会派啓明会 視察研修報告・Ⅱ-①

三豊市議会会派啓明会の視察研修の2か所目は、5月22日(木)と23日(金)の2日間東京都千代田区の明治大学を会場にして開催された、第6回2014年度日本自治創造学会研究大会です。今回のテーマは 「変わる地域社会、変わる自治体・地方議会~自治、自立、分権~」 で、激動する世界情勢の中にあって国の形と地方自治のあり方について、盛りだくさんの講演を受講することができました。数回にわたって報告します。

先ず、「見える議会、わかる議会~参加型議会への展望~」 と題して、中邨章明治大学名誉教授の講演です。

 

地方政治の課題として、議会が一大転換期を迎えていることだ。議会基本条例等を制定し議会改革を掲げ議会自身が変わろうとしてきた。しかし、議会改革の内容や有権者の関心度等評価はまちまちで、限界が見えてきた。議員報酬と定数の課題の根本的なところからの検討が必要だ。 1.報酬はどこまで下げても住民は高いという 2.定数はどこまで削減しても有権者は多いと判断する 3.所得保証がない中、優秀な人材は確保できるか? 4.活動の広い地方行政を少人数の議員でどう監視するか? 5.地方議員は個人商店、それを議会制度として改革する などの点がある。アメリカの都市に比べると定数は多いといわれるが、アメリカの自治体の仕事は『ごみ』『道路』『税と用途地域』の3分野に限られる。これに比べ日本の自治体は何もかもで仕事量が多い。だから、報酬と定数の連動で予算上限を決め800万円位にする考えもある。また、議会人になることへの壁を下げ勇気を後押しすることだ。たとえば、●40代の参加促進 ●サラリーマン議員の可能性 ●「職業としての政治」の定着 ●所得保証 ●個人商店からの脱却 がある。

関心を呼ぶ議会とするために、これから落とせない施策がある。 ①国土強靭化計画を基にした安全安心のまちづくり ②コンパクト・シティによる高齢化社会への対応 ③第6次産業の創出で地域経済の活性化 などがある。これらの議論の場となる 「見える議会、分かる議会」とならなくてはならない。最後に、そのために求められる議員像を5つ上げる。

1.国・首長に立ち向かう議員

2.‟Look Around”=外部志向のつよい議員

3.ICTを駆使できる議員

4.勉強する議員、族を目指す議員

5.若さを保つ議員、女性・子どもに優しい議員

 

庶民的で地方議会の抱える問題の現実を見極めた内容で、議会改革には、現状に甘んじることなく変わっていこうとする、弛まぬ努力と姿勢が不可欠であることを、再認識することができた講演でした。

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