12月議会終わる

12月22日(金)、平成18年第4回 三豊市議会定例会が、18日間の会期を終了しました。
補正予算案として、一般会計2億6千438万円と、介護保険特別会計3億1千361万円が上程され、原案通り可決されました。
これによって、補整後の一般会計は286億4千942万円となり、また、介護保険特別会計は、55億7千20万円となりました。
特に介護保険特別会計の増額は、本年制度改正されたことによって、居宅サービスの種類が増加したことが主な要因となっています。
会期中に追加提案された「下高瀬小学校の工事請負契約」は、入札業者選定をホームページを含めた公募によって募集し、応募の中から、経営評価審査点や年間取扱高などの制限をもうけ選定されました。
入札は、11の企業及び共同企業体の参加による、制限付き一般競争入札で行われ、「菅・富士・神詫建設共同企業体」が落札業者となりました。
契約金額7億3千80万円(税込み)は、設計価格に対する落札率72.89パーセントであり、三豊市の地元建設業者の意地と存在感を感じさせる結果となりました。
同じく追加提案された「三豊市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例」は、賛成が3分の2を要する特別採決で、議長を含む全議員30人中賛成24・反対6で可決されました。
条例の内容は、「三豊市豊中町本山甲22番地」を「同本山甲201番地1」に改めるものです。
この背景には、本山甲22番地である寿電子跡地の商業用地転用の問題があり、また、本庁舎と支所のあり方を含めた三豊市のまちづくりの大きな課題を孕んでいます。
質疑で、近藤久志議員から思慮深い発言があり、条例改正後においても三豊市のまちづくりの上で、忘れてはならない重要点であると気づかされました。
”条例の改正前は、庁舎建設の目的のために三豊市土地開発公社が特定用地として代行保有していることとなっている。しかし、改正後は、その縛りが無いために、土地販売契約や業者決定など、土地開発公社の裁量となり、議会承認は法的に必要性が無くなる。議会への、まちづくりプランの提案や承認・報告を見ないまま、誘致が進められることから、民意を反映しない方向になる可能性がある。業者選定、まちづくりプランの提示と跡地活用プランを議会に説明、報告、契約、承認がなければならない。本案は、市民と議会と市が一体となったまちづくりをすることにおいて、非常に重要な意味を持っている。改正後、議会と今後どのように土地利用協議を行う方針か。”
といったものでした。真に良識の高いご意見であると思うと共に、多面的な議論の必要性を痛感したのでした。
私は、議論を尽くせば尽くすほどにいろんな側面が見えてくると思っています。
適切なときに適切な決断を下すことに、なんら吝かではありません。しかし、先に結論有りの大勢が強ければ強いほどに見失う問題点と抜け落ちる議論はあると思っています。(戦前の日本のように)
この信念に従い、同じ思いのある同僚議員と共に ”閉会中の継続審査を求める動議” を発しました。
23対6で動議は否決され、その後当条例案の採決となり、三豊市の本庁舎の位置は現豊中庁舎と決しました。
議会の限られた時間の中での、可能な限りの議論によって、「大型商業施設に限定せず幅広い業種を対象とすることや、執行部と議会による選考委員会を設け協議し選定したい」の変更を引き出せたのは、議会としてのぎりぎりの役割の結末でした。
まさにこれからが、寿電子跡地を核にした三豊市のまちづくりの幕開けになるのだと感じています。

クリーンセンターについて

三豊市議会12月定例会が、12月5日から22日の18日間の会期で開会中です。
三豊市の本庁舎の位置と定められている、「香川松下寿電子工業跡地」の商業用地転用の問題で、時間を費やし、お知らせが遅くなりました。
本庁舎の問題とあわせ、今三豊市・観音寺市広域組合の新クリーンセンター建設が、大きな問題として突きつけられています。
この件について、12月12日の、三豊市議会議員全員による全員協議会で、今まで報告されずに進められて来た、幾つかの資料が提示されました。
三豊市山本町にある、現クリーンセンターについては、この場の6月3日の「施設視察」で紹介しています通り、手をかけずに使用できる期間も過ぎ、又、山本町の地元住民との約束の期限も残り6年程となり、新クリーンセンターの建設地の決定と、事業開始の了解が早期に求められています。
平成11年より始まった候補地の選定は、旧高瀬町の原下工業団地や、旧三野町の汐木山の断念後、観音寺市にお任せ(丸投げ)状態でした。
いずれは結論を出さねばならないのに、ほったらかしだったこの問題が、今、この時期に何故、緊急案件として浮上してきたのかということです。
観音寺市による、この間の検討交渉の結果、観音寺市粟井町・奥谷地区を、最終候補地とし地元との条件交渉を年明けから開始するに当たり、今年内までに三豊市の了解を得たいとの打診があったことによります。
ところが、「新クリーンセンター建設について」の詳細な説明は、これまで(旧1市9町時代も含め)ほとんど無く、観音寺・三豊の両市民はもとより、両市議会にも、広域組合議会にすら知らされていなかったのが実情でした。
新クリーンセンターの概算事業費(156t/日の能力の焼却施設の場合)
「建設費」
(焼却施設)       110億円
(敷地造成と進入路)   11億3千6百万円
(委託料:設計・管理)   1億6千万円 
         合計 122億9千6百万円
「運転経費」
(施設運営管理費と起債償還)   
15年間の年間経費は10~15億円で、その合計は200億円を超え、更に、起債償還終了後の16年目以降も9億円あまりの施設運営管理費が毎年予測されています。
「保証費」
(アクセス道路・奥谷地区・逆瀬池土地改良区・粟井地区) 予測される額は、16億7千万円で、工事費を含む総事業費は26億円程と見込まれています。
この広域事業に対する、三豊市の負担金額は、人口比から「施設費」60億円、「運転経費」15年目までは年間5~8億円で、16年目以降は毎年5億円程が考えられます。
三豊市には溶融炉建設と発想の根底を異にする、焼却ゴミを可能な限り減量化する「ゴミ0作戦」が計画されています。
三豊市の方針として、観音寺市に対し、今回の建設案への同意は、三豊市議会としては難しいとの意向を伝えると共に、三豊・観音寺地域全体としての、ゴミの減量化に対する取り組みを再考してはどうかとの提案をすることとなりました。

パートナーシップ構築について

三豊市が発足して一年になろうとしています。
18年度は7町からの持ち寄った継続事業を引き継ぐ形での予算となっています。
現実の三豊市財政は、合併前の協議会で議論・想定していた以上に悲惨な状況となっていました。
今までのような、当然と思っていた多くの公共サービスを、行政に求めることの限界を誰もが受け入れなくてはならない状況にもなっています。
12月5日(火)三豊市豊中町保健センターセミナールームにおいて、「特定非営利活動法人 香川ボランティア・NPOネットワーク」の声掛けによる、市民参加の”協働によるまちづくり”を考える情報交換会が開かれました。
”公共事業は、お役所がするものだという時代は終わりつつあります”の問題提起で、”三豊市におけるパートナーシップ構築について”のテーマで進められました。
行政・民間企業・NPO法人・金融機関の皆さんの参加で、それぞれの抱える問題や相互理解を深めるための質問や意見が出されました。
これまでの、公共事業イコール行政の仕事の考えを変え、自らに必要なサービスを市民や民間事業者・NPO・地域(コミュニティ)を中心にして、自らの手でつくり支えていく時代になっているということです。
参加者の皆さんの遣り取りの中で、パートナーシップとはいろんな主体と、その連携があることに気づかされました。
そして、かつて取り組みたいと考えていてすっかり忘れてしまっていた(恥ずかしいことです)、コミュニティファンドを思い出させてくれました。
これまでの日本社会は、経済力による税収と国民からの借金によって、できる限りの公共事業(サービス)を施してきました。
たとえば、日常生活の中にある火災や事故・病などは、いつ誰の身に降りかかるかは知れませんし、必ず誰かがどこかで被る緊急事態です。そのときのために、行政が税金で常に仕組みと機能を維持管理しているのです。
ところが、経済失速による税収の低迷とあわせ、未曾有の自然災害(大地震など)が予想される中で、それに対応する完全な備えまでも、行政がすべて担えるのかといえば、そうはゆきません。
そのための常備経費は膨大な税金がつぎ込まれなくてはなりませんし、有事に本当に役に立つのかに大きな疑問が想像できます。
それを補うためには、税金で支えられる制度以外の、公共サービスに向けられる資金と機能・組織の考え方が必要となります。
有事に本当に機能する、地域に根ざしたボランティアネットワークを育て支えるための資金の運用です。
これが、私が考えるところの「コミュニティファンド」の発想の原点でした。
三豊市を支えるボランティア・NPOのネットワークによる、パートナーシップの構築は、”協働のまちづくり”をめざして、今始まったところです。

寿工芸跡地の商業用地転用について

今、三豊市の本庁舎の位置であり、新庁舎建設予定地と定められている、寿工芸跡地の商業用地転用の話が持ち上がっています。
12月6日(火)夜、三豊市豊中町JA本山支店において、豊中町内の自治会長に対する説明会が行われました。
横山市長より、「世論」と「中期財政計画」と「まちづくり」の観点から、10年間の内(合併特例債適用期間)には、本庁舎の建設は実現性がないことが決定的となった旨の説明がありました。
時間と多くの税金を費やした、7町による合併協議会で決定した、合併協定項目の重要事項を白紙撤回するということです。
寿工芸跡地は68.000平方メートル(20.000坪)で、現在までの投資額は約14億円であり、坪当たり70.000円となっています。
様々な調査検討の結果、
工業用地ならば、坪50.000円迄でないと償却できない。
宅地の場合は、小さな区画割と道路や共有スペース確保が求められるため、市場価格に合わない。
結局商業施設への利活用が最も適合するとのことで、今回の提案となったのだということでした。
この商業用地転用案が何故急ぐのかは、大店法3法の改正による時限が迫っていることによります。
大型ショッピングモールが誘致できれば、雇用の場ができ、税収が増え、人や物の動きが活発になり流出している消費を三豊市内にくい止めることが、できるのだということです。
そのことによって、まちの活性化につながり、三豊市民の信頼感、絆、連帯感が強まり、市の一体感ができ、市民が一つになって「まちづくり」に取り組んで行く形ができるのだということでした。
この件は、三豊市議会12月定例会の一般質問(12/11)で質問します。

人権・同和教育研究大会

「人の世に 熱と光を」を合言葉に、第58回全国人権・同和教育研究大会が、お隣の県愛媛県松山市で12月2日と3日盛大に開催され、教育民生常任委員長である私も参加させていただきました。
開会にあたり加戸愛媛県知事と中村松山市長の歓迎の挨拶があり、県と市を挙げた取り組みであることが充分に伝わると共に、お二方のお話の上手なことに思わず時を忘れたのでした。我に返ったとき、知らず知らずの内に、私たちの県のその立場にある方々のそれと比べている自分がありました。
こんな言葉と、こんなメッセージの波に追われる県民・市民は、ビッグウエーブに乗った伝説のサーファーのように幸せなのだろうなと思ってしまったのでした。
開会全大会が終わり、九つの分科会とその中で分けられた31の分散会に別れ、教育研究会が始まりました。
私は、社会教育部会の「人権確立をめざす文化創造」を分科会テーマとする第9分科会の中の、第1分散会に参加しました。
この分科会は、文化をキーワードとして、「部落問題をはじめとするあらゆる人権問題の解決をめざす文化創造・活動をどのようにすすめているか」を、研究することを求めていました。
二日間を通じ、三つの活動の報告がされました。
一日目は一件で、愛媛県西条市の プロジェクト2008 の池田さんの「人権劇」に取り組め仲間たちの活動の報告でした。
二日目は二件あり、一件目は、島根県江津市の教育委員会人権教育課の二又さんの、竹細工名人たちとの交流で学んだ「誇りうる伝統工芸とともに! ~師匠と言われる人たち~」の報告でした。
二件目は、大阪府豊中市豊中人権まちづくりセンター保育所の八木さんの、人形劇を創ってゆく中で気づいた「差別はおかしいと感じ 仲間と共に立ち向かう力を持てる子に!おとなに!」の報告でした。
いずれの報告も飾りや偽りのない、思いのたこもった心に染み入るものでした。
報告者の誰もが共通に語っていたのは、 「誰かを変えようという肩に力の入った取り組みから、ある時に、自分の中にある差別の心に気づく。実は自分を変えるためにあったのだ」 ということでした。
被差別の現実に学び、厳しい出会いを経験し、明るい明日のあることを伝えてゆきたい、ということであり、更にこの取り組みに、若者が参加してゆく中で、楽しいだけではなく思いを共有したいと思うようになったとの体験談は、「文化」の持つ力を感じたのでした。
今回初めての経験の研究大会は、新たな気づきの大切さを思い起こさせてくれました。
「差別は、ほうっておくと無くなりません。しかし、無くそうと努力すればなくなると信じています。」との発言は、私にとって日々の一つ一つの言動に、連動スパークする不思議な衝撃と共感でした。
部落差別の「現実」と、「真実」を伝えることによって、思いが本当に伝わることを体験し、着実に取り組み続けることの重要さを感じたのでした。

中田横浜市長 高松に来る

「横浜市長である私が、何故選挙区民でもない四国・高松の皆さんの前で講演をするのか。当然、物事には経緯と主旨があります。」
誰もが抱く疑問に対し、この言葉から始まったこの講演会は、「万縁の会」四国懇談会の主催による、横浜市長である中田宏氏の特別講演会でした。
11月26日(日)、香川県社会福祉総合センターで、「横浜版ニッポン再構築」のテーマで開かれました。
松下政経塾で学び、20代で国会議員になり三期務めました。その間いつも考えていたことがありました。そもそも国会議員は何のために、何をするためにあるのかと言うことでした。
私は、政治を機能するために政治家になったはずでした。政治を機能するとは”適切なことを適切なときに決定する”ということです。
様々なアイデアや、考え、想いが国民の皆さんの中にあります。それを汲み上げ、決定してゆくことだと思っています。愚痴と不満を言うだけではだめだ、いやだ、ということなのです。
よく、政治にはお金が掛かりますかと聞かれます。
政治活動をするには、適正な経費は必要です。しかし、おにぎりの中に「一万円札」を仕込むようなお金は必要ありません。お金は特別なことには掛かりませんが、当たり前のことには掛かります。
ですから、政治活動費の得方が問題なのです。
企業や、一人の支持者に偏るととうしてもそちらに引きずられ、政策や判断がぶれてしまいます。
そうならないためにも、広く多くの皆さんから少しずつ援助を頂きたいと言うことです。
私は、政治家です。選挙区の人のためだけに止まるのではなく、すべての人のためにあるのだと思っています。ですから、選挙区だけに止まるのはやめようと決めました。
今、ここにいるのもそのためです。
横浜市は政令市政都市で、3兆5千億円の予算規模です。
この横浜というまちで、何のために市長をしているのかと言うことですが、人口360万人の大都市の市長となって、日本にとって必要なことを横浜の中でやってゆこう、日本の行く末を創ってゆこうと考えているからです。「日本社会にとって、役立つモデルを創ってゆく」ことなのです。
これを支えるのは、有権者がどのような視点を待って行政に向かうのかが、重要なことだと思っています。有権者が利口にならなくてはならないということです。
「万縁の会」のお誘いで、ここにお集まりの皆さんが良心と見識の源であると感謝しています。
今、子どもに係わる悲惨な事件が発生しています。
事件を防ぎ教育を建て直し、福祉を充実することはやらねばならないことです。
すでに様々な政策が取られています。お金だけがあれば、できるのかといえばそうではありません。
しかし、経済的基盤があってこそできることが沢山あります。
ですから、経済の活性化はとても重要なのです。
日本を取り巻く負の要因として、外的には”物を作っても輸出できない”、内的には”人口減少社会”があります。これを変えるために行われているのが構造改革や政策議論なのです。
これから求められる方向は、付加価値をつけた経済を営むための方向転換をしながら、人口減少を止める政策を採らなければならないということです。
横浜市も、税収が最盛期から700億円減の6.200億円となり、社会福祉費は1.200億円増えているのです。
そして、職員数は一般職が3万人、教育関係が2万人の計5万人いるのです。
現実をわきまえて、工夫し何をやってゆくのかが問われているのです。
特殊勤務手当てを一端ゼロにして、本当に必要なものだけを再度復活しました。
それから、水道事業ですが、これからは一人当たりの水道収入が増えることはありません。人口が増えることもありません。そして、料金を値上げすることもできません。
このことを前提に水道事業を組み立てなくてはならないのです。
この方針の結果、横浜市の水道事業は80億円の累積赤字から、150億円の累積黒字になったのです。
「持続可能な仕組みにしてゆく」。これは、歳入の増えない時代にサービスの低下を起さないようにするといyことなのです。
更に、敬老バス(パス)の70億円の事業の見直しがあります。この見直しは、この事業を引き続き継続するために見直すのです。所得に応じた負担も求められると考えています。
ゴミを減らすための「G30計画」を推進しています。ゴミを30パーセント減らすというものです。
職員からは最初、すべての市民に伝えることは不可能だといわれました。それでは時間をかけて伝えましょう。2年間をかけて伝えましょうということにしました。平成17年4月から、ゴミの分別を開始しました。
行動すれば市民は賢くなるのです。
できると信じて行動すると、34パーセントのゴミの量が減ったのです。
この成果によって、ゴミ焼却炉に費やす経費1.100億円と、毎年の維持費30億円が削減できるのです。
市の中で、工夫をして色々やってきました。公共とはどうあるべきかを考え、そした変えてきました。
そのなかで確信したことは、公共サービスイコール行政サービスではないということです。
更に言うと、行政が責任を負うということと、行政自身がやるということは違うということです。
この思いの実現を、全人格をかけて、そして理屈・感情のすべてをかけて対峙し取り組むことを覚悟しています。
何故やるのかは、ただ生き恥をさらしたくない!その一念です。
だから、今を一生懸命やりたいと思っているのです。
青インクの万年筆で思いを認めていたなら、涙で文字が滲んでいたでしょう。
ブログでそんな偽りのない思いを伝えることのできる表現方法ががあればいいのにと思っています。
中田宏さん、ありがとうございました。あなたはすごい。あなたは生きている。

自治体病院経営セミナー

11月22日と23日の二日間、近藤久志議員と共に東京の都道府県会館で開催された「地方議員のための自治体病院経営セミナー」へ行ってきました。
お二方の講師の講演がありました。
お一人は、夕張市立総合病院の再建に、アドバイザーとして係わっている、城西大学経営学部助教授 伊関友伸氏で、もうお一方は、社会保険病院の経営改革を進めてきた、全国社会保険協会連合会理事長であり、医療研修推進財団理事の伊藤雅治氏でした。
伊藤氏のお話も興味深く、参考になることも多かったのですが、三豊市に近いテーマとして伊関氏の講演の報告をします。
「夕張市立総合病院の経営破綻とその再生」のお話でした。
今、200床あった病床を171にし、250人いた職員を今年中に100人にする計画が進められ、様々な改革が取り組まれています。
(概要)
決算    :医業収益 15億1千6百万円
        医業費用 18億6千百万円
        医業収支比率 82.9パーセント
        他会計繰入金 1億2千百万円
        
診療科目 :内科・整形外科・皮膚科・泌尿器科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科・リハビリテーション科・歯科・透析室(外科・小児科は医師不在のため当面休診)
病床数   :171床(一般 131床 ・ 療養 40床)
職員数   :正職員 107人、臨時職員51人、非常勤職員13人
当病院は、破綻した夕張市の市立病院であり、市の破綻と同様、当病院も倒産自治体病院という状況になった。
夕張市の破綻への経緯の話から入る。
最盛期には24か所あった炭鉱が次々と閉山し、12万人いた人口が13.600人にまで激減した。
その間に、観光振興に取り組んだが次々と失敗した。
負債の多くは「一時借入金」(276億円)が占め、15年ほど前から単年度決算を「黒字」にするために、前年度決算を整理する「出納整理期間」(4月1日~5月31日)に一時借り入れを毎年行い、決算上の収支不足を補っていた。しかし、長期の地方債より金利が高く、借り換えを繰り返すうちに借金が膨らんだ。
この結果、市の実質負債は500億円を超え、標準財政規模である約45億円の10倍以上となった。
夕張市は、財政再建団体の指定を受け、再建の緒に付いたところである。
夕張市立総合病院は、毎年3億円程の実質的な赤字で、金融機関からの一時借り入れ金で賄っていた。又、累積欠損金の解消を目指し、負担金積算額を超える金額を市の一般会計から繰入していた。
累積赤字は39.4億円になっており、市の破綻と共に病院も資金ショートし、倒産病院という状況になった。
夕張市の異常に大きな額の一時借入金は、地方公営企業法の趣旨を逸脱しており、本来病院事業に資金投入すべきを怠り、観光事業などに投資してきたことの市の責任は重大である。
一時借入金の問題は夕張市だけの問題ではない。
市立病院を持つ全国の700ほどの自治体(事業体)にも、一時借入金を行い病院を維持しているところが相当数ある。
健全な自治体病院経営のために、不当な一時借入金をやめるための経営改革をやらなくてはならない。
官から民への一つの方法である指定管理者制度を導入し、公設民営を目ざす中で、人件費の削減や診療科目の整理(特化・専門化)、医師不在の解消を図ってゆくことも一つの方法である。
最後に、早くことの重大さに気づき、現実から目をそらさず取り組むべきです。財政再建団体になってからでは遅いのです。再建への自己裁量権を奪われて取り組まなくてわならない改革と、自らの力と決断で取り組む再生とは、比較にならないほどの違いがあるのは誰もがわかっていることです。皆さんのまちの首長に、この決断を促し推進してゆくのは、議会の皆さんの責任でもあるのですから。
三豊市に置き換えればどうか?市民の皆さんに本当に求められる市立病院の実現に向け、着実に積み上げてゆかなくてはならないのは勿論です。これからの活動の足がかりとなったと思います。

第2回三豊市豊中地域審議会

地域審議会が、順次旧7町で開かれています。
11月21日(火)は、豊中で開かれ傍聴に行ってまいりました。
市から清水助役はじめ、本庁の関係部課長及び豊中支所の幹部職員の出席で、松内会長の進行で行われました。
議題は、三豊市の現状と課題についてで、3点提案されていました。
1)行政改革について
何故、行政改革が緊急且つ重要問題なのかの説明がされました。
*肥大化した組織と職員の整理と削減
先ず、組織については、職員を四割も残したような7支所と、旧町の役職を引き継いだ細分化した課が必要なのか。
次に、職員数については、940人の職員がおり、普通会計785人(内教育関係234人)、特別会計155人の内訳となっている。普通会計で類似団体より250人多い。特に教育施設の職員が多く、施設の整理統合が求められる。
*少子高齢化の進行
少年人口の減少が大きな問題だ。約8.000人程で三豊市人口の11.5パーセントである。それに対し高齢者は、20.000にんで28パーセントを占めている。
*自主財源の低迷
自主財源額は103億円ほどで、予算規模280億円の36.8パーセントでしかなく、他市に比べて低い。
*遊休化した施設の増加
維持経費は活用しなくても発生する。多様な柔軟な利活用の対応が急がれる。
2)情報伝達システムの整備について
必ず来るといわれる南海大地震に対する備えは、急を要する説明がされました。
現在、詫間・高瀬は防災無線。三野・山本はオフトーク通信。豊中・財田は有線放送。そして仁尾はケーブルテレビとなっている。三豊市は防災無線で統一を計りたい。
18年・19年度で基本実施計画を、20・21年度で工事を行い22年度から使用開始を考えている。
事業費の財源は、合併特例債を使用したい。
3)コミュニティーバスについて
「先手の福祉」の政策の一つの事業として位置づけているとの説明がされました。
路線の運行基準を厳格に定め、市民に必要とされ市民に支えられる運営を目指してゆきたい。
最後に、  行政改革は目的ではありません。市民に真に必要なサービスのために、最少の経費で最大の効果を追求しようとするためのものです。
三豊市総合計画を「基本構想」「基本計画」「実施計画」へと具現化し、行政・市民・民間団体が共に助けあって、誇り高き三豊市創造への挑戦をしようではありませんか。  と締めくくられました。
その他で、委員の一人から三豊市本庁建設予定地である寿工芸跡地の商業施設への転用の質問がだされました。
助役より、財政と地域経済活性のためにまさに今調査検討をしているとの返答がありました。
今、刻々と動いている様々な出来事に対し、私自身一歩引いた場所で客観的に物事を見ることの重要さを再認識したのでした。

11月の教育民生常任委員会

11月21日、議会閉会中の調査研究のための常任委員会が開かれました。
多くの協議題の内、協議題1.「宗吉瓦窯跡整備計画の変更について」は、文化庁への補助金返還も関係するため、横山市長と清水助役の出席とまりました。
協議題として、
1.「宗吉瓦窯跡整備計画の変更について」
市長より、財政的観点と利用頻度や維持管理費の面から、計画を縮小変更したいとの説明がされました。
6割程度できているが、残りの計画が本当に必要な施設であるのか総合的に判断したい。
計画の変更でプラスアルファーの予算増が予測されるが、維持管理費でメリットがあると判断している。
県の歴史関係施設の維持管理費が極端に高い例や、市民の利用頻度の予測からも維持経費は抑えたい。
利用目的は、歴史だけではなく子どもの地域教育にも活用する。
年間維持費は一千万円を越えると予測されるため、三豊市の特産品や地場産業との連携による地域振興にも活用したい。
これらの説明に対し、先の議会において三木議員の一般質問で当初計画どおり進めると答弁しているとともに、補助金返還という大きな問題でもあり、計画変更は周辺地域住民への充分な説明が欠かせないとの意見が出た。
委員会として、現状と今後の方向を確認しました。
2.「学校施設の空調環境整備の方針について」
岩倉教育長より (1)空調環境整備と指導方針について (2)高瀬中学校での使用について (3)幼稚園、小学校への対応についてが説明されました。
自然環境の変化によって、真夏などは教室内温度が異常な高温となり、学びやすい教育環境とは言いがたい状況になっている。又県下中学校の学力比較において、当市の中学校は県平均を下回っており、その傾向は学校間格差と学年が進むにつれて開いている。
授業時間の確保として、長期休暇(夏休み・冬休み)の補習授業や、地域の実態に副った特色ある取り組みを検討し、三豊市の教育の実現につないでゆきたい。(夏休みを短くする・2学期制など)
高瀬中学校の使用は、19年度予算の兼ね合いもあるが他の5市立中学校の事業の整備が整った段階にあわせた使用開始としたい。観音寺市との学校組合である三豊中学校については、これからの調整となる。
幼稚園・小学校の普通教室への整備は、教育の観点から考えていない。
3.「学童保育について」
三豊市の現状と今後の方針について説明がされました。
旧7町で異なる運営形態を19年度より統一するために調整中である。
今後は、豊中町の公設民営で進めてゆく方針である。
ただし、公設民営のウイークポイントである指導者の収入と待遇は、国県の補助に市で上乗せをし安定雇用できるよう支援する方針である。
4.「詫間中学校体育館の改築について」
平面図による建設計画の説明がされました。
昭和41年建設の体育館に変わり、18年度基本計画をし、19年度より本格的な用地買収交渉に入る。
5.「ノーテレビデイについて」
教育長より説明が去れました。
世界的な調査結果から、日本の子どものテレビ視聴率が世界一長く、手伝いの時間が世界一短いことが判った。
文部科学省では、「早寝、早起き、朝ごはん」を国民運動としようとしている。
三豊市として、11月23日から”ノーテレビデー”を実施する。これを「23が60運動」とする。毎月23日の週に、家族の会話を増すとともにテレビを見ずに、60分以上読書をしようというものだ。
市民運動にまで高めたいと考えている。
6.「食育への取り組みについて」
健康福祉部より、取り組みの現状と今後の見通しについて説明されました。
先手の福祉の施策の一つに位置づけている。
医療費・国保・介護など230億円になる費用を抑えることに”食育”は重要である。
市においては、保健課・学校教育課・農林水産課の三課による打合せを行った。11月22日県の説明会があり、アクションプランや健康増進計画を研究し、三豊市型”食育”に取り組んで行く方向である。
7.「三豊市生活排水処理施設整備計画の策定について」
市民部水処理課より説明がありました。
三豊市合併の初年度である本年は、全県の生活排水処理基本構想の5年に一度の見直しの年になっている。
平成19年度から10年間の「三豊市としての生活排水処理構想(生活排水処理施設整備計画)」の新規策定中である。
三豊市には、三つの処理制度がある。”農業集落排水”と合併処理浄化槽として”市設置型”と”個人設置型”である。
今後の方向として、地域特性、住民意識、財政見通し、費用便益性などの検討から”個人設置型浄化槽”整備へ移行する。
この日の協議は概ね以上です。
当委員会として12月初旬に、竣工し机などの備品のそろった高瀬中学校の見学に行く予定です。
尚、今後のテーマとして、 教育施設の統合 市立病院の民営化 障害者福祉計画(地域生活支援サービス等) ゴミ0作戦 など考えています。 

三豊市豊中町教育懇談会

11月17日夜、旧豊中町内の幼稚園と小学校、中学校のPTA会長(役員)と園長・校長・教頭先生並びに、行政から西村教育委員と高井豊中教育事務所長、そして豊中選挙区選出議員出席による教育懇談会が行われました。
合併までの旧豊中町時代の昨年までも、年に1回学校教育の現場の要望や意見・研究成果を聞く目的で、教育協議会が行われていましたが、行政主導によるものでした。
今回の教育懇談会は、合併によって三豊市全体ではあまりにも大人数になってしまい充分な情報交換や意思の疎通が図れないとの心配から、教育の現場からの提案で準備されてきたものです。
ちょうど19年度の予算編成の時期にあたり、事務経費の極端な削減が提示されており、すべての校長先生から悲痛な意見が聞かれました。
事実、平成19年度の三豊市予算編成方針においては、「事務費など庁費については、平成18年度当初予算額の60パーセント以内に抑制する」とあり、教育の現場である学校は消耗品(コピー用紙やテスト印刷用紙等)すら確保できない状況が生まれようとしています。
教育環境の充実を目指して全中学校の空調設備整備が計画されようとしています。この件は別の日にテーマとしたいと考えていますが、この大きな予算額の投資との比較において、消耗品の極端な削減はあまりにも歪な感じがしてしようがありません。
こんなところにも、教育現場からゆとりを奪う原因があるのだと感じるとともに、先生方のおかれている立場と心の状態が見えたように感じたのでした。