9月議会が閉会しました・2

平成27年9月議会で可決した補正予算の報告をします。

すでに報告済みの「議案第88号 専決処分を求めることについて〔平成27年度三豊市一般会計補正予算(第2号)〕で歳入歳出ともに予算総額は359億49,194千円となっています。これに対して補正額9億99,426千円を追加し、一般会計の予算総額は369億48,620千円となりました。歳出の内訳の主なものは次の通りです。

【総務部】

●人事課 ▲36,802千円 人事異動による職員給与の減  ●管財課 15,233千円 本庁管理事業、支所管理事業他  ●施設管理課 13,840千円 たからだの里管理事業、たかせ天然温泉管理基金事業他

【政策部】

●企画財政課 6億39,991千円 基金管理事業他  ●産業政策課 4,035千円 産業政策一般管理事業

【市民部】

●市民課 8,928千円 戸籍住民基本台帳事業

【健康福祉部】

●健康課 17,844千円 老人医療業務費、保健衛生費一般事業他  ●介護保険課 6,715千円 介護保険事業特別会計繰り出し金  ●福祉課 30,938千円 障害者福祉一般、生活保護総務費他  ●子育て支援課 52,732千円 児童手当支給事業、児童扶養手当支給事業、子ども子育て支援新制度運営事業、すこやか子ども基金事業、保育士確保・待機児童等対策事業、放課後児童クラブ運営事業他

【建設経済部】

●農業振興課 4,564千円 耕作放棄地再生対策事業他  ●土地改良課 35,474千円 農地・農業用施設災害復旧事業  ●建設課 1億6,699千円 新設小学校周辺道路橋梁改良事業、市単独道路橋梁新設改良事業、市道維持管理事業、公共土木災害復旧事業  ●港湾水産課 51,857千円 漁港管理費、漁港施設災害復旧事業、港湾施設災害復旧事業他

【教育委員会】

●学校教育課 51,484千円 スクールバス事業

 

次に、特別会計の補正予算です。

「国民健康保険事業特別会計」 ▲54,693千円 補正後予算額は101億45,307千円

「国民健康保険診療所事業特別会計」 11,540千円  総予算額1億76,540千円

「後期高齢者医療事業特別会計」 9,426千円 総予算額9億31,426千円

「介護保険事業特別会計」 1億48,944千円 総予算額75億1,587千円

「介護サービス事業特別会計」 ▲3,247千円 総予算額1億2,753千円

「集落排水事業特別会計」 8千円 総予算額2億7,008千円

「浄化槽整備推進事業特別会計」 174千円 総予算額 2億31,174千円

「港湾整備事業特別会計」 1,557千円 総予算額21,557千円

よって、一般会計と8つの特別会計の合計総額は、562億65,972千円となっています。

 

以上で、平成27年の9月議会の報告を終わります。

9月議会が閉会しました・1

9月3日(木)に開会した三豊市議会9月議会が、30日間の会期を終えて、10月2日(金)に閉会しました。平成26年度決算関係は、既に報告済みです。今回から、条例改正等と平成27年度補正予算の議案について報告します。

3つの常任委員会に付託されていた議案について、各常任委員長から審査結果が報告され、全議案可決承認されました。

「議案第88号 専決処分の承認を求めることについて〔平成27年度三豊市一般会計補正予算(第2号)〕」   台風11号による被害に対し、速やかな災害復旧に対応するため。29,651千円を追加し、予算総額を359億49,194千円とする。

「議案第109号 三豊市個人情報保護条例の一部改正について」   マイナンバー制度施行にともない、11ケタの個人番号を含む個人情報を、『特定個人ファイル』とするとともに、その取扱いを定める。

「議案第110号 三豊市手数料条例の一部改正について」   マイナンバー制施行にともないナンバー交付の手数料を定める。通知カード再交付手数料500円、個人番号カード800円。

「議案第111号 三観広域行政組合の共同処理する事務の変更及び三観広域行政組合規約の一部変更について」   一旦県へ返金するため廃止した『ふるさと振興基金』を、再受け入れするため共同処理する事業に加える。

「議案第112号 動産の買い入れについて〔三豊市新学校給食センター(南部地区)配送車〕   配送車7台を一般競争入札により、60,480,000円で香川日産自動車(株)観音寺店へ。

「議案第113号 動産の買い入れについて〔三豊市新学校給食センター(南部地区)厨房備品・消耗品〕   厨房備品・消耗品を一般競争入札により、56,160,000円で四国厨房製造(株)へ。

「議案第114号・115号・116号 市道の路線認定と路線変更について」   2路線認定、1路線変更。

「議案第117号・118号 人権擁護委員候補者の推薦について」   詫間町と仁尾町の2名。

次回は、補正予算の報告をします。

 

平成26年度財政健全化判断比率

前回に続いて、平成26年度の決算に関係する指標の報告をします。

平成19年6月に制定された「地方公共団体の財政健全化に関する法律」(財政健全化法)に定められた、財政健全化を確認する指標は4つあります。平成26年度決算におけるその指標は、次の通りです。

【①実質赤字比率】

標準財政規模に対して、一般会計の実質赤字を示すものです。赤字でないため「実質赤字なし」となっています。

【②連結実質赤字比率】

標準財政規模に対して、一般会計に特別会計及び公営企業会計を連結した実質赤字を示すものです。赤字でないため「連結実質赤字なし」となっています。

【③実質公債比率】(3ヶ年平均)

①と②に加えて、一部事務組合や広域連合まで範囲を広げて、公債費の比率を示すものです。早期健全化基準25.0%に対し6.0%となっています。平成25年度が7.1%であったことから1.1%良化しています。

【④将来負担比率】

③に加えて、地方公社や第三セクターまで範囲を広げ、公債費や債務負担行為など将来に係る負担の比率を示すものです。早期健全化基準は350%となっていますが、負担比率はマイナスとなっているため、ポイント表示はありません。

③の実質公債比率の指標の良化は、4つの指標算出に共通して分母にあたる標準財政規模が、平成25年度は206億54,046千円であったのが、平成26年度は207億84,333千円と大きくなっていることと、分子にあたる公債費の元利償還金が減少したことと交付税措置される元利償還金の増加によります。昨年度(平成26年度)より、本格的に公共施設整備事業が着手されており、実質的な財政負担が今後大きくなってくると考えられ、これまで以上に財政健全化比率に注視していかなくてはならないと思っています。

以上で、平成26年度決算関係の報告を終わります。

平成26年度決算認定

9月議会の会期中に開催が予定されていた、平成26年度決算を審査する決算特別委員会が、9月17日(木)、18日(金)、24日(木)の質問と質疑を経て、28日(月)全議案を可決承認し終了しました。

一般会計は、予算現額361億88,821、000円に対し、歳入329億99,123,748円、歳出309億87,675,295円となっており、歳入歳出差引額は20億11,448,453円となっています。また、8つの特別会計全体は、予算現額184億96,286,000円に対し、歳入182億25,748,122円、歳出179億80,971,285円となっており、歳入歳出差引額は2億44,776,837円となっています。

一般会計と特別会計の合計による歳入歳出間の決算収支は、歳入決算額512億24,871,870円から歳出決算額489億68,646,580円を差し引き、22億56,225,290円となります。この中から翌年度へ繰り越すべき財源の7億22,375,000円を差し引き、実質収支額は15億33,850,290円の黒字となっています。なお、実質収支額の内訳は、一般会計が13億89,073,453円で、特別会計が2億44,776,837円となっています。

次に、2つの地方公営企業会計です。

水道会計の「経営成績」は、総収益19億12,082,107円です。総費用は16億64,107,084円です。差引2億47,975,023円の純利益となっています。また、「財政状況」は、【資産】の合計は152億59,531,381円で、固定資産126億61,967,558円と流動試算25億97,563,823円です。【負債】の総額は58億61,557,723円で、固定負債39億97,802,099円、流動負債5億78,774,946円、繰延収益12億84,980,678円となっています。【資本】の総額は93億97,973,658円で、資本金65億43,362,106円、剰余金28億54,611,552円となっています。負債及び資産の合計は、資産と同額の152億59,531,381円です。

病院事業会計の2つの市立病院の決算は、先ず、●永康病院の「経営成績」は総収益15億16,455,259円に対し総費用16億07,837,758円で、差し引き91,382,499円の純損失となります。「財政状況」は、【資産】は22億47,601,602円です。【負債】は4億83,140,513円です。【資本】は17億64,461,089円です。負債及び資本の合計は、資産と同額の22億47,601,602円です。決算認定にあたり議会として、地方公営企業法に対し違法と認められる処理がったため、健全経営のために経営及び管理の強化を要請する付帯決議を行いました。●香川西病院の「経営成績」は総収益2億27,101,069円に対し総費用1億84,255,940円で、差し引き48,845,129円の純利益となっています。「財政状況」は、【資産】は21億93,264,357円です。【負債】は12億20,751,032円です。【資本】は9億72,513,325円です。負債及び資本の合計は、資産と同額の21億93,264,357円です。

以上、決算の概要の報告を終わります。

 

 

子ども会とライフスキル教育

三豊市子ども会育成連絡協議会は、三豊市の誕生と併せ発足し10年になるとともに、私が会長となって8年目を迎えています。前任者から引き継いだ行事をこれまで継続してきました。この間、このままでよいのか?もっとやるべきことがあるのではないのか?何とかしなくては?といった、焦りにも近い不安感を引きずり続けていました。そして、子ども会活動の本来の目的と役割を、見える形で表現するすべを悶々と模索し続けてもいました。たまたまですが、今年は地方創生元年といわれています。この機運に便乗し、三豊市に相応しい子ども会を目指し、改革を進めようとしています。

9月15日(火)に開催された、本年度3回目の三豊市子ども会育成連絡協議会 役員・理事会で、私の子ども会に対する考えをお話させていただきました。

 

全国の各地で豪雨や火山の噴火等の天変地異が続発しています。私たちの住むこの地域はなんと安全で安心なところなのだろうとありがたく思います。しかし、そのことで逆に危機や危険に対する心の備えが疎かになっているのではないかと感じています。その証拠に、全国で交通事故数・死亡者数ワーストワンがあります。安全安心であるがゆえに危機管理と危険予知能力が欠如しているからだと考えられます。

子ども会の目的は 『地域で子どもを育てる』 ことです。地域の中で地域の人とともに取り組む子ども会活動をとおして、創造力や危険予知能力、コミュニケーション力などの‟生きる力”を養っていくのです。子ども会活動は、いなよく言われる‟ライフスキル教育”そのものだといえます。私は、子ども会活動は‟生きる力”を養う 幹 であり、学力は 生きる技を身に着ける 枝 であると考えています。

このまちの自然や風土に相応しい子ども会を育成すべく改革していかなくてはなりません。子ども会活動に「やらされ感」があったのでは、子どもも保護者も、地域にとっても不幸です。楽しく活動していたら、気が付けばたくましく成長していたと喜んでいただける、子ども会にしなくてはなりません。たくさんの率直なご意見をお聞かせいただき、ともに変えていきましょう。

 

市内の全ての子ども会の指導者に皆さんにアンケートをお願いします。一歩踏み出します。

 

県社会教育委員連絡協議会総会・研修会

30日間の会期で9月3日(木)に開会した三豊市議会9月定例議会は、8日(火)~10日(木)の3日間の一般質問を終えました。14日(月)からは3日間の予定で、3常任委員会が随時開催されます。この谷間を縫って、9月11日(金)に、高松市の香川県社会福祉総合センターで開催された、平成27年度香川県社会教育委員連絡協議会総会・研修会に出席しました。

会長が、これまで5期10年務めてこられた香川大学教授の清國先生から、今年度より同じく時岡先生に代わることとなりました。清國先生には、三豊市子ども会育成連絡協議会の活動に対し、指導者育成研修会等の講師をしていただくなど、何かとご助言をいただいてきました。ありがとうございました。今後とも社会教育の発展にお力添えいただけますようお願いしたいと思います。

研修会では、担当事務局の小西先生から 『社会教育委員ハンドブック━ みわ~く 2 ━』 を資料にして、「地域教育プラットフォームを支える かがわ の社会教育団体」の講話がありました。

県内で青少年の健全育成に関わる社会教育団体は、主なものとして ①一般社団法人香川県子ども会育成連絡協議会 ②日本ボーイスカウト香川連盟 ③ガールスカウト香川県連盟 ④香川県スポーツ少年団 ⑤日本宇宙少年団香川小惑星分団 ⑥おやじの会 ⑦青年団(会) の7つあり、それぞれが確かな活動方針で大いに活躍し、成果を上げてきたようだ。しかし、いずれの団体も少子化による会(団)員の減少によって、団体間の会(団)員の獲得競争に陥っている。今後の活動の在り方を模索しているのが現状だ。

との報告があり、社会教育団体のおかれている現状を、共通理解することができたと思います。

私が会長を務める三豊市子ども会育成連絡協議会も、過渡期を迎えています。保護者も含めた地域社会の中において、「子ども会活動とは何か?」 「そもそもなぜ子ども会なのか?」 がわからない状況にあり、保護者の中には「やらされ感」が漂っているように感じてなりませんでした。誰もが通らないと大人になることのない貴重な子ども期を、豊かで充実した【時】とできるよう強力に改善する必要性を強く感じた研修会でした。

 

三豊市子ども会育成連絡協議会は、解散的出直しの覚悟をもって、子ども会改革に着手し始めました。9月15日(火)に開催される役員・理事会で一歩踏み出します。

 

 

総務教育常任委員会行政視察研修 報告・4

総務教育常任委員会行政視察研修の報告の最後となる4件目は、8月21日(金)午前に訪問した石川県白山市における、「地産地消推進計画・食育」についてです。

 

白山市は、平成17年2月1日に松任市、美川町、鶴来町、河内村、尾口村、白峰村の8市町村による新設合併で誕生した。石川県加賀地方の中央にあり、金沢市の南西部に位置している人口112,000人余、面積754.93㎢で、白山国立公園や手取川、日本海など、海岸部から山間部まで山・川・海の豊かな自然に恵まれている。「白山手取川ジオパーク」として日本ジオパークに認定されているとともに、古くは、手取川の扇状地であることから、物流拠点として霊峰白山のふもとに建立された多くの寺社の門前町として栄えてきた。現在は、積極的な企業誘致等により、商工業のまちとしても発展してきた。

白山市の「地産地消推進計画・食育」の取り組みは、平成21年4月に県内で初めて『地産地消課』が新設され、「食育・地産地消」を担当することから始まる。

先ず、●「地産地消」をどのように進めるのか? ●市民(消費者や生産者)は何を望んでいるのか? ●いつ、どこで、何が採れ、いつ、どこで、、何を販売しているのか? ●地元農林水産の消費拡大と流通促進をどうするのか? の課題の整理をした。

平成22年7月に、計画期間を平成22年度~26年度の5年間とする『白山市地産地消推進計画』を策定し、3つの柱と8つの主要施策を決定した。現在は、平成27年度~31年度の第2次計画期間中である。ちなみに3つの柱と8つの主要施策は、 ‟はぐくむ”:①安全・安心な地元農林水産物の生産体制の充実 ②地元農林水産物を活かした加工品の充実 ‟つなぐ”:③地元農林水産物の販路の確保・開拓 ④交流・体験活動の促進 ‟いただく”:⑤市民意識の啓発 ⑥学校給食等における地元農林水産物の使用促進 ⑦飲食店等における地元農林水産物の利用促進 ⑧食育活動の推進 だ。

取り組み方針は3点ある。

1.情報発信の強化(HP・広報・報道機関への情報提供):「白山を食べる 地産地消ガイドブック」の作成、他

2.推進体制の整備(関係者の情報共有の連携推進):「地産地消推進会議」の設置や「地産地消推進計画」の策定、他

3.市民意識の高揚(啓発事業の実施・市民参加の促進): ➊食育活動の推進 ㋐幼児料理教室「キッズ☆キッチン」の開催 ㋑「早寝・早起き・朝ごはん」運動の展開  ❷食農教育の推進 ㋐生産者との交流給食会の開催 ㋑「親子生産物収穫体験ツアー」の実施  ❸学校給食への地元食材導入推進 ㋐「地元産コシヒカリ1等米」の導入 ㋑地元産農林水産物の積極的な導入  ❹地元農林水産物の消費拡大の推進 ㋐「地産地消」簡単料理レシピ公募・審査会の実施 ㋑「1日おにぎりカフェ」の開催 ㋒郷土料理・伝統料理の伝承 ㋓「地産地消」食の商談会の開催 ㋔『Marché de Hakusan(マルシェ・ドゥ・ハクサン)』の開催  ❺地元農林水産物の活用促進 ㋐「地産地消推奨店」の募集・登録 ㋑「地産地消推奨店」スタンプラリーの実施  ❻生産者等との交流促進 ㋐「地産地消推進交流会」の開催  ❼ブランド化の推進 ㋐「ブランド認証協議会」を設立(認定品目数:8品) ㋑「ブランドマーク」の商標化  ❽市民意識の啓発 ㋐「食育フォーラム」の開催 ㋑「地産地消講演会」の開催

これからの「地産地消」は、農業は食料生産を担う大切なものである、という認識のもとに食材を通して地元の良さを再発見していかなくてはならない。そのためには、情報発信と人づくりである。だから、市民協働による「食育・地産地消」のまちづくりを、これからも続けていく。

 

わがまちの良さに気付き、「地産」の食に誇りを持った地域挙げての「地消」の、戦略的な息の長い取り組みがなくてはなりません。「地元」を信じる情熱ある人々の存在があればこその「地産地消推進計画・食育」なのだと、再認識させられた研修でした。

 

以上で、三豊市議会総務教育常任委員会行政視察研修、3日間4件の報告を終わります。

総務教育常任委員会行政視察研修 報告・3

総務教育常任委員会行政視察研修の3件目の報告は、8月20日(木)午後に訪問した長野県上田市における、「若者サポートステーションについて」と「幼保小中連携の取り組みについて」です。

 

上田市は、平成18年3月6日に上田市、丸子町、真田町、武石村の4市町村による新設合併で誕生した。人口16万人、面積552.04㎢で、県内では3番目の規模を持つ、県東部の中核都市だ。戦国時代に活躍した真田氏の発祥の地であることで有名だ。また、多くの文化遺産が残されており、「信州の鎌倉」の異称で呼ばれている。現在は、製品出荷額で安曇野市に次いで県内2位である。

「若者サポートステーションについて」は、事業の受託団体である認定NPO法人侍学園が運営する『若者サポートステーション・シナノ』から説明があった。

15~39歳を若者というが、その内不登校13万人、パラサイトシングル1,200万人いるといわれている。また、近年若者の非社会的傾向が強くなっており、教育、職業、職業訓練のいずれにも参加していない15~34歳のニートは84万人いるとされ、引きこもりは70万人、予備軍は155万人いるとの内閣府の発表もある。

例えば、引きこもり100万人いるとし、本来就労しているはずの30代が3割で30万人とする。30万人に1か月5万円の投資をすると150億円となり、1年間に換算すると1,800億円もの社会投資が必要となる。この若者たちを立ち直らせて就労に導くのが『地域若者サポートステーション・シナノ』の役割だ。

サポートステーション(サポステ)は、厚生労働省が認定したNPO法人や株式会社等が運営しており、全国に160か所設置されている。長野県には、3か所ある。

現在、サポステ・シナノが取り組んでいる中間就労事業に、【サムライバリュー】がある。仕事場は、若者の自尊心を傷つけないために、カフェのような就労体験環境にしている中古書籍とコーヒーの店『ことば屋』だ。これが、、アマゾンの中古書籍物流事業者である「バリューブックス」と侍学園が連携した中間就労事業となっている。中古書籍の検品・クリーニングを行いPC入力してアマゾンへ出品するとともに、商品を『ことば屋』の店頭に陳列し、アマゾンから入った注文を受注し本を探し出し梱包・発送する。

安心できる環境であるならば働けるし仕事はできる。そんな若者に働く機会をつくっている。このような地道な活動によって、サポステ・シナノは年間100人の若者の就労に結び付けている。

働けない若者を、社会に適応させようとするべきなのでしょうか?それとも、彼らが働きたいと思う社会に変わらなければならないのでしょうか?断崖と絶壁に立つ思いがしています。

 

「幼保小中連携の取り組みについて」は、上田市では、子どもたちの育つ環境の激変や育てる親自身の未熟さによる育児不安、また、年間に出生する子どもたちのうち1割が発達障害の疑いがあるとの現状の中、教育委員会と健康こども未来部(保育課、子育て・子育ち支援課)が連携を図り、幼児期から義務教育期までの子どもの視点に立った一貫した育成に取り組んでいる。幼保小中の連携を推進し、家庭や地域、学校が共通した認識で子どもたちの成長を支えていくことが重要であることから、幼保から小、小から中へのスムーズな移行を図るため「ブロック会議」を設置し、情報交換や交流をおこなっている。

上田市の掲げる保育目標「心豊かな子ども」と、教育委員会目標「次代を担う人づくり」を実現するために、幼保小中の連携によるギャップを少なくした接続をいかに行うかが主要課題であり、幼児教育と小学校教育といった、立場によって子どもの見え方が違うことを前提として、取り組むこととしている。

特に、幼保小連携事業は、「接続期が子どもにとって安心した学びの場であるためのものであり、決して就学のための教育準備期間であってはならない。」として、子どもたちにとって毎日の全てが一所懸命の本番であり、練習では決してないということを基本にしている。

園の生活における子どもの特性を知る保育士は、子どもの情報や支援方法を学校へ伝えることで、子どもが安心して小学校生活をスタートすることができるようにし、学校職員は子どもの持っている力を発揮させる教育活動を計画実践する。また、各施設を訪問しあい職員間の交流を行う中で、幼保小の生活リズムや運営目標の違いをよく知り違いを知ったうえで、それぞれの生活や教育環境を見直す。これらの取り組みから、一例として、不登校になりそうな子が、保育士と接することで立ち直ったという成果があった。

校長・園長合同会議は、それぞれの立場から見た「幼保小中連携の必要性について」理解を深める役割を担っている。また、中学校区ごとの幼保小中で構成する「ブロック会議」は、子どもの記録を引き継いでいくことができ、子どもの連続した成長につないでいくことができる。

上田市の健康・福祉と教育関係部局の連携によって、「上田市未来っ子かがやきプラン」が結実している。

幼保小中の一貫した子育てと教育で最も求められるものは、子どもの成長を幼保小中の先生たちや地域の大人が、途切れることなく見つめていける環境づくりなのだと、再確認することとなりました。

 

以上で、上田市における研修報告を終わります。

総務教育常任委員会行政視察研修 報告・2

総務教育常任委員会行政視察研修の2件目の報告は、8月20日(木)午前中に訪問した長野県千曲市における「信州千曲ブランドについて」です。

 

千曲市は、平成15年9月1日に更埴市、戸倉町、上山田町の3市町合併により誕生した。長野県の北部、北信地方の千曲川中流域に位置しており、人口約6万人、面積119.79㎢で、明治期より善光寺詣での精進落としの場として、戸倉上山田温泉があるなど、名湯の地といわれてきた。また、江戸期には宇和島藩との交流で杏が栽培されてきた。千曲ブランドにも杏を素材とした商品が生まれている。

千曲ブランドの立ち上げの発端は、市の名前が「千曲市(ちくまし)」と読まれず知名度が低いことから、「千曲ブランド」をつくることで広く認知してもらうために始められた。平成20年に産学官連携・千曲ブランド推進担当課が設置され、21年に産業振興課に統合され、係りとなり「千曲ブランド」推進の体制となった。

ブランド認定を検討するにあたり次のような点が課題として分かった。千曲市の産品には ①市内には、水が豊富であるため食品会社が多い ②農産物については、JAがすでにブランド名を持っている ③工業製品は、多種多様でブランド化してもメリットがない ④地元の食品会社ではあるが、何を作っているのかわからない といったこともあり、先ず、分かりやすい加工食品に絞ってブランドを立ち上げることとした。市内業者に呼びかけ、応募があった業者を対象に認定の条件もゆるくし、とりあえず作業を進めた。

このような動きの中、農業・商業・工業・観光団体並びに公共団体等による「信州千曲ブランド推進協議会」が、平成21年7月に設立された。「信州千曲ブランド」の認定制度は、先ず、加工食品に絞り地元の皆さんに知ってもらうことから消費拡大を目指すこととした。認定対象要件は、●市内で製造される加工食品または市内で生産された原料を使用する加工食品 ●千曲市内に本店又は主な事業所を有するものが、自社商品として市販しているもの ●使用する原材料は市内又は国内で生産されたものをしようすること などだ。認定の審査は、ブランド認定審査会(5名)においておこない、認定期間は2年で、統一の認定マークを表示している。

第1回の認定は、平成22年2月に22業者80品目。平成23年2月に13業者28品目が加わり、合計29業者108品目となった。認定期間満了の平成24年2月に32業者120品目を認定した。その後の平成26年2月は、33業者126品目を認定している。現在平成28年2月の認定作業に向け準備中である。

ブランドの立ち上げは行政主導で行われてきたが、平成22年に「信州千曲ブランド認定業者の会」が設立され、ブランド展開にあたって民間の力が大きな推進力となってきている。これまでの5年間、市内域を超えた3回の千曲川地域ブランドフェアの開催や首都圏他各地でのイベント等への参加で、活発なPR活動の実績を重ねてきた。

これまでの取り組みに関する反省及び課題は、●「信州千曲ブランド」の認知度は市内ではある程度浸透したようだが、まだまだ商品購入につながっていない ●売り上げに業者間の差が出ている ●認定業者の会を中心に共同出店をすることで、一体感と盛り上がりが感じられる ●市内向けと市外向け、お土産と家庭用等が違うため、商品のグループ化の検討 ●セット商品の開発 ●消費者を飽きさせない新商品の開発やデザインの見直し ●多品種であるため消費者から分かりにくいとの意見があり、認定商品の区別化による販促活動の強化 などが挙げられている。

 

行政がいくら旗を振ったところで、商品を産み出すのは民間事業者です。「千曲市」と「信州千曲ブランド」の認知度向上のため、これこそがこのまちの顔だといえる、儲かる産業への支援集中も必要なことであるのであろうことと、足元をしっかり見据えることの重要さを、わがまち三豊市の現状を重ね合わせ痛感した研修でした。

総務教育常任委員会行政視察研修 報告・1

平成27年度の三豊市議会総務教育常任委員会行政視察研修に、8月19日(水)~21日(金)の3日間参加し、4市(長野県安曇野市、千曲市、上田市、石川県白山市)での研修を行いました。

 

第1回の研修報告は、19日午後に訪問した長野県安曇野市における「防災対策について」と「道の駅ほりがねの里」です。

安曇野市は、平成17年10月1日に豊科町、穂高町、三郷村、堀金村、明科町の5町村による新設合併で誕生した。長野県のほぼ中央部に位置し、県内第2の市である松本市に隣接している。人口98,000人余、面積331.78㎢で、豊かな自然環境と景観の中で、製造品出荷額県内1位の「暮らす場」と「働く場」のまちとなっている。

この地域は、糸魚川ー静岡構造線(北部)に位置しているにもかかわらず、近年大規模災害の発生がなく、市民の防災意識が低調な中、東日本大震災をきっかけとして防災対策に取り組むこととなった。

「防災対策について」は、自助・共助・公助の観点からの研修と現地視察を行った。

<自助> 『防災用品購入補助金』の制度を平成25年度より実施。事業内容は、各家庭に保存食、保存水をはじめ防災用品を備えてもらうため、飲料水と食料品(3年以上保存)の2品目の購入金額の3分の1、最大4,000円を補助するものだ。なお、この2品目の他非常持ち出し袋・懐中電灯・ラジオ・おむつ・生理用品等も対象としている。平成26年度アンケートでは市民の38%が非常持ち出し袋を所持している。

<共助> Ⅰ.自主防災組織への活動支援  『防災活動支援補助金』があり、自主防災組織の組織力強化のため、2つの事業補助金制度を実施している。 ①防災資機材整備事業:防災倉庫、発電機、担架、リヤカー、救助用工具セット等、購入価格の2分の1を5年間で最高50万円を補助 ②防災訓練・防災啓発:炊き出し訓練材料費、応急救護訓練用フェイスシート購入費、支え合いマップ印刷費、防災資機材のメンテナンス費用等に、経費の2分の1を10年間に各年度ごと最大3万円を補助   Ⅱ.防災訓練  自主防災組織数は83区95組織(組織率100%)で、このうち71組織で計82回/年実施され、参加人数は8,300人余となっている。

<公助> 市が実施する防災対策として、主なものとして8つある。 ㋐防災行政無線(同報系・移動系) ㋑安曇野市防災行政無線テレホンサービス ㋒安曇野市メール配信サービス ㋓安曇野市ハザードマップ ㋔避難情報等の判断伝達マニュアル ㋕安曇野市公式ツイッター ㋖公的備蓄の実施 ㋗出前講座(防災に関すること)の実施 など。

次に、安曇野市業務継続計画(BCP)については、応急業務及び非常時優先業務を発災直後から業務継続すべく計画したもので、平成27年3月に策定し、今後は実効性のあるものとするため、訓練等の実施を検討している。

「防災対策について」の最後に、【安曇野市防災広場】の現地視察をした。合併により発生した重複施設の市民プール跡地に、災害時に本庁舎に設置される災害対策本部を補完する支援拠点として設けられた。1.5haほどの面積があり、周辺には公共施設等が集積しており、災害時における避難所として期待される。平常時は、市民の憩いの場、防災教育、消防団のポンプ操法場としてりようされている。防災機能は資料の通り。

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「道の駅ほりがねの里」は、昭和62年に旧堀金村の一地域の直売所『新鮮市』として開設され、平成3年には堀金地域全域での直売所『堀金新鮮市』として現在の場所にプレハブでの営業をスタートした。現在は、安曇野市の指定管理制度施行により『農事組合法人 旬の味ほりがね物産センター組合』が指定管理者となり運営している。ほりがね物産センターの活動の3本柱は直売所、加工品、食堂で、3部の取り組みによる相乗効果をねらっている。 ①物産部:生鮮野菜は、堀金産、安曇野平からの地域の農家の顔の見える農産物を中心に取り揃えている。冬場の農産物の品薄時期には、JA愛知みなみと個人生産者と連携し、通常営業を行っている。 ②加工部:地元の食材、旬の食材を活かすことを第一に考え、安曇野を感じてもらえるような商品開発を目指している。地元産の原材料にこだわり、直売書で販売するとともに、地域の学校給食への提供も行っており、年間では300種類の加工品を生産している。 ③食堂部:季節ごとに直売所で販売している食材を中心に使った田舎風メニューの提供にこだわっている。

現在、年商6億円の実績を上げているが、組合員142名の高齢化とともに後継者不足が問題だ。世代交代を進めるとともに、堀金地域以外の安曇野地域全般からの産直品の検討もしており、農産物の安定供給の維持に努めて行くこととしている。

 

災害の少ない地域に共通する悩みは、危機意識の希薄さです。いかに全ての市民に防災意識の向上を図るのかが、施策の重要な部分であると感じました。「道の駅ほりがねの里」では、明確な運営方針が店内にいきわたっているようで、接客も活き活きと、てきぱきとしており、新鮮市の原点を見た思いでした。以上で、長野県安曇野市における視察研修報告を終わります。次回は、同県千曲市の報告をします。