心の師(士)

いつの頃からのお付き合いなのか、ほとんど覚えがないのですが、古くからの知人に 市原吉博さん という人がいます。
人当たりが柔らかく、しかも時にひょうきんで、かといって軟弱ではなく、むしろやさしさの中にしなやかな強さを感じる不思議な感性を醸す人です。
私にそのような印象を与えるのは、表現が失礼かもしれませんが、絶滅危惧種ともいえる数少ない、 “菓子木型職人” ならではの存在感なのだと思います。
既に他界した私の父が、香川県の伝統工芸士であった縁で、息子の私も幾つかの県の催事にくっついて参加していた頃に知り合ったのでしょう。
今では、決して忘れることのできない 心の師(士) (私が勝手に思っている) の一人となっています。
平成23年8月25日付の日本経済新聞の四国経済ページに、 『かける四国人 菓子木型、孤高の技』 として紹介されていました。
私が回り道をしている間に、背中の見えないほど先に、思いっきり飛んでいったようで嬉しく思います。
進む道は違えども、日々の精進の掛け替えのないことを、改めて教えてくれていまます。
いずれ、時が来る日のために、今、自分のできることを精一杯やり続けることより他に道はないのだと、新聞記事を見て、久しぶりに市原さんにかけた携帯電話の向こうの確かな声に、心奮い立った今日でした。
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