会派視察研修・1

例年のことですが、市議会閉会中に予定されている市や地域行事の隙間を縫うように、三豊市議会の議員は、様々な課題と目的で視察研修を行っています。
私の所属する三豊市民クラブでも、11月19日(月)~21日(水)の三日間、東京都内の3ヶ所で会派視察研修を行いました。
1ヶ所目は、「老朽危険家屋対策事業」で、東京都足立区役所に訪問しました。
対応していただいたのは、建設部建築室建築安全課の吉原課長で、23年度から専任組織を創設して取り組んできた、ドキュメントの話をしていただきました。
以前から、
・地震による倒壊・崩落
・台風、突風時の外壁等の崩落
・劣化による屋根及びモルタルの落下
・不法侵入等による治安の悪化
・景観の悪化
に対して、都市部の老朽危険家屋は問題とされていました。
足立区として、すでに平成23年度から専任者をおき対策に取り掛かるその矢先に、東日本最震災が発生し、結果的にこの事業の推進の追い風となった。
先ず、取り掛かったのは、老朽危険家屋への対応方針の策定のため、実態把握調査を実施した。
企業提案型緊急雇用創出委託事業を活用し、外観目視による調査を行い、それを基に危険度の基準を策定、老朽危険家屋台帳を整備した。
足立区内13万5千棟の内老朽家屋の実態は、
*管理が不全(緊急性なし)・・・1,712棟
*管理が不全(緊急性あり)・・・  358棟
*倒壊等の危険あり・・・        63棟
であり、小規模な木造住宅が多くを占めていた。
そこで、緊急安全措置条項を入れた 「足立区老朽家屋等の適正管理に関する条例」 を制定した。
これを根拠に、解体費の2分の1で上限50万円とする助成金制度を設けた。
条例名を “老朽家屋” とし、 “空家” としなかったのは、空家だけでなく人の住んでいる家屋でも危険なものがあったからだ。
倒壊などの危険あり物件を対象に、所有者が見つかるまで徹底的に探し出して解体の交渉を行った結果、32件の事業成果となった。
この成果を反映し、来年度は助成金額を倍の100万円に引き上げ、さらに推進していくこととしている。
老朽危険家屋化してしまう原因は、都市部でも地方でも同じです。
しかし、解体後の土地利用価値はかなり異なります。
それぞれの地域実態に合わせた対応は勿論のこと、それを見極め実行する専任者(人)の重要さを印象付けられました。
その地域に合った事業展開として 「地震対策で推進」 「国(国交省)の助成金制度の幅広い利用」 「安全なまちとして人を寄せる」 などのヒントをいただきました。
与えられた職務を全うしようとする、執念にも似たやる気を感じた研修でした。