会派清風会の行政視察研修報告・1

10月4日(火)から6日(木)の3日間、三豊市議会会派清風会の行政視察研修に参加しました。訪問先は、長野県伊那市役所と栃木県佐野市「認定こども園 あかみ幼稚園」、東京都衆議院会館大野敬太郎事務所、都内のNPOふるさと回帰支援センターの4か所です。

1件目の訪問先である、伊那市「子育て支援策について」の研修報告をします。

長野県伊那市は、平成18年に旧伊那市を含む3市町村が合併し、人口7万余、面積667.8k㎡で県内第3位となり誕生しました。中央・南両アルプスに抱かれ、天竜川・三峰川の扇状平野に町並みが形成され、古くから歴史の舞台として登場するとともに、豊かな自然と共存し栄えてきました。現在の伊那市は、本来の自然と、自然とともにある、持続可能な循環型のくらしを今も「実感」できる場所として、「日本一子育てしやすいまち」であると評価されています。

 

「子育て世代にぴったりな田舎部門」2年連続日本一の評価をいただいている。なぜ「日本一子育てしやすいまち」なのか?自己分析すると、<子育てのしやすさ> <価値ある取り組み>が認められている結果ではないかと考えている。

<子育てのしやすさ>  子育て世帯に対する市営住宅の家賃の軽減制度、総合病院や産科・小児科の立地、出産祝金の支給や保育料の軽減、子どもの医療費補助、高校生の通学費補助など、子育て支援て支援策が充実している。

<価値ある取り組み>  「自然や遊びの中から学ぶ保育」や小中学校での「暮らしのなかの食」など、伊那市でしか体験できない価値のある取り組みが高い評価を受けている。

この評価を支えているのは、【切れ目のない子育て”支援”と”環境”の充実】を目指してつくられた事業の数々だ。

『切れ目のない支援策』  ●産前・産後サポート:ハッピーバースデー講座(両親学級)、妊婦さん訪問・赤ちゃん訪問、助産師による育児・母乳相談への助成、ママヘルプサービス、小児科・産科・助産所の多様なサポート ●子育て支援センター:育児の悩みには、保健師、助産師、栄養士、歯科衛生士などが対応して子どもの成長を一緒に支える ●オリジナル出生届:伊那中央病院、菜の花マタニティクリニックで発行 ●ウッドスタート・ブックスタート:地元木工職人がつくった木のおもちゃ一つと絵本を一冊プレゼント ●保育料の減免:多子世帯の軽減、ひとり親世帯の軽減、3歳以上の延長保育料を半額 ●出産祝金:過疎地域への若者の定住促進や人口増対策のため祝い金を支給。旧町村地域は第1市から、その他の地域は第3子以降から ●ファミリー・サポート・センター:地域の中で子育ての助け合いを有償で行う ●福祉医療給付金:子どもの医療費負担を軽減するための医療費の助成

『充実した子育て環境』  ●遊びの中から学ぶ保育:保育園では、自ら面白がる、試してみたがるなど、意欲を持って行動できる子どもを「がるがるっ子」と名付け、自ら遊ぶ(学ぶ)力を育むために、地域の豊かな自然体験を活かし、遊びの中から学ぶ保育に取り組んでいる ●シンボルツリー:保育園に植えられている親しみのある木で遊び、四季を感じる体験を積み上げ、知恵や意欲を育てる ●園庭の芝生化:芝生の上を裸足で走り回れる園庭づくりを計画的に進める

次に、市が抱える課題を資源と捉え取り込むことで、まちの抱える課題解決に結び付けようする事業を紹介する。

市営住宅を活用した〔子育て支援「子育て住まいる事業」〕は、市の課題である市営住宅の空き住戸対策と子育て支援策の両方がかみ合った、複合施策となっている。始めは、市営住宅の空き住戸を少しでも解消したいと計画した。家賃を1~2割程度値下げしたが、既存入居者は喜んだが新規入居には効果がなかった。そのため、本年(平成28年度)4月より子育て世代の入居推進に焦点を当てた「子育て住まいる事業」に着手した。 ①子育て世代、若者世代の入居要件緩和 ②子育て世帯の家賃2割軽減  するものだ。

事業概要と目的は、(1)旧2町村の過疎対策として、市営住宅(その他住宅)を活用し子育て世帯を誘導することにより活性化を図る (2)子育て世帯の入居の要件緩和をすることにより、入居者を増やし空き住戸の解消を図る (3)子育て世帯に対し、家賃を減額し生活支援を行う

事業内容は、①子育て(若者)世帯の入居要件の引き下げ ●対象世帯:中学生以下の子どもの要る世帯 また 入居者と同居者のいずれもが40歳未満の世帯 ●内容:子育て(若者)世帯の入居所得要件を「月額123,000円以上」に基準を引き下げる(一般世帯は月額158,000円以上)  ②子育て世帯の家賃軽減 ●対象世帯:中学生以下の子どものいる世帯 ●内容:家賃を2割軽減 ●軽減期間:平成28年4月から平成33年3月まで(5年間)

本年(平成28年)4月の事業開始からまだ7か月の結果だが、すでに18世帯の入居があり、退去世帯を差し引いても14戸の空き住戸が解消している。前年度の同時期(入居9、退去8で解消1)と比較してもその効果は鮮明だ。

 

伊那市の取り組みは、自らの住む地域の魅力や特性を自らが知ることで事業展開する、まさにこれこそが政策というに、相応しいものです。私が会長を務める、三豊市子ども会育成連絡協議会では、昨年度より組織と活動内容を大幅に見直し改革してきました。本年度より市が所有する自然豊かな公園を舞台にした、新たな催しの事業を企画し実施しています。このような関わり方から、三豊市型の【切れ目のない子育て”支援”と”環境”の充実】に貢献できるものと信じています。

三豊市の掲げる「子育てするなら三豊が一番」の重点施策も、私たち自らがわがまちをより深く、より広く知り、より強く愛することで、ここにあるものすべてを資源と捉えることから進めていくことの大切さを再認識した研修でした。

「教育カウンセラー養成講座 愛媛会場」 第1回講座

NPO日本教育カウンセラー協会に所属する愛媛県教育カウンセラー協会が主催の、「2016年教育カウンセラー養成講座 愛媛会場 応用コース」研修が、松山市総合コミュニティーセンターで開催されています。10月23日(日)と29日(土)、30日(日)の3日間で、いずれの日も講座は9:30~16:30の、1日6時間ぎっしりの受講となります。

第1回講座は、高知大学教育学部准教授 金山元春先生による 《ブリーフカウンセリング「解決志向アプローチ」~心地よい人間関係とより良き未来を築くためのコツ~》

第2回講座は、新見公立短期大学幼児教育学科教授 住本克彦先生による 《対話のある授業~「いのちを育てる関わり方」指導者に必要なカウンセリング能力とは~》

第3回講座は、聖徳大学児童学科教授 鈴木由美先生による 《チーム援助~日常に生かせるやさしい支援のあり方~》

 

10月23日(日)の第1回講座の報告をします。《ブリーフカウンセリング「解決志向アプローチ」~心地よい人間関係とより良き未来を築くためのコツ~》金山元春 高知大学教育研究部人文社会科学系教育学部門准教授

 

そもそも「カウンセリング」とは、人生で誰もが取り組む課題を解決していくのを援助する営みで、これは人間関係の営みだといえる。だから、カウンセリングについて学ぶことは、人間関係について学ぶことだ。人間関係は相互作用なので、こちらが「ものの見方」を変えて、コミュニケーションを工夫することで、人間関係に変化が生まれてくる。

いろんな「ものの見方」があるが、これまでの視点とはことなる角度で見ることから始めよう。そのためには、いつもと違う「メガネ」をかけてみることだ。それは、自分の関心を解決や未来に向けてみることだ。これを「解決志向アプローチ」と呼ぶ。ブリーフセラピー(ブリーフカウンセリング)の一種とされている(ブリーフ:効率的、効果的)。解決志向もひとつの「ものの見方」なので、全てが「正しい」というわけではない。しかし、課題解決のためのひとつの方法であるといえる。役に立つ、いつもと違う色「メガネ」として使ってほしい。

より良き未来を築くために、「メガネ」を通して内外の資源(リソース)を探してみることだ。手に入れたい未来の実現に役立つものは何でもリソースだ。「内的リソース(自助資源)」と「外的リソース(援助資源)」がある。課題に関係する人たちのもちあじや、すでにあるものに注目し、それらを生かしてみる。方法として、「未来像(解決像)からのトップダウン方式」と「リソースからのボトムアップ方式」がある。これまでの主流の考え方は、問題の原因探しとその解決に視点を置いているが、「解決志向アプローチ」はいろいろな原因の中に見方や発想の転換をはかり、良いものを見つけ「リソース」とし、より良き未来を築こうとするものだ。

「解決志向アプローチ」の前提となる「ものの見方」は、①うまくいっているなら、それを続けよう。 ②一度うまくいったなら、またそれをしよう。 ③うまくいっていないなら、ちがうことをしよう。 である。これが役立つ前提として、㋐変化は必然である。小さな変化が大きな変化を生む(さざなみ効果)。 ㋑「問題」について知るよりも、「解決」について知る方が役に立つ。 ㋒誰もが自身の人生の「専門家」(母親は親として、先生は教育者として、同級生は友達として・・・)、「解決」のためのリソースを有している。 ということだ。

「解決志向アプローチ」が提案する役に立つ技法の一部を紹介する。

1.「未来」の質問  (例)「その代わりにどうなれば良いですか?」「その問題が解決されると今と何が変わりますか?」 *未来へ思いを飛ばすために「ミラクル・クエスチョン」や「タイムマシン・クエスチョン」がある。「奇跡が起きて問題が解決したとします・・・」や「タイムマシンに乗って十年後のあなたをみたとき・・・」など、奇抜でおもしろい質問もある。

2.「例外」探し  (例)「少しでもましだったとき(うまく対処できたとき)について教えてください」「それが一部でもすでにかなっているときや、それに近いときはありませんか?」

3.成功の責任追及  (例)「そうすることがよいとどうやって気付いたのですか?」「何か心がけたことがありますか?」「どんな工夫をしたのか、教えていただけませんか?」

4.OKメッセージ(コンプリメント)=リソースのフィードバック  (例)「へー↑」「なるほど↑」「そうですかぁ↑」「すばらしいですね」「よかったですね」「ありがとうございます」「うれしいです」「たすかります」

5.「ものさし」の質問(スケーリング・クエスチョン)  (例)「まったくダメなのが1、けっこういい感じが10として、今はどのくらいですか?」~「(6という答えに)6あるのは何があってですか?」「(6という答えに)7になったときには何がちがっていますか?」

6.「対処」の質問(コーピング・クエスチョン)  (例)「(・・・にもかかわらず)そんな大変な状況をどうやった切り抜けたんですか?」「これまでにはどんなふうに対処してきたのですか?」

7.最後のおみやげ  ①「行動」提案 (例)「もうすでに○○や○○ができていることがわかりました。とてもすばらしい工夫だと思います。そこで、またそれを試してみてもらえますか。」 ②「観察」の提案=「例外」の観察を提案する (例)少しでもましだったとき(うまく対処できた時)を覚えておいて、次に会ったときに教えてください。それがこれからどうすればよいのかのヒントになりますから。」

「解決志向アプローチ」には、2本のアンテナを常に立てておくことが大切だ。人の行動には「良いところ」と「良くないところ」がある。 「良いところ」は、OKメッセージを伝えよう。●ほめる:使うとき注意がいる。上から目線になりかねず、ユーメッセージにとられるかもしれない。●勇気づけ:ありがとう、たすかる、うれしいなどアイメッセージなので受け入れられやすい。●認める:存在を認める。 「良くないところ」は、対決メッセージを伝えよう。●状況を説明する。●気持ちを伝える。●選択させるよう提案する。

ブルーフカウンセリング「解決志向アプローチ」になれるには時間がかかる。右利きの人が左手でやるようなものだからだ。一段高いところ(メタポジション)からの視点で、常にリソースを見つけようと習慣化してほしい。そうしていく中で、技法が身につきより良き未来を築くためのリソースのすり合わせができていくと思う。最初に人間関係は相互作用だという話をした。この意味を最もうまく表現しているのは、ミスターチルドレンの「彩」という曲だ。すべてはつながり変化し続けているのだ。

 

第1回講座の報告を終わります。

国道11号線の拡幅事業

国が進めている『国道11号豊中観音寺拡幅事業』計画は、三豊市側の太郎坊池東交差点から観音寺側の植田町原交差点までの、延長4.6㎞となっています。平成23年度から三豊市土地開発公社が国より委託を受け、用地取得業務を行ってきました。本年平成28年度で6年目となっています。

事業計画は、4工区に分け進められており、これまで2工区1.3㎞の全部(さぬき豊中I.C.~ゆめタウンの2-1、ゆめタウン~本山歩道橋の2-2)と、3工区1.0㎞の一部(本山歩道橋~宮川交差点3-1)を用地買収重点区間として、用地取得してきました。進捗率は、契約ベースで70%となっています。本年度(平成28年度)市民の皆さんの目に、事業が進んでいるという実感が伝わる形で、現場工事が始まることとなりました。

具体的な工事計画は、「平成28年度上高野地区改良第1期工事」として延長440m、「平成28年度上高野地区改良第2期工事」として延長730mの着工を行います。工事完了後の来年度(平成29年度)に舗装工事の予定です。

今後の事業計画(予定)は、国土交通省HPでも明確な計画は示されておらず、不透明な状況ですが、平成29年度は、これまで用地取得できていない箇所の交渉を、三豊市土地開発公社が委託を受け継続していくこととなっています。

三豊市議会議会報告会で市民の皆さんから、予定がわからないことによる不安と憤りにも似た焦燥感の質問をいただいていました。現時点で確認できる情報はお伝えできますが、事業の今後の全体計画が不明なため、納得にいくようなお答えができない状況にあります。

今後とも、最新の情報を入手次第市民の皆さんへお伝えしていきます。

国道11号線豊中観音寺拡幅

 

平成28年度閉会中の民生常任委員会・第5回

秋祭りも最中の10月11日(火)、本年度第5回の閉会中の民生常任委員会が開催されました。所管事務調査及び所管部局報告、並びに所管の重要事項について協議がされました。

先ず、所管事務調査については、市が設置している高瀬南部子育て支援センター(旧高瀬南部保育所)の現地視察を行い、施設の状態を見学するとともに、利用状況について説明を受け確認した。子育て支援関係施策は市の主要事業であるため、施設の老朽化に対する検討と全体計画との整合性について、今後調査することとした。

次に、所管部局報告が「健康福祉部」と「環境部」から行われた。

「健康福祉部」

●介護ロボット等の補助事業の状況について   前回の9月定例会中の委員会における補正予算の説明について、補足説明があった。この事業に対し、県内67事業所が申請し国から採択の内示が下りている。市内事業所の動向は、2事業所のみの申請であったが、他事業所は先行導入した現場の様子を調査した後、導入の検討をしたいようだ、との報告があった。国の平成29年度の事業予定は未定だ。

「環境部」

●火葬場の運用について   南部火葬場稼働から半年が過ぎ、9月から月2回の休場日としており、事前に市広報誌等でお知らせしている。市民に対し、まだ休場日が十分浸透していないとのことなので、より一層広報に努める。

●山本財田斎場解体工事について   一般競争入札で、谷川工務店に1,400万円余で決定した。

●バイオマス資源化センター事業について   現在、弁護士と環境コンサルタント、中小企業診断士等を交え、契約書づくりを行っている。市とエコマスター、エビス紙料、パブリック、クリーンダストの5社による契約となる。日本初のシステム運用の契約書であり、作業を慎重に進めているため時間を要している。

●潟満地区処理施設機能強化工事について   指名競争入札で、カナックに1,790万円余で決定した。

●三観衛生組合し尿処理施設解体工事について   被害者全員と9月26日に補償契約が完了した。

終わりに、所管の重要事項については、市民からの強い要望でもある「ポイ捨て、不法投棄のパトロール強化や、環境美化、18分別徹底等に対する強化の徹底」として、より具体的に内容を詰めていくこととした。

以上で、平成28年度閉会中の民生常任委員会・第5回の報告を終わります。

 

 

平成28年9月定例会一般質問報告・2

前回に引き続き、平成28年9月定例会で行った、私の一般質問2件目の「県施設の避難場所指定について」の報告をします。

【質問】

三豊市総合防災マップ(平成27年3月作成)は、地震、津波、洪水、土砂災害、高潮、ため池氾濫、液状化等の市内全域の災害発生時状況が網羅されている。市の定める避難場所は、主に公共施設や小中学校で、その中には、ため池の下流域部に位置していたり、土砂災害の影響を受け、災害発生時点で、既に避難場所機能を失うことが予測されるところがある。

これらの地区内及び近隣には、県施設である県立高校があり、防災マップ上では安全なところに位置している。安心安全な施設であるにもかかわらず、避難場所に指定されていない。

県施設、県立高校の避難場所指定の可能性について問う。

【答弁】

市が指定している避難場所は75施設あり、立地条件によりすべての災害に対応しておらず、災害の種類によっては避難場所に適さない施設もある。例えば、海岸や河川沿い、急傾斜地、ため池等の危険性のあるところがある。

市内の県立高校2校は、各種災害に対して対応できる場所であり、避難所として施設規模ともに非常に適していると考えている。県立高校が、備蓄倉庫にも指定されており、被災時には物資の供給が行われることとなっている。

県の管理下にあるため、被災時の急を要する場合の対応等、十分な協議・調整、避難所としての運用計画が必要と考えている。県及び関係機関と協議・調整を行い、決定次第市民に連絡する。

 

一般質問報告を終わります。

 

平成28年9月定例会一般質問報告・1

平成28年9月定例会でおこなった私の一般質問は、「生涯学習と子育て支援及び就学前教育の連携について」と「県施設の避難場所指定について」の2件でした。

先ず、1件目の「生涯学習と子育て支援及び就学前教育の連携について」の報告をします。

【質問】

本年6月定例会の私の一般質問では、幼稚園の預かり保育の充実によって保育士不足を緩和することで、0~2歳児の待機児童対応ができないかを提案するとともに、この取り組みが子育て支援策の自治体間競争とは土俵を異にする、市独自の子育て支援及び幼児教育へ発展していく可能性について提案した。今回は、前回の提案をもとに、市民が自己の人格を磨き、豊かな人生を送るための生涯学習を生かすことによる、市独自の子育て支援と幼児教育の施策展開の可能性について、提案するとともに質問する。

教育基本法第3条の生涯学習の理念では、「国民一人ひとりが自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたってあらゆる機会にあらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない」と規定されている。生涯学習は、学習者自身の技能向上や人材育成につながり、中高年の社会参加などは地域社会の活性化につながる。それは、学習の成果を人のため、社会のために生かし、感謝され、三豊市民としての存在感を持つことで、豊かな人生を送ることができることで、市社会全体にとっても有意義なことだ。

生涯学習で得た知識や技能、感動を、子育て支援や幼児教育の場で生かすことで、保育士不足による待機児童問題を補うだけでなく、子育てに対して不安を抱いている保護者への支援や、将来市を担っていくアイデンティティ、多少何があってもへこたれない、このような素養を持った人間に育てるための三豊市型の幼児教育の実現につながっていくと考える。

その実現には、親や子の育ちに向けて人材を活用したり、施設の状況を把握し運営する人材が必要だ。これによって政策としての安心して子どもを産み育てる、心身ともに豊かな幼児教育のまち日本一を目指すことができると考える。子育て支援と就学前教育を包括し、マネージメントする市の組織としての専門担当の設置の考えを問う。

【答弁】

三豊市にとっての最大の課題は人口減少問題であり、特に子育て世代の人口減だ。流出を食い止め、いかに呼び込むのかが、将来の三豊市を大きく左右する最大の課題だ。そのためにも、子育て環境の整備は重要であり、あらゆる方面から子育てサポートの充実を図る施策の展開が必要であると考えている。

特に、祖父母から孫世代への情報伝達が希薄になり、地域コミュニティでの人間関係も希薄になったことから、子どもたちに人間の社会生活における知恵やコツが伝わりにくくなっている。指摘の通り、生涯学習で学んだ人と保育や幼児教育の現場での、横のつながりは重要だと考える。まちづくり推進隊の創設時のように、どこか1カ所から先行して試行してはどうかと考えている。

また、市の専門担当の設置については、例えば、まちづくり推進隊ができたのも、市役所内に地域振興課を設置したことが大きかったと考えているので、組織としてどのようにするのかを検討する。来年度は大きく施策提案したいと考えている。

 

平成28年9月定例会報告「補正予算関係と他議案」

平成28年9月定例会で審議された29議案の内、「平成27年度決算関係」以外の「補正予算関係と他議案」について報告します。

 

<補正予算関係>

【一般会計】

補正額は8億59,816千円で、補正後予算額は317億65,198千円となります。

「施設管理課」  621千円  宝山湖公園管理運営事業471千円他

「企画財政課」  6億34,866千円  基金管理事業6億34,000千円(積立金)、三豊中学校交付税配分866千円

「田園都市推進課」  705千円  公共施設再配置事業486千円他

「環境衛生課」  1億29,265千円  火葬場建設事業1億29,194千円他

「水処理課」  6,384千円  集落排水事業特別会計繰り出し金5,958千円他

「バイオマスタウン推進課」  3,651千円  バイオマスタウン資源化センター事業(事業モニタリング計画策定支援事業2,268千円、法律的支援指導業務1,383千円)

「健康課」  727千円  国民健康保険事業610千円(繰り出し金)他

「介護保険課」  12,252千円  介護保険事業特別会計繰り出し金10,399千円、地域介護・福祉空間施設整備事業1,853千円

「子育て支援課」  5,760千円  予防接種事業

「農業振興課」  862千円  有害鳥獣対策事業

「土地改良課」  1,830千円  土地改良施設維持管理費1,620千円他

「建設課」  27,900千円  市単独道路橋梁新設改良事業22,900千円、市管理河川維持事業5,000千円

「建築課」  9,872千円  空き家対策事業

「港湾水産課」  4,600千円  漁港管理費2,100千円、港湾管理費2,000千円他

「教育総務課」  18,988千円  教育総務管理事業(三豊市観音寺市学校組合負担金)

「生涯学習課」  4,005千円  公民館活動推進事業3,925千円(工事請負費等)他

「人権教育課」  1,296千円  集会所管理運営費(施設修繕料)

 

【特別会計】

8つの特別会計の補正額合計は1億28,003千円となり、補正後予算額は193億47,003千円とます。

①国民健康保険事業特別会計  3,658千円  補正後99億83,658千円

②国民健康保険診療所事業特別会計  4,699千円  補正後1億69,699千円

③後期高齢者医療事業特別会計  1,588千円  補正後9億35,588千円

④介護保険事業特別会計  1億8,039千円  補正後76億98,039千円

⑤介護サービス事業特別会計  138千円  補正後1億6,138千円

⑥集落排水事業特別会計  7,518千円  補正後1億99,518千円

⑦浄化槽整備推進事業特別会計  426千円  補正後2億31,426千円

⑧港湾整備事業特別会計  1,937千円  補正後22,937千円

 

【企業会計】

2つの企業会計はいづれも補正はありません。

 

<その他議案>

「議案第95号・96号  市道の路線認定について(北北浦線・詫間339号線)」  2路線とも認定された。

「議案第97号  財産の取得について(三豊市情報セキュリティ強靭化に係る機器)」  一般競争入札で(株)富士通四国インフォテックに78,679,800円で決定した。

「議案第98号  財産の取得について(雇用促進住宅)」  高瀬宿舎及び付属建物(鉄筋コンクリート造5階建て2棟・3,429.72㎡)を、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構から、38,391,300円で取得した。

 

以上で、平成28年9月定例会の報告を終わります。

平成28年9月定例会報告「平成27年度決算・2」

今回は、平成27年度決算における『財政健全化判断比率』についてお伝えします。

平成19年6月に制定された「地方公共団体の財政健全化に関する法律」(財政健全化法)に定められた、財政健全化を確認する指標は4つあります。平成27年度決算におけるそれらの指標は、次の通りです。

【①実質赤字比率】

標準財政規模に対して、一般会計の実質赤字を示すものです。赤字でないため「実質赤字なし」となっています。

【②連結実質赤字比率】

標準財政規模に対して、一般会計に特別会計及び公営企業会計を連結した実質赤字を示すものです。赤字でないため「連結実質赤字比率なし」となっています。

【③実質公債費比率】(3カ年平均)

①と②に加えて、一部事務組合や広域連合まで範囲を広げて、公債費の比率を示すものです。早期健全化基準25.0%に対し5.0%となっています。平成26年度が6.0%であったことから1.0%良化しています。要因は、分子にあたる元利償還金額が減額となったためです。

【④将来負担比率】

③に加えて、地方公社や第3セクターまで範囲を広げ、公債費や債務負担行為など将来に係る負担の比率を示すものです。早期健全化基準は350%となっています。平成26年度は負担比率がマイナス(-25.4)であったためポイント表示はありませんでしたが、平成27年度は16.5%のポイントが表示されました。要因は、分子にあたる地方債残高が増加したことに対して、分母にあたる起債償還にあてる基金の減少によります。

 

将来負担比率の悪化は、平成27年度に大型公共事業が集中したことにより、年度末に基金を取り崩し支払いに充てるための繰り替え運用が行われたためです。計画的な平準化された事業計画の重要性を感じています。

 

平成28年9月定例会報告「平成27年度決算・1」

平成28年9月27日(火)に、9月1日(木)から開会していた三豊市議会9月定例会が、平成27年度決算及び本年度補正予算他、29議案を可決し27日間の会期を終え閉会しました。

今回の報告は、平成27年度決算のパート1です。

決算規模並びに収支状況は、一般会計が歳入399億10,260,968円で、歳出は380億76,338,456円となっており、差し引き額は18億33,922,514円です。また、特別会計が歳入186億4,258,126円で歳出は183億74,628,728円で、差引額は2億29,629,398円となっています。よって、一般会計と特別会計の歳入合計は585億14,519,094円で、歳出合計は564億50,967,182円で、その差引合計は20億63,551,912円の黒字決算となっています。また、翌年度へ繰り越すべき財源5億16,710,000円を差し引いた実質収支額は、15億46,841,912円の黒字となります。実質収支額の内訳は、一般会計が13億17,212,514円、特別会計が2億29,629,398円です。

次に、財政状況についてお伝えします。

「実質収支比率」  標準財政規模208億16,306千円に対する実質収支額13億17,213千円の割合は、6.3%となっている。(財政運営の健全性を判断するための指標で、3~5%が望ましいと考えられている)

「経常収支比率」  経常一般財源額199億58,188千円に対する経常経費充当一般財源177億64,580千円の割合は85.2%となっている。(財源構造の弾力性を判断するための指標で、充当割合は70~80%が望ましいと考えられている)

「財政力指数」  基準財政需要額148億15,892千円に対する基準財政収入額71億48,832千円の割合は0.49の指数となっている。(財政力の強弱を判断するための3カ年平均で表す指標で、1に近い方が強いとされている)

 

次回は、「平成27年度決算・2」の財政健全化判断比率についてお伝えします。

 

 

 

9月定例会開会中の民生常任委員会(報告事項)

平成28年9月1日に開会された三豊市議会9月定例会は、一般質問が終わり常任委員会審査が開催されており、13日(火)に民生常任委員会が開催されました。委員会に付託された案件は、補正予算関係のみで審査が行われ、他、所管課から報告事項が説明されました。

一般会計の関係部分と所管の7つの特別会計の8議案は、全て原案可決となりました。議会最終日に委員長から審査報告がされ、他の委員会付託議案とともに、全議員による採決が行われることとなります。

今回は、報告事項についてお伝えします。

「健康福祉部」

(1)RAN伴(ラントモ)2016について   認知症の理解と啓蒙活動として、北海道から沖縄県の4000キロを、認知症の人とともにタスキをつなぐ列島リレーとして行われている。今年で6回目だが、今回初めて四国が加わり、10月23日(日)にタスキ渡しのセレモニーを庁舎前で行う。

(2)子ども・子育て会議について   第15回三豊市子ども・子育て会議で、私立保育所開設における確認がされた。社会福祉法人花みずき福祉会が、豊中町に平成29年4月1日に開園する。名称を『芽実花(めみか)保育園』とし、生後3か月~5歳児の60名定員となる。利用定員の予定は、3号認定の0歳:6名、1・2歳:24名で、2号認定の3~5歳:30名。

(3)平成29年度保育所入所申込みについて  申込期間は、平成28年10月17日(月)~11月10日(木)で、各保育所または子育て支援課で受け付ける。公立保育所10所(内1所は民間へ運営委託)、私立保育所1所、小規模保育事業所1所で、定員合計は1,152人の予定。

(4)平成28年度臨時福祉給付金について  消費税率引き上げによる影響を緩和するため、所得の少ない方(対象者数:14,000人)に対し、一人3,000円が支給される。また、賃金引上げの恩恵が及びにくい所得の少ない障害基礎年金または遺族基礎年金の受給者(対象者数:430人)に対し、一人30,000円の「障害・遺族基礎年金受給者向け給付金」が支給される。申請受付期間は10月3日~平成29年2月3日まで。

「環境部」

(1)三豊市北部火葬場について  造成工事の入札があり、横田産業に38,000千円余で決定した。

(2)バイオマス資源化センター事業について  本年11月からの試験運転及び平成29年4月本格稼働に向け、工事が計画通り進んでいる。

(3)三観衛生組合し尿処理施設解体工事について  本年10月完了の工期で進んでいる。事故の対する補償交渉も、おおむね良好に進められている。

 

以上で、報告事項に関する、議会開会中の民生常任委員会の報告を終わります。