定住自立圏構想

平成20年5月15日に、総務大臣主催の私的諮問機関である定住自立圏構想研究会から出された 「定住自立圏構想」 は、同年6月27日に閣議決定がされ、その半年後の12月26日に総務事務次官通達として地方に発せられました。
「定住自立圏構想」 は、少子・高齢化、人口減少と、厳しい経済環境にあって、すべての地方自治体が全国一律に同じものを整備する時代ではないことを前提に、全体として魅力あふれる地域を形成していくことを、制度化しようとするものです。
そのために、自治体の枠を超えた地域全体としての生活機能を確立し、安心で快適な生活環境を確立することを目的としています。
キーワードは “地域全体” です。
“地域全体” ということにおいて、広域行政をつくる三豊市と観音寺市の関係では、この 「定住自立圏構想」 の概要から見ると、観音寺市が “中心市” の要件にあたるようです。
今、観音寺市では10月14日(水)に臨時議会を開き、「中心市宣言」を決議したいと動いているようです。
そのことによって、“地域全体” として観音寺市は“中心市”となり、三豊市は“周辺市町村”の位置づけとなるのですが、この関係が機能的に動くのは、互いの協議によって 『定住自立圏形成協定』 を結ぶことが欠かせません。
互いの理解無く 「定住自立圏構想」 を進めようとしても、 “地域全体” としての本来の目的の実現には程遠いと思われます。
国が執る政策は、往々にして個々の地方に事情に関係なく、標準的で一律なものが通常です。
定住自立圏等民間投資促進交付金によって、定住自立圏(地域全体)で 《「あと一歩」で実現が期待される民間の取り組みを支援し、暮らしに必要な都市機能等を確保するために助成をおこなう。》 ことが主施策となっています。
ところが、地域主権を掲げる民主党政権に替わった今、国主導の地方政治に対するかかわり方は、方向転換必至だといえ、現に、先日の新聞報道でもこの事業に対する予算削減の記事が掲載されていました。
国の財政再建の思惑は別にして、地方分権・地域主権のために、平成の大合併は推進されてきたはずです。
自主自立のために、合併自治体は財政健全化とより良いまちづくりのために、努力を続けています。
政権交替で、大きなうねりに翻弄されようとしている地方を、国は標準的で一律な施策をしばらく凍結していただき、もうしばらくそっとしておいて欲しいと願わずにはおれません。