親の責任 と 社会の義務

私の今年のテーマは、明星大学教授 高橋史郎氏の言葉から、 『育児の社会化』 と決めました。
その上で私は今、 “子育て” とは何なのだろうかと考えているところですが、その中でこれは間違いのないことだ、と思っていることがあります。
“子育て” は、親だけでは決してできないし、現在のような社会性の乏しい少人数化された家族だけでも、それは無理があるということです。
一方、そう言いながらも、親や家族でなければできないことがある、ということです。
“子育て” とは “人づくり” だと言われ、社会に出てもコミュニケーションがとれる人間に育てることだ、とも言われています。
それが、社会にとっても本人個人にとっても、安心できる社会と豊かな人生を享受できる事になると思われているからです。
ところが、 “子育て” の中での子どもの成長は、一様ではなくそれぞれに速さや姿・形が異なります。
これを見極め成長の指導するのが教育であり、支援するのが地域社会の関わりなのだろうと思います。
今、親と教育機関、そして社会のあり方が問題にされていますが、私は、親でなければできないことと、学校の役目や地域社会に任せた方が良いこととを、もう一度整理して指し示すことができないかと考えています。
子育て支援とは “人づくり” という重要な事なのですから、国や社会が育児に対して、どのように、どこまで関与するのかという地域社会の共通認識と合意が、先ず必要なのではないかと思います。
   
「親の責任とは何か。 
社会の義務とは何か。」
子育て支援の手だてを考えるとき、その足がかりは 『育児の社会化』 とは何なのかを考えるところから始めれば良いのではないかと思っています。