に立つ、いつもと違う色「メガネ」として使ってほしい。

より良き未来を築くために、「メガネ」を通して内外の資源(リソース)を探してみることだ。手に入れたい未来の実現に役立つものは何でもリソースだ。「内的リソース(自助資源)」と「外的リソース(援助資源)」がある。課題に関係する人たちのもちあじや、すでにあるものに注目し、それらを生かしてみる。方法として、「未来像(解決像)からのトップダウン方式」と「リソースからのボトムアップ方式」がある。これまでの主流の考え方は、問題の原因探しとその解決に視点を置いているが、「解決志向アプローチ」はいろいろな原因の中に見方や発想の転換をはかり、良いものを見つけ「リソース」とし、より良き未来を築こうとするものだ。

「解決志向アプローチ」の前提となる「ものの見方」は、①うまくいっているなら、それを続けよう。 ②一度うまくいったなら、またそれをしよう。 ③うまくいっていないなら、ちがうことをしよう。 である。これが役立つ前提として、㋐変化は必然である。小さな変化が大きな変化を生む(さざなみ効果)。 ㋑「問題」について知るよりも、「解決」について知る方が役に立つ。 ㋒誰もが自身の人生の「専門家」(母親は親として、先生は教育者として、同級生は友達として・・・)、「解決」のためのリソースを有している。 ということだ。

「解決志向アプローチ」が提案する役に立つ技法の一部を紹介する。

1.「未来」の質問  (例)「その代わりにどうなれば良いですか?」「その問題が解決されると今と何が変わりますか?」 *未来へ思いを飛ばすために「ミラクル・クエスチョン」や「タイムマシン・クエスチョン」がある。「奇跡が起きて問題が解決したとします・・・」や「タイムマシンに乗って十年後のあなたをみたとき・・・」など、奇抜でおもしろい質問もある。

2.「例外」探し  (例)「少しでもましだったとき(うまく対処できたとき)について教えてください」「それが一部でもすでにかなっているときや、それに近いときはありませんか?」

3.成功の責任追及  (例)「そうすることがよいとどうやって気付いたのですか?」「何か心がけたことがありますか?」「どんな工夫をしたのか、教えていただけませんか?」

4.OKメッセージ(コンプリメント)=リソースのフィードバック  (例)「へー↑」「なるほど↑」「そうですかぁ↑」「すばらしいですね」「よかったですね」「ありがとうございます」「うれしいです」「たすかります」

5.「ものさし」の質問(スケーリング・クエスチョン)  (例)「まったくダメなのが1、けっこういい感じが10として、今はどのくらいですか?」~「(6という答えに)6あるのは何があってですか?」「(6という答えに)7になったときには何がちがっていますか?」

6.「対処」の質問(コーピング・クエスチョン)  (例)「(・・・にもかかわらず)そんな大変な状況をどうやった切り抜けたんですか?」「これまでにはどんなふうに対処してきたのですか?」

7.最後のおみやげ  ①「行動」提案 (例)「もうすでに○○や○○ができていることがわかりました。とてもすばらしい工夫だと思います。そこで、またそれを試してみてもらえますか。」 ②「観察」の提案=「例外」の観察を提案する (例)少しでもましだったとき(うまく対処できた時)を覚えておいて、次に会ったときに教えてください。それがこれからどうすればよいのかのヒントになりますから。」

「解決志向アプローチ」には、2本のアンテナを常に立てておくことが大切だ。人の行動には「良いところ」と「良くないところ」がある。 「良いところ」は、OKメッセージを伝えよう。●ほめる:使うとき注意がいる。上から目線になりかねず、ユーメッセージにとられるかもしれない。●勇気づけ:ありがとう、たすかる、うれしいなどアイメッセージなので受け入れられやすい。●認める:存在を認める。 「良くないところ」は、対決メッセージを伝えよう。●状況を説明する。●気持ちを伝える。●選択させるよう提案する。

ブルーフカウンセリング「解決志向アプローチ」になれるには時間がかかる。右利きの人が左手でやるようなものだからだ。一段高いところ(メタポジション)からの視点で、常にリソースを見つけようと習慣化してほしい。そうしていく中で、技法が身につきより良き未来を築くためのリソースのすり合わせができていくと思う。最初に人間関係は相互作用だという話をした。この意味を最もうまく表現しているのは、ミスターチルドレンの「彩」という曲だ。すべてはつながり変化し続けているのだ。

 

第1回講座の報告を終わります。

国道11号線の拡幅事業

国が進めている『国道11号豊中観音寺拡幅事業』計画は、三豊市側の太郎坊池東交差点から観音寺側の植田町原交差点までの、延長4.6㎞となっています。平成23年度から三豊市土地開発公社が国より委託を受け、用地取得業務を行ってきました。本年平成28年度で6年目となっています。

事業計画は、4工区に分け進められており、これまで2工区1.3㎞の全部(さぬき豊中I.C.~ゆめタウンの2-1、ゆめタウン~本山歩道橋の2-2)と、3工区1.0㎞の一部(本山歩道橋~宮川交差点3-1)を用地買収重点区間として、用地取得してきました。進捗率は、契約ベースで70%となっています。本年度(平成28年度)市民の皆さんの目に、事業が進んでいるという実感が伝わる形で、現場工事が始まることとなりました。

具体的な工事計画は、「平成28年度上高野地区改良第1期工事」として延長440m、「平成28年度上高野地区改良第2期工事」として延長730mの着工を行います。工事完了後の来年度(平成29年度)に舗装工事の予定です。

今後の事業計画(予定)は、国土交通省HPでも明確な計画は示されておらず、不透明な状況ですが、平成29年度は、これまで用地取得できていない箇所の交渉を、三豊市土地開発公社が委託を受け継続していくこととなっています。

三豊市議会議会報告会で市民の皆さんから、予定がわからないことによる不安と憤りにも似た焦燥感の質問をいただいていました。現時点で確認できる情報はお伝えできますが、事業の今後の全体計画が不明なため、納得にいくようなお答えができない状況にあります。

今後とも、最新の情報を入手次第市民の皆さんへお伝えしていきます。

国道11号線豊中観音寺拡幅

 

平成28年度閉会中の民生常任委員会・第5回

秋祭りも最中の10月11日(火)、本年度第5回の閉会中の民生常任委員会が開催されました。所管事務調査及び所管部局報告、並びに所管の重要事項について協議がされました。

先ず、所管事務調査については、市が設置している高瀬南部子育て支援センター(旧高瀬南部保育所)の現地視察を行い、施設の状態を見学するとともに、利用状況について説明を受け確認した。子育て支援関係施策は市の主要事業であるため、施設の老朽化に対する検討と全体計画との整合性について、今後調査することとした。

次に、所管部局報告が「健康福祉部」と「環境部」から行われた。

「健康福祉部」

●介護ロボット等の補助事業の状況について   前回の9月定例会中の委員会における補正予算の説明について、補足説明があった。この事業に対し、県内67事業所が申請し国から採択の内示が下りている。市内事業所の動向は、2事業所のみの申請であったが、他事業所は先行導入した現場の様子を調査した後、導入の検討をしたいようだ、との報告があった。国の平成29年度の事業予定は未定だ。

「環境部」

●火葬場の運用について   南部火葬場稼働から半年が過ぎ、9月から月2回の休場日としており、事前に市広報誌等でお知らせしている。市民に対し、まだ休場日が十分浸透していないとのことなので、より一層広報に努める。

●山本財田斎場解体工事について   一般競争入札で、谷川工務店に1,400万円余で決定した。

●バイオマス資源化センター事業について   現在、弁護士と環境コンサルタント、中小企業診断士等を交え、契約書づくりを行っている。市とエコマスター、エビス紙料、パブリック、クリーンダストの5社による契約となる。日本初のシステム運用の契約書であり、作業を慎重に進めているため時間を要している。

●潟満地区処理施設機能強化工事について   指名競争入札で、カナックに1,790万円余で決定した。

●三観衛生組合し尿処理施設解体工事について   被害者全員と9月26日に補償契約が完了した。

終わりに、所管の重要事項については、市民からの強い要望でもある「ポイ捨て、不法投棄のパトロール強化や、環境美化、18分別徹底等に対する強化の徹底」として、より具体的に内容を詰めていくこととした。

以上で、平成28年度閉会中の民生常任委員会・第5回の報告を終わります。

 

 

平成28年9月定例会一般質問報告・2

前回に引き続き、平成28年9月定例会で行った、私の一般質問2件目の「県施設の避難場所指定について」の報告をします。

【質問】

三豊市総合防災マップ(平成27年3月作成)は、地震、津波、洪水、土砂災害、高潮、ため池氾濫、液状化等の市内全域の災害発生時状況が網羅されている。市の定める避難場所は、主に公共施設や小中学校で、その中には、ため池の下流域部に位置していたり、土砂災害の影響を受け、災害発生時点で、既に避難場所機能を失うことが予測されるところがある。

これらの地区内及び近隣には、県施設である県立高校があり、防災マップ上では安全なところに位置している。安心安全な施設であるにもかかわらず、避難場所に指定されていない。

県施設、県立高校の避難場所指定の可能性について問う。

【答弁】

市が指定している避難場所は75施設あり、立地条件によりすべての災害に対応しておらず、災害の種類によっては避難場所に適さない施設もある。例えば、海岸や河川沿い、急傾斜地、ため池等の危険性のあるところがある。

市内の県立高校2校は、各種災害に対して対応できる場所であり、避難所として施設規模ともに非常に適していると考えている。県立高校が、備蓄倉庫にも指定されており、被災時には物資の供給が行われることとなっている。

県の管理下にあるため、被災時の急を要する場合の対応等、十分な協議・調整、避難所としての運用計画が必要と考えている。県及び関係機関と協議・調整を行い、決定次第市民に連絡する。

 

一般質問報告を終わります。

 

平成28年9月定例会一般質問報告・1

平成28年9月定例会でおこなった私の一般質問は、「生涯学習と子育て支援及び就学前教育の連携について」と「県施設の避難場所指定について」の2件でした。

先ず、1件目の「生涯学習と子育て支援及び就学前教育の連携について」の報告をします。

【質問】

本年6月定例会の私の一般質問では、幼稚園の預かり保育の充実によって保育士不足を緩和することで、0~2歳児の待機児童対応ができないかを提案するとともに、この取り組みが子育て支援策の自治体間競争とは土俵を異にする、市独自の子育て支援及び幼児教育へ発展していく可能性について提案した。今回は、前回の提案をもとに、市民が自己の人格を磨き、豊かな人生を送るための生涯学習を生かすことによる、市独自の子育て支援と幼児教育の施策展開の可能性について、提案するとともに質問する。

教育基本法第3条の生涯学習の理念では、「国民一人ひとりが自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたってあらゆる機会にあらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない」と規定されている。生涯学習は、学習者自身の技能向上や人材育成につながり、中高年の社会参加などは地域社会の活性化につながる。それは、学習の成果を人のため、社会のために生かし、感謝され、三豊市民としての存在感を持つことで、豊かな人生を送ることができることで、市社会全体にとっても有意義なことだ。

生涯学習で得た知識や技能、感動を、子育て支援や幼児教育の場で生かすことで、保育士不足による待機児童問題を補うだけでなく、子育てに対して不安を抱いている保護者への支援や、将来市を担っていくアイデンティティ、多少何があってもへこたれない、このような素養を持った人間に育てるための三豊市型の幼児教育の実現につながっていくと考える。

その実現には、親や子の育ちに向けて人材を活用したり、施設の状況を把握し運営する人材が必要だ。これによって政策としての安心して子どもを産み育てる、心身ともに豊かな幼児教育のまち日本一を目指すことができると考える。子育て支援と就学前教育を包括し、マネージメントする市の組織としての専門担当の設置の考えを問う。

【答弁】

三豊市にとっての最大の課題は人口減少問題であり、特に子育て世代の人口減だ。流出を食い止め、いかに呼び込むのかが、将来の三豊市を大きく左右する最大の課題だ。そのためにも、子育て環境の整備は重要であり、あらゆる方面から子育てサポートの充実を図る施策の展開が必要であると考えている。

特に、祖父母から孫世代への情報伝達が希薄になり、地域コミュニティでの人間関係も希薄になったことから、子どもたちに人間の社会生活における知恵やコツが伝わりにくくなっている。指摘の通り、生涯学習で学んだ人と保育や幼児教育の現場での、横のつながりは重要だと考える。まちづくり推進隊の創設時のように、どこか1カ所から先行して試行してはどうかと考えている。

また、市の専門担当の設置については、例えば、まちづくり推進隊ができたのも、市役所内に地域振興課を設置したことが大きかったと考えているので、組織としてどのようにするのかを検討する。来年度は大きく施策提案したいと考えている。

 

平成28年9月定例会報告「補正予算関係と他議案」

平成28年9月定例会で審議された29議案の内、「平成27年度決算関係」以外の「補正予算関係と他議案」について報告します。

 

<補正予算関係>

【一般会計】

補正額は8億59,816千円で、補正後予算額は317億65,198千円となります。

「施設管理課」  621千円  宝山湖公園管理運営事業471千円他

「企画財政課」  6億34,866千円  基金管理事業6億34,000千円(積立金)、三豊中学校交付税配分866千円

「田園都市推進課」  705千円  公共施設再配置事業486千円他

「環境衛生課」  1億29,265千円  火葬場建設事業1億29,194千円他

「水処理課」  6,384千円  集落排水事業特別会計繰り出し金5,958千円他

「バイオマスタウン推進課」  3,651千円  バイオマスタウン資源化センター事業(事業モニタリング計画策定支援事業2,268千円、法律的支援指導業務1,383千円)

「健康課」  727千円  国民健康保険事業610千円(繰り出し金)他

「介護保険課」  12,252千円  介護保険事業特別会計繰り出し金10,399千円、地域介護・福祉空間施設整備事業1,853千円

「子育て支援課」  5,760千円  予防接種事業

「農業振興課」  862千円  有害鳥獣対策事業

「土地改良課」  1,830千円  土地改良施設維持管理費1,620千円他

「建設課」  27,900千円  市単独道路橋梁新設改良事業22,900千円、市管理河川維持事業5,000千円

「建築課」  9,872千円  空き家対策事業

「港湾水産課」  4,600千円  漁港管理費2,100千円、港湾管理費2,000千円他

「教育総務課」  18,988千円  教育総務管理事業(三豊市観音寺市学校組合負担金)

「生涯学習課」  4,005千円  公民館活動推進事業3,925千円(工事請負費等)他

「人権教育課」  1,296千円  集会所管理運営費(施設修繕料)

 

【特別会計】

8つの特別会計の補正額合計は1億28,003千円となり、補正後予算額は193億47,003千円とます。

①国民健康保険事業特別会計  3,658千円  補正後99億83,658千円

②国民健康保険診療所事業特別会計  4,699千円  補正後1億69,699千円

③後期高齢者医療事業特別会計  1,588千円  補正後9億35,588千円

④介護保険事業特別会計  1億8,039千円  補正後76億98,039千円

⑤介護サービス事業特別会計  138千円  補正後1億6,138千円

⑥集落排水事業特別会計  7,518千円  補正後1億99,518千円

⑦浄化槽整備推進事業特別会計  426千円  補正後2億31,426千円

⑧港湾整備事業特別会計  1,937千円  補正後22,937千円

 

【企業会計】

2つの企業会計はいづれも補正はありません。

 

<その他議案>

「議案第95号・96号  市道の路線認定について(北北浦線・詫間339号線)」  2路線とも認定された。

「議案第97号  財産の取得について(三豊市情報セキュリティ強靭化に係る機器)」  一般競争入札で(株)富士通四国インフォテックに78,679,800円で決定した。

「議案第98号  財産の取得について(雇用促進住宅)」  高瀬宿舎及び付属建物(鉄筋コンクリート造5階建て2棟・3,429.72㎡)を、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構から、38,391,300円で取得した。

 

以上で、平成28年9月定例会の報告を終わります。

平成28年9月定例会報告「平成27年度決算・2」

今回は、平成27年度決算における『財政健全化判断比率』についてお伝えします。

平成19年6月に制定された「地方公共団体の財政健全化に関する法律」(財政健全化法)に定められた、財政健全化を確認する指標は4つあります。平成27年度決算におけるそれらの指標は、次の通りです。

【①実質赤字比率】

標準財政規模に対して、一般会計の実質赤字を示すものです。赤字でないため「実質赤字なし」となっています。

【②連結実質赤字比率】

標準財政規模に対して、一般会計に特別会計及び公営企業会計を連結した実質赤字を示すものです。赤字でないため「連結実質赤字比率なし」となっています。

【③実質公債費比率】(3カ年平均)

①と②に加えて、一部事務組合や広域連合まで範囲を広げて、公債費の比率を示すものです。早期健全化基準25.0%に対し5.0%となっています。平成26年度が6.0%であったことから1.0%良化しています。要因は、分子にあたる元利償還金額が減額となったためです。

【④将来負担比率】

③に加えて、地方公社や第3セクターまで範囲を広げ、公債費や債務負担行為など将来に係る負担の比率を示すものです。早期健全化基準は350%となっています。平成26年度は負担比率がマイナス(-25.4)であったためポイント表示はありませんでしたが、平成27年度は16.5%のポイントが表示されました。要因は、分子にあたる地方債残高が増加したことに対して、分母にあたる起債償還にあてる基金の減少によります。

 

将来負担比率の悪化は、平成27年度に大型公共事業が集中したことにより、年度末に基金を取り崩し支払いに充てるための繰り替え運用が行われたためです。計画的な平準化された事業計画の重要性を感じています。